学校をもっとよくするWebメディア

メガホン – School Voice Project

学校をもっとよくするWebメディア

【教職員アンケート結果】授業の持ちコマ数、週いくつが妥当?(2024年ver.)

  • メガホン編集部

2023年9月~12月にSchool Voice Projectが行った授業の持ちコマ数に関するアンケート調査では、校種に関わらず、多くの先生がコマ数の多さに負担を感じている現状が明らかになりました。

その約半年後の8月、文部科学省は教師の処遇改善や学校の働き方改革の加速化のための「教師を取り巻く環境整備  総合推進パッケージ」を発表。教職調整額を引き上げる方針などが話題となりましたが、授業の持ちコマ数に関しても 「小学校中学年の学級担任持ちコマ数は週3.5コマ減、新採教師の持ちコマ数は週5コマ減」 という具体的な目標が示されました。(参考:教師を取り巻く環境整備総合推進パッケージ,文科省)

しかし、実際には全国で深刻な教員不足が続いており、このままでは学校活動や授業の質を維持できない、という声も少なくありません。指導の質の維持・向上のためには、教員一人あたりにつき、どの程度のコマ数が理想であり、そのためにどのような解決策を図れるのでしょうか。School Voice Projectでは再度、全国の小中学校・高等学校の教職員から、授業の持ちコマ数の現状やそれに対する意見、理想のコマ数に関する声を集めました。

前回のアンケート調査との比較も交えながら、その結果をお伝えします。

アンケートの概要

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2024年9月5日(木)~2024年9月24日(火)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら
■回答数 :107件

※現在、一般的に小学校では学級担任制(一人の学級担任の教員がほとんどの教科を教える体制)、中学校・高校では教科担任制(一人の教員が専門教科を受け持ち、複数の学級で授業を行う体制)が採られています。そのため、例えば、小学校における持ちコマ=6コマとは6回の異なる授業を行うことを意味する場合が多いですが、中学校・高校においてはそうではないことが多いです(3つのクラスで異なる授業を2回ずつ行う等)。また、特別支援学校においては、個別の指導計画に沿って授業が行われるため、他の校種とはさらに事情が異なります。その点を加味して下記のアンケート結果をご覧ください。

アンケート結果

設問1 現在の授業コマ数は?

Q1. 現在、受け持っている週の授業コマ数はいくつですか?
※ここでのコマ数とは、会議等を含めない“授業”のコマ数です(以下の設問でも同じ)

前回の調査と同様、児童生徒の学齢が低い校種であるほど、授業のコマ数が多いという傾向が見られました。

小学校は、前回と同じく全体の74%の教員が20コマ以上を担当。中でも25コマ以上を担当する教員は24%から38%に増加し、負担がより増えていることが伺えました。特に学級担任や通級を担当する先生からは、逼迫した現場の様子を訴える声が多く届けられました。

中学校では、21コマ以上を担当する教員が全体の21%から33%に増加。高等学校では、16コマ以上を担当する教員は全体の55%となり、前回の57%と比べて大きな変化は見られませんでした。

設問2 充実した授業はできている?

Q2. 現在の持ちコマ数で、児童・生徒に充実した授業ができていますか?

こちらも前回と変わらず、担当している授業コマ数が多いほど、充実した授業ができていないと感じている人が多い傾向がありました。

持ちコマが25以上の人に限定すると、実に全体の78%が「あまりできていない・できていない」と回答していました。また校種別では、持ちコマ数がかさむ傾向のある小学校の先生に「できていない」の回答が最も集中しました。

できている・おおむねできている

持ちコマ数が少なくても、空きコマに会議、教室に入れない生徒への対応、急な生徒指導対応、急に休んだ職員の代替など、様々な対応が入り、持ちコマ数以上に忙しい。これ以上持ちコマが増えると残業がさらに増えるだけだと感じている。【中学校・教員(10~14コマ)】

多すぎると余裕がなくなるので、15コマ以内に収めるべきだと考えます。【中学校・教員(10~14コマ)】

今勤務している学校は一人あたりの持ちコマが少ない方です。前任校では、20コマ近く持っている教員が大半でした。その結果、教材研究は放課後や休日の仕事となり、教員同士で授業について話す機会もとれませんでした。【中学校・教員(10~14コマ)】

現在、高学年で算数、社会、道徳、図工を受け持っています。専門教科ではない社会の授業がある前日の夜は、たいてい寝る時間がありません。準備のため12時を超えたり、早めに寝て午前3時に起きて授業準備をすることが多いです。朱書きの指導書通りの授業をすれば、それは解消されるのでしょうが、つまらない授業をやることは特にむずかしい学級ではデメリットが大きすぎます。【小中学校・教員(15~19コマ)】

現在勤務している学校では理科、音楽、家庭科の専科がいる。また、隣のクラスの担任と科目ごとに担当を決めることで、一人当たりの教科数を減らしているため、今の運用の形でも昨年度より大幅に働きやすくなっている。家庭科、音楽、体育、などは専科がいてくれると助かる。【小学校・教員(20~24コマ)】

「児童・生徒にとって望ましい授業の質を維持するため」の授業準備の時間が、今のコマ数では十分に取れず、残業や持ち帰りの仕事を増やして対応せざるを得ない。【中学校・教員(20~24コマ)】

担任の先生、主任の先生の授業数の負担が少なくなるよう、自分のクラス、学年に関われるように配慮されるので、調整役の副担、臨任は必然とコマ数は増えます。25コマ以下の場合毎日1〜2コマ空きがあるとプリントの印刷とレポートの添削等ができますが授業準備をする余裕はないので自宅に持ち帰りすることで授業の質を保ってます。【中学校・教員(20~24コマ)】

あまりできていない・できていない

自分が授業をしない時間は、TTとして子どもたちへの個別の支援や家庭訪問、聞き取りの対応などをしているので、授業準備等に当てることができない実態もある。【小学校・教員(10~14コマ)】

たとえば、持ちコマ数が多くても一教科だけなら、少しコマが多くなっても、その条件を受け入れていた先生はこれまで何人もみてきました。具体的には、地歴公民の場合、日本史・世界史・地理など科目が多岐に渡るので、3年日本史だけを持てるのであれば学校での標準時数より多めに持ってもいいという場合です。授業の準備が1科目だけならば、準備をする種類が減るので、満足のいく授業計画や教材研究、生徒の課題へのコメントなどもできます。【高等学校・教員(10~14コマ)】

2単位の8クラスで受け持つ生徒は約300名である。評価や個に応じた指導は難しい。空き時間は校務分掌の業務に追われ、授業に関する仕事は勤務時間内ではほとんどできない。【高等学校・教員(15~19コマ)】

本校ではどの教員も平均して週18コマほど持っているが、誰かが病気等の理由で長期離脱になると、その分のカバーができない。ギリギリにしすぎているため、非常時に学校が回らなくなる。【高等学校・教員(15~19コマ)】

小学校で20時間以内。今、特別支援学級担任と専科を掛け持ちして、教務主任も持っている。支援学級担任はトイレに行く余裕もない(肢体不自由、重度障害)他の先生の時数を減らすために専科もしているが、教材研究もままならず、結局5時過ぎにしている現状だ。【小学校・教員(20~24コマ)】

理科専科で5,6年生24コマの授業を受け持っているが、理科の場合、予備実験などの準備も多く、高学年2学年の理科専科はかなりきつい。空き時間はほぼない。6年は特に時数が足りず、指導要領の内容をこなすことで精一杯。【小学校・教員(20~24コマ)】

学校の方針で毎日子どもの日記を見ているため、空き時間のうち1時間は日記への返信に消えていきます。自分の裁量で使える空き時間がもう少し欲しいです。【中学校・教員(20~24コマ)】

全く余裕がありません。生徒に無駄だと思うことにこそ価値が生まれる、と言いながら、朝7時半から夜8時過ぎまでやっても終わらない仕事。空き時間が少なすぎて、授業準備が1番後回しになっています。定時で帰る人たちはどこかで見切りをつけて、授業以外はしないとか、担任なしとか…そんなふうになりたくないからやっていますが、そんな働き方を割り切ってやってる人の方が疲弊していない皮肉。【高等学校・教員(20~24コマ)】

小学校1年生を担任していますので、毎日5時間授業です。それでも、授業の準備をしっかりしようとすると、定時に帰るなど夢のまた夢です。低学年は授業の準備や教材研究が楽ということはありません。ノートに書いてもらおうとするととても時間がかかるので、ワークシートを使わざるを得ないことがあり、そのワークシートも子供の実態を見て作っているので、時間がかかります。【小学校・教員(25コマ以上)】

特支担でずっと個別をやっているので、空きコマがない。個別の時間も一度に何学年か来るので、教材研究しなければならない教材も多い。もっと一人一人に合わせた学習にしようと思ったら、もっとコマ数を減らさないと準備できない。あと、コーディネーターという立場上、いろいろな学級に児童観察に行かないといけないので、その時間を自分の学級の児童に支障がないように確保できる時間がほしい。【小学校・教員(25コマ以上)】

生徒の自分以外の授業の様子を把握したり、保護者と連絡を密に取るには空き時間が必要。落ち着いて物を考える余裕の無い勤務時間は異常。【中学校・教員(25コマ以上)】

日本語学級の担当をしています。夏休み明けの来日児童が毎年多数入級してきますが、教員数は前年度末の児童数を基準に決められているので、現任の教員でなんとかしなければならず、担当児童数や持ち時数が膨大になります。【小学校・教員(25コマ以上)】

設問3 授業の質維持のために適切なコマ数は?

Q3. 児童・生徒にとって望ましい授業の質を維持するため、あなたが適切だと考える持ちコマ数の上限はいくつですか?

授業の質を維持するために望ましいコマ数は、小学校では「15~19コマ」と回答した人が71%と最も多い一方で、中学校では「10~14コマ」と回答した人が54%、高等学校では77%と共に最多でした。こちらも他のアンケートと同様、前回と同じ結果となりました。

また小学校だけで見ると、15未満のコマ数を選んだ人が20%増となり、授業の質の維持のためにコマ数の削減を望んでいる人が多いことが伺えました。

「10コマ未満」を選択した方の主な意見

担任、校務分掌、生徒指導、保護者対応など教員の仕事は多岐にわたる。仕事の1人あたりの範囲が広すぎてその日の授業の準備ですら、満足のいくものができない。どこか妥協せざるを得ない状況だ。そんな事では子どもへしわ寄せがきて、十分な教育は受けられていない。【中学校・教員】

時短勤務で10時間で働いていた時、時短勤務終了後にも自宅で授業準備をしていましたが、それでやっと回っている、人間らしい生活ができると思いました。担任で16時間持っている今は睡眠時間を削ってるし、家事育児をパートナーにだいぶお願いしてなんとか回っている状況です。【高等学校・教員】

「10~14コマ」を選択した方の主な意見

授業準備、提出物の確認、生徒の定着度の理解などを考えると週12コマ程度が妥当なラインだと考えます。【高等学校・教員】

1日3コマが限界です!4コマになると、授業の質が下がります。3コマ授業して、2コマが会議や当番に当てられ、結局、実質の空きコマが1コマしかない状態もおかしいと思います。【高等学校・教員】

高校なので小学校に比べたら断然持ちコマは少ないと思う。しかし実際は会議も入るし、生徒指導(突発的な教育相談的な対応含む)が入ると空きコマはなくなる。評価もパフォーマンス評価に時間がかかる。観点別になり、パフォーマンス課題への取り組み方(プロセス)を評価するという視点が強化された(教員によるが)点は良かったと思うが、時間はかかる。【高等学校・教員】

自分の専門と授業を繋げながら授業実践ができるほどの余裕が欲しいです【高等学校・教員】

持ちコマ数を減らし、代替となる教員が担当することで 子ども自身がいろいろな先生から学ぶことができます。それは1年生でも同じことです。【小学校・教員】

「15~19コマ」を選択した方の主な意見

他の業務、授業準備があることを考えると1日6時間のうち、半分は空いていることが望ましいです。【小学校・教員】

毎日2時間、空き時間があればノートもみられるし、個別指導もできる!【小学校・教員】

小テストや業者テストの採点、プリントやノートの評価を土曜日の午前中に出勤してまとめてやっています。2〜3時間かかります。それらを毎日1時間ずつ空き時間ができて、その中でできたら、週末のサービス残業もなくなりますし、評価もたまらない、子供達へのレスポンスも早くなるので学習効果も上がるのでは、と考えます。私の授業で子ども達が理解できているかという自分の授業への評価はしますが、成績表に反映するための評価をなくせば、空き時間がなくてもいいかもしれません。【小学校・教員】

週20時間以内が限界だと思います。そもそも、勤務時間内に業務を終わらせるためには、毎日4時間+給食のみという時間割が必須です。午後の退勤時間まで全て使っても終わらないほどの業務量です。もちろん、休憩時間はゼロです。最大で毎日5時間授業とし、持ち時間数は上限20。そうでなければ、文科省の言う「超過勤務20時間以内」の達成は不可能です。【中学校・教員】

数だけで言えば、12~15時間がちょうどいいのかなと思います。それ以上少ないと、授業づくりを頑張りたい先生たちは寂しくなるように思います。【中学校・教員】

20コマを超えると、日々の心の余裕ももてず、授業以外の仕事を放課後(もっと言うと勤務時間外)にしないといけなくなる実感がある。自分の少ない空きコマの間にどれだけ仕事ができるかという考え方になり、空きコマを利用して他の先生の授業を見に行ったり体調不良で保健室を訪れた生徒や別室に通う生徒に会いに行ったりするような、マストじゃないけれどやれたらいいようなことに足を踏み出しづらい。【中学校・教員】

「20~24コマ」「25コマ以上」を選択した方の主な意見

20コマと24コマは大きく違う感覚があります。また、時数だけでなく教科数がいくつあるかもしれません。担任を持っているか、持っていないかも大きな差がある気がします。それから、クラスの規模も関係するので、時数だけでは、計れない部分もある気がします。【小学校・教員】

特別支援学級なので、担任以外に授業を任せにくいところがあります。特別支援学級に限って言えば、定員8人を減らすとか副担任をつけるとかして、担当の教員を増やすことで、持ちコマを減らしてほしいです。【小学校・教員】

私は専科教員ですが、担任経験もあります。全学年担任しましたが、担任として20コマ持つのと専科として20コマ持つのは全然違い、正直担任で20持ってたほうが楽だったなと思います。1時間の勝負度合いが違うのと、1年の次に6年の授業が来ることもあり、なかなか切り替えが大変です。空きコマに学級の支援へ行くよう言われていましたが、それを続けている間に心身が疲弊し、休職寸前になったため、今年は支援を外してもらって、代わりに校務分掌が少し多めになりました。コマ数の数字だけ見て「空いてるから動けるだろう」と思われるのはつらいです。【小学校・教員】

特別支援学校教員です。最低でも1日1コマの空きがあれば、業務と心にゆとりができます。並行して、業務の削減が必要。形式的な申請書類等は今すぐにでも減らせると思います(が、減らない)【特別支援学校・教員】

設問4 持ちコマ数についてのあなたの意見は?

Q4. 授業の持ちコマ数について、あなたの意見を自由にお書きください。(任意)

総時数やカリキュラムの見直しが必要

学習内容の見直しをして、今の時代で本当に必要な内容を精選して取り組むべきだと思います。プログラミング教育やキャリア教育、外国語、道徳の教科化などやることが増えているので、その分他の部分で内容を見直して欲しいです。【小学校・教員】

総時数を減らして欲しいです。教員に空き時間が増えたとしても、子供は減りません。教員の働きやすさと同時に子供の学びやすさを考えたら、総時数を減らす以外にないと思います。授業日数を増やして、1日あたりの指導時数を減らすと言いますが、子供が強いられる時間はトータルでは変わりません。【小学校・教員】

小学校段階で教科担任制にしすぎると、発達段階も絡み、学級経営がうまく成立しなくなると考えます。担任の負担が重すぎない20時間程度になるよう、教科担任よりも授業時数、教科の削減を求めます。【小学校・教員】

教科によって教員の持ち時間が変わり、周りの先生の中には1日に1コマしか空き時間のない教員がいます。放課後は会議、生徒指導、部活動指導に追われる中、絶対に授業準備が勤務時間内には終われない状態です。学ぶ内容を減らし、教員数をそのままにしてもらえればいいと思います。現状を考えれば、少なくとも総授業時数、教える内容を減らすのは大前提ではないかと思います。【中学校・教員】

学習指導要領に示されている学習内容が多すぎる。歴史を教えているが、用語が多すぎて生徒が覚えることに汲々としている。共通テストは改善されてきているが、私立大学を含めた入試改革が必要と感じる。【高等学校・教員】

持ちコマ数だけで判断できない側面がある

結局、病休や育休などで学校現場にいなくなる先生の代わりがいないのでみんなで補助している。時間数は関係ないと思う。来ている人は休む人の代わりにも授業をする。【中学校・教員】

持ちコマ数だけで考えるのは難しいです。テキスト数のほうが大きい要素かもしれません。授業コマ数を減らすのを考えるよりも、授業以外の業務を減らすことを考えるほうが重要だと思います。【中学校/高等学校・教員】

2単位の8クラスで受け持つ生徒は約300名である。評価や個に応じた指導は難しい。空き時間は校務分掌の業務に追われ、授業に関する仕事は勤務時間内ではほとんどできない。【高等学校・教員】

教員の負担は、単に授業のコマ数だけでは測れません。担当する授業の種類、分掌や学年や教科等の会議、クラブ指導、HR指導、1クラス当たりの生徒の数など多岐にわたる要素が関係してくるからです。また、3観点評価の導入により評価方法が以前とは比較にならないほど複雑になり、その負担増(というか、その負担に見合うほどの効果が期待できないという徒労感)もあります。【高等学校・教員】

教科によって差があると思う。実習をしてレポートを課す教科、小テストの採点が必要な教科と、体育や音楽のように時間外に生徒の提出物をこまめにチェックする必要がない教科とは、持ち時間に差があって当然だと思う。さらに言えば、学校や教科担当者によって、実習がない、実習させてもレポートは書かせない、レポートを書いても内容は見ずにハンコだけのような教員は持ち時間を減らす必要はない。校長がどのような教育がなされ、どのような指導をしているか把握すべきだと思う。【中等教育学校・教員】

「週案の時数が労働時間」と見なされる習慣が教員の世界には根強く、週案に反映されない時間に仕事をしがちな特別支援教育コーディネーターや通級指導担当は、どうしても「仕事をしていない」ような見られ方をすることが多い。本校は教員に対する管理職の理解があり信頼が厚いので、週案の時数外での仕事があることはわかっているので、時数に捉われることがなく、働きやすい。学級担任はどうしても時数が多くなってしまう(それでも25コマぐらいが限界)が、私のように自由に動き回れて全学年の様子がわかっている人が学校に一人いるととても助かると思う。【小学校・教員】

負担軽減のために、何が必要か

理科や音楽や書写などの専門的な科目は専科の先生に見てもらえたほうが、授業の質も上がるしほかの研究の時間にも充てられそうです。【小学校・教員】

会議の時間を減らすことが教員の福利厚生、授業の充実につながる気がします。【中等教育学校・教員】

コロナ禍をへて、標準時数を上回らなくとも、適切な指導ができていればよいという風潮になったことを受け、余剰時数を削減し、放課後の空き時間を確保できるような計画を立てる。また、教科担任をひけるような人員の確保、校内での交換授業等を積極的に行い、教材研究の負担軽減、複数の教員による指導体制の構築を進める必要がある。【小学校・教員】

加配を積極的に進めてほしい。市の予算で会計年度任用職員も採用してほしい【特別支援学校・教員】

行事や大会により、時数が足りなくなってしまうことは避けたいです。授業以外の業務を大幅に削減し、全員担任制を全国各地で導入し、質の高い指導を実現すべきです。【中学校・教員】

その他の意見

教員の労働時間の削減が課題となる中、一向に改善が進まない。最も有効な手段が一人当たりの授業の持ちコマ数を減らすことだと以前から考えています。【小学校・教員】

午前中はフルであってもいいので、午後からは探究や習熟の時間にして他の先生に任せたい。【小学校・教員】

理科と社会がクラス数によって1番最初に教員数が減らされるのが納得いきません。
学校によっては国数英でも授業数が多くて習熟度などしていないところもあります。まずは教員の数を増やすこと。そのために、部活動指導員だけでなく、教員の労働環境を良くすることが大切だと思います。【中学校・教員】

コマ数の不平等が、職員間の分断を招いています。なんとかして欲しいです!【中学校・教員】

現状、持ち方数というよりも担任をしている教員のほとんどが毎日一限目から授業が入っていることがしんどいなと思います。学校ごとの教員の勤務形態にもよるかとは思いますが、朝礼を行いその後約10分後に授業が始まるのは欠席生徒などにも連絡ができません。私は昨年度などは週4日一限から授業でした。【高等学校・教員】

毎日日中1コマは空きがあるか、放課後に教材研究する時間があるといい。やらねばならないことが多過ぎて、きめ細かなことをしたくても準備の時間がなく、日中は子ども達への対応に追われ、一日一日を過ごすのに精一杯になってしまう。保護者や議員、地域の人など日中放課後などに気軽に学校を訪問してもらったり、対話したりしたい。子ども達のために私たちにゆとりが必要であることを知ってもらい、お互いに何ができるのかを一緒に考えたい。【中学校・教員】

まとめ

前回のアンケート調査と同様、小学校の教員の授業コマ数が最も多く、児童・生徒の学齢が上がるほど少なくなる傾向が見られました。

しかし、授業以外の業務に割かれる時間や、受け持つ科目数や人数規模、評価活動の負担が増していることなど、一概にコマ数だけでは判断できない実態があることもわかりました。

今回のアンケート調査では、現場の窮状と、その改善を求める切実な声が多数寄せられたため、なるべく多くの意見を記事の中で引用いたしました。校種を問わず、教員の多忙解消と、それによる授業の質向上や教員の心身の健康の保証は、依然として急務であると言えます。


▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼

アンケート資料ダウンロード 申し込みフォーム

* 記入必須項目

■お名前*
■メールアドレス*
■立場*
■データの使用用途*
■ご所属
■教職員アンケートサイトフキダシへの登録を希望する
※対象は教職員の方のみです。
■メガホンの運営団体School Voice Project への寄付に興味がある

※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

同じキャンペーンの記事

教職員アンケート結果まとめ

WEBアンケートサイト「フキダシ」で実施し、公表した教職員向けのアンケート結果を掲載しています。また、アンケート結果を元にトークをしている「メガホンRadio」や「メガホンChannel(Youtube)」もまとめていきます。

最新記事やイベント情報が届くメールニュースに登録してみませんか?

Emailアドレス*

メガホン編集部

NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

関連記事・コンテンツ

記事

記事はすべて無料です

続きをお読みいただくには簡単なアンケートにご協力ください。

※サイト運営の参考にさせていただきます。
※一度ご回答いただくと再表示されません。

ご職業やお立場をお選びください。

あなたの年代をお選びください。