学校現場発!大阪の教育への提言【4月の地方議員選挙を前に】
NPO法人School Voice Projectは、「教職員向けアンケート」に寄せられた学校現場の声と、「議員×教職員の対話会」で交わされた意見をもとに、以下の提言を作成しました。学校現場から大阪府議会議員選挙および大阪府下の市町村議員選挙の立候補者の方の皆さん、そして大阪府民の皆さんに向けて発信します!
よりよい大阪の教育を共につくっていくため、教職員の声や学校の実情を、知っていただければ嬉しいです。そして、この提言を”対話の材料”としながら、今後も政治や行政の皆さんとの対話を重ねていけることを願っています。
▼アンケート結果の詳細と、対話会の様子はこちら▼
まずは提言のみPICK UP(詳細は後述)
部活動
①部活動の大阪モデルについて
大阪モデルの具体的な制度設計や運用を考えるうえで、現場の不安や懸念を聞いてください。
②部活動の地域移行/外部委託について
児童生徒が安心して、安全に活動できるために、外部指導員の採用時の性犯罪歴等のチェックや誓約書の提出、研修や定期的な面接等の充実、待遇向上を進めてください。
特別支援教育
①特別支援学級及び通級による指導の運用について
大阪で行われてきた「原学級保障」を今後も維持すると共に、通常学級がインクルーシブになるための措置として十分な人員配置や少人数学級化を進めてください。
②特別支援学校について
特別支援学校については、環境改善のため、教員数と教室数、予算の確保をしてください。
統廃合
大阪府立高校の再編整備計画における、3年連続して定員に満たない学校は再編整備の対象とするという基準を見直し、生徒の家庭環境、学校の特色や地域性、交通の便や地理的要件など多面的な条件を考慮した新たな基準をつくってください。
校則
「子どもの権利」を中心に置いた校則の見直しができるよう、子どもの権利条約やこども基本法の理念を学校現場にも市民にも、積極的に発信してください。
(学校現場での自治的な取り組みを通して、校則見直しを進めていけるように応援してください)
児童生徒の評価
①チャレンジテストについて
評定範囲の調整に活用されるチャレンジテストは、廃止の方向で見直しをしてください。
②観点別評価について
観点別評価における大阪府独自のルールについて「進路」「学力」「授業のあり方」「学校生活の送り方」「教員の負担度」の5つの面への影響を検証して公表し、このまま続けるかどうかの判断をしてください。
大阪の教育(全体を通して)
教職員が児童生徒にしっかり向き合うために、また心身ともに健康に働き続けられる環境づくりのために、大阪府独自の予算で正規の教員を雇用し、学校現場の人員を増やしてください。
2023年3月26日公開
作成主体:NPO法人School Voice Project
賛同者:大阪大学教授・佐藤功 / 大阪公立大学教授・辻野けんま /
近畿大学教授・冨岡勝 / 近畿大学特任教授・吉岡宏 /
はじめに
NPO法人School Voice Project では、2023年の1月〜2月にかけて、大阪府下の現職教職員と元教職員を対象に、「議員さんに伝えたい!大阪の学校教育の実情」と題したアンケート調査を実施。1月29日と2月19日には、大阪府下の府議会議員の方、各市町村議会議員の方、また4月の統一地方選挙に出馬される候補者の方に呼びかけをして、直接対面での対話会を企画・開催しました。これは、大阪維新の会が主導して制定した「教育基本条例」ができて10年という節目も意識した取り組みでした。この間、大阪ではどんなことを目指して教育改革が進められ、その成果はどうだったのか。条例ができて、学校現場はどのように変わったのか、変わらなかったのか。これまで行われた施策を振り返り、学校現場の現状を把握し、今後の大阪の教育を考える必要があると考えています。
私たちは、アンケートに寄せられた学校現場の声と、対話会で交わされた意見をもとにして、今回、この選挙前のタイミングで、直接的には大阪府議会議員選挙および大阪府下の市町村議員選挙に出馬される方々に、また間接的には広く大阪府民の皆さんに向けた提言を現職教職員メンバーで議論しながら作成しました。今回は、大阪の教育現場で関心が高いと思われる「部活動」「特別支援教育」「校則」「学校統廃合」「児童生徒評価」という5つのトピックと「大阪の教育(全体を通して)」についての提言です。ぜひ学校現場発の提言に目を通し、耳を傾けていただければ幸いです。
この提言は、地方議員選挙に合わせ、議員候補者の皆さんに向けて現場の声を届けると同時に、大阪府民の皆さんにも現状を知っていただきたいとの思いで、公開します。学校現場と政策現場(議会と行政)と市民が一緒になって対話・議論を重ね、本音で語り合うことで、引き続き、子どもも大人も幸せな、よりよい大阪の学校教育を共に目指していきたいと思います。
※School Voice Projectは大阪だけの活動ではなく、全国ネットワークです。今回の提言は大阪の学校教育に関するものですが、これは大阪エリアのメンバーの自主的・主体的な動きによって作成されたものです。このような動きが、他地域でもできるように、今後も活動を広げていきたいと考えています。
部活動
学校の現状と施策状況
①部活動による教員の超過勤務が問題になっており、今回弊団体で実施した大阪の教職員向けアンケートでも現場からも部活動に関わる教員の働き方改革が必要だとの声が多数あがっています。国では中学校の部活動を地域の指導員やスポーツクラブなどに段階的に移行する方針を示しています。
②また大阪府教育委員会は、2022年11月、大阪府立高校の部活動について、近隣の複数の高校でペアをつくり合同運営する案「部活動大阪モデル」を発表し、来年度からすべての府立高校で導入を検討していくとしました。少子化の影響による生徒数減少、教員の負担軽減を背景にしているとのことです。
(参考:https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/25821/00000000/03_R4_2_bukatsudou.pdf)
SVPに届いている現場の声
- 現在、中学校の多くでは、全員顧問制(お願いという名の強制)である。顧問を希望する・しないを選べるようにしてほしい。【中学校・現職教員】
- 土日放課後と時間外勤務になり、子育て世帯の父親への配慮もないため、とても負担です。【高等学校・現職教員】
- しんどい、待遇がひどい、交通費もでない【中学校・現職教員】
- 部活動は子どもにとっては学校生活の大切な一部分である。【小学校・現職教員】
- 現職の教員の思いはさまざまだと思います。また各学校の実態もさまざまだと思います。是非、現場の意見を実際の目で見て耳で聞いて心で感じてご判断していただきたい。【小学校・現職教員】
①外部委託について
- (安全面等)外部委託した場合の生徒たちの身体的心理的安全も確保することが重要と考える(パワハラ指導、性的な問題にならないなど)。【小学校・現職教員】
- 部活がやりたい教員は引き続きやれるということを担保した上で、基本的に学校の仕事ではないという整理はよいと思います。ただ、家庭の費用負担が発生することで経験格差が生まれかねないことや、地域によっては担い手が見つからないこと、責任の所在が不明瞭になり生徒に不利益が生まれたり、結局学校負担が減らないことなどは起こりかねないので、その辺りの丁寧な制度設計が重要ではないかと思います。【小学校・元教員】
②大阪モデルについて
- 「部活動大阪モデル」は、生徒に事故が起こったときに誰が責任をとるのか等考えると、結局付き添い教員・指導をする教員の数を減らすことができず、教員の負担軽減につながるとは思えません。【高等学校・現職教員】
- ペアを組むことで労働時間は減りますが、心理的負担は増えると思います。【高等学校・現職教員】
- 現場は混乱し、生徒にも皺寄せが起きる。またペアリングできない学校もあり不公平。【高等学校・現職教員】
提言
提言①:部活動の地域移行/外部委託について
児童生徒の安心・安全の担保のために、外部指導員の採用時の性犯罪歴等のチェックや誓約書の提出、研修や定期的な面接等の充実、待遇向上を進めてください。
児童生徒に直接関わることになる外部指導員の質の担保は必須です。体罰やセクハラ、勝利至上主義による苛烈な指導など、部活動の中で起こりやすい被害やマルトリートメント(不適切な指導・扱い)を避けるために、外部指導員登録の際の面接だけでなく、定期的な面接や研修(内容例:体罰をしないことの徹底、怒鳴らない指導の仕方、アンガーマネジメント、カウンセリングマインド、民主的な部活動運営など)を充実させてください。
これは今後、希望する教員が兼業で部活動を指導する際にも必要なことです。教員であれ、外部指導員であれ、部活指導者への学習機会を保障し、不適切指導を防ぐための体制を確立してください。また、これらのことを部活指導者に求めるうえでは、その労働や研修等の負荷に見合った給与もしくは手当を出したり、待遇を向上させたりする必要もあります。そうでなければ、必要人数を確保することは困難だと思われます。このことも合わせて進めてください。
提言②:部活動の大阪モデルについて
大阪モデルの具体的な制度設計や運用を考えるうえで、現場の不安や懸念を聞いてください。
部活動に関する働き方改革の必要性は、多くの教職員が感じているものの、大阪モデルについては、現場で実際にその運用を担うことになる教員から、具体的な懸念や不安がたくさん集まりました。そこには、実際の運用が成功するためのヒントがたくさん詰まっています。丁寧に汲み上げ、具体的な制度設計に生かしてください。
◎具体的には・・・
- 部活動を担当したい/できる教員がどれくらいいるのか調査し、明らかにしてください。
- すでに近隣校と連携している部活についてはそれを活かせないかどうか、マッチングを再検討してください。
- 2校の部活を担当する顧問の負担増加が予想されるので、負担軽減策を検討するとともに、今まで以上の手当てをつけるなどの配慮をしてください。
- 2校の部活動を担当する場合業務量が増えるので、業務を効率化して超過勤務が増えないようにしてください。(ex,提出書類が2枚になるところを、1枚にまとめることを認めるなど)移動中の事故等の責任の所在を明確にし、生徒に不利益にならず、教員の負担増大にもならない方法を検討してください。
特別支援教育
学校の現状と施策状況
①通常学校においては、2022年4月に文科省から「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」という通知が出され、特別支援学級に在籍している児童生徒については、原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において授業を行うことが求められることになりました。大阪では長年、特別支援学級在籍であっても多くの時間を通常学級で共に学ぶ「原学級保障」の取り組みが行われてきたことから、特に大きな影響が出ています。
②大阪では、特別支援学校において、2021年10月の時点で528室(文科省「2021年度 公立特別支援学校における教室不足調査」)という、全国ワースト1位の教室不足が発生しています。1学級の定員以上に児童生徒を学級に詰め込む「圧縮学級」も行われており、特別支援学校設置基準で定められている、小学校・中学校の1学級の児童生徒数は6人以下、高等部では8人以下という数字を大きく上回って、1クラス10人以上の学級で運営されている学校もあります。教員不足も深刻で、児童一人当たりの予算も年々減少しています。予算についても、増え続ける児童生徒に対し、十分に確保されておらず、児童生徒1人あたりの教材費の平均予算は、2008年度時点で6000円を超えていたものが、2016年度は4000円を下回ってしまっています。
(参考:http://fc06331220171211.web2.blks.jp/pdffiles/kokusyo.pdf)
SVPに届いている現場の声
- 支援学校では、子どもは増えているが、逆に予算はどんどん減っている。教員配置が厳しくなっている仕組みの存在がある。小中学校では、ふつう子供が増えれば教員も増えるが、支援学校はそうではない。寝屋川市では、 枚方市に支援学校ができたことで、子どもの数が一時的に減ったが、数年で以前を超える子どもの数となった。しかし教員は増えない。どの支援学校も教員、教室、予算不足の三つ巴が実態だ。ようやく支援学校の劣悪な状況が、明るみに出てきた状況。ひどいところでは、職員室に机がなかったり、玄関で授業していたりしている。【特別支援学校・現職教員】
- 通常学級在籍であっても、十分な支援や配慮が得られるなら、支援学級籍でなくてもかまわないと考える保護者は多いと思うが、突然通知のように時間数で区切ってしまうなら、支援学級から追い出されて通常学級で、人的配置などの支援のない中に突然入れられる、という不安が大きいと思う。通常学級籍へというのなら、今までしてきたサポートが維持できるよう、人的配置や環境整備を整えるべきだと思う。【中学校・現職教員】
- 大阪はともに学び、ともに育つ教育をすすめてきたと思う。課題がないわけではなかったと思うが、今回の通知によってこれまでのとりくみが潰れることのないように、インクルーシブ教育を発展させていくようにしてほしい。【中学校・現職教員】
- 他県から大阪にきたときに、子どもたちの距離感の近さに驚くとともに、互いのあるがままを認め合っているさまに感動しました。教員の質を上げていけば、大阪スタイルこそが世界に通ずる形です。【中学校・元教員】
- 日本のクラス規模は先進国に比べると圧倒的に大きく、40人規模のクラスでは、子どもたち1人1人に合わせて対応することは難しい。また学習指導要領の内容事項も非常に多いため、一斉授業形式で授業するしか仕方ない状況にあると思います。そのような状況の中で、支援学級の子どもが通常学級の学習に参加すれば、そ
- 子どもたちのつながりを大切にしてほしい。通常の学級にいる子どもたちにとっても、学校は共に学ぶ、共に生きることを実感できる場であると考える。隣に座っているクラスメイトを、その人をその人としてお互いに認めることができる環境が学校であると思う。通常の学級の定数を減らして、少人数環境の中で、教師もゆったり構えられると子どもも大人も過ごしやすくなるのではないか。少人数学級もしくは、複数担任制ができるといい。【小学校・現職教員】
弊団体の行ったアンケートでは、「他の多くの都道府県と同様に、通常学級在籍で担任のできる範囲の支援を行うか、特別支援学級に在籍して基本的に支援学級で学ぶか、選ぶようにすべき」という回答を選んだ教職員は13.4%で、7割以上の教職員が、今までの大阪の原学級保障の取り組みを今後も維持していくべきだと考えています
提言
提言①:特別支援学級及び通級による指導の運用について
大阪で行われてきた「原学級保障」を今後も維持すると共に、通常学級がインクルーシブになるための措置として十分な人員配置や少人数学級化を進めてください。
障害のある子どももない子どもも、共に学び共に過ごすことを実現する大阪のインクルーシブ教育は先進的で価値のあるものです。今後も「原学級保障」の取り組みを維持してください。
現在大阪のみならず全国的に、支援学校や支援学級に在籍する児童生徒数や通級を利用する児童生徒数が増加しています。結果として学ぶ場が分離されていくこの問題を解決するには学習が昔に比べて複雑化・高度化していることや、よりきめ細やかな指導が求められていることなどがその背景にあるとされていますが、そういった問題を解決するためには、通常学校・通常学級が多くの子どもたちにとって、よりインクルーシブで学びやすい環境になっていく必要があります。そのために、専門性の高い教職員や支援員を配置し、府独自での少人数学級を実現してください。
提言②:特別支援学校について
特別支援学校については、環境改善のため、教員数と教室数確保、予算の確保をしてください。
現在、府下の特別支援学校では、教室不足を補うために、図書室や図工室、教材室などを普通教室に転用しているところもありますが、それでも追いつかない状態です。学級定員についても、小学部で11人学級、中学部では13人学級、高等部では12人学級で運営されている学校があることが明らかにされています(大阪の障害児教育をよくする会『障害のある子どもたちに当たり前の学習環境を:府立支援学校の実態』)。
特別支援学校で現在起こっている「過大・過密」「教員不足」「予算不足」の問題を放置することは、児童生徒の安心安全や学習権・発達権の保障の観点から、大きな問題です。また、勤務する教職員の負担も非常に大きく、持続可能な就労状況ではありません。これらの問題の解決のために、教員確保・教室数確保・予算確保を進めてください。
統廃合
学校の現状と施策状況
少子化を背景に、大阪府下において学校統廃合が進んでいます。府立高校については、2012年に制定された「大阪府立学校条例」で「入学を志願する者の数が三年連続して定員に満たない高等学校で、その後も改善する見込みがないと認められるものは、再編整備の対象とする」とされ、「再編整備計画」に基づき、2023年度発表された3校を含めて、この10年間で府立高校と大阪市立高校、合わせて17校の「廃校」が決定しています。
SVPに届いている現場の声
- 府立高校が一校もない市がある。子どもが家を出る時間が30分早くなると、どれほどの影響がその家庭に及ぶのか、政治家は考えたことがあるだろうか。共働き、一人親世帯の朝から晩までの生活の何を知っているのか?統廃合を進めるのなら、学校の始業時間を遅らせ、終業時間も早めるべき。【高等学校・現職教員】
- 私立高校は、すべての生徒が選べるわけではない。授業料は無償化でも高額な入学金や諸費用、修学旅行費が払えない生徒は私学へ行けないし、障がいのある生徒も、公立高校はすべて受け入れるが私立高校は「○○が自分で(自費で)できない場合は入学ができない」ということがある。格差がどんどんと広がっていき、手がつけられない状況になりつつある。こんな不公平をほおっておいてはだめだと思う。【中学校・現職教員】
- 本校では100人近くの生徒が入試で落ちています。その100人は私立に流れます。 一方、その100人が別の府立高校を受験していれば統廃合にならなかった学校もあるでしょう。政治決定で府立高校が競争をさせられ、定員割れをした学校は「頑張っていない学校」という烙印を押される。もやもやが止まりません。【高等学校・現職教員】
- 学区撤廃とセットで、定員割れの高校の統廃合を進めたことで高校の二極化がより進んだように思います。市場原理的に不人気な学校から潰していこうという考えでは、どうしてもしんどい子どもの受け皿となっていた学校から統廃合の対象となってしまいます。一方、文理学科などの人気校は倍率が上がり年々競争が激化しています。そうなると、学校だけの授業では勝ち抜けないため、経済力のある生徒はお金をかけて塾にいきます。そう考えると、結局は経済力のある生徒は人気校にいけるけれども、社会経済的に厳しい子どもは行き場がないということになります。【中学校・現職教員】
- 現在統廃合対象普通科の高校に勤務しています。(中略)本校最後の入学生は、半数が中学校まで不登校を経験した子どもでした。高校から心機一転学校には行きたいが、積み重ねがないので学力的に進級が難しい、登校のリズムも整わない、人間関係には課題を抱えがちと、問題はかなり多い(エンパワメントスクールも見学しましたが、学力は本校の生徒の方が厳しいものがある)。工業高校にも 支援学校にも希望が合致しない、普通科で学びたいこういった子どもたちは、これからどこに行くんだろうと、とても心配です。【高等学校・現職教員】
提言
大阪府立高校の再編整備計画における、3年連続して定員に満たない学校は再編整備の対象とするという基準を見直し、生徒の家庭環境、学校の特色や地域性、交通の便や地理的要件など多面的な条件を考慮した新たな基準をつくってください。
少子化が進む現在、子どもの数に見合った学校数にしていく必要があることは理解しますが、「3年連続定員割れで統廃合の対象とする」という一つの基準のみで統廃合を進めた結果、大学進学を特色とする学校は残り、地域や教育の課題と向き合ってきた学校から廃校になっていくような状況が生まれています。
定員割れをおこしている学校には、不登校やヤングケアラーと呼ばれるような家庭の事情で学べる環境にないなど様々な課題を抱えた子どもたちが多く通っている実態があるという声が、弊団体が実施したアンケートでは多く集まっています。日本の高校進学・卒業率の高さや、支援が必要な子が全日制高校を卒業することの意義を考えると、貧困の連鎖を断ち切る役割を担っている、このような学校がどんどん廃校になることは、支援を要する子どもたちから学びの場を奪うことにつながり、公教育として問題です。
現在の3年連続して定員に満たない学校を廃校にする条例を見直し、「生徒の家庭環境や置かれている状況」、「学校の特色や地域性」、「交通の便や地理的要件」など多面的な条件を考慮した新たな基準をつくるべきではないでしょうか。単に学校数を減らすことを目的とするのではなく、子どもの学びを保障するという観点から、府立高校の再編整備計画を見直してください。
校則
学校の現状と施策状況
2017年に、大阪の府立高校での頭髪指導に関して、「頭髪が生まれつき茶色いのに、学校から黒く染めるよう強要され精神的苦痛を受けた」との訴訟が起こりました。それを発端に、問題のある校則をなくそうという動きが全国的に広まり、校則の見直しの動きが進んでいます。今年度(2022年)には、“生徒指導のガイドブック“として位置付けられる「生徒指導提要」が12年ぶりに一新され、「校則について確認したり議論したりする機会を設けることの必要性」が明記されました。
(参考:https://megaphone.school-voice-pj.org/2022/12/post-2366/
https://mainichi.jp/maisho15/articles/20230114/dbg/048/040/009000c )
SVPに届いている現場の声
- 不要な校則や、子どもの人権を侵害する校則がたくさんあり、変えていくべきだと思います。【中学校・現職教員】
- 子どもの権利条約を大人も子どももしっかりと知ることが重要。【小学校・元教員】
- 制服のあり方について生徒議会を中心に議論を重ねました。想像をはるかに超えて生徒たちはしっかりと考え、相手の意見を受け止め、議論を行いました。その姿に本当に感動し、今まで生徒抜きで決めていたことを反省しています。〜中略〜 生徒抜きで生徒たちのことを決めてはいけないのです。【中学校・現職教員】
- 生徒や教職員の意見が尊重される文化が広がってほしいと思う。課題のある校則を変えていくことも大切だが、生徒が疑問をなげかけても「きまりだから」と聞いてもらえないとか、提案し多くの賛同が得られても、管理職の意見一つで却下となる実例が実際にあり、こうしたことが見直されるようになってほしい。【中学校・現職教員】
- 学校は生徒を守る場所のはずが、生徒を苦しめる場所になってしまっている場面はないだろうかと考えることがある。また、過ごしやすさが軽視されているように感じる場面もある。もちろん、集団生活の中で過ごすことを学ぶことも大切だが、必要以上に大人の当たり前を押し付けてはいないだろうかとも考える。【高等学校・現職教員】
- トラブルや地域からのクレームを恐れて厳しくなる一方だと思いますが、生徒たちとじっくり校則について話す機会もなかなか取れません。【高等学校・現職教員】
- 毛を染めている。服装が乱れている。このことが「指導できていない学校」「勉強できない子だ」という周りの市民からの目がある限り、校則を変えるのは厳しいなと思う。【高等学校・現職教員】
- 日本の社会として、「きちんとした服装」「黒髪がノーマル」というように考えられているのは否定できないかと思います。学校だけが理不尽な指導をしているわけではなく、社会の要請を受けている部分もあり、「学校だけが変だというような」論調には疑問を感じます。個人的には、小学生から、自らのことにかかわる事項についてきちんと議論して、それに対するコストも払うこと自体を体験し、学んでいくことが必要だと思いますが、この点をするのであれば、その時間をきちんと確保する必要がある。つまり教員の働き方などを考えれば、教科の時間を減らすようなことも併せてしなけば、教員の負担増となってしまうのではないでしょうか…【高等学校・元教員】
提言
「子どもの権利」を中心に置いた校則の見直しができるよう、子どもの権利条約やこども基本法の理念を学校現場にも市民にも、積極的に発信してください。
(学校現場での自治的な取り組みを通して、校則見直しを進めていけるように応援してください)
アンケートでは、「問題のある校則がある」と感じ、積極的に見直すべきと答えた教職員が90%以上でした。しかし実際には、持ち物から靴下、防寒着にいたるまで、非常に細かく決められていることが多々あります。2022年に改訂された「生徒指導提要」には、「子どもの権利条約」の内容が示されましたが、条約の認知度は学校現場において高いとはいえず、校則の検討にあたっても「子どもの権利」がまだまだ議論の中心にならない状況があります。校則の緩和によって「保護者や地域の目が厳しくなるのではないか」「企業の心象が悪くなり就職に悪影響が出るのでは」という懸念も教職員にはあり、その意味で、条約を知り、理解する必要があるのは現場の教職員だけではありません。政治や行政の現場から、子どもの権利条約やこども基本法の理念と内容を積極的に発信し、ボトムアップでの校則見直しを後押ししてください。
<補足>
子どもの権利条約では子どもの育つ場で、子どもの権利が守られるようにすることも、国や行政の責任に求められています。校則について教職員の間で話し合う時間をとれない学校の多忙な状況も、見直しに着手するうえでの大きなハードルになっています。子どもの権利が守られるルールづくりを進めるため、子どもや大人が十分に議論する時間や機会を確保できるよう、現場への人員配置や働き方改革の推進などの手立ても同時に進めてください。みんなで議論して、子どもも大人も納得して決めたルールを、みんなで尊重する学校をつくっていけるように応援してください。
児童生徒の評価
学校の現状と施策状況
①大阪府下の中学校では、独自のチャレンジテストが実施され、高校入試の際の「調査書」の評定の調整に活用されています。評定の数字の持つ意味が学校ごとに違うのは不公平という賛成意見もある一方、この仕組みが学校間の過度な競争や学力偏重の学校文化が強化されるという批判もあります。
(参考:https://www.pref.osaka.lg.jp/shochugakko/challenge/r04jissiyouryou.html)
②大阪府立高校では、2022年度から全国の高校で始まった観点別評価を運用するにあたり、3観点(「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」)をすべて同じ割合(1:1:1)にして評定を算出することが独自に決められました。※文科省の指針では、評定は「観点別学習状況の評価の結果を総括するもの」とされており、他の地域ではこういった運用はされていません。
SVPに届いている現場の声
①チャレンジテストについて
- チャレンジテストは「団体戦」だが、高校入試は個人が受けるもの。子どもの学力の背景に家庭環境や地域格差がある中で、学校規模で評定の範囲が定められるのは、子どもたちにとって本当に公平なのか疑問が残る。【中学校・現職教員】
- このテストにより「あいつこなかったらいいのにな」というような学力が低い子どもへの排除の感情がこどもの中で生まれている。学校教育は勉強だけができればいいわけではない。公教育のあり方を根本から崩してしまう。【小学校・現職学校職員】
- 学校ごとの生徒数、学力分布、保護者の経済的状況などによって結果は大きく左右され、住んでいる地域によって不公平が生じているし、学力のしんどい生徒に自信を失わせ、教員を疲弊させている。教員を信頼し評価を任せてもらいたい。【中学校・現職教員】
- なんのための評価か本末転倒になっていることが多い。中学校は、チャレンジテスト対策に追われている。公立学校が塾化している。【中学校・現職教員】
②観点別評価について
- 3観点を1:1:1にするのは本来の趣旨から外れてしまっていると思う。理想の姿を絵に描いた餅にしないように苦心の末の案だとは思うが、現場では採点や成績評価に関わる業務が何倍にもなったため、観点別評価へのアレルギー的反応が強く出てしまっていることが残念極まりない。【高等学校・現職教員】
- 観点別評価自体の目指すところは良いと思うが、これを1クラス40人学級、現在の大学入試のあり方が続いているままで有効に実施していくことは無理だ。観点別評価になり、評価物が増え、評価の仕方も煩雑になっているにも関わらず何も負担が減らされず、現場は非常に苦しんでいる。表面的な観点別評価をやるための課題が課されるなど、生徒にとってもプラスになっているとは思えない。【高等学校・現職教員】
- 観点別1:1:1では生徒の力を正確に評価することは不可能。大学受験の時などは他府県の受験生と比較して大阪の生徒は損である。【高等学校・現職教員】
提言
提言①:チャレンジテストについて
評定範囲の調整に活用されるチャレンジテストは、廃止の方向で見直しをしてください。
アンケートでは、チャレンジテストで評定範囲が決められるというシステムには、大多数の教員が反対の意見を示していました。なかでも多かった意見は、チャレンジテストは団体戦であり、「生徒個人個人の評価の公平性が保てていない」「低学力の生徒への排除的感情が引き起こされている」という点です。学校単位で比較しても、特に社会経済的背景が厳しい地域の学校では、評定を低くつけなければならず、チャレンジテストによって不利な立場においやられている生徒が多く出ており、大阪全体で進学先の二極化が起こってる可能性があります。
また、教員にとっては、チャレンジテスト対策のための授業をやらざるを得ないという本末転倒のようなことも起こっています。日々生徒と向き合うなかで出した評価が、チャレンジテストの結果で定められる評定範囲によって変えられることも職業的専門性を信用されていないと感じられ、納得しづらいものとなっています。
チャレンジテストについては、評定を調整する材料にするという点において、公平性の担保や教育格差是正、子どもたちにとって安心安全な学校文化の担保の観点から、問題があると言わざるを得ないと考えています。廃止に向けた見直しをしてください。
提言②:観点別評価について
観点別評価における大阪府独自のルールについて「進路」「学力」「授業のあり方」「学校生活の送り方」「教員の負担度」の5つの面への影響を検証して公表し、このまま続けるかどうかの判断をしてください。
アンケートでは、この大阪府独自のルールについては、「賛成」(「どちらかというと賛成」を含む)は約18%であり、「反対」(「どちらかというと反対」を含む)は約66%であることから、教育現場では支持されているとは言えない状況があります。自由記述では、「偏りがない」「観点が広い」として賛同する声がある一方で、「柔軟性がない」や「教科や学校ごとの違いを反映できない」「大学入試で不利益が出る可能性がある」として見直しを求める声も多数見られます。私たちは、以下の5つの面について、このルールの影響の検証が必要だと考えました。
●進路・・・学力上位層の評定が他府県と比べて低くつくなど受験の際に生徒への不利益が出ないか、奨学金の貸与・給付基準を満たせない生徒が増えないか、など。
●学力・・・基礎学力やいわゆるテストで測られる力が下がっていないか、逆にプレゼン力や問題解決力などが向上しているかどうか、など。
●授業のあり方・・・反復学習やインプットの時間が減っていないか、協働学習やプロジェクト学習が増えているかなど。
●学校生活の送り方・・・パフォーマンス課題の振り返りや予習復習が直接点数化されることで授業外学習(家庭学習)の負荷が増えていないか、など。
●教員の負担・・・単に観点別評価が入った他の自治体の教員と比べて、1:1:1になっていることで負担がより大きくなっていないか、など。
生徒にとって、それぞれの面でどんなメリットがあり、デメリットがあるのか。そして、トータルで見た時に、1:1:1にすることが、生徒にとってプラスなのか、マイナスなのか。丁寧に検証をしてそれを公表し、その上で今後も続けるかどうかを判断してください。
大阪の教育(全体を通して)
学校の現状と施策状況
全国的な現象ではありますが、大阪でも、学校現場の多忙化と教員不足が起こっています。
新学習指導要領への対応、GIGAスクール構想への対応、探究的な学びへの転換、福祉的ニーズの増大etc・・・学校や教職員に求められることは増え続けていますが、人員は増えておらず、学校は非常に疲弊した状況にあります。育休・産休・病休も増えていますが、これらの教職員が安心して休めるようにするためにも、現場にはゆとりのある人員配置が必要です。しかし現状は真逆で、定数に対して欠員が出ている学校が少なくありません。
SVPに届いている現場の声
- 3日勤務の教職員が多数いる学校に対し、2〜3名につき加配1、5名いれば加配2、などの増員をすべき。権利保障は重要、しかし3日勤務や時短が集中しすぎて、担任、行事などの学校運営がまったくまわっていない。過大なしわ寄せが他の教職員にいっている現状があります【高等学校・現職教員】
- 教員を増員することにもっと必死にならないと、欠員が出る、残っている先生の仕事が増える、それに耐えれなくて、体を壊す、また欠員になる、その状況では新規採用も増えない、という悪循環が止まらないと思います。【中学校・現職教員】
- (ヤングケアラーやひとり親家庭など、)子どもたちの家庭環境は複雑で多様化しているため、家庭も子どもたちも行政や学校に過剰に依存するしかない状況にあります。(勤務時間外に電話がつながらず残業になったり、授業の空き時間にスクールカウンセラーとの打ち合わせが入ったりで、)教員の業務量自体が増えています。【高等学校・現職教員】
- 子どもの数が減ると教員数も減らされていますが、現場はICT導入、なかなか外部委託にならない部活など仕事は山積みです。もう少し余裕をもった人員配置をしていただけるだけで我々は教材研究に力を入れることができると思います。【中学校・現職教員】
- 教師は疲弊しています。意味のない校則のせいで保護者対応、生徒指導。ICTの急速な導入による混乱。仕事の増加。本来一番教師がしなくては行けない子どもとのコミュニケーション、教材研究に時間が割けないのが現状です。お願いです。仕事をこれ以上増やさないでください。増やすのは教員です。やる気と学力のある教員。近年の教師の魅力の無さから、実力のある人が教師を続けないというのも現状です。子どものことを思うなら、教師の質と量を上げてください。それが一番の教育改革です。【中学校・現職教員】
- 退職しないで、復活できる制度の充実が大切だと思います。子育てに直面して退職してしまう女性教諭がたくさんいます。退職しなくてもパート勤務など(例:10時~14時などで小学校の副担任として入る。週3回などで中学校の教科担当。など)で教諭という立場を辞めないで続けられる制度があれば、子育ては十数年の話です。子どもが成長した後、フルタイムの教諭として働くことができます。【中学校・現職学校職員】
提言
教職員が児童生徒にしっかり向き合うために、また心身ともに健康に働き続けられる環境づくりのために、大阪府独自の予算で正規の教員を雇用し、学校現場の人員を増やしてください。
児童生徒にしっかり向き合うために、大阪府独自予算で正規の教員を雇って、学校現場の人を増やしてください。
育休産休や特別支援学級の増加により教員を増やす場合、基本的には講師(臨時的任用教員、以下臨任)が当てられます。常勤講師(フルタイム)が見つからないことも多く、非常勤講師を複数人雇用するになります。しかし、週3日勤務の臨任が2人入っても実際には現場は回りません(担任が持てない、校務分掌の長をお願いできないなど)。
また、再任用の教員も増えていますが、こちらもフルタイムではなかったり、正規教員と比べて低い賃金で雇われていたりするため、遠慮して仕事を頼めないといった現状があります。
育児短時間勤務も制度はあれど、実際には代替教員が見つからずに利用を諦めるケースが非常に多いです。子育て世代の、特に女性の教員が正規のまま勤務を続けることは簡単ではなく、退職する教員も少なくありません。正規教員でも、フレックスや週3日勤務のような多様な働き方が可能となれば、辞めなくてよくなり、育児が落ち着けばフルタイム復帰ができます。教員不足の中で、意欲も能力もある脂の乗った世代の先生が現場を離れざるを得ないのは損失です。そして、多様な働き方が可能になるためにも、正規教員が増える必要があります。
※School Voice Projectでは、文科省や与野党に対しても、定数改善計画の公表や国庫負担を1/2に戻すことなどを要望しています。しかし、大阪の学校現場は待ったなしの危機的状況です。自治体としてもできることを考えていただきたいという思いで、こちらの提言をしています。
さいごに
今回は、「部活動」「特別支援教育」「校則」「統廃合」「児童生徒の評価」「大阪の教育」という、合わせて6つのトピックで、提言をまとめました。それぞれのトピックはバラバラのように見えて、実はつながっていたり、別のテーマなのに眺めていると共通の課題が浮かび上がってきたりします。
例えば、少人数学級や人員増加を求める声がほぼ全てのトピックで上がりました。しかし実際には、現場では欠員=教員不足が起こっている学校も少なくなく、「探しても探してもなり手がいない」状況があります。最低限、現場を回すためにも、ひいては教育の質を担保するためにも、意欲と力のある人若い人たちに「大阪で先生をやりたい!」と思ってもらう必要があります。そういう人を増やしていくことが、大阪の教育の質を担保することにつながります。
そのためには、大阪の教育の魅力が向上する必要があり、それには現状の大阪の教育の魅力と特色、大事にしてきたことを見つめ直すことも大切です。その1つがインクルーシブ教育なのかもしれません。また、まずは安心して働けるように、何よりもまず働き方改革や待遇改善を進める必要があるという声が多く聞かれました。働き方改革を実行するには、予算の増額と制度づくりが必要です。これは、現場の教員には直接的にはどうにもできないことです。
大阪の教育政策には独自政策も多いですが、良かれと思って導入しても、教員が「やる意味がわからないままやらされている」と感じて働いていては、現場は疲弊していきます。「なんか上から降ってくる」ということではなく、学校現場と政策現場(議会と行政)の応答的なコミュニケーションがもっと必要なのではないでしょうか。そのことが、大阪の教育が魅力的かつ持続可能になるために必要な、大きな要素なのではないでしょうか。
また自分たちの声が大事にされるという実感は、教職員をエンパワーします。教職員の元気は、大阪の子どもたちの学び育ちに直結します。その意味でも、現場の声を政策現場が受けとめてくれるということには大きな意味があります。
School Voice Project では、今後も現場の声を議員さんに届け、今回実施したような対話会を開くなど、一緒に『めっちゃおもろい大阪の教育、未来』をつくっていきたいと思います。
※本提言は、以下の2つの方法で集まった「現場の教職員の声」を踏まえて作成しました※
1.【教職員アンケート】議員さんに伝えたい大阪の学校教育の実情(2023年ver)に集まった回答
【大阪府下の現職教職員/元教職員の方を対象】にアンケートを実施しました。この記事ではそちらの結果を紹介します。今回は、「部活動」「特別支援教育」「校則」「学校統廃合」「児童生徒評価」の5つのトピック+自由テーマで、大阪の府議会議員・市町村議会議員の方にに伝えたい/議会で取り上げてほしい「”大阪の”学校現場の実情」を聞きました。
■対象:大阪府下の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員及び元教職員
■実施期間:2023年1月9日(月)〜2023年2月12日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:351件
▼結果はこちらからご覧いただけます。
2.【イベント】教職員×議員 学校の現実を本音で語る会in大阪(2023年1月29日 / 2月19日)で交わされた意見
「教職員×議員 学校の現実を本音で語る会」をたかつガーデン(大阪府教育会館)で、2023年1月29日、2月19日の2日間にわたり開催しました。NPO法人School Voice Projectと大阪大学人間科学研究科佐藤功研究室が共同で主催。延べ87人の教職員と議員(立候補予定者含む)が参加し、大阪の教育について意見を交わしました。当日の様子は、産経新聞、朝日新聞、大阪日日新聞、関西テレビで報道されました。
▼イベントの模様はこちらからご覧いただけます。
※本提言を作成したNPO法人 School Voice Projectについて※
日本の学校には現場だけで解決できない、さまざまな課題が山積しています。「子どもたちのために、自分ができることをしたい」「学校をもっと、楽しくて居心地のいい空間にしたい」。そのような教職員一人ひとりの内にある「見えない思い」を「届く声」へと変換し、現場から学校を変えるために私たちは活動をしています。
School Voice Projectでは教職員の声を集めるWEBアンケートサイト「フキダシ」と、現場の生の声を発信するWEBメディア「メガホン」の2つのプロジェクトを軸に活動しています。また、メディア発信・政策提言活動を通して、学校が抱える「現場だけでは解決できない課題」の解決を推進しています。
●団体公式WEBサイト|https://school-voice-pj.org
●教職員WEBアンケートサイト「フキダシ」|https://fukidashi.school-voice-pj.org
●学校をもっとよくするWEBメディア「メガホン」|https://megaphone.school-voice-pj.org
[ F B ]https://www.facebook.com/schoolvoice.project
[ Twitter ]https://twitter.com/schoolvoice_pj
[ Instagram ]https://www.instagram.com/schoolvoice.project/
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メガホン編集部