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【教職員アンケート結果】業務への負担はどのくらい? 英検・漢検・外部模試

  • メガホン編集部

英検(実用英語技能検定)や漢検(日本漢字能力検定)、予備校の模擬試験など、外部機関の検定・試験を学校内で行うことは多いですが、「実施に大きな負担がかかる」という声も聞かれます。また、担当教職員が手続きを忘れていたことでトラブルになるケースも報道されています。

今回は、教職員の方を対象に、英検や漢検、外部模試の業務負担について、勤務校での実態を聞きました。

アンケートの概要

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年11月18日(金)〜2022年12月12日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら
■回答数 :42件

アンケート結果

設問1 検定・模試の校内実施の状況は?

Q1. あなたの勤務校では、英検・漢検・外部模試等の外部機関の検定や試験を校内で実施していますか?(国や自治体ごとに行う学力調査等は除きます)

小中学校では半数の学校で、高校では全ての学校で、外部期間の検定や模試を校内で実施していると回答がありました。

設問2 実施するうえでの負担は?

Q2. 設問1で「実施している」と答えた方にお聞きします。実施にあたって負担に感じていることを選択してください。(複数選択可)

負担に感じていることとして最も多かったのは、「事務処理(申込手続等)」。28人中24人が選択しました。次いで「金銭処理(検定費用等)」、「時間外や休日に実施すること」の順で多い結果となりました。

設問3 校内での検定・模試の実施、どう思う?

Q3. 学校内で外部機関による検定・試験を行うことについて、あなたの意見をお聞かせください。(任意)

事務や金銭処理への負担

申し込みの事務処理や代金処理を業者委託し、勤務時間内(当然、休憩時間を除く)に実施できるなら、やってもよいとは思う。が、本来、教育課程外の活動であり、希望する生徒が学校外で受ければすむことだと思う。【中学校・教員】

公立中学校勤務時代は英検を学校で実施していました。集金や申込にも気を使い、申込手続きで受験者側にミスがあっても学校側が責任を取るようになっていました。また実施日に部活動があると音がうるさくて聞こえないという課題やチャイムを切ったり戻したりすることやダブル受験者がいると放課後7時過ぎまでかかることなどもありました。受験者側の自己責任の部分が共有されず学校側に責任転嫁されることが学校で実施することの一番の課題だと思います。【小学校・教員】

生徒の負担減(学校での団体受検だと受検料が少し安くなる、会場が学校になる)にはつながるが、教員の負担が大きい(全生徒へのお知らせ、生徒とのお金のやりとり、郵便局への入金、当日の時間外勤務、手続きなどでミスをしてはいけないという精神的負担など)。また、英検は英語科教員の仕事だとされて、負担が偏る。(誰がやっても一緒なのに…)【中学校・教員】

市として補助金を出して英検を実施しており、授業をカットして検定を行うため2コマ授業が潰れること。また申し込みには担任が申込用紙を回収してチェックを行い、振込関係は教頭が行うなど負担である。さらに保護者からの問い合わせや入試に活用されることもあり、授業よりそっちの勉強に力を入れる学生もいる。【中学校・教員】

部活動等で休日開催だと出れない生徒がいるので開催は賛成だが教員負担はかなりある。昼休みの時の面接対策や外部検定と言いながら説明などするために教員にも説明する労力。大学入試と直結することでやらざる負えない。【高等学校・教員】

時間外や休日業務への負担

週休日の実施となるが、明確な振替が与えられていなかった。【小学校・教員】

地方で予備校が近くになく、生徒の実力を知る機会として業者模試を土日に、教員が兼業兼職願いを出して監督している。高3の後半半年は毎週末全て各社の業者模試が入り、3年正副担が交代で監督を強制されている。当然子育てや介護とは両立が難しく、そのような「事情」を持つ方が3年正副担を断らざるを得ない現状がある。「事情」を持たない人は兼業なのに断る権利がない。模試監督は教員でなくてもできる業務だ。校内で実施するにしても監督は学生アルバイトなどを雇えないのか。何十回もこういう交渉をしたが認められない。【高等学校・教員】

校外模試については、進学校の3年生になると、かなり頻繁に実施されるため、土日にかなりの時間を試験監督に費やさなければなりません。正直、受験の指導だけでもたいへんなのに、休ませてほしいと本気で思います。部活動問題だけではなく、検定や模試も教員の長時間労働につながっていると思います。検定を主催している団体や模試の会社にいいように利用されている気がしてなりません。【高等学校・教員】

まとめ

小中学校では半数の学校で、高校では全ての学校で、外部期間の検定や模試を校内で実施していると回答がありました。負担に感じていることは、「事務処理(申込手続等)」、「金銭処理(検定費用等)」、「時間外や休日に実施すること」の順で多い結果となりました。

事務処理や金銭処理を担うことで業務量が増えることへの負担のほか、ミスが許されないことへの精神的負担を感じるという声もありました。校内で実施することで生徒が受験しやすくなることには肯定的な意見が多く、校内で実施する場合は関連する業務を外部業者へ委託することを希望する声も寄せられました。


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NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

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