
【教職員アンケート結果】始業式の後ろ倒し実態調査 〜新年度準備期間、延びましたか?〜【2026年度ver.】
記事の後半では、 前半 で紹介した調査の内容を校種別・自治体別にさらに深く分析していきます。
※アンケートでは同じ自治体に所属する教職員が複数名回答している場合があったため、後半で扱う結果については、それらを「1件」として集計しています。そのため、集計の合計値がアンケート総回答数(158人)と異なる箇所がありますので、ご留意ください。
1. 回答者の属性(地域分布・校種別の内訳)

回答者の地域分布については、関東が最も多く(33.5%:53人)、次いで近畿(18.4%:29人)、中部(15.8%:29人)となっている一方で、中国(7人)・四国(2人)からの回答者は少ない割合となっています。
加えて、回答者の所属は、94.3%(149人)が公立であり、私立(4.4%:7人)と国立(0.6%:1人)は少数となっています。

回答者の校種については全体的に小学校の回答数が多く(109人)、中学校(25人)、高校(15人)、特別支援学校(6人)と回答数が少なくなりました。その他の3人のうち2人は、教育委員会籍でした。
2. 始業式の日程(校種別)

小学校は4月7日に実施する学校が最も多く、準備期間を5日間以上確保できた学校(4月8日以降に始業式を実施した学校)は、約4割という結果になりました。
中学校については、4月8日に実施する学校が最も多く、7割以上の学校が準備期間を5日間以上確保することができたという結果となりました。
高等学校については、4月8日に実施する学校が最も多かったものの、全体的にばらつきが多い傾向が見られています。特別支援学校については、4月6日が最も多く、全体的に始業式の日時が早い傾向が見られました。
3. 準備期間の延長状況(校種別)

小学校は27.5%、中学校は24.0%が「延長された」と回答した一方で、高等学校・特別支援学校では回答者全員が「延長されていない」と回答しました。
小・中学校に比べて、高等学校と特別支援学校では準備期間の延長の動きが行われていない可能性があります。
4. 最低限必要だと思う準備期間(校種別)

全ての校種において、最低限「5日間」は準備期間が必要であると考えていることがわかりました。これまで、School Voice Projectでは「全国どこでも最低平日5日間の準備期間確保」を呼びかけてきましたが、これは一部の校種だけでなく、全ての校種で必要とされていることがわかります。
5. 自治体別の傾向
続いて、自治体別の傾向を見ていきます。以下に、2026年度の始業式の日程を自治体毎に整理した一覧と、2026年度に最低限必要な準備期間(5日間)を確保できた学校の割合を示しました。集計に際しては、始業式の日時が「延長された」と回答していた教職員の自治体の2022年度・2026年度の始業式日程について、各教育委員会のHPなどを確認し、延長が確認できた自治体のみ赤字で示しました。


アンケートに回答した教職員が所属する自治体のうち、2022年度と比較して始業式の後ろ倒しを行った自治体は24.2%という結果となりました。特に注目したいのが、後ろ倒しになった自治体が特定の地域に集中しているわけではなく、北海道から沖縄まで全国各地に点在していることです。自治体の規模は、政令指定都市から小規模な町村まで様々ありますが、各自治体がそれぞれで判断し、始業式の後ろ倒しを決定したことがわかります。また、多くの教員が最低限必要だと考える5日間の準備期間を確保できている自治体については、50.0%という結果になりました。
また、始業式の後ろ倒しが行われた自治体のみに着目すると、約73%(22/30件)の自治体で、5日間の準備期間を確保することができたことがわかりました。
6. 考察・まとめ
今回のアンケートでは、土日を除く5日間以上の準備期間を確保できている自治体は、小・中学校で48%(市区町村)、高等学校(都道府県)で50%という結果になりました。2023年度にSchool Voice Projectが行った2022, 2023年度の新年度準備期間のスクリーニング調査では、「平日5日間」の準備期間を確保できている自治体は、小学校(市区町村)で26%、都道府県(高等学校)で68%という結果でした(n=616)。
今回は、前回よりもサンプル数が少なく、単純比較することはできませんが、小・中学校(市区町村)においては改善の兆しが伺えます。実際に準備期間の延長を経験した教職員からは、負担の軽減や、準備時間の充実、時間外勤務の減少といった声を聞くことができ、準備期間の延長が教育の質の向上と働き方の改善の両面にポジティブな影響をもたらすことが示されました。
一方で、2022年度と比較して始業式の後ろ倒しを行った自治体は24.2%にとどまっており、4割以上の学校は最低限必要な準備期間(5日間)を確保できてないことがわかりました。また約7割の教員が「万全の状態」に必要だと考えている7日間以上の準備期間を確保できている学校・自治体はほとんどなく(5件:3.8%)、より一層の改善が求められます。
始業式の後ろ倒しは全国各地で少しずつ広がってきており、全国各地で確実な変化の兆しが見え始めています。一方で、準備期間として確保できる平日の日数は、日付だけでなくその年のカレンダー(祝日・土日の配置)にも左右されるため、年によってばらつきがあります。準備期間の延長が一時のムーブメントで終わらず、継続的な取り組みとして根付くように、今後も働きかけを行っていく必要があります。
School Voice Projectではすべての教職員が余裕を持って新年度を迎え、児童生徒にとって安心で質の高い教育環境が確保できる状況を作るために、引き続き情報発信・啓発や各自治体への働きかけを続けていきます。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
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