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【教職員アンケート結果】皆さんの「変えたいこと」を聞かせてください

  • メガホン編集部

School Voice Projectでは、今後、文科省や教育委員会、国や自治体などへの政策提言を行っていきたいと考えています。

みなさんが教育行政(各自治体の教育委員会、文部科学省など)に対して「こんなことに困っている」「こんなふうに変えてほしい」「こういう制度や決まりがあったら/なかったら、もっとよくなる」と、日頃感じていることをお聞きしました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、皆さんの「変えたいこと」ついてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。ぜひご登録ください。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年3月19日(土)〜2022年4月10日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:34件

アンケート結果

設問 あなたの「変えたいこと」は?

  1. 教育内容に関わることについてお書きください。(学習指導・生徒指導・進路指導・部活動など)
  2. 予算に関わることについてお書きください。
  3. 人事・働き方に関わることについてお書きください。
  4. ルール・仕組みに関すること、その他全般のことについてお書きください。

※ 全回答の中から抜粋し、該当する項目に分類して掲載しています。
※ 回答のすべてが文科省や教育委員会、国や自治体などの管轄とは限りません。

働き方に関すること

業務整理を誰かに断行してほしい。子どもの顔がちらついたり、減らせることに時間と情熱をかけている教員がいることを知っているだけに、現場がそれを行うのはとても難しい。【小学校・教員】

運動会、学芸会が簡素化したことで、学習の時間がしっかり取れたことが今年度とても良いところでした。文科、教委はそうした事例を「働き方改革の効果」として、良いものという取り扱いで宣伝してほしいです。【小学校・教員】

うちの市では、産休や療休が出ても代替えの方がいないという理由で配置されません。3月末時点で登録者ゼロだったと記憶しています。今年度も支援専任の方が途中から担任に。自分も過去に産休に入る方の代わりに担任しました。また、コロナ禍で陽性や濃厚接触でお休みせざるを得ない中、教務、管理職で授業を回しました。【小学校・副校長】

非常勤の先生の勤務コマ数が授業ギリギリのため、教材研究や成績処理などをする時間がないです。コマ数の前後に余裕をもった勤務時間にしていただきたいです。【小学校・教員】

ICTによって、時間を効率化しても、また新しい仕事をする人が殆ど。時間が来たら、パソコンが落ちたり、教室を施錠するなど、強制的に退勤する方法も必要なのではないか。【小学校・教員】

家庭の事情で、短時間勤務を希望する人が希望する働き方が選べるようになってほしいです。1人でフルタイム勤務はできなくても、2人で1人分の勤務をするなど柔軟な勤務体制への改善を求めます。長時間労働のため、家事育児にあてる時間が少なくなることを懸念して、退職する先生がいるので、その先生がまた働きたいと思える労働環境を整えてほしいです。【小学校・学習支援員/スクールサポーター】

労働時間内に授業の準備ができていないのが現状です。もちコマ数を週20未満にすれば、事務仕事を含めて勤務時間内に終えることが可能かと思っています。【中学校・教員】

人員配置や雇用に関すること

教職員定数を改善してほしいです。小学校における副担任制など、複数の職員で学級を担当するような制度ができてほしいです。【小学校・教員】

・スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの正規雇用化と常駐を希望します。両者とも社会事情の複雑化によってニーズが高まっています。
・学校司書を全学校に配置して欲しいです。学校図書館を充実していくためには、学校司書の存在が必須ですが、自治体によっては置かないところもあります。そういった学校では、休み時間の図書の貸し出しができなかったりします。それは、子どもたちにとって大きなマイナスです。また、配置するだけではなくて、最低限の生活ができる程度の賃金を払っていただきたいです。【小学校・教員】

会計処理を教員がやらなきゃいけない仕組みを変えて欲しい。生徒の成長と関係ない仕事なのにミスができないので仕事の負担が大きい。【中学校・教員】

校長は少なくとも5年以上(もしくは退職まで)変わらないようにして、自分事として責任を持って学校運営(マネジメント)して欲しい。【高等学校・実習助手/実習教員】

私の勤務校は専門高校なのでまだ余裕がある方だと思うが、定員が減ったり定員割れになるたびにどんどん減らされる。とにかく人員を増やしてほしい。【高等学校・教員】

学校の設備やシステムに関すること

業務負担改善のための問題作成ソフトや採点ソフトを導入して欲しい。私立との差が開くばかり。【中学校・教員】

iPadを入れたのはいいけど、付属品が実用的ではない。
・あまり使わないキーボードや肩紐が人数分あり管理がしにくい。(紛失を招く)
・持ち帰りを想定していなかったのか、クッションケースがなく、破損多数。【中学校・教員】

・同じ府立高校内でも事務室によって消耗品の種類や質が違いすぎる。ホッチキスの芯を1つずつ、ゴミ袋も枚ずつしかくれなかったり、ノートや磁石などは置いてくれない。担任がクラス運営するための文房具などは公費で賄ってほしい。
・とにかくエアコンをつけてくれない。授業でも汗かきながら行っており、生徒が複数名保健室に行くか倒れるまで、温度設定を変えてくれない。トイレも古く和式しかない。【高等学校・教員】

いろいろなセキュリティーの問題はあるかもしれないが、もう少し制限をなくし、できるだけクラウドでデータを管理してほしい。そうすれば、在宅や移動の際にもデータへのアクセスが便利になり、職務の効率化が図れるケースもあると思う。【小学校/中学校・教員】

スケジュールや時間割に関すること

春休みが短すぎます。25日にやっと修了式、卒業式後に人事が発表され、異動者もあり実働し始められるのは1日から。6日から新年度が始まってしまうので準備期間はたったの3日。【小学校・教員】

周年行事を縮小化してほしいです。地域とのつながりは大切ですが、過剰な演出や制作物のためにかける時間を、子どもの学習にあてたいと思います。【小学校・学習支援員/スクールサポートスタッフ】

・地域によって違いますが、次年度の人事(何年生を担任するかなど)を年度内に知らせてくれれば、春休み中に次年度の準備ができると毎年思っています。
・児童の登校開始時間を、勤務開始時間以降にしてほしいです。勤務開始前に児童が登校すると、安全確保の面で不安がありますし、また担任の先生たちは特に、出勤開始時間が早くなるので残業が増加します。【小学校・教員】

部活動に関すること

平日の部活動は部活動指導員に任せて、土日は地域のスポーツクラブに任せて、授業準備と心身のリフレッシュに充てたい。【小学校・教員】

部活動を学校生活から切り離すことができれば私たちのより良い働き方につながると考える。教育課程外の活動が主になり、学習指導等で自己研鑽する時間が確保できない現状は本末転倒の状況。新しく教員を目指す人たちが働きやすい環境を整えていくことが急務だと思う。【中学校・教員】

部活動の顧問は全員強制をやめて、原則なしにしてほしいです。やりたい人は地域のクラブチームの指導者として参加をすることを可とすれば、自分の意志で決められます。【中学校・教員】

学習の内容や指導に関すること

子どもたちが自分の夢や願いを声に出して、安心して語ることのできる社会にするためにも、学力で順位をつけることを止めてほしい。【小学校・教員】

1学級の人数を30人以下としてほしいです。やはり30人を超えると子どもたちのことが把握できない、テストの採点等に時間がかかる、教室が狭くなる等、様々な部分で問題が発生します。【小学校・教員】

学習内容を精選してほしいと思います。学習する内容が多すぎて、ただやったというだけで終わってしまう単元もあり、厳しいです。【小学校・教員】

あまりにキッチリとし過ぎている時間割がもっと柔軟に組めるようになって欲しい。また、単位取得に必要な時間数に多少の余裕(余白)が欲しい。(個別最適な学び、主体的な学びを進めるためにも必要)【高等学校・実習助手/実習教員】

学校教育とは離れるが、学校以外での学びの場を保障してほしい。不登校児童生徒数が20万人になり、多くの子どもが行きたくても行けない状況にある。【高等学校・教員】

生徒指導に関すること

生徒指導のあり方を、懲罰的、支配的なものにすることをやめて、地域研究に基づき、生徒理解を基本とした対話的なあり方にあらためていくべき。校則については、法律や人権の観点から早急に検討が加えられるべき。【中等教育学校・教員】

世間の状況に比べ、生徒指導の方針が逆行し、厳しくなっている。おとなしい(荒れない)生徒に対して、従わせて満足している教員が多い。社会の変容とともに、校則の在り方から進路指導まで見直す必要がある。【高等学校・教員】

情報伝達に関すること

大阪では、メディアを通して知ることが多く、現場の教員が知らないまま先行してSNSやメディアで方針を発信されるのがきつい。生徒や保護者などエンドユーザーと対面している現場が軽視されているように感じる。【高等学校・教員】

教育委員会に「現場の教員の意見や要望を直接伝えることができる」部署や仕組みを作って欲しい。【高等学校・実習助手/実習教員】

教職員の学びや育成に関すること

自己研鑽に関する予算を付けて欲しいです。【小学校・教員】

大学の教職課程において、授業方法以外を選択ではなく必修で学べるようにしてほしいです。学級経営の充実を学習指導要領で12年間にわたって広く求めるのなら、必修で学級経営を学んでおくことが、現場に出た時に教師や子どもたちにとっての幸せにつながると思います。【小学校・教員】

まとめ

最も多くあがっていたのは、働き方や人員配置、雇用形態に関する意見でした。具体的には、「業務量が多く、労働時間内に授業の準備ができない」「人員不足から、希望する勤務形態が選べない」「教員以外の専門家の配置を増やしてほしい」「部活動を学校生活から切り離してほしい」などの声が目立ちました。

また、児童生徒の学習に直接影響することに関しては「学習内容が多すぎる」「授業時間数に余白がほしい」「1学級の児童生徒数を減らしてほしい」など、余裕を持って学べる環境の必要性の訴えが多くありました。

現在は、アンケート結果を参考に、School Voice Project から文科省や教育委員会、国や自治体などへ政策提言が行えるよう準備を進めています。



▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼

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メガホン編集部

NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

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