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【教職員アンケート結果】子育てと仕事の両立について

  • メガホン編集部

各自治体や学校では、教職員の子育てを支援する育児休業や時短勤務などの制度があります。制度の活用法をわかりやすくまとめたパンフレットを作成するなど、子育てをしながら働きやすい環境づくりに力を入れる自治体もあります。

参考:子育て応援ハンドブック 京都府教育委員会

一方で、2021年夏に日本教職員組合が実施した調査では、教員の業務量の多さが明らかになりました。小中学校や高等学校教員の持ち帰り残業を含めた実質的な時間外労働の平均は、過労死ラインとされる月80時間を超えていることがわかりました。

教員の時間外労働 平均で過労死ライン超 “休憩0分”も 日教組 | NHKニュース【NHK】


このような状況の中、子育てをしながら働く教職員の方は十分に子どもとの時間を取れているのでしょうか。その実態と、働きやすい環境にしていくために必要なことを伺いました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、子育てと仕事の両立についてアンケートを取りました。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員のうち、子育てを経験している方
■実施期間:2021年11月20日(土)〜12月12日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:89件
(子どもの年齢が18歳未満の方:77件、子ども年齢が18歳以上の方:12件)
(男性:43件、女性:41件、その他:1件、回答しない:4件)

アンケート結果(子どもの年齢が18歳未満の方の意見)

設問1 子どもとの時間は十分にとれてる?

Q. 子育て真っ最中の教職員の方にお聞きします。(子どもが18歳未満)子どもとの時間は十分にとれていると感じますか?

※ 産休、育休、非常勤の方は除いています。

「取れている」「まあまあ取れている」を選択した方の主な理由

保育園の迎えがあるので、帰る時間が決まっているため。【小学校・男性】

できるだけ定時退勤をし、休日出勤もしないようにしているため。【小学校・女性】

学校の規模が大きい(児童数1000人弱)ため、補欠授業を組みやすく、子どもの学校行事への参加等もできています。【小学校・男性】

土日は職場に行かず、家で子どもと過ごすようにしている。その分、平日の帰宅時間は遅く、一緒に過ごす時間が十分ないまま就寝となる。【小学校・女性】

部活動を副顧問の立場で担当することができているから。【中学校・その他】

相当悩んだ末に部活動の休日勤務をなくしました(もちろん部員からの反発はありましたが)。休日はいっしょにいれる機会が増えました。来年度、育休を申請している(男性です)ので、来年度は時間がとれそうです。【中等教育学校・男性】

学校が人員的にまだ余裕がある学校なので、部活や部署の配慮をしていただき、繁忙期以外は夕方1時間の時短を週に何回かとれています。職場には男性でも時短取得されてる方がいます。【高等学校・女性】

高校の教員ですが、今年度は部員数0名の部活動の顧問になっている。【高等学校・男性】

「あまり取れていない」「全く取れていない」を選択した方の主な理由

平日はほとんど、同居の義両親に任せきりのため。十分一緒に過ごしている実感があるのは週末のみ。【小学校・女性】

朝早く出勤、帰宅は遅い。土日も教材研究や成績処理などをしているため、我が子と遊んでいる時間も仕事のことを考えている。【小学校・男性】

中学1年生息子と高校1年生娘。ゆっくり話を聞くことができていない。こちらも帰宅後バタバタしており、子ども達はゲームやスマホ。土日は部活があり、気持ちや時間にすれ違いが…。【小学校・女性】

平日は、保育園や児童クラブのお迎えが終了時間間際になり、自宅に着くのが夜遅くなってしまいます。休日が唯一、子どもと一緒にいられる時間ですが…疲労でついダラダラ過ごしてしまい、せっかくの子どもとの時間がすぐに過ぎさってしまいます。 最近はこれの繰り返しですね。【小学校・男性】

平日は18:30ギリギリの学童のお迎えに行き、夕飯までに入浴を済ませ、夕飯時に今日の話をすこーしして、気がついたら寝る時間。週末は習い事に付き添うなどして一緒に過ごすこともありますが、平日は疲れ具合によって、子どもに窮屈な思いをさせていると思います。【小学校・女性】

朝5時半に家を出て、8時に帰宅する事が珍しくありません。1日自分の子どもが起きている姿を見ない日もあります。そうした日が続いたある日の朝に、子どもから『次はお父さんいつ来るの?』と聞かれたときには非常に衝撃を受けました。それ以来、なるべく早く帰ることを心がけてはいても、なかなか難しく。平日早く帰った分、休日に学校に行って埋め合わせています。【小学校・男性】

まだ末っ子の子育て中ではありますが、これまでの3人の子育てを振り返って考えると「無我夢中」の一言に尽きます。
長男の幼児期は、頼れる親戚や友人もいない場所での子育てだったので、朝保育園が開くのを門の前に立って待ち、先生にお願いしたら学校に猛ダッシュ。帰りはいつも閉園時間に間に合うか間に合わないかで滑り込み。おたふく風邪で1週間休まねばならないときは、同じく教員の夫と交代に学校を休み、それでも足りないときやどうしても休めない急な発熱時にはやむを得ずシッターさんに頼みました。(これはかなり悩みますし勇気がいります。)
また学齢期には、我が子の運動会や参観日に行けないこともしばしば。疲れすぎて子どもの書類に目を通せず、提出物が出せずに恥をかかせてしまったことも多々あります。帰りは早くて7時。生徒指導が入ればさらに帰宅時間は下がり、手の込んだ食事を作ることも、ゆっくり子どもたちと会話する時間もなく、情けなさと申し訳なさに苛まれ仕事を辞めたくなることも多々ありました。教師も一人の人間です。余裕のある豊かな心で我が子や教え子たちの前に立てるようなシステムでなければと思います。【小学校・女性】

朝ご飯を一緒に食べられないのがつらいです。あと部活動の繁忙期は遠征で毎週末6時から17時まで活動し、それから仕事をして…という感じでした。【中学校・男性】

子どもとの時間は大切にしているつもりですが、子ども自身は帰る時間が遅いことが不満なようです。家でも教材準備等があり、「ながら子育て」という感じのときは多いです。【中学校・男性】

次女(5歳)に、出がけに「また来てね」と言われたことがある。先日絵に描かれたのは「またいっしょにくらせますように」 単身赴任はしていない。【高等学校・男性】

帰宅したら生きるための活動のみ。ご飯を食べさせてお風呂に入れて寝かすだけです。土日にたっぷり遊びますが、こちらも疲れているときもあり十分に遊んであげれないと、「ほんとごめん」という気持ちでいっぱいになります。【高等学校・女性】

育休中は宿題や時間割をチェックしてましたが、復帰してからはほぼほぼ放置です。忘れ物もあるようですが、親が手伝わなくても自己管理できるようになって成長を感じます。私が下の子の寝かしつけで寝落ちパターンが多く、上の子より先に寝てしまっています。お風呂を一緒に入って、5分~10分くらいですが、話を聴くようにしています。【高等学校・女性】

設問2 どうなればもっと働きやすい?

Q. 子育てをしながらの働き方として、こうであったら良いと思うことをお書きください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。

定時で退勤できるような業務量にしてほしい

授業や子どものことに関する仕事に集中できたらいいなと思う。会計や、設備点検などは、専任の方がいたらどんなにいいか、と思う。【小学校・女性】

とにかく定時に帰れること。時間にも心にも自分に余裕があると、子どもに向き合ったり、子どもと何かをやってみようと考えることができそうだから。【小学校・女性】

定時で退勤できるような業務量の見直しと適正化。勤務時間より前に児童が登校しない時程を全国的に広める。(子育て世代の朝は大切な我が子とふれあう時間)【小学校・女性】

担任をしていると、朝から帰るまでトイレに行く暇もないのが現状。また、個人情報保護の観点から、持ち帰りができない仕事が多く、事務仕事は放課後や朝にしかできない。しかし、子どもの送迎があるため残業ができず時間が取れない。週に数回でよいので、事務整理&教材研究に当てられるよう空きコマをつくって欲しい。帰ってからの家事育児含め、精神的にも体力的にも無理をしがちなので、体調を崩して病休をとるまでに追い詰められるケースも少なくない。リフレッシュ時間を確保できるのが当たり前の職場環境になってほしい。【小学校・女性】

子どもも大人も授業時数を減らし、平日にゆっくりする時間を設定する仕組みが欲しい。例えば午前中授業を設定して、午後からは友だちと遊んだり、探究活動をしたり、家でゆっくりしたり、図書館に行ったり、子どもたちが「やりたい」と思っていることができる時間をつくりたい。そのためには、国の膨れ上がった授業時数を削減したいです。子どもたちも本当に忙しく、隙間を見つけて友だちと遊ぶような状況。見ていて辛い。【小学校】

働き方改革としてたくさん変えていきたいところがあるが、今一番変えていきたい点は、自分の時間を確保することです。

1つ目は、朝の時間確保へ向けてこうなってほしい点
・登校時間をあと30分遅くする。→現状1番ハードルが高い。
・業務を補助するスタッフの配置。→非常勤の職員、時差出勤等。これもハードルが高い。
・担任の朝の書類チェックの緩和 →書類の電子化 。アプリの導入で管理を一元化。これが現状としては、1番実現化への道のりが近いように思います。

2つ目は、放課後の時間確保へ向けてこうなってほしい点
・下校時間15:00統一。→市内統一希望。現状各学校バラバラ。かなりハードルが高い。
・会議時間短縮→いろいろなツールを使って日頃から情報共有につとめる。現状タブレットの普及もあるので、かなり可能性が高い。
・下校時間厳守。→意外に過ぎることが多いかな…。1日5分の短縮が1週間では25分。1ヶ月では、100分近く時間を生み出すことができます。現在実行中。これは今すぐ実行できることですね。

時間があると心の余裕が生まれますね。これが時間確保で一番必要なこと。余裕がある中で、しっかりと業務に取り組んでいきたいです。【小学校・男性】

勤務時間内で、授業準備や校務分掌ができる時間的ゆとりがほしいです。こうしたい、という思いはあるものの、時間がなくていつも最低限のことで精一杯です。授業準備も、生徒理解も、校務分掌の仕事も、中途半端だなと感じ、働きがいを持てずにいます。現状、勤務時間外でしか授業準備の時間をとれません。【中学校・女性】

全日制勤務ですが、全日制の中で、前半勤務、後半勤務のように出退勤を2パターンに分ける。前半勤務の先生は主に担任業務、後半勤務の先生は主に分掌、部活動業務、と業務内容もわける。【中等教育学校・男性】

休みを取りやすくしてほしい

子どもの急病時や行事の時、補充の準備や後の丸つけなど、仕事を増やす状況なく、休めたら良い。また、誰かしらに迷惑がかかってしまう、という申し訳なさが心的負担になるので、そう思わなくて済むような環境、人手がほしい。【小学校・女性】

病気になった時、参観日、懇談会、たまには子育て休暇とかあって、気兼ねなく休める日があるといい。平日にもっと気持ちに余裕が持てる働き方ができるといい。毎日何かに追われているように感じます。【小学校・女性】

教員が休みを取るのは、長期休暇の期間という暗黙の了解がありますが。平日に当たり前に休みが取れるようになったらいいなと思います。学校の行事が多い時期、教員の仕事が増えるのもそうですが、自分の子どもの行事への参加も増え、ヘトヘトになります。【小学校・男性】

子育てをしている、していないに関わらず、定時退勤が当たり前にできる環境になってほしいです。そのためには、業務が減ること、人が増えること。子育て中に限ると、男性の育児休暇が一般的に取れるようになるといいです。育休は、制度としては取れるけど、講師がいないことや、担当する業務の引き継ぎが難しいことを考えると、なかなか育休を取ることは難しいです。【小学校・男性】

まずは職場における子育て世代に対する理解が必要です。「我が子の学校行事にはぜひ行っておいでよ。熱が出たら遠慮なく休みを取ってね。」と言い合える職場であってほしい。ただそのためには「私が休むと他の職員に迷惑(負担)をかけてしまう」という環境ではダメなので、交代してくれる人がいるという人的配置が必要だと思います。また、残業や持ち帰り仕事を減らすためにも、丸付けや印刷の支援など多種多様なヘルプ人材がいてくれると助かります。
現状では、5時以降の保護者からの電話も当たり前のように繋がれているので、よほど急ぐ内容でなければ翌日にしてもらうなどの配慮が必要かと思います。また職場の共通理解ももちろんですが、保護者の方々にもそういった協力を求める必要があると思います。(役所が業務を5時で終わるように)【小学校・女性】

子どもとの時間を取るために、参観や入学式や運動会などの行事があるときは、休みを取ることを当たり前にして欲しい。どんな時に誰が休みを取ってもいいような環境を整えて欲しい。【中学校】

日本人は仕事に取り憑かれていると思います。仕事のできる・できないで人を評価することは、まるで成績で子どもたちを評価しているのと同じような感じです。気軽に休める環境をつくることが、良い働き方の近道だと思います。(現在は、育休をとったり、自分の子どものことを配慮できることすら、優秀な人の要件になっている気がします。あんまり心地よくはありません)【中等教育学校・男性】

私は現在、育休中で、退職しようか悩んでいる。互助会の育休復帰セミナーを受けたら、4時に起きたり、夜中12時まで仕事をしている例が出てきた。欲張って二足の草鞋を選んでいるから、時間など更に欲張ってはいけないと言っていた。そんな働き方したくない。
私の周りでこの一年で3人育休明けで退職した。今まで見てきた先輩ママたちも休む時に本当に申し訳なさそうで、やりたいことはほとんどできないで、なんとか我慢して今を過ごしているように見えた。男性の育児のための時短はほぼ例を見ず、女性教員ばかりが苦しい思いをしていると思う。いろんな形を選んで働ける環境になってほしいと心から思う。朝の時短で1時間目に入れないと習熟度の他の先生にも皺寄せがいったり、朝の会議には参加できなかったりする。オーストラリアの学校では体調不良も含めて、休まなくてはいけない時、代わりの人が同じ内容で授業をしてくれた。カリキュラムや指導内容、教員の数など大きな変化も含めて変化していかないと、生き生きと子育てをしている姿を生徒達に見せることができないと心から感じている。私はこの春、やめてしまうかもしれない。【高等学校・女性】

時短、もしくは時差勤務が取れるようにしてほしい

希望する人が時短勤務を取れるようにしてほしいです。子どもが小さいときは、働く時間を短くしながら、子どもとかかわる時間を確保したいです。例えば、2人で1人分の仕事をすることが可能になれば、教師を一度辞めた人も働くことができるかもしれません。担任をするのであれば、副担任制にして、2人でクラスを見ることになれば、子どもの看護などの休暇が取りやすく働きやすくなると思います。【小学校・女性】

育児短時間勤務の制度が使える環境にしてほしいです。東京都には育児短時間勤務制度がありますが、小学校の教員は使うのは不可能と校長(教育委員会)や事業団の相談室から言われました。それだけでなく、時差出勤や時短勤務でさえ取るのが厳しい状況です。知り合いも時短勤務をしている先生は音楽の先生だけでした。しかも時短勤務の制度を知らない先生が大半です。子どもが小さいうちだけでも、子どもと一緒にいる時間が長く確保できる体制を早急に整えてほしいと思いました。【小学校・女性】

フレックス制が気軽に利用できる。子育て中でもそうでなくても、教える以外の仕事をなくして欲しい。朝はギリギリ駆け込んでいます。それでも校長にはもう少し早くきてと言われ、どうすればいいのかと思います。すべてがギリギリです。【中学校・女性】

幼児期の間は部活動の顧問をするかどうか、選ばせてほしいです。土曜保育に預けて部活動に行くのはお金もかかるし子ども負担をかけていて申し訳ない気持ちになります。子どもが小学校にあがっても4年生までは朝や夕方1時間減の時短をとれるようにしてほしいです。【高等学校・女性】

勤務校を選べるようにしてほしい

子ども(特に未就学児~小学生)を持つ教員の勤務地に対して、もう少し教育委員会の配慮があるとありがたい。自分の場合自宅及び保育園から学校まで車で30分近くかかるため、毎年自宅のある地域への異動希望を出し続けたが、全く通らないまま年長児になった。特に今年は夫も自分も中学3年生担当なので退勤が遅くなることが多く、子が情緒不安定になったり睡眠不足になることも増えている。【中学校・女性】

自分の子どもとの時間を持ちたいすべての教員が、勤務地や勤務時間帯の希望を通せるようになってほしいです。自宅近くの勤務校を希望した人が、なかなか希望を聞いてくれないということもありました。また、女性が時短や勤務地の希望がある場合は通りやすい一方、男性は通りにくいような気がしています。ジェンダーバイアスがあるのではないかと思いました。【高等学校・女性】

人員を増やしてほしい

育児のために時短勤務を選択する方がいるときには、育児加配のような人員が増えるとありがたい。増えた人員の方は専科のように授業や校務分掌を受け持つ役割とし、時短勤務の方の事務時間(空きコマ)を増やす。【小学校・男性】

休暇の制度があっても、代わりに自分の受け持ち業務(担任、授業、会議)を行う人がいない、またはいたとしても代わりの方の負担が増し、定時に仕事が終わらない状況があり、制度が使えません。また、準備が追い付かず、平日に休暇を取れば持ち帰って仕事をしたり、土日に学校にきて埋め合わせをする状況です。やはり、余裕をもって人を配置していただくのがいちばんの願いです。【中学校・男性】

職種上、多少残業はやむを得ない面もありますが、仕事が定時に終わることがほぼ皆無な状況なので、人員を増やして仕事を分散できればありがたいです。【中学校・男性】

子ども育てる一翼を担う学校現場なのに、子育てに不寛容な雰囲気がある。 人を増やし人的余裕があれば、若い方や子育てしていない方にばかり負担がいかないのではと思う。【高等学校・女性】

その他

職員連絡にもSNSの使用は認められていないので、そこをもう少し緩和してくれると、職員間の連絡を家に帰っても取ることができるので、朝の時間に忙しく確認したり、漏れの心配もないように思う。【中学校・男性】

夕方からの時間帯は育児に関われるように、勤務時間以降はリモートワークなどで事務作業や教材研究が校外でもできる環境が整えば良いのではないか。会議はリモートでの参加も選択肢にあるといいのではないか。【中学校・男性】

1 授業がプロジェクトベースのものが主流になっていくこと。教員がいないと授業が成り立たない状況から改善されるといいと思う。
2 オンラインによる会議や情報交換が一般化すること。突発的なトラブルがあっても情報交換がスムーズにいく環境整備が必要ではないかと思う。
3 子育て世代以外にしわ寄せがいく構図の解消。未婚や子育てが落ち着いた世代がカバーをしてくれているのが現状で、業務の偏りを作ってしまっている。
子育て世代のみをサポートするのではなくて、誰にとっても取りやすい風土や環境が必要だと思う。【中学校・男性】

アンケート結果(子どもの年齢が18歳以上の方の意見)

設問 子育て環境、よくなってる?

Q. 皆さんが子育て真っ最中の時期と比べて、今の学校は、子育てと仕事の両立がしやすい環境にあると思いますか?

「そう思う」「まあまあそう思う」を選択した方の主な理由

育児休業が3年取れるので、復帰のタイミングが調整しやすいと思います。また、周りに子育て世代の先生が多いため、妊娠や子育てに関するさまざまな権利についての情報が入るのもいいなと思います。ただ、休業に入るにあたり、代わりの先生が来ない可能性があるのは問題です。【小学校・女性】

うちの学校では若手の教員が子の看護のためにしょっちゅう休んだり、子の学校行事を優先したりしています。いい事だと思います。昔はできませんでした。教員のブラックさが一般の方にも知られるようになり、少しずつ理解が広がっているように感じます。この「フキダシ」のような取り組みを継続的に行い、さらに広く広報していくことが必要です。【小学校・男性】

かつては、子どもを産むということは、退職を意味することが、往々にしてありました。今は、男子の育休取得も可能となりました。まだまだだと言われればその通りですが、良くはなっています。問題は、制度のみではなく、所得がこの20年全く伸びていないことも両立しにくい要因ではないでしょうか。【小学校/中学校・男性】

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を選択した方の主な理由

子育て休暇の制度は以前からありました。これは子育て中は大変助かる制度でした。ただ、教員の日々の仕事量の多さを考えると、今も15〜20年前も変わっていないと思います。帰りが遅い、又は、仕事を持ち帰る、ということは続いていると思います。【小学校・女性】

だんだん負担は増えています。少人数授業の担当教員が減ってきていること、いろいろな名目で所属していた教員がカットされていることがあるようです。来年度は、算数の少人数教員はいなくなるようです。教頭、教務がかなりの授業数をもっているため、職員室から人が消えるほどの教員不足を実感しています。子どものことで休みを取ることが難しくなっています。私が子育てをしていた頃は、もっと気楽に休めました。自習を組むだけでなく、授業を引き受けてもらえることもありました。「産むなら中学、育てるなら小学校」と教えられたほどです。【小学校・女性】

まとめ

18歳未満の子どもを持つ教職員で、子どもとの時間が「取れている」「まあまあ取れている」と回答した方は全体の4割弱。学校で担当業務の調整がなされているケースもありますが、「平日は7時過ぎには出勤して、全力で仕事をして定時過ぎには退勤をする」「相当悩んだ末に部活動の休日勤務をなくした」など、自身で調整している方もいました。

子どもとの時間が「あまり取れていない」「全く取れていない」と回答した方は、全体の6割強。「子どもに窮屈な思いをさせていると思う」「朝ご飯を一緒に食べられないのがつらい」「ゆっくり子どもたちと会話する時間もなく、情けなさと申し訳なさに苛まれ仕事を辞めたくなることも多々あった」など、子どもとの時間が十分に取れていないことへの後ろめたさを感じている方が少なくありませんでした。

子育てをしながらでも働きやすい環境をつくっていくために必要なこととして、1番多くあげられていたのは業務削減。業務量の多さに加え、事務作業や教材研究は児童生徒がいない時間帯に行うことが多く、定時で退勤することの難しさがあることがわかりました。また、休暇を取れる制度があったとしても、自身が休むことで他の教職員や児童生徒へのしわ寄せがいってしまうことを気にかけ、なかなか休みが取れないという声もありました。

18歳以上の子どもを持つ教職員からは、現在は男性の育児休暇の取得が可能となり、かつてより子育てはしやすくなったのではないかという声がありました。一方で、教員不足により、現代の方が休むことへの難しさがあるという意見も。

子育てをしながら働く教職員は、当然親としての顔も持っています。我が子と時間をともにし、じっくり向き合う時間を取ることは、多くの方が望んでいることだと思います。子育てをしながら余裕を持って働ける環境であることは、子育て中ではない教職員の方にとっても働きやすい環境です。

教職員が余裕を持って働ける環境をつくっていくことは、ゆくゆくは学校に来ている児童生徒にとっての過ごしやすい環境に繋がるのではないでしょうか。 



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メガホン編集部

NPO法人School Voice Project のメンバーが、プロやアマチュアのライターの方の力を借りながら、学校をもっとよくするためのさまざまな情報をお届けしていきます。 目指しているのは、「教職員が共感でき、元気になれるメディア」「学校の外の人が学校を応援したくなるメディア」です。

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