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【教職員アンケート結果】教職員間のコミュニケーションを円滑にするひと工夫

  • メガホン編集部

中央教育審議会では、2015年12月に「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」が取りまとめられました。

具体的な改善方策として、「専門性に基づくチーム体制の構築」「学校のマネジメント機能の強化」に加え、「教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備」があげられています。

教職員一人ひとりが力を発揮するためには、日頃からどのようなコミュニケーションが取れると良いのでしょうか?今回は、それぞれが実践しているコミュニケシーションを円滑にする工夫やアイデアをお聞きしました。

アンケートの概要

■ テーマ :教職員間のコミュニケーションを円滑にするひと工夫
■ 対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員であり、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録している方
■ 実施期間:2021年12月11日(土)〜2022年1月3日(月)
■ 実施方法:インターネット調査
■ 回答数 :31件

アンケート結果

Q. 教職員間のコミュニケーションを円滑にし、協力体制を作るために工夫していることはありますか。あなたの実践、アイディアを教えてください。

心がけや態度に気をつける

どんな先生からも学ぶ姿勢を忘れない。【小学校】

他の先生からお菓子をもらったときは、めちゃくちゃ感謝する。【中学校】

ベテラン、若手という言葉は使わない。ともに学び合う仲間と捉えている。【小学校】

一人職の職員を大切にする。例えば、栄養士さんへ、給食のことを絶賛している児童の日記のコピーをお渡しするなど。【小学校】

誰とでも分け隔てなく話す。赴任されて間もない先生方との何気ない会話「慣れました?」「元気ですか?」などを大事にする。【中学校】

以前、一緒に勤めた隣の席の先輩は、私が話しかけるといつも手を止めて話を聞いてくれました。その経験があってか、同僚から相談されたり話しかけられたりしたときは、(忙しいときはできないこともありますが)手を止めて目を向けて話を聞くように心掛けています。【小学校】

人それぞれ、どうしても譲れないもの、どうしても譲れないことを持っている。この、どうしても譲れないもの・こと以外は大胆に譲ることを大事にしている。他人に「お任せします」と委ねてみること。何もかも自分でやろうとしないこと。1人でできることなどは限られていると自覚すること。1人でできると思うから失敗するのだと心得ること。朗らかに、和やかに、協働で創り上げる意識を持つこと。【中学校】

相談する

「こんなことがあったんですが、〇〇先生ならどう対応されますか?」と相談したり意見を聞いたりする。【中学校】

力のある先輩へ、どんどん相談したり意見をぶつけてみる。そして、その会話を職員室にいる同僚に聞いてもらうことで、僕の意見も力のある先輩の意見も聞いてもらえる。【中学校】

実践や学びの話をする

学級通信を先生にも配って、学級の取り組みを知ってもらう。【中学校・特別支援学校】

・おすすめの本をポップ付きで、職員室の印刷室に置く。
・印刷室に、セミナーで見聞きし、自分が描いたグラフィックレコーディングを貼る。
・同僚と一緒にセミナーに参加する。
・セミナーで聞いてきたことを、翌日に聞いてもらう。【中学校】

日直で夕方に校舎を巡って教室の様子を拝見したとき、授業時間中などの移動で教室前で授業の様子を見聞きしたとき、そんな時に見つけたことや関心をもったことを放課後に職員室でふらりときいてみます。「今日、〇〇を拝見したんですが、あれってどんな感じなんですか?」とか、「あの授業の掲示、どうやって作ったんですか?」とか。ご本人が取り組まれていることに関心を向けて尋ねるようにします。【小学校】

児童、生徒の話をする

日常的に、とにかく教室に行って子どもの話をする。で、一緒に悩んだり取り組みを考えたりする。【小学校】

・生徒のエピソードを担任や部活顧問に共有する。
・教科授業で取り組んだ生徒の作品などが掲示されていたら、その感想を教科担当に伝える。
・授業を見学にいき、感想や質問を伝える。【中学校】

自習監督した際に気になった児童の担任に、印刷室などで「◯◯さんはどんな感じの子ですか」と、こちらから声かけしている。また、ケース会議に出てきた児童の担任には「最近どんな感じですか」と会議後、2週間頃に声をかけている。【小学校】

雑談をする

学年の同僚の誕生日に学年でおやつを食べる。【小学校】

こちらから食べ物の話を振ります。「最近どこか美味しいもの食べに行った?」など。私が好きなことを話題にしなければ、心から楽しめませんからね。こちらが楽しんでいると、意外と周囲の雰囲気が好転しますよ。【中学校】

教科の準備室には、部屋の真ん中にお菓子置き場とソファがあります。各自が食べたいものを買ってきてシェアしたり、お土産などもそこに置いて、誰でもいつでも食べられるようになっています。【高等学校】

放課後、そっと同僚にお菓子を配る。話すきっかけに。全員でなくとも、学年部とかお隣の方とか、お話聞いてもらったお礼にとか…。引き出しに小分けにできるお菓子をいくつか潜めています。また、ちょっとしたミーティングの際には、それらを少し持ち出して「糖分食べて頭を動かそう♪」と言いながらみんなとシェアすることもあります。【小学校】

研修や業務の進め方、連絡方法を工夫する

・職員室のゴミ捨て当番などの作業を1人でせずに声をかけて一緒にする。
・職員室で自分の席だけでなく、空いている席でも作業してみる。【中学校】

何か新しく取り組みたい企画があれば、前もって数名の先生の同意を得ておいてから全体に起案する。【中学校】

私は図工専科なので専科として、担任の先生をわずらわせないように、先手を打って連絡や準備をするようにすることで、担任の先生が気楽に他の業務に取り組めるように関わっている。【小学校】

生徒や保護者に配信する、配布する情報やプリントは、自分のクラスや教科担当の方々に事前に負荷なく見てもらうようにする。(毎週木曜日、とか定例化しておいて、「『パクリ』、ご自由に」としておく←大抵、一言『断り』が入るので、コミュニケーションが増える)【中学校・高等学校】

職員研修に相互承認(互いの考えを認め合う)のための哲学対話を取り入れた。「そもそも学校はなんのためにあるのか」「そもそも自分が教師を目指した理由はなんであったか」など。授業のためのHow to研修ではなく、人として、教師として大切なことを語り合うような場をつくったことで、職員室がとても和やかな1年間となった。初任者が「最初がこの学校で良かった」と言ってくれたのがとても嬉しかった。職員室が安心できる雰囲気であれば、様々な困難も1人で抱え込まずみんなで解決できる。まずは「自分の一言が学校を変えられるかもしれない」と教職員自身が思える学校づくりを目指したい。【小学校】

まとめ

ちょっとした心がけから具体的な実践まで、さまざまな工夫やアイデアが集まりました。「感謝を忘れない」「話を聞くときは手を止めて相手を見る」など、教職員である前に人として大切なことも多く書かれていました。

「学校でのコミュニケーション」と聞くと、「教員と児童生徒」や「教員と保護者」の関係性に目がいきがちですが、教職員同士が円滑にコミュニケーションを取れているかどうかも、児童生徒に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

学校が児童生徒にとって居心地の良い場所であるためには、教職員にとっても居心地の良い場所である必要があります。一人ひとりの教職員のちょっとした工夫で、コミュニケーションの取りやすい職員室が全国に広がっていくことを願います。



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NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

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