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【教職員アンケート結果】勤務開始時刻前なのに…という仕事、ありませんか?

  • メガホン編集部

規則上の勤務開始時刻、守られていますか? 

「勤務開始時刻前に朝の打合せがある」
「委員会や部活の指導がある」

中には「勤務開始時刻は朝8:00。…だけど、児童生徒の登校完了時刻は7:50」といった学校もあるとか。そういった“半強制的な早朝残業”の実態を聞きました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、朝、勤務開始時間前にやらなければならないことについてアンケートを取りました。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年6月3日(金)〜2022年6月27日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら
■回答数:104件

アンケート結果

設問1 勤務開始時刻前、どんな業務がある?

Q. 勤務校において、勤務開始時刻(学校や自治体で定められた時刻)前に組織として行っている日常的な業務はありますか。(複数選択可)
*「組織として行っている業務」には、いわゆる“暗黙の了解”を含みます。

全体の約9割の教員が、勤務開始時刻前に「登校指導」を行っていることがわかりました。次いで多かったのが、「校内の児童生徒指導・支援」「児童生徒の健康観察」です。

校種別に見ると、小学校は「校内の児童指導・支援」、中学校は生徒の「登校指導」と「課外活動・支援」、高校は生徒の「登校指導」と「教科の補習」などが多いことがわかりました。

地域別に見ると、「登校指導」を行っている学校は近畿地方で約9割であったのに対し、、北海道、東北、中部地方では約4割と、地域による差が見られました。「教職員打ち合わせ」を勤務開始時刻前に行う学校は、多くの地域では約0〜2割程度でしたが、関東では約3〜4割でした。

20代で「登校指導」と「校内の児童生徒指導・支援」を選択した方は、8割を越えており、他の年代よりも割合が高いこともわかりました。

「その他」を選択した方の主な回答

朝の活動の準備(放送機器等)、プールの水質管理。【小学校・教員】

コロナ禍になり、それまで児童がおこなっていた教室や廊下の窓開けが加わった。【小学校・教員】

地域のあいさつ運動。【中学校・教員】

職員会議、職員研修、行政の職務研修。【中学校・教員】

保護者面談、家庭訪問。【高等学校・教員】

駐輪場指導・身だしなみ指導・遅刻者の早朝登校指導。【高等学校・教員】

「その他」の内容からは、児童生徒の登校に関連する業務の他に、コロナ禍による教室の換気や、プールの水質管理など施設管理に関する業務についての回答が複数見られました。児童生徒の登校に関連する業務の他に、保護者面談など家庭の状況に合わせた業務も発生しているようです。

設問2 勤務開始時刻と登校開始・完了時刻の関係は?

Q. 勤務校では、通常、教職員の勤務開始時刻と、児童生徒の登校開始時刻、登校完了時刻はどのような順に設定されていますか。
*1 登校開始時刻…児童生徒が登校してよいとされる時刻(門が開く時刻など)
*2 登校完了時刻…児童生徒が登校しなければならない時刻(これ以上遅れると遅刻になる時刻)

児童生徒の登校開始時刻より前に教職員の勤務開始時間が設定されている割合は、小学校では6%であったのに対し、特別支援学校では75%と、大きく差があることがわかりました。

設問3 どんな問題が起こってる?

Q. 設問2 で答えた業務に関して、起こっている問題を選択してください。(複数選択可)

校種別で見ると、小学校は67人中67人全員が「事実上の勤務開始時刻が早くなっている」と回答し、中学校・高校は「特定の教職員に負担が集中している」と答えた割合が6割以上と高くなっています。

年代別で見ると、「当番が負担である」と答えた割合は30代・40代で4割以上と高く、「特定の教職員に負担が集中している」と答えた割合は、20代で64%、30代で57%、40代で33%と、年代が低くなるほど高いことがわかりました。

20代では「当番が機能していない」「児童生徒に不利益が生じている」などの回答を選択した割合が約3割で、他の年代は1割以下であったのに対して高いのが特徴的です。

「その他」を選択した方の主な回答

児童のトラブルがあった場合、その指導が勤務時間前にすでに始まっている。換気のための窓開けなど、児童の登校前に行うため、実際は勤務開始時刻より30分程早く出勤する。【小学校・教員】

登校時刻を遅らせると、親の旗振りの時間が遅くなり、仕事に間に合わない。【小学校・校長】

司書の勤務時間は8時からにもかかわらず、7時半ごろから図書館の前で待っている児童がいる。【小学校/中学校・職員】

保護者からの電話対応も勤務開始より早いため、電話をとる必要がある。【小学校・養護教諭】

登校完了に合わせて勤務開始5分前倒し+1限開始15分前倒しで朝の余裕が全くない。小さい子どもがいる上、市外通勤なので完全に負担。【中学校・教員】

勤務開始時間の方が早いがわずか10分後には登校してくるので、結局早く出勤せざる得ない。【特別支援学校・教員】

「その他」の内容には、勤務開始時間に関わらず、児童生徒が登校する時間が早ければその分早く出勤せざるを得ない状況や、保護者からの電話対応への負担もあがっていました。また、児童生徒のトラブル等から発生するイレギュラー業務への負担も問題として上がっています。



▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼

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メガホンの記事は、教職員の方からの声をもとに制作しています。
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NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

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