【教職員アンケート結果】学習指導要領の内容、精選するとしたら?
学習指導要領、学習指導要領解説、検定教科書によって、学校の授業時数が大まかに決められるなか、子どもにとっても教員にとっても時間数の負担が大きいという声が聞かれます。
2024年7月~8月にSchool Voice Projectが行った授業の持ちコマ数に関するアンケート調査では2023年の調査と同様に、校種に関わらず、多くの先生がコマ数の多さに負担を感じている現状が明らかになりました。
この現状を踏まえ、もし学習指導要領の内容を精選するとしたら、どのようなやり方が考えられるでしょうか。今回のテーマは教職員の関心が特に高く、募集期間を延長した結果、全国から小学校306件、中学校85件、高等学校39件の延べ430件もの貴重な声が寄せられました。それぞれの校種ごとに、教職員が考える学習指導要領の内容精選についての意見をご紹介します。
アンケートの概要
■対象 :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2024年12月6日(金)~2025年2月24日(月・祝)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数 :418件
アンケート結果
設問1 あなたの業務に関係する学習指導要領は?
Q1. あなたの通常業務に関係のある学習指導要領を選択してください。
(例:特別支援学校中等部 → 中学校および特別支援学校を選択)(複数選択可)

アンケート回答者は小学校に関わる教職員が最も多く306人、次いで中学校が85人、高等学校が39人、特別支援学校が13人となっています。
設問2 【小学校】担当教科・科目の内容量は?
Q2. 【小学校】あなたが授業をしている教科・科目についてお聞きします。現行の学習指導要領の内容量についてどのように感じていますか?
※担当していない教科・科目は「担当していない」を選択してください。


小学校では多くの教科で「多い」「やや多い」という回答が目立ちました。
「多い」「やや多い」回答割合は外国語(83%)、国語(81%)、算数(78%)、道徳・社会(各73%)、総合(72%)の順で高くなっています。
「ちょうどよい」の回答割合は、生活(55%)、音楽・特別活動(各49%)、図画工作(47%)が比較的高くなっており、「やや少ない・少ない」の回答割合は、特別活動(13%)以外、全ての教科で6%を下回る数字にとどまりました。
以下、自由記述の設問に挙げられていた、具体的な精選内容の提案を紹介します。
教科・科目ごとの具体的な精選の内容は?
Q. もし内容を精選するとしたら、どのような内容をどの程度削減するのがよいと考えますか。
(例)○○の内容を減らす/削除する、□□の内容を△学校の範囲に移動させる
教科ごとの意見
国語
国語では、今分散している内容をまとめて一つの教材で学べることを増やして、教材を少なくする【小学校】
小学校一年生はひらがなを習って入学する前提の教科書になっている。習わず入学する児童にとってはかなり負担が大きい。一学期は文字を書くことと話す聞くを徹底した授業にして、読む内容を減らす【小学校】
社会
社会は高学年では一次産業、情報、公民、歴史をとにかくやっつけ仕事のように触れるだけで終えることになる。行事がコロナ後に増えて、その影響で社会をはしょってしまった【小学校】
小6の社会の内容が多いと感じます。公民、歴史、地理とすべてを広く浅く学習しなければならないので、範囲を限定的にして、探究的な学習ができるゆとりがあるとよいと思います【小学校】
算数
5年生の算数は量が多すぎる。わり算できない子にとっては、復習する暇がない。また、ひとつひとつが細切れすぎて、自由進度学習にしてもゆとりが生まれないので、意味がないことが多い。【小学校】
6年「データの整理と活用」を高校の範囲に移動させる。6年「比例と反比例」を中学の範囲に移動させる。高学年の算数については、分数や割合など、基本的な計算で大事なところだけ残すようにする。【小学校】
理科
小6 水溶液の性質を中学校の範囲に移動させるのがよいと思います。危険な液体を使った実験をするには、安全に気を配る必要があり、児童の発達段階を考えるとやや負担に感じます。【小学校】
4年理科の水蒸気に関する学習を5年生以降に行う。また、子どもに理解できる教材を用意して、目に見えない分子の運動を見える化させる。4年生では現象は分かるが、煙と湯気と水蒸気の違いがわからない。【小学校】
生活
生活科の内容が、季節的なものが難しくなってきたなと感じています。例えば夏に水遊びするものが暑くて外で活動ができません。また、虫などを見つける学習も今の学校では見つけるのが困難な上に校区の公園も小さく植物がないため活動できません。【小学校】
生活科「わたしたんけん」は、お世話になった人へのインタビューは、外国にルーツを持つ児童はかなり難しいし、シングルマザーなど家庭の状況も様々な中で、この内容を扱うことにとても気をつかうので、減らすもしくは削除してほしい。【小学校】
音楽
音楽プログラミングはいらない 和楽器も興味を持てればいい 体験まではいらない【小学校】
こころの歌は、歌唱ではなく鑑賞にして、複数を同時に学習できるようにしたら、3〜4時間削減できるのではないでしょうか。最後の題材は、送る会や卒業式の練習でできないことも多いので、学校の範囲に移動させてはどうでしょうか。【小学校】
図画工作
学習指導要領通りでなくても、学校の実情でやる内容は変更の自由度はあるが、やはり、内容が昭和の楽な時代のままなのが気になる。まず、土粘土。焼成を教員が行う学校もあるが、窯詰め、窯出し、窯炊きも、とてもこの忙しい中でこなすのは時代的に無理なこと極まりない。【小学校】
造形あそび。バブリーすぎる内容。このSDGs叫ばれてる現在、あんなに材料派手に使う学習内容は時代に逆らいすぎ。バブル時代の産物と思う。【小学校】
家庭
家庭科のミシンを削除。【小学校】
ミシンの削除。ミシンがない家が多いから覚えても生かす場面がない。【小学校】
体育
体育の水泳を削除する。または、完全委託。教員は引率者、評価者として関わる。【小学校】
水泳や水遊びは、昨今の異常気象により実施時間が大幅に少なくなっている。行ってもよいが、民間のスポーツクラブなどを利用するなりしてほしい。【小学校】
外国語活動
外国語活動の内容を減らす【小学校】
小学校の外国語活動、外国語は英語嫌いを増やすし、学びになっていないのでやめるべきだ。【小学校】
外国語
外国語のwritingを中学校へ戻す。【小学校】
覚えなければいけない英単語が多すぎる。【小学校】
道徳
道徳の教科化をやめる、算数のそろばんを削除する、体育の水泳を削除する(安全性の問題もあるため)。【小学校】
道徳の価値項目D主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関することの内容を無くす、または減らす。そして道徳の標準時数も減らす。児童にとっては遠すぎる内容であるため。【小学校】
総合
総合的な学習の時間は、時数をもっと弾力的に運用しても良いように変えてほしい。【小学校】
総合的な学習の時間を無くす。35人の児童に対して一人の教師ができる授業ではないため。【小学校】
特別活動
学活のクラブ活動、児童会活動、遠足・集団宿泊的行事、勤労生産・奉仕的行事の削除。【小学校】
キャリアパスポートは不要、よって削除してその分の時数を特別活動(主に学級会)に充てる。【小学校】
6年生を送る会の削除。準備の負担が大きい。【小学校】
その他(全体に関わる意見など)
「教科横断的な学び」に関する意見
教科の成り立ちが同じ社会科と総合は合わせてよいかと思う。そういった教科の再編をしつつ全体の量を減らしていく必要がある。他国の教科にもあるように教科ではなく内容で総合する必要がある。基礎的な理科・算数と発展的な理数総合の様な住み分けをする。図工・音楽・家庭を合わせてアート学習。社会科、家庭科、総合、道徳を合わせて市民性学習。など教科数をシンプルにして総合する事で重複を減らす事ができる。【小学校】
横断的な学習を行い、教科に関わらず学べることを増やす。【小学校】
「教員の業務負担」に関する意見
小学校では、是が非でも教諭1人あたりの持ち時間数を週20コマにしなくてはならない。そのためには、人を増やす(金を出す)か、年間総時数を減らす(金を出さない)かの二択以外にあり得ない。政府・与党は学校教育に金を出す気が全く無いので、時数削減以外あり得ない。【小学校】
全体の総時間数から決める必要がある。大胆に週20コマを上限にしたいところであるが、25コマを最低限達成する事な必要と考える。【小学校】
「学校・地域連携」に関する意見
音楽、図工、家庭、体育の時数を週1コマ程度。週合計5コマほど削減できれば、毎日午前授業ぐらいにできる。午後は、教員は会議、授業準備にしっかり当てられるようにする。子どもたちは、午後は地域の体験活動の催しを増やし(場所は学校を活用)、音楽、図工、家庭、体育的な内容を、子どもたちが自分たちで選択して体験していく。【小学校】
体育・図工・音楽・家庭科は半減して良いと思います。部活動と同様にチケット制などにして地域での活動に移行すべきだと思います。【小学校】
「学習内容の選択制」に関する意見
体育などの技能教科は特に、全員が同じ時期に必ずやるものは最低限にし、クラスの枠に囚われずコース別に時間を分けてできるようにしては。体育をたくさんやりたい子は跳び箱の開脚跳びと台上前転、そうでない子は開脚跳びだけ。家庭科を多くやりたい子はエプロンともう一作、そうでない子はエプロンだけ、のように。全員が一律に学ばなければならないことを、もっと減らす。【小学校】
音楽ではやりたい楽器を選べるようにする。一律に鍵盤ハーモニカやリコーダーを与えず、いろいろな楽器を経験できるようにする。これは少人数クラスや楽器の備品が多くないとできない。【小学校】
設問3 【中学校】担当教科・科目の内容量は?
Q3. 【中学校】あなたが授業をしている教科・科目についてお聞きします。現行の学習指導要領の内容量についてどのように感じていますか?
※担当していない教科・科目は「担当していない」を選択してください。

中学校では小学校と同様に多くの教科で「多い」「やや多い」という回答が目立ちました。
「多い」「やや多い」回答割合は小学校に比べてさらに高い傾向にあり、回答者数が10人以上の教科の中で比較すると、外国語(100%)、社会(88%)、国語(78%)、理科(77%)、道徳(76%)、数学(63%)、総合・特別活動(各60%)の順で高くなっています。特に外国語は、回答者15人のうち11人が「多い」、4人が「やや多い」と答え、小学校の外国語と同様、非常に多くの割合の方が「多い」「やや多い」と回答しました。
ほかに注目すべきは「特別活動」で、小学校では「多い」「やや多い」が38%にとどまっていたのに対し、中学校では66%と大幅に増加しており、校種間で大きな認識の差が見られます。これは中学校での行事や生徒会活動の負担が相対的に大きいことを示唆しています。
「ちょうどよい」の回答割合は、数学・特別活動(各32%)、総合(31%)が比較的高くなっていますが、小学校の「ちょうどよい」回答に比べると全体的に低い傾向にあります。
「やや少ない・少ない」の回答割合は、小学校と同様に全体的に低く、特別活動・総合(各9%)以外は6%以下となっています。中学校教員の多くは、現行の学習指導要領の内容量が「多い」と感じていることがわかります。
以下、自由記述の設問に挙げられていた、具体的な精選内容の提案を紹介します。
教科・科目ごとの具体的な精選の内容は?
Q. もし内容を精選するとしたら、どのような内容をどの程度削減するのがよいと考えますか。
(例)○○の内容を減らす/削除する、□□の内容を△学校の範囲に移動させる
教科ごとの意見
国語
国語科の書写は削除すべき。特に毛筆は不要。中学国語の指導事項は3年間同一のものとして、弾力的に取り上げる形にするとよい。スリム化が図れるし、定着が難しいもの(例えば要約や引用など)は繰り返し取り上げることができ、使い勝手が良くなる。
知識・技能(特に文法や古典、漢字の筆順など)で、教師によってはマニアックな部分まで教えすぎることが問題と感じているので「これ以上の内容は取り上げない」などの上限を示すと良い。【中学校】
文種ごとの比較について、方法を教え、演習させる学習法について、国語が苦手な生徒には文章の内容理解すら苦行なのに、さらに高度な学習をしても追いつかない。結局、従来の内容理解をして、内容が理解できた文章を比較させても彼らには同じ文章をまた読まされる、という感情しか湧かず学習の深化に結びつかない。【中学校】
社会
歴史分野でいうと、抽象的になるが、教科書見開きページ2ページ(1単元)の内容が多すぎて、1時間で終わらない。アクティブラーニングなんてさせようものなら、2時間かかる。【中学校】
歴史で現代社会に関する内容は公民と統一し、歴史から公民へと連結した学びがいいのではないか【中学校】
数学
素数の内容は小学校高学年に移行できる。素因数分解は「累乗」を用いる表し方を、中学校1年で学べるようにする。四則の演算方法を集中して学べるよう、内容を圧縮する必要がある。【中学校】
箱ひげ図の内容が現行の指導要領から加わっているが、削減可能と思われる。円の性質(円周角の定理など)を高校に移動する。【中学校】
理科
理科の放射線の部分は削除する。理科の環境の部分は総合学習で他教科のことも踏まえて実施する。【中学校】
放射線の内容を3年生に移行する。【中学校】
外国語
中学校に入った時に、すでに小学校で習ったことになっている語句が多い。
小学校では、話せる、聞いてわかる、読める、見ながら書ける、は指導していても、「覚えていて書ける」までは指導していないのに、中学校では、それらの単語は習っている前提で、さらに単元ごとに多くの語句を学ぶので、生徒の負担が大きい。
各単元での新出語句を減らしてほしい。【中学校】
仮定法と現在完了進行形は高校に戻してほしいです。【中学校】
道徳
道徳は一項目につき、一つにしてほしい。【中学校】
道徳は無くす(教科書に沿った授業ではなく各校の実態に合わせて各校の裁量で行うべき)。【中学校】
総合
そもそも総合学習自体もう全廃してほしい。【中学校】
総合的な学習の時間自体をなくしてはどうか。学活にしても学級独自の時間なんて中学校には存在しない。(テスト勉強の時間になったり、本来の学活なんて初任研くらいでしかしたことない)それなら不要ではないかと考えます。【中学校】
特別活動
特別活動から学校行事としての修学旅行をなくしてほしい。修学旅行は教員にとって大変な負担です。個人旅行がこれほど多くなっているので、修学旅行はやめるべきです。【中学校/高等学校】
特別活動の大幅な内容精選を希望したい。座学の指導にも手がかかり工夫が必要な今、子どもの自主性に任せるような、見取りがかかせない特別活動の指導は大変な負担だと思う(総合もだが)。【中学校】
その他(全体に関わる意見など)
書写・毛筆
書写の毛筆の内容を減らす。行書の書き方は削除する。【中学校】
習字に関する項目を減らす、もしくはなくす。【中学校】
「授業時間・形態」に関する意見
45分授業への変更。放課後の時間が長くなり、その後の生徒指導および授業準備に余裕が持て、少し早く帰れるようになりました。【中学校】
年間総時数を中学校で980時間を実施し、同時に一人の教員の教科持ち時間を週15コマを上限にした定数改善を行う。【中学校】
体育祭や合唱コンクールなどは、取り組み期間が長い。学校によっても差はあると思うが、日頃の内容からの発表でもいいと思う。わざわざ授業変更や朝・帰りの会を変更、昼休みを練習にしてまで行うべきものなのか。【中学校】
「ICTと教育」に関する意見
小学校のパソコンのタイピングではローマ字で入力させているが、かな入力でもよしとすべきである。ローマ字習得とタイピングの習得を一度にさせるのにはかなり無理がある。かな入力の方が一度覚えてしまうとかなり早く打てるようになる。【中学校】
教科道徳の変遷のように、「特別の教科 情報」をつくり、教師ではなく情報技術を持つ人材育成担当経験者を派遣してテクノロジーのコアカリキュラムをつくり、指導するようにする。教員には情報活用能力を育成するための研修時間も習得時間もないため。【小学校/中学校】
設問4 【高等学校】担当教科・科目の内容量は?
Q4. 【高等学校】あなたが授業をしている教科・科目についてお聞きします。現行の学習指導要領の内容量についてどのように感じていますか?
※担当していない教科・科目は「担当していない」を選択してください。

高等学校は回答者数が全体的に少なく、回答10人以上の科目が国語・数学・総合・特別活動の4つのみのため、単純比較はできない部分はありますが、特に特別活動において他校種と異なった傾向が見られました。
具体的には、中学校で「多い」「やや多い」が60%となっていた特別活動は、高校では「ちょうどよい」が52%となっています。
10人以上の回答があった他の教科(国語・数学・総合)については、相対的に「多い」より「やや多い」を選ぶ回答が多かった点以外は、おおむね同様の傾向となりました。
以下、自由記述の設問に挙げられていた、具体的な精選内容の提案を紹介します。
教科・科目ごとの具体的な精選の内容は?
Q. もし内容を精選するとしたら、どのような内容をどの程度削減するのがよいと考えますか。
(例)○○の内容を減らす/削除する、□□の内容を△学校の範囲に移動させる
教科ごとの意見
国語
国語古典分野をなくす。大学で学びたい人が学べば良い。歴史は中学までにして、中学でも定期試験も実施しないし成績もつけない。【高等学校】
内容量の削減も重要ですが、平成30年度の改訂で「国語総合」を「現代の国語」と「言語文化」に、「現代文B」を「論理国語」と「文学国語」に分けたことで、授業がやりづらくなっている点に着目してほしいです。改訂により、近現代の小説を扱う時間が減りました。また、論理と文学は不可分です。以前のような区分けに戻していただくことを求めます。【高等学校】
言語文化について、「文語のきまり」等に関わる領域は中学校時の学習とさらに効果的に繋げる必要があると考える。特に、古典の助動詞に関わる事項は時間を要するため、中学校時に導入的に扱う、高校での授業の時数を増やす等の対策があればさらなる定着が見込めると感じる。(削除するのは妥当ではないと考えるが、分散させる等の施策は必要だと考える。)【高等学校】
数学
数学2の解と係数の関係を数学1に移動させる。また、数学Bの確率・統計を数学Cにし、ベクトルを数学Bに移動する。【高等学校】
一つ前の課程で良かった。例えば、「数学と人間の活用」などが顕著であり、「統計」の扱いを増やすことからも見えるが、実際にどう数学が日常と結びついているかを扱いたいのだろう。しかし、数学は学問の基礎分野であるから、抽象度が高い方が逆に応用が効く。具体と抽象の行き来をしながら理解を深めていくのは、例えばコラム等で扱えば良い話であり、それは授業でもとからやっていた。もし、現実の問題を解決しながら数学を学ばせたいのなら、例えば国際バカロレアの教科書(英語版)を翻訳したものを使わせれば良い。【高等学校】
数学A(図形分野の立体) 数学Ⅲ(積分の曲線の長さ) など、単元丸ごとではなく、その一部分を削除するべき。【高等学校】
総合
総合的な探求の時間を必修から外す。先進事例は素晴らしいのでしょう。でも、多くの学校は持て余しています。取り組みを充実させるだけの余裕がないのです。【高等学校】
全体的に内容を3分の1程度に減らし、そのうちの半分(全体の6分の1)を総合的な探究の時間を本来の「探究」ができるように時間確保できると良い。それにより大学入試もAO入試のような総合型選抜が増えている状況にも適切に対応できるようになると思う。そして、残りの6分の1の時間をこれまで短くなってきた夏休みなどの長期休暇に戻したり、新年度4月の始業時期を遅らせたりと、学校生活のゆとりと教職員の働き方改革に繋げるのが良い。【高等学校】
特別活動
指導要領に沿った授業を行いたいが、入試に向けた反復学習や、その他行事、部活動に伴う試合等によって生徒も教員も時間が取れず疲弊している状況。
既存の内容でいく場合、総学(産業と社会)や特別活動(課外活動も含む)の専門的な人的増員と資金面の保証を。【高等学校】
総合と特別活動を削除←働き方改革を進めると思う【高等学校】
その他の意見(上記以外の教科や全体に関わる意見など)
社会(地理・歴史・公民)
歴史については、まだ解釈が定まらない現代の範囲は入れないでほしい。
歴史総合については単純に分量に対して標準単位数が少ない。全部やらなくていいのはわかっているが入試を意識するとやらざるを得ず網羅主義になる。現場も工夫すべきだが工夫する余力はない。【高等学校】
日本史探求:通史として学習しなくていいということを明確にする。共通テストは必修の歴史総合の範囲に限定して出題するように明示する。
歴史総合:標準単位を3単位とする。あるいは総合探求への乗り入れ、資料読解と利用の観点で、英数国と重ね合わせた実施(1時間の授業での科目横断的内容の授業の複数カウントや、履修基準としての標準単位の縮減、習得主義の検討など)の可能性を開く記述を盛り込む
政治・経済:標準単位を3単位とする。あるいは総合探求への乗り入れ、資料読解と利用の観点で、英数国と重ね合わせた実施(1時間の授業での科目横断的内容の授業の複数カウントや、履修基準としての標準単位の縮減、習得主義の検討など)の可能性を開く記述を盛り込む【高等学校】
理科
生物基礎は内容を3分の1程度に、生物は2分の1程度でもよいのではないかと考える。生物I・IIの時代に授業を受けてきた身としては、明らかに内容と太字の専門用語が増えている。大学の生物の授業で学ぶ内容も現在の高校生物に入ってきており、高校時代にそこまで学ばせる意味と必要性が感じられない。【高等学校】
理科の本編科目(「基礎」がつかない科目)について、内容に対して標準単位数が大きく不足している。特に「物理」。【高等学校】
高校の教科書に、細胞の作りとか、目や耳の作りとか、中学で学ぶことが再び出てくる。(肝臓腎臓については完全に削除されていて良い)とてもそこまで復習するゆとりはない。遠近調節、明暗調節は中学でやって、高校ではロドプシンでの刺激の増幅に絞りたい。嗅覚、味覚についても中学以上のことは何も学ばないのに教科書にはまた出てくる。【高等学校】
外国語
外国語は中学校から学習する。少なくとも教科としては小学校からは削除し、総合学習の一環とする。be動詞と一般動詞を同時に学習しない。仮定法は高校の範囲に移動させる。【高等学校】
英語の話す・書くのパフォーマンステストを減らし、英語の基礎力向上に充てる時間を確保する【高等学校】
情報
教科情報については、扱う範囲が広すぎる。情報Iはパソコンの仕組み、ネットワーク、進数などにしぼり、情報モラルは総合などに回すべき。情報科は、法律のプロ、オフィス製品のプロ、プログラミングのプロ、進数やデータ計算のプロ、ハードウェアのプロ、デザインのプロ、マルチメディアのプロと求められることが多すぎる。【高等学校】
教科「情報」の内容精選がもっと必要かと思う。授業で教えている内容と共通テストの内容がバラバラすぎる。【高等学校】
「単位数・入試・カリキュラム構成」に関する意見
学習指導要領の教科・科目の内容の精選を進めるだけでは教員・生徒の時間数の負担は軽減されない。それよりも、標準授業時数と標準単位数が縛られていることでカリキュラム編成に自由度が無く、授業時数が増える一方である。【高等学校】
標準単位数と国立大学入試における共通テスト科目の改革を進めるべき。多くの高等学校で文理選択が行われているが、理系といえども物理・化学・生物を全て履修することは出来ないし、物理・生物の組み合わせは選択できないことが多い。【高等学校】
受験を念頭に、標準単位を超えて実施されていることが多い英数国を大胆に縮小することでトータルでは生徒の時間負担減を目指す。【高等学校】
まとめ
今回のアンケート調査結果では、学習指導要領の内容量について「多い」「やや多い」と感じている割合が、小学校では教科によって50%~80%超、中学校では60%~100%と高い値を示しました。特に小学校では国語(81%)、外国語(82%)、算数(78%)で、中学校では外国語(100%)、社会(88%)、国語(78%)、理科(77%)、道徳(76%)で「多い・やや多い」の回答が顕著でした。
校種間で特徴的な違いも見られました。特別活動については、小学校では「多い」「やや多い」が38%だったのに対し、中学校では60%と大幅に増加。一方、高等学校では「ちょうどよい」が52%と状況が逆転しています。これは中学校での行事や生徒会活動の負担が相対的に大きい可能性を示しています。
「もし内容を精選するとしたら」という問いに対しては、校種を超えて、総合的な学習(探究)の時間の削減を求める声が多く見られました。多くの教員が理念自体は理解しているものの、実施のための準備や外部との調整に多大な労力がかかることや、学校や教員によって取り組みの質に大きな差が生じやすいことを課題として挙げています。
また、実用性の低下した内容や準備負担の大きい活動について見直しを求める意見もあります。小学校ではそろばんや毛筆など時代にそぐわなくなった内容や水泳指導の削減、中学校では道徳の教科化見直しや仮定法などの英文法の高校への再移行、高等学校では情報科の内容精選や理科の内容整理を求める声が目立ちました。
さらに、授業時数や授業形態そのものの見直しについても多くの提案がありました。標準授業時数の上限設定や、45分授業への変更、午前中だけで授業が終わるような時数設定など、教員の働き方改革や児童生徒の負担軽減につながる具体的な提案が寄せられました。
今後も、School Voice Projectではこうした声を集め、制度や教育現場の改善につながるよう提案を続けていきます。
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メガホン編集部