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【教職員アンケート結果】こんなこともできる!「一人一台端末」のおすすめ活用法

  • メガホン編集部

文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」の一環で、全国の児童・生徒にパソコンやタブレット端末が1人1台配布されています。

「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All(全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉)」を意味しており、GIGAスクール構想では、特別な支援を必要とする子どもを含めて、誰一人取り残すことのない教育環境の実現を目指しています。

新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインを活用した授業への必要性が高まり、端末の配布は当初の予定よりも前倒しして行われました。現在は小中学校で9割以上、高等学校で2割が配布を完了しています。それぞれの学校で、1人1台端末がどのように活用されているのかを聞きました。

端末1人1台、変わる授業・教育現場:朝日新聞デジタル www.asahi.com
【最新ICT解説】 今さら聞けない「GIGAスクール構想」とは project.nikkeibp.co.jp

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に「1人1台端末」のおすすめ活用法についてアンケートを取りました。

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2021年9月29日(水)〜10月17日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数 :33件

アンケート結果

Q. 現在各自治体において、コロナ禍を契機に「1人1台端末」環境の整備が前倒しで進んでいます。あなたの教室や職場では、どのように活用されていますか?おすすめの活用法を教えてください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。

学校行事

学校祭演劇の音響係が各自で材料を集めて、PCから出力する。

運動会表現の動画をGoogleドライブで共有して個人練習。

運動会の応援団の振り付けを考えるときに動画で保存!

運動会の練習でも、運動場で同様に使用しています。見通しが持てると活動に参加することができました。突然の動きの変更なども、イラストで示すことができて、何度も見ることができるので便利です。

運動会のダンス。1人1台で自分の姿を録画して見本の動画と比較。自分の踊っているときのイメージと実際の動きのギャップがよくわかり、個々の子どもが自分の動きを修正することができるようになります。

授業・学習評価

学習のお手本の動画を配信。

調べ学習。辞書。デジタルドリル。

鍵盤ハーモニカやリコーダーのテストでの活用。

さまざまな学習の振り返りもGoogleフォームを使うようになりました。集計の手間が無く、瞬時にクラスで共有できるのが便利です。

支援学級担任です。授業に付き添うときには、タブレットを持っていき、担任の先生の説明を文字やイラスト、写真などを使って、視覚情報に置き換えています。視覚優位の子どもたちにはかなり効果があります。

教科では、音楽の時間は作曲アプリを活用して合奏をしたり(鍵盤ハーモニカが飛沫の関係で使用できないため)、図工では作品を連続写真で撮り、繋げてアニメーションを作りました。国語の音読テストは、待ち時間がもったいないので音読する自分を自撮りさせ、それを提出させてみました。

・チャット機能でその場で意見交換
国語の物語教材や道徳の題材を音読、CD再生しているときに、子どもたちに感想を打ち込んでもらう。社会や理科の動画でもできる。そうすると、子どもたちの率直な感じ方や、理解などがわかりながら授業を進めることができる。

・図工の鑑賞カード、他
図工の作品を1枚のシートに写して、そこに学習の振り返りを書くことができる。友達の作品もタブレット上で見ることができる。また、友達へのフィードバックも直接できるので、実際の場面より、より意見交流が生まれやすい。自分は自分のスライドに書いた友達の作品の鑑賞の情報を、友達の作品のコメントに書き込むようにしている。

・自主学習ノートの交流
クラスや学年を越えて自主学習時に交流できるクラスを作り、写真をアップしていいねやコメントをつける。子どもたちは、下級生のお手本になるために頑張ったり、上級生のノートをお手本に頑張ったりと意欲的になる。

(ロイロ)Web検索、ノート作成、提出
(eライブラリ)練習問題

生活の時間(1、2年生)
① 季節の植物などの問題を出す。
② 出されたお題の写真を撮ってくる(校内)
③ Google classroomに提出
④ 答え合わせ

図工
① 自分の作品の写真(立体は360°動画)を撮って提出。工夫した所や見て欲しい所をコメントする。
② 一人ひとりが密にならずに観賞できる。

・ミライシードのオクリンクを使い、互いの考えを送り合ったり、プレゼン資料として活用したりしている。
・英語訳の辞書代わり。
・録音機能を使い、リコーダーの録音および提出。

私の自治体では、SKYMENUの「発表ノート」が使えます。今まで紙で書いていた図工の「作品カード」として使うと効果的です。自分の作品の写真を撮り、貼り付け、がんばったことなどを入力します。それがたまっていくので、ポートフォリオとして活用できます。

宿題をGoogle フォームで出している。授業中、Google Jamboardや Google スプレッドシート、 Google スライドを使って、共同で作品を作ったり、話し合いをしたりしている。

図工の作品をスライドにあげて、全員で鑑賞し、その感想をGoogle スプレッドシートに記入。習字の課題を試し書きしたものをGoogle Jamboardの1枚目にあげて、見本と比べて自分がどうしたらいいか書き込み、何枚か練習し、完成したものを2枚目にあげて、自己評価。

国語の音読を動画でとって提出。社会の資料をスライドにして、Google classroomの指示にしたがって、学習を自分で進めていく。

算数の授業は毎回Microsoft formsで、はじめに前回の復習問題を数問テストし、最後に授業の終わりのミニテストや振り返りをしている。図工作品のアイデア図や設計図をGoogle Jamboardに描いている。

授業では個々の意見をGoogle Jamboardに添付し、共有を図るなどの取組で多様な意見を集約することに活用している。

小学校3年生ですが、学習ではタイピングアプリやプログラミングアプリの活用、Google classroomを活用して意見集約や共有などを主に行っています。

【Google for education】
・classroomで交流、レポート提出
・meetで集会
・サイトでホームページ作成
・総合のまとめをスプレッドシートやスライドで作成
・ドライブに写真保存
・フォームでアンケートをとる

【Office365(Microsoft365)】
・OneDriveで自宅でもプリント作成

【ミライシード】
・放課後ドリルパークで宿題
・授業中の課題が早く終わったら、ドリルパークで自主勉強

【その他】
・リレーのバトンパスを動画で撮りあって、フォームを確認する(体育)
・SKYMENUでお絵描き大会
・虫の写真を撮って、観察シートをかく。(生活)
・ネットレで自主勉強

自分が担当している音楽の学習においては、
①Google フォームを用いて、学習発表会の振り返り
②演奏動画の撮影&提出(Google classroomを活用)
③プログラミング媒体のScratchを用いてのリズムや旋律作り
④Google スプレットシートを用いて、歌詞、楽曲、演奏についての感想等の共有
⑤鍵盤アプリを用いた、鍵盤ハーモニカの代用
④Googleスライドを用いて、和音学習(カードの音を鳴らし和音を選ぶ)をする。さらに、選んだ和音を、Google フォームを用いて回答
⑤スプレッドシート、又はGoogle Jamboardを用いての、リズム作りの創作
といった学習時に活用した。

学級活動

朝の健康観察、教育相談。

健康観察(体温の入力)や出欠管理(少しずつ導入)。

アンケートを活用して学級の話し合いに活かす。

子どもたちには時間割確認ツールとして主に使われてます。

Google classroomのストリームで、今日のめあてと振り返りを毎日入力。日々の検温をformsで集計して管理している。

毎朝の心身の健康チェックを登録し、履歴として残している。心の天気を学級一覧で眺め、曇りの生徒には直接声をかけるようにしている。

子どもが自分でつける日記のようなもので、子どもの今日の心の様子や気持ちなどを知り、普段の生活での関わりに活かしている。

学期末にロイロノートで“自分プレゼン”を子どもたちが自分で作り、懇談で1学期を振り返ったり自分の成長についてプレゼンしました。

特別活動との相性がとても良いです。係活動では、写真係や電子新聞係、アンケート係等、クラスを楽しくする係活動に、タブレット端末が加わりパワーアップしました。学級会等の話し合い活動では、Google Jamboardを活用し、意見を整理したり、まとめたりしています。
失敗したこともたくさんありますが、今は使うことを目的として、様々なことにチャレンジしています。

・学級会での意見の集約
・クラスの係の掲示物作成
・図書館の資料名、内容の引用のためのメモとして写真を撮って保存→学習に活用する
★教室での調べ学習はインターネット利用が増え、図書館の活用が減っている現状があり、本来の情報センターとしてある図書館を活用する視点も持ち合わせたい。図書館資料とICTと併せて行い、相乗効果を図るにはどうしたらよいか、様々な活用の幅が考えられると思っているので模索したい。

家庭との連携

登校できない子への遠隔授業。

Google classroomでクラスの様子を配信。

Microsoft Teamsに連絡帳の内容を添付しメールでクラスグループに送る。毎朝児童がパソコンを開き、それを見て書いている。欠席児童にもパソコンを持ち帰っていれば家で見ることができる。

◎コロナ不安などで、学校に来たくても来られない子どもと教室をつないでいる
(ロイロノート)
・毎時間、授業後の板書を写真に撮って送信
・テストやプリントの送信→提出→返却
・子ども同士のノートや作品の共有
・一言メッセージの交換など

教員間の連携

職員間のアンケート調査。

地区研究会などでオンライン会議。

Microsoft Teamsで担当者会の情報伝達。

職員の連絡掲示板として使われてます。

Zoomで公開授業、ブレイクアウトルームで事後研修

教員間で教材や職員資料などをクラウド上で共有したりしています!!

まとめ

1人1台が持っているパソコンやタブレット端末は、教職員と子どものやりとりだけではなく、子ども同士や教職員同士、家庭との連携などにも活かされていることが回答から読み取れました。

特に多かったのは学校行事や授業での活用で、子どもたちの意見を集めたり、話し合いを進める際にはGoogleのツールが多く使われているようです。

Google フォームのトレーニング | Teacher Center | Google for EducationGoogle edu.google.com

Google Jamboard: 共同作業に適したデジタル ホワイトボード | Google Workspace for Education | Google for Education Jamboaedu.google.com

1人1台端末の活用方法は、文部科学省が運営するサイト「StuDX Style」で紹介されています。活用方法に悩んでいる方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。

StuDX Style(スタディーエックス スタイル):文部科学省www.mext.go.jp

また、アンケートの回答に含まれていた学習支援システムをいくつかご紹介します。

1. Google Classroom
Classroom | Google for Educatio edu.google.com

2. Microsoft Teams
Microsoft Teams for Education – オンライン授業や校務に必要なツールが 1 つの場所に www.microsoft.com

3. ロイロノート SCHOOL
【ロイロノート・スクール】1人1台GIGAスクールに最適な授業支援クラウド n.loilo.tv

4. ラインズeライブラリアドバンス
ラインズeライブラリ|タブレット等のICT機器を活用し、主体的な学びや個に応じた指導を実現するアダプティブ・ラーニング学習システム|LINES www.education.jp

5. ミライシード
TOPwww.teacher.ne.jp

6. SKYMENU Cloud
学習活動端末支援Webシステム SKYMENU Cloud www.skymenu.net

2020年度から急激に進んだオンラインを活用した授業。多くの学校現場では、その対応に追われてきました。1人1台端末が導入されたことが、教職員を疲弊させるものではなく、一人ひとりの子どもにあった学習を手助けするものであって欲しいと思います。



▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼

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