学校をもっとよくするWebメディア

メガホン – School Voice Project

学校をもっとよくするWebメディア

【教職員アンケート結果】職員会議資料は紙配付? データ配付?

  • メガホン編集部

学校現場では、教職員の業務負担軽減に向けて、ICTを活用した校務の効率化(校務DX)が進められています。文部科学省の「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト」でも、職員会議等の資料のクラウド共有・ペーパーレス化が推奨されています。

職員会議資料のデータ配付には、印刷・配付作業の削減や資料管理の効率化などのメリットが期待されます。一方で、情報の見落としや、紙の方が使いやすい場面があるなど、データ配付ならではの課題も考えられます。

実際の学校現場では、職員会議資料はどのような方法で配付されているのでしょうか。また、教職員はそれぞれの配付方法についてどう感じているのでしょうか。全国の教職員の皆さんに聞いてみました。

※このアンケートは、WEBアンケートサイト「フキダシ」内にある『みんなに聞きたいこと』に寄せられた投稿から作成されました。

アンケートの概要

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2026年9月18日(金)〜2026年10月26日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数 :37件

アンケート結果

設問1 職員会議の資料の配付方法は?

Q1. 職員会議の資料の配付方法は?

全体では、「データのみで配付」が78%と最も多く、「両者で配付」の11%と合わせると、約9割の回答者が職員会議資料をデータで受け取っているという結果となりました。一方、「紙のみで配付」は8%、「その他」は3%でした。

校種別に見ると、「データのみで配付」と回答した割合は、小学校で約76%、中学校で約71%、高等学校で80%となり、いずれも7割以上を占めました。回答数に限りはあるものの、今回の回答者の勤務校では、校種を問わずデータ配付が広く取り入れられていることが伺えます。

その他の内容

職員会議の前に管理職や主任等が参加する運営会議では紙で配布され、職員会議ではデータ配付。また年度はじめは紙での配付。【小学校・教員】

設問2 職員会議資料の配付方法について、どう思う?

Q2. 上記の内容に関連して、あなたが思っていることや考えていることを教えてください。(100字以内)(任意)

自由記述では、印刷・配付作業の削減や紙の使用量・印刷費の節約など、データ配付による業務効率化を評価する声が多く見られました。また、資料の検索や保存がしやすく、過去の資料も確認できるなど、データならではの利便性を挙げる意見もありました。

ただし、データのみで配付している学校でも、必要な資料は各自で印刷しているという回答が複数見られました。資料の配付方法はデジタル化されていても、実際の使用場面では紙とデータを使い分けているケースがあるようです。

同様に、データのみの配付については、重要な情報を見落としやすい、資料の内容が記憶に残りにくい、紙の方がメモや振り返りをしやすいといった課題も指摘されています。データ配付に賛成しながらも、不便さを感じているという声も寄せられました。

そのほか、必要に応じて紙とデータを使い分けている学校の事例や、資料の配付方法だけでなく、会議の進め方や教職員同士の話し合いのあり方について考える意見も見られました。

印刷・配付等の負担軽減

ペーパーレス化して行きたいと考えています。紙の使用量・印刷費の高騰化など、あらゆるコスト負担を削減するだけでなく、ストレスフリーをはじめ、余白や新しい価値を生み出すと考えています。DXすべきです。【中学校・教員】

紙の時代は、人数分を印刷する手間はもちろん、たくさん並んだ資料を全員が取るのにも時間を要しました。何より、会議室で初めてその日の案件を知る不合理でした。ICTが全部解決しました。【高等学校・教員】

データの方がかさばらないし、検索もできるから便利。紙はファイルに閉じたりの時間がもったいないので、個人的にはペーパーレスが好き。【高等学校・教員】

紙の使用量の削減
印刷製本時間の削減【小学校・校長】

データだと資源を減らせるのと、印刷の手間を省けるのでいいと思います。【中学校・教員】

資料回収、印刷、綴じ込み、配布は結構な業務。昨年の会議議題を見直して、校務支援システムの回覧機能活用を推進し紙と時間縮減を目指している。端末配布に限定して必要な人が印刷する仕組みの導入を進めたい。【中学校・教員】

よい。
必要な資料のみ各自で印刷で、無駄な紙資料や印刷時間、印刷代が節約できる。【小学校・教員】

データ管理・共有の利便性

資料を出す側としては直前までブラッシュアップできるので、とても良い。【高等学校・教員】

データ配布だといつでもタブレットから見られて便利です。【高等学校・教員】

職員会議のデータをさかのぼれば前年度の資料も確認できるので便利に感じています。【中学校・教員】

データ配布で、ネットワーク上にファイルを置き、それを全員がアクセスしてみています。紙でないことは、場所が明確なのでアクセスが楽なこと。ただ、ネットワークの特性としてファイル形式など使いづらさもあります【小学校・教員】

紙で配付派も少しいますがほぼデータです。データならスケジュールに添付していつでも見られるので便利です。運動会資料のような、外に持ち出し+砂などで汚れる前提なら紙で印刷してもよいと思います。【小学校・事務職員】

データ配付の課題・不便さ

学校はただでさえ大量の紙を消費するので、紙の節約につながるデータ配布は基本的に賛成です。ただデータのみだと時々重要なお知らせを見逃してしまうのが難点です。【高等学校・教員】

データ配付のみになって、職員会議の議題の中で重要だと感じた情報が自分の記憶にとどまりにくくなった感じがしている。【小学校・教員】

便利な反面、後から見返したいときに、どこにあるのかわからなくなってしまうことがよくあります・・・。あと、上手に使いこなせていないことを言うと「できない人」みたいで恥ずかしいです。【小学校・教員】

ネットワークの特性としてファイル形式など使いづらさもあります【小学校・教員】

基本的にデータのみ配付です。ただ、学校行事で全職員が関わるマニュアルなどは印刷すべきじゃないのかと思っています。「勝手に見といて」は「見なかったあなたが悪い」につながるのでいかがなものかと思っています【高等学校・教員】

以前に比べて、うっかり忘れる、抜けるということが多くなったように感じます。紙の方がメモも見返すのも楽だと感じています。【高等学校・教員】

必要に応じた紙とデータの使い分け

必要な部分だけ自分で印刷しています。
他はデータで十分です。【中学校・教員】

必要な資料だけプリントアウトすれば良いのでうちの学校では、問題なく導入できている。【小学校・教員】

最近データ配信になりました。
紙でほしい人が数名いるので、その人には紙で渡しています。【小学校・教員】

持ち歩きに不便なことがあるので、各自必要なものは印刷して使ってます。その他あまり重要でない事はWeb上にあるので便利です。【小学校・教員】

紙がよい方は自身で印刷するので、問題はない。【小学校・教頭】

その他、会議運営の課題

データであろうと紙であろうと読まない人は読まない。準備する側としては、前年のものの日付を変えて仕舞えば済むこともあるのだろうが、それは去年と同じと決めつけることであって、なんの提案にもならない。【中学校・教員】

紙が悪いということではなく、会議資料をどうせ紙で配るなら、年度末に紙で教育計画を作る必要はないと思っています。【小学校・教員】

以前データ配付を提言した際、当時の管理職は会議中に教員が「内職」するのを恐れていた。実際には、資料を組み替えたり配布したりする教頭の負担が大きく減った。ただ内職する教員は確かにいる。【小学校・教員】

職員会議はデータですが、それ以外の会議では紙のところもあります。それによって、印刷の手間がかかるので、資料が出さないこともあるので、困っています。【高等学校・教員】

データになり、共有ファイル(協同作業ができる)になったことでとても効率はよくなったと感じています。ただ(中略)「これどうしていこう」と顔や目を合わせて話し合っていく機会も減っています。【小学校・教員】

まとめ

今回のアンケートでは、「データのみで配付」と回答した方が約8割を占め、職員会議資料のデータ配付が広く取り入れられている実態が伺えました。自由記述でも、印刷・配付業務の削減や資料管理の効率化など、ペーパーレス化のメリットを実感する声が多く寄せられました。

一方で、「時々重要なお知らせを見逃してしまう」「自分の記憶にとどまりにくくなった」「紙の方がメモも見返すのも楽だと感じています」といった意見も見られました。実際に、紙とデジタルの違いについては、学術研究でもさまざまな結果が報告されています。2018年の論文では、デジタルよりも紙で読んだ方が文章の理解度が高くなる傾向(計54件の研究内容のメタ分析)が示されたほか、国内の研究でも「紙の方が液晶ディスプレイよりも誤りを発見する作業の効率や正確さで優れていた」という結果も出ています。

参考:’Don’t throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension‘, Delgado et al.(2018)
参考:「表示媒体とインタラクションの組合せが誤りを探す読みに与える影響」, 松山麻珠・池内淳(2016)

そのほか、データ配付による効率化の裏で「顔や目を合わせて話し合っていく機会も減った」という指摘もありました。ここからも分かるように、資料をデータで配付することと、その内容を確実に共有・理解することは、必ずしも同じではありません。

校務DXの目的は、単に紙をなくすことではなく、教職員の業務負担を軽減し、よりよい教育活動につなげることにあります。データ配付を基本としながら、必要な資料は紙でも確認できるようにすることや、過去のデータを閲覧・検索しやすくなるようにシステム上のルールを整えておくこと、重要な情報を確実に共有したり、検討事項を事前に共有したりする運用体制を整備することも、一つの方法でしょう。また、資料共有の効率化によって生まれた時間を、教職員同士の対話や議論に生かすことも大切だと考えられます。各学校の実情に応じて、業務効率化と情報共有・議論の質を両立させる方法を検討していくことが求められます。


▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼

アンケート資料ダウンロード 申し込みフォーム

* 記入必須項目

■お名前*
■メールアドレス*
■立場*
■データの使用用途*
■ご所属
■教職員アンケートサイトフキダシへの登録を希望する
※対象は教職員の方のみです。
■メガホンの運営団体School Voice Project への寄付に興味がある

※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

同じカテゴリの記事

教職員の声に触れる

このカテゴリでは、本メディア「メガホン」を運営しているNPO法人School Voice Projectが、姉妹サイト・WEBアンケートサイト「フキダシ」で実施した教職員向けのアンケートの結果を数多く掲載しています。

現場の教職員のリアリティに多様な切り口から触れられる貴重なデータです。

最新記事やイベント情報が届くメールニュースに登録してみませんか?

Emailアドレス*

メガホン編集部

NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

関連記事・コンテンツ

記事