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【解説記事】コメントに悩む通知表…そもそも無くていい? 学校の「評価」の仕組みと最新情報

  • メガホン編集部

通知表の役割と実態は?

通知表について

前項「指導要録とは」では、指導要録について、それが法で作成を定められていることをみてきました。では、通知表はどのような扱いになっているのでしょうか。

通知表の役割

「学習評価に関する資料」では、通知表の役割について、次のように説明されています。

(通知表等は)児童生徒の学習状況について保護者に対して伝えるもの。法令上の規定や、様式に関して国として例示したものはない。

平たく言えば「俗に通知表等と言われるものを、国として発行するよう義務付けたことはないし、「こんな感じで発行してね」と様式の例を示したこともないですよ」といったところでしょうか。つまり、通知表の発行は、「各学校が任意でおこなっている」という位置付けになります。名称が「通知表」に限らず、「通信簿」「あゆみ」等様々なのもこのためです(本記事では「通知表」とします)。

指導要録と通知表の関係

さて、ここまでで確認してきまたように、指導要録は法よって作成が義務付けられていますが、通知表は各学校が任意で発行しているものでした。これを念頭に、改めて両者の関係について考えてみたいと思います。

要録と同じような内容で構成されることの多い通知表が、全国ほとんどの学校で「任意に」発行され続けているのはなぜなのでしょうか。

考えられる理由の1つは、指導要録が本人に対して原則非開示で運用されていることです。指導要録はあくまで「教師・学校用」の記録なので、それを本人や保護者へ共有する目的で通知表を発行している、という学校も多いでしょう。これは、統合型校務支援システムにおいて、指導要録・通知表が、ともに共通の元データをそれぞれの様式へと当てはめて完成する設計になっていることからも想像されます。

昨今、指導要録を本人に開示する動きが各地の自治体で見られるようになってきています。この流れを受け、通知表も今後変化していくのかもしれません。

通知表の実態と問題点

さて、各校独自に発行している通知表。お伝えしてきた通り、通知表には決められた様式というものが存在しません。ですから、「通知表作成業務」とひと口に言っても、作成の手順も、盛り込む内容も各校さまざま、ということになります。いったい、それぞれの学校で、通知表はどのように作成されているのでしょうか。また、そこにはどのような課題があるのでしょうか。通知表の実態と、問題点とをみていきたいと思います。

School Voice Projectでは、2022年2月〜3月にかけて、小中高の教職員を対象に、以下のアンケートを実施しました。

回答を寄せてくださったのは、いずれも通知表を発行している学校に勤務する教員で、通知表の発行頻度とその形式は下図の通りです。

通知表の発行回数は、年2回または3回の学校がほとんどでした。「二期制のため、年間2回の作成です」等の回答も見られ、発行回数は学期の数と連動していることが伺えます(3学期制を採用しているところは年3回発行、2学期制を採用しているところは年2回発行)。

形式については、高校の多くが「数値評価のみ」と回答したのに対し、中学校、小学校と、評価対象である児童生徒の年齢が低くなるにつれ「所見あり」の形式であるとの回答割合が増加しています。特に小学校では「学期によって異なる(例えば「所見は3学期のみ」等)を含めると、すべての回答者の学校で所見の記入がありました。これは、それぞれ評価対象となる児童生徒の発達段階に応じた対応といえるでしょう。

それでは、通知表作成についての具体的な問題点をみていきましょう。

まずなにより、どの回答からも通知表作成が「とても重い業務である」ということが伝わってきます。特に小学校においては、所見の記入が大きな負担となっているようです。

休日を使って書いているが、間に合わない時は、年休を取って帰宅し、籠もって書くこともある

この負担を軽減するため、多くの自治体で、所見の記入回数を減らす(例:年度末発行時のみ、等)取り組みがおこなわれていることが分かりました。

また中学校では、受験・進学との絡みからか、発行後の保護者からのクレーム対応などの難しさを挙げる教員の声も多くなっています。

志望校合格のために評定を上げてくれ、他校では要求したら上げてくれている、授業に出ていないし提出物も出していないし点数も良くないが1ではなく2にしてくれなど

そして、小中高共通して挙げられたのは、「異動すると形式がガラッと変わる」「添削する管理職によって文章表記のこだわりやルールがバラバラで何度も書き直しが生じる」など、様式の不統一に起因する問題です。これは特に、異動が避けられない公立学校の教員にとっては切実な問題で、自治体内での統一や、文科省主導による全国での統一を望む声が多く聞かれました。

この様式不統一の問題については、統合型校務支援システムについての意見も寄せられました。導入済みの学校に勤務する教員が「かなり楽になった」と回答したほか、統合型校務支援システムの導入を期待しているという回答があったことから、様式不統一の問題が改善するきっかけとなるかもしれません。

なお、アンケートからは、学校種によって、通知表作成に伴う負担感が異なる様子も見受けられました。具体的には、高校、中学校、小学校となるに連れて負担感を訴える声が多く、所見を記入すると答えた割合と関連がありました。相対的に負担感についての記述が少なかった高校ですが、2022年の観点別評価導入が、高校における通知表作成業務の煩雑化を招かないかにも注視していく必要がありそうです。

《教員へのアンケート調査結果はこちら》

参考「統合型校務支援システム の導入のための手引き」(文科省,2022年9月12日参照)

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メガホンの記事は、教職員の方からの声をもとに制作しています。
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メガホン編集部

NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

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