
【教職員アンケート結果】始業式の後ろ倒し実態調査 〜新年度準備期間、延びましたか?〜【2026年度ver.】
NPO法人School Voice Projectは、2023年度から「“#新年度準備期間を十分に”キャンペーン」を行い、「全国どこでも最低平日5日間の準備期間確保」を呼びかけてきました(詳細はこちら)。そうした成果もあってか、ここ数年で新年度準備期間を延長する自治体が徐々に増えてきています。
今回のアンケートでは、実際に準備期間が延長された学校で何が変わったのか、教職員がどのような効果を実感しているのかを中心に、新年度準備期間の実態を調査しました。
本記事の構成について
今回の記事では、前半部分にアンケート結果の概要、後半部分に各校種別・自治体別の詳細な分析を掲載いたしました。 後半部分 には、校種別の始業式日程の状況の詳細や、始業式日程を後ろ倒しにした自治体の一覧等をまとめています。
アンケートの概要
■対象 :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2026年3月20日(金)〜2026年5月11日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数 :158件
アンケート結果
設問1 2026年度の始業式は4月何日?
Q1. あなたの勤務校では、令和8(2026)年度の始業式は4月何日ですか

2026年度の始業式の日程について、158人(回答校数160校 ※重複あり)の中では「4月8日(水)」が最も多く35%(56校)、次いで「4月7日(火)」が29%(46校)、「4月6日(月)」が23%(37校)という結果でした。4月8日以降を合わせると46%(74件)となり、約半数の学校が、土日を除いて5日間以上の準備期間を確保できていることがわかります。
一方、地域別に見ると、関東は「4月6日(月)」が約4割と突出して多く、他地域より始業式が早い傾向が見られます。これに対して近畿は「4月8日(水)」が約6割、北海道・東北も「4月8日(水)」が半数と集中しており、始業式の日程が比較的遅め(=準備期間を長く確保できている)傾向があります。中部や九州・沖縄は4月7日を中心に日程が分散しており、地域によって準備期間の確保状況に差があることが読み取れます。
設問2・3 準備期間は延長された?/延長された日数は?
Q2. あなたの勤務校では、2023年度以降(ここ4年間で)、4月の始業式日程が後ろ倒しされ、新年度準備期間が延長されましたか?
Q3. 2022年度は始業式は4月何日でしたか?


ここ4年間で新年度準備期間が延長された学校は、全体の24%(38校)という結果になりました。このうち延長された学校に後ろ倒しされた期間を聞いたところ、「2日間」の後ろ倒しが最も多く(50%)、次いで「1日間」(34%)と1〜2日間の延長が約8割を占めました。
設問4 準備期間の延長で改善されたことは?
Q4. 以下の中から新年度準備期間が延長されたことで『改善された』と考える項目を選択してください(複数回答可 / 必須)

準備期間が延長された教職員(37人)に、どのような課題が改善したかを尋ねたところ、「教科や学級の準備が不十分になる」(84%)、「校務分掌の準備が不十分になる」(76%)と、教科・学級経営・校務分掌等の準備不足が改善されたという意見や、「休日出勤や残業が増える」(78%)のように労働時間の改善がなされたという意見が多く見られました。
このことからも、準備期間の延長が、教育の質の向上と教職員の働き方の改善を促す可能性が示されました。
新年度準備期間が延長されたことで『改善された』と考える項目
1位:教科や学級の準備不足(84%:31人)
2位:時間外勤務(残業・休日出勤)(78%:29人)
3位:校務分掌の準備不足(76%:28人)
4位:児童生徒支援のための情報共有・引き継ぎ不足(65%:24人)
4位:教職員同士のコミュニケーション不足(65%:24人)
設問5 “最低限”必要な準備期間は?
Q5. トラブル回避などのため、“最低限必要”な新年度準備期間は、4/1から何日間だと思いますか(土日は除外)

回答を「~4日間」「5〜6日間」「7〜8日間」「9〜10日間」に整理して分析したところ、最も多かったのは「5〜6日間」で約56%(88人)、次いで「7〜8日間」が21%(34人)、「〜4日間」が11%(17人)、「9〜10日間」が10%(16人)という結果になりました。5日間以上と答えた教職員が約9割を占めており、大多数の教職員が最低でも平日5日間程度の準備期間が必要だと考えていることがわかります。
設問6 “万全の状態”に必要な準備期間は?
Q6. “万全の状態で新年度をスタートするため”に必要な新年度準備期間は、4/1から何日間だと思いますか(土日は除外)

前問と同様に回答を整理して分析したところ、「9〜10日間」(54人)と「7〜8日間」(53人)が約34%とほぼ同数で最も多く、次いで「5〜6日間」が約25%(40人)でした。万全の状態を求める場合、約7割の教職員が7日間以上の準備期間を必要だと考えていることがわかりました。
設問7 準備期間が短いことの弊害・延長されたことの効果は?
Q7. 新年度準備期間が短いことで原因で引き起こされたトラブルや困ったこと、もしくは延長されたことでよかったことを教えてください。(具体的なエピソードでぜひ)
準備期間が短いことの弊害
大きく「長時間労働・心身の疲弊」「引き継ぎ・情報共有・チーム形成の不足」「事務上の準備不備」「学級開き・授業準備・児童生徒対応への影響」の4つの観点での意見が寄せられました。
特に「長時間労働・心身の疲弊」については回答を記載した方のうち約半数が言及するなど、準備期間が短いことの弊害として広く認識されていることが伺えました。
時間外勤務や休日出勤で負担が増える
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期間が短いと、勤務時間内には終わらないので、残業が増える【東京・小学校・教頭/副校長】
残業が増えて心も身体もボロボロになる。【福岡・小学校・教員】
準備期間が短いため、週末の土曜日曜に学校に行くとほとんどの担任たちが出勤して教室の準備をしていた。【神奈川・小学校・教員】
今年のように間に土日を挟む年度の場合、とくに1年生担当の学年職員は、夜遅くまで残って準備に追われ、心の余裕がなかった。【茨城・中学校・校長】
準備時間がほとんどなく、夜遅くまで残る、休日に来ることになった。【東京・小学校・教員】
結局土日出勤して、間に合わない部分を減らしている現状。子育て中のため土日出勤しないといけない状況に困っている。【大阪・小学校・養護教諭】
必要な引き継ぎや方針共有が十分にできない
学校全体や学級間で、宿題、給食準備の方法、昼休みや掃除のルールなどの足並みが揃わなかった。特に転任者が多い場合。【山口・小学校・教員】
準備期間が短いと、教職員同士が知り合ったり、学校の方針を話し合ったりすることが十分に出来ず、そこで起こったズレがその後に響くことが多い。【大阪・小学校・教員】
異動したてで学年や学校での対話の機会が少なく、互いに安心できる関係づくりができなかった。新卒から数年は何をすべきか見通しが持てず、いつも準備不足な中スタートをしていた。【兵庫・小学校・教員】
クラス担任との引き継ぎ不足【奈良・小学校・教員】
異動があった際に学校の目標や取り組みについての検討・対話の時間が取れない。【愛知県・教育委員会】
名簿・書類・ICTなどの準備が間に合わない
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名簿の不備により生徒の名前が抜けていたり、内容の違う名簿が複数存在したりした。【北海道・高等学校・教員】
様々なICTアカウント作業等が間に合わないままスタートしてしまう。【京都・小学校・教員】
名簿の確認不足で名簿順が入れ替わった。
校外学習などの行事の下見ができなかった。【愛知・中学校・教員】
家庭環境調査や保険調査票などを個人のファイルに入れて配付するのですが、個人情報なので当然、慎重に作業をしたはずが差し違いがあり保護者からクレームという事案が今年度ありました。そういう事態になってしまった同僚が、気の毒でなりません。【福島・小学校・教員】
教材などが届かず配布ができなかった。準備期間が短く、直前での転入や転出などに対応ができず、一度作った名簿やお便りなど何度も作り替えなければならなくなった。(本当は始業式まで待つことになっていますが、待っていたら仕事が絶対に終わらないので、早目に動くのが通例になっています。)【福岡・小学校・教員】
学級開きや授業準備に十分な時間を使えない
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担任がなかなか決まらず、2日目に持ち越したため、準備がほとんどできないまま新学期がスタートした。【福岡・小学校・教員】
学年の子どもの名前も分からない。年間指導計画を読む時間がない。会議ばかりで、自分の仕事が出来ない。【東京・特別支援学校・教員】
学級開きや授業びらきという、大事な時間の準備を睡眠時間を削っておこなうことで、体力が削られてしまう。【滋賀・高等学校・教員】
校務分掌のことや、会議等、本来最も時間をかけるべき、学級の児童のことに時間を使えません。その状態でスタートするので、荒れる学級が出ているのだと思います。児童理解、学級経営の見通し、本当に子どものためを思うなら、そういった部分にこそフォーカスして時間を割きたいと切に願います。【長崎・小学校・教員】
会議や分掌の業務ばかりで自分の学級の準備時間が取れず、残業してやっと始業。それでも係活動や当番活動の掲示物準備等まで手が行き届かず、ルール作りなどもままならないまま準備できないまま係が始まってしまい混乱をきたしてしまった。最初に定着しなかったルールはその後もなかなか定着せず、ずっと苦労した。【神奈川・小学校・教員】
準備期間が延長された効果
全体を通して、「物理的・精神的に余裕が生まれた」「準備や引き継ぎに十分に時間を取れるようになった」という声が寄せられました。
身体的・時間的・精神的に余裕ができた
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延長されたことで気持ち的に余裕がある、と多くの職員が話しています。具体的に何が、ということは話していませんが、気持ち的に余裕があるというのはとても大切なことだと思います。【山梨・小学校・教員】
5日間あると、職員同士でもゆとりがあるため、ちょっとした会話にも時間を割ける雰囲気が広がっていた。【新潟・小学校・教員】
準備ができる。教室移動で自分の荷物が計画的に運べる。心身の疲労軽減。【愛知・小学校・教員】
休日出勤が当たり前になされていた。上司からの指示ではなく、自主的ではあるが。延長されたことで改善された。【福岡・小学校・校長】
延長されたことで自分の引っ越し作業と仕事が両立できる。【北海道・小学校・教員】
準備が丁寧にできるようになった
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始業式に配付される予定の書類等の準備が複数人で確認しながら準備できる【山形・小学校・教員】
入学式の準備を丁寧にすることができた。一年生の要録を作ることができた。フィールドワークに行ったので、始まってからの放課後に行かなくてよくなった。事務作業日は取れないが、入学式が疲労のピークにならなくてよい。【高知・小学校・教員】
始業式と入学式の日をずらしたことで学級開きがしっかりできた。【三重・小学校・校長】
引き継ぎや情報共有が丁寧にできた
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着任者の立場ではしっかり、その学校のことの情報を整理して臨むことができる。1日の会議を適切な数、適切な時間で開催できる。時間割の設定に多少余裕が生まれる。【神奈川・中学校・教員】
異動された先生と情報共有ができた。入学式準備を急がずできた。【千葉・小学校・校長】
不登校の児童の情報、いじめ問題、保護者の情報など共有できた。延長されてなかったときは4月初め、トラブルが多発していた【鹿児島・小学校】
4月から転勤したばかりです。新しい仲間の教職員と教育観の共有し、どんな学年にしたいかについてじっくり話し合うことができました。また校務分掌の仕事にも早くから着手できました。【大阪・中学校・教員】
延長されたおかげで、引き継ぎはしっかりと行うことができました。【沖縄・小学校・教員】
設問8 教育委員会や学校管理職等へ伝えたいことは?
Q8. 新年度準備期間について、教育委員会や学校管理職等へ伝えたいこと、あなたの考えや改善策などを自由にお書きください。
準備期間が延長されていない学校の教職員の声
日数を増やしてほしい
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校内研、町内研、ICT研修等諸々あり、初任者はさらに初日は仕事ができずに終わるので最低限平日5日、できれば7日は欲しい。校務分掌等の学校の仕事も諸々あるので、学級事務や環境整備までに時間がかかる。ましてや、異動先だと何がどこにあるかもわからないので。【福岡・小学校・教員】
夏休み開始が遅れても良いです。二学期の始まりが早まっても良いです。4/1〜の準備期間を最低5日取れるように改善を希望します。【東京・小学校・教員】
準備が8割だと思います。コロナで休校の時、ものすごく準備できたので、一年は短かったけど、スムーズにスタートしました。そこまで取れないとは思いますが、少なくとも1週間はほしいです。4月は、そうでなくてもずっと忙しくて、ゴールデンウィークまで、休まる時がありません。【福岡・小学校・教員】
管理規則で4月6日と一律に規定するのではなく、新年度準備期間を5日間確保するような規則としてほしい。【茨城・中学校・校長】
初日直前の土日は、ほぼ全ての学年の職員が出勤していました。それはつまり、圧倒的に日数が足りない証拠だと思います。そこの準備不足が1年間の学級経営に影響することを皆よく知っているし、そこではじめて会う児童にマイナスな事が起こってはいけないと責任を全うする気持ちがあるから休日出勤をしているわけですが、それに甘えていては、教職員は皆心身を壊し健康に働けないと思います。ぜひ、1年のスタートが万全の体制でできるように、環境を整えていただきたいです。【神奈川・小学校・教員】
あと2、3日でいいから、余裕がほしい。そうすれば、もっと余裕を持って、丁寧な学級びらきができる。転勤された先生方にも、落ち着いた雰囲気で迎えることができる。【広島・小学校・教員】
教員の仕事量を減らしてほしい
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せめて、始業式・入学式がずらせないなら、4月2週目までは給食なし帰りにしてほしい。【千葉・小学校・教員】
教員がやらなくてもできることは、スクールサポートスタッフを積極的に活用してほしい。カーテンの取り替え、タブレットの整備、教科書の点検。【北海道・小学校・教員】
一番大きな障壁は、文科省や県教委がこの最繁忙期であるにもかかわらず、タイミングも一切配慮せずに膨大な量の調査や報告の文書提出を要求してくる異常な状況。4月中に報告せよだとか、自分たちは高みの見物で現場を理解していない。学校保健法で定められている健康診断の結果報告でもこんな年度初めの忙殺される時期ではない。文科省自体が学校現場の苦境を何も理解しようとしないし、実効性のある改善など全く知ったことかと言う不遜な対応を続けている。【山形・高等学校・教員】
入学式や始業式を華やかに、児童生徒を気持ち良く迎えたいことは十二分に理解できます。しかし、あまりにも入学式だけでなく卒業式や各種行事にも、ショーやエンターテイメントを求め過ぎてないでしょうか?【福島・中学校・教員】
十分な時間が必要なのではなく、時間がない場合には、その時間に合わせた内容にすることをお願いしたい。【東京・小学校・教員】
新年度の職場づくりの方法を改善してほしい
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まず、子どもたちと同様に、大人にも同僚と出会い、お互いを知ることで職場に対する心理的安全性をもてると思います。4月スタートの時点でお互いを知り合う時間が持てたらうれしいです。次に、学校全体や学年での教育目標・1年間のビジョンを対話して共有する時間が年度はじめにほしいです。そうすることで、この後なにかトラブルがあっても原点回帰したり、組織として一貫した対応をしたりすることができると思います。【大阪・中学校・教員】
オトナ同士もグループで信頼関係をつくったり安心して本音を言える場づくりのための遊びや対話がしたい。新しいメンバーを迎えているのだから。【和歌山・小学校・教員】
公立の場合特に?人事異動に起因する「大幅な」新体制構築が毎年迫られ求められる。3月中から、現勤務校・新勤務校及びその他校務分掌業務を引き継げるような、グラデーションのある運用はできないものか。【神奈川・高等学校・教員】
もっと年度末の人事の流れを早めにして欲しい。次年度のことが分からないと準備が進まないどころかやり直しになる。【大阪・高等学校・教員】
まずは、新しく変わってくる人の情報が早くわかり面談して校内人事を早く決定したい。そうすることにより、余裕をもって次年度の準備をすることができる。今年は県の議会の関係からか例年よりも内示が1週間遅れた。その影響は現場にも大きな影響を与えた。余裕をもって仕事ができるようなスケジュールで動きたい。余裕のなさはトラブルにつながると実感している。【福井・小学校・校長】
教員間で「こんな一年にしたい」や「子どもたちをこんな風に見て行こう」などの話し合いをしたりする時間がほとんどありません。おとなどうしが一年間意思疎通を重ねて子どもに向き合っていくための土台とするための対話、コミュニケーションをとる時間が少なすぎると感じます。【大阪・小学校・教員】
その他
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始業式を後ろ倒しにしても、その分の授業時数を確保しないといけなくなるのなら改善にはならない。35週を基本とする現行のカリキュラムを1週分減らすくらいでちょうどよいと思う。【大阪・中学校・教員】
確かに働いているご家庭が多いから入学式等を早くした方が良いという思いもわかりますが、学童保育等の整備もでき、社会の仕組みが整ったいる今だからこそ、少し開始を遅らせ、教員の働き方を見直してほしいものです。【東京・小学校・教員】
毎年現場の慌ただしさに巻き込まれて泣き出してしまったり、辞めてしまったりする初任者がいる。「若手を育てていきたい。」と思うのであれば、これまでのように、現場の残業で補うのではなく、勤務時間内に業務をこなせば、充分に間に合うくらいの余裕のある準備期間は必要。【福岡・小学校・教員】
今年度は同じ東京都でも、4月6日スタートの区と8日スタートの区がありました。6日スタートの区は明らかに、現場の悲鳴を無視した封建システムの残る行政であることが如実に示されたと思います。子どもに直接接する教員をおもんばかることなく子どもを尊重しろだなんて、よく言えるなと呆れました。教育委員には元教員もたくさんいるのですから、新年度準備の作業工程を、勤務時間内に終えるためには何日間必要なのか、ちゃんと計算してほしいです。昔ながらの「新年度ってこういうもの」「それでも教員はなんとかするもの」という考えを早く捨ててください。これは明らかに、時間外勤務の強制です。【東京・小学校・教員】
今年は年度が明けてから3日間しかなく、その上新規採用者も26人と多く、その人たちは社会人4日目で教員として現場に立たなければならない。また、移動した教員もまだ右も左も分からないまま動き出し混乱しかない。夏休みを短くしてでも、新年度の準備期間を伸ばしてほしい。【東京・特別支援学校・教員】
教育委員会や管理職だけでは無理で、標準授業時数を減らす、学習指導要領の内容を減らすをしないと、始業式を遅らせたからといって、結局日々に負担がかかるだけです。【愛知・教育委員会】
標準時数に対して、30時間以上の余剰時間を計画している。そんなもののために、職員を疾患で失って、何を得るというのだろうか。【神奈川・小学校・教員】
千葉県の県立学校では新規採用者のアカウントが4月1日から申請というおかしな制度になっている。そのため、始業式まで3日間しかないうちの数日間をPCなしで過ごさざるを得ない先生が多数発生している。
学校DXとかいうならば採用初日からPCを使えるようにするのが採用側の義務であると思うが、果たされていない。
給与をもらうためのシステムには、4月1日の朝にはアカウントが出来ているのに、それと連動していない縦割り行政。ぜひ教育委員会と県庁とでしっかりと連携して、仕事に必要なアカウントを4月1日に間に合わせていただきたい。【千葉・高等学校・教員】
準備期間が延長された学校の教職員の声
今後も継続してほしい
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追われるように新年度を始めるのではなく、心に余裕をもって始められるように、これからもしてほしい。【山梨・小学校・教員】
今年度から準備期間が延びた。引き続きお願いしたい。【千葉・小学校・校長】
自分は教育委員会におり、始業式の日を後ろ倒しを提案し、特例規則を制定して実施した側であるが、後ろ倒しにして良かったと思っている。【兵庫・小学校・校長】
さらなる延長を求めたい
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最低5日は準備期間が必要。【福井・小学校・教員】
本年度から本市は、準備期間が5日となりよかったが、やはり、初任者のためには、7日ほしいと感じる。授業のための教材研究、準備の時間が足りない。【長崎・小学校・校長】
異動してきたメンバーも安心してスタートするには、もっと時間が必要。【山形・小学校・教員】
もう少し入学式始業式を遅らせてほしい。心身の疲労、時間外勤務の強要(定時を超える出張をしなくてはならない。)もあり、法令違反も当たり前になっている。【愛知・小学校・教員】
4月は学校にとって最も重要な月であるからこそ、半月は準備にあててもよいと思う。準備に力を注ぐことができることは教員の心の余裕を生み出し、結果的に子供たちが安心して学校生活を送れることにつながる。【東京・小学校・教員】
準備期間以外の面でも改革をしてほしい
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「主体的対話的で深い学び」をこどもに求めるのに、大人はそれをしたことがない教員が多いのは矛盾していると思います。対話をして、学校の基盤をしっかり整えてから、始業式をすれば、今ある問題の半分は解決するように思います。どうか、私たちに、時間をください。【愛知・小学校・教員】
職員会議はどうせ何時間かけても新しい職員には伝わらない。1対1対応など、特に新採者にはフォロー体制で臨んでほしい。管理職の長い話もいらない。どんな学校にしたいか、みんなで語り合う学校にしてほしい【鹿児島・小学校・教員】
異動発表か、内示をもう少し早くしてほしい。【高知・小学校・教員】
新年度の準備は異動してきた職員など、慣れたり準備をしたりするのに時間がかかる人を視野にいれて、会議の量と日程を検討してほしい【新潟・小学校・教員】
その他
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延長された分のところに研修が入っていて、結局自分の学級の準備をする時間がなかった。【沖縄・小学校・教員】
自分は教育委員会におり、始業式の日を後ろ倒しを提案し、特例規則を制定して実施した側であるが、後ろ倒しにして良かったと思っている。【兵庫・小学校・校長(※昨年度は教育委員会所属)】
教材選定から確認、発注までをスムーズに行うことができるシステムを構築してほしい。【福岡・小学校・校長】
新年度準備期間期間はスクールサポートスタッフの勤務がなく机、下駄箱、ロッカー準備は学年部職員に任されています。会議に加えて環境整備も大きな業務でスクールサポートスタッフの方々の手が必要だと感じます。
介助員の勤務は基本生徒の授業日となっています。年度末は午前中で授業が終わり午後からは時間を持て余している介助員さんたちの姿があります。新年度準備に介助員の方々の手もほしいなあとモヤモヤしてしまいます。介助員の方の業務の棲み分けが難しいです。【新潟・中学校・教員】
この延長により、一番恩恵を受けるのは経験の少ない若手教員である。特に新卒・新採用者は、つい先日まで学生だった身分。それが、たった数日で「先生」と呼ばれることになる。そんな彼らにとって、1日でも準備期間があることは重要。さらに、ベテラン勢にとっても、若手への支援を行う余裕が生まれる。今日、若手の採用が激増しているが、離職を選ぶ若手も多い。この教員不足の状況下で、離職されることは大きな痛手である。若手への支援という視点から、春季休業の延長は必須である。【秋田・小学校・教員】
まとめ
今回のアンケートからは、新年度準備期間の不足が、教職員の長時間労働だけでなく、子どもたちを安心して迎えるための準備、引き継ぎ、職員同士の対話、学級・授業づくりにまで影響していることが示唆されました。
この課題は、今回初めて明らかになったものではありません。School Voice Projectが過去に行ってきた「年度始めの超過勤務」に関する調査でも、新年度準備が勤務時間内に収まりきっていない実態が繰り返し示されてきました。実際、2023年度~2025年度調査では共通して「9割以上が平日に超過勤務を実施」「半数以上が平日1日あたり2時間以上の超過勤務を実施」「6割以上が新年度最初の土日に持ち帰りを含めて何らかの業務を実施」といった実態が明らかになっています。
そもそも、多くの自治体では人事異動や新採用の辞令交付が4月1日となるため、新年度準備は「4月1日から始業式前日まで」の限られた平日で進めざるを得ません。過去記事でも指摘されているように、その期間には、学校全体・学年・校務分掌・自分の学級の準備が重なるだけでなく、GIGAスクール構想以降はICTアカウント管理等の業務も増えています。今回の自由記述で、名簿やICT設定、引き継ぎ、学級開きの準備不足が繰り返し挙げられたことは、こうした構造と重なります。
一方で、改善の実例もあります。木更津市では、学校管理規則を変更し、4月1日から土日を除いて5日間の新年度準備期間を毎年確保できるようにしました。また熊本市でも、学校管理規則を改訂して学年始休業日の終了を1日遅らせ、夏季休業日の調整などとあわせて準備期間を確保しています。いずれも、始業式の日程は「変えられないもの」ではなく、自治体の判断と制度設計によって見直し得ることを示しています。
今回の調査でも、準備期間が延長された学校では、教科や学級の準備、校務分掌、情報共有、教職員同士のコミュニケーション、残業・休日出勤の面で改善を実感する声が寄せられました。そういった観点からも、十分な新年度準備期間を確保することは、教職員の働き方改善にとどまらず、子どもたちを落ち着いて迎えるための重要な条件であることが言えるでしょぅ。
ただし、日数を増やすだけでは十分ではありません。延長された期間に会議や研修、調査対応、ICT設定、行事準備が詰め込まれてしまえば、学級づくりや授業準備、子どもの情報共有に使える時間は確保されません。始業式・入学式の日程やプログラム、ICT環境の整備主体やスクールサポートスタッフの勤務体制、行政調査の期間なども含め、年度初めの学校業務について「いつ、誰が、どのように行うか」を全体的に見直す必要があります。
「教員なら何とかする」という前提に頼るのではなく、勤務時間内に必要な準備ができる仕組みを整えること。新年度準備期間の確保は、教職員を守るためだけでなく、子どもたちにとって安心できる学校のスタートをつくるための、有効な一手と言えるでしょう。
記事の 後半 では、調査の内容を校種別・自治体別に掘り下げていきます。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
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メガホン編集部












