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学校での働き方改革が叫ばれている今、教職員の皆さんは夏休みをどのように過ごしているのでしょうか。

夏休みには教科関係、部活動などの課外活動、事務関係、プールや学校行事、研修など、学校や立場によってそれぞれの業務があります。その中で、閉庁日などを活用して帰省やバカンスなど、積極的に休暇を取る方も多いと思います。

全国の教職員の方に、夏休みの勤務状況や意見を聞きました。

アンケートの概要

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2023年7月14日(金)〜2023年8月14日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら
■回答数 :75件

アンケート結果

設問1・2 今年度の夏休みの日数は?

Q1. 勤務校の、今年度の夏休みの開始日(1学期の終業式の日、またはそれに値する日)を教えてください。
Q2. 勤務校の、今年度の夏休みの終了日(2学期の始業式の日、またはそれに値する日)を教えてください。

上記設問の回答を元に夏休み期間の合計日数と平日の日数の平均日数をグラフにまとめました。

夏休みの期間は、小学校が36.9日、中学校が38.7日、高校が35.7日でした。校種による大きな差は見られなかったものの、中学校の夏休み期間が比較的長いことがわかりました。特別支援学校に所属する教職員3名の回答によると、夏休み期間は平均で41.7日でした。

設問3 夏休み中の出勤数の割合は?

Q3. あなたは、夏休み中(設問1から設問2までの期間)に土日・祝日以外で何日間休みを取得しますか?
※夏季休暇、年次有給休暇、振替休業等の名目にかかわらず、仕事を休むすべての日数を合計してください。

上記の回答を元に夏休み中の出勤日の割合をグラフにまとめました。

中学校と高校では約8割、小学校では約半数の教職員が、夏休みの平日のうち6割以上の日に出勤していることがわかりました。特に中学校では平日に出勤する人の割合が高く、約6割の教職員が平日の7割以上の日に出勤していることがわかりました。

男女別に見ると、平日の出勤日が6割以下の人は女性が44.1%、男性が34.2%でした。また、平日の出勤日が8割以上の人は男性が13.2%、女性が8.8%と、男女で出勤の割合に違いが見られました。

設問4 夏休みの出勤理由ごとの日数は?

Q4. 夏休みに出勤する理由とその日数を教えてください。

小学校では事務処理・書類作成で1〜5日出勤する人が81%、会議・打ち合わせで1〜5日出勤する人が78%でした。児童への直接的な指導を理由とする出勤については、他の校種と比べると少ないことがわかりました。

教材研究・授業準備を理由に出勤する人は、中学校で83%、高校で94%でした。出勤日数は5日以下の人もいれば16日以上の人もおり、大きなばらつきが見られました。また、部活動については、中学校で78%、高校で72%の人が出勤。こちらも同様に、出勤日数は人によってばらつきが見られました。

設問4-2 上記以外の出勤理由とその日数は?

Q4-2. 上記以外の出勤理由がある場合、その理由と日数を教えてください。(任意)

職員作業(机や棚の移動、児童のトイレ掃除)【小学校・教員】

職員作業(掃除や草刈り)、校務分掌上の仕事(教科書の搬入のため)【小学校・教員】

備品管理・点検やシステム構築作業・3日【中学校・教員】

研究大会の準備と運営・発表に4日。【中学校・教員】

入試問題検討会議・7日間【中学校/高等学校・教員】

学校説明会、入試など【高等学校・教員】

進路指導主事としての業務(求人受付、来客対応、クラス担任の支援など)・10日【高等学校・教員】

設問5 夏休みの働き方についてどう思う?

Q5. 学校教職員の、夏休み期間中の働き方(出勤日数・勤務状況など)についてどのように思いますか。(任意)

もっと出勤数を減らしたいが、さまざまな業務がありできない

個人的には積極的に年休を取得し、休養に努めたいと思っています。しかし、研修会や研究会が予定されており、年休を取得しにくい状態にあります。また、日直業務がある場合は、教員間での調整が難しく、結局働くしかない状況です。【小学校・養護教諭】

学校がある時期は激務のため、どうしても研修や会議が夏休みに増えてしまう。夏休みでゆっくりできる部分もあるが、その分、行事が多くて濃密に多忙な2学期がしんどくなることもある。学習指導要領やカリキュラム自体にそもそも無理があるように思う。【小学校・教員】

受け持っている部活動によっては休みのとれる日数がかわってくるのではないかと思います。たくさん試合があってそれに向けての練習が必要になるため。【中学校・教員】

部活動指導さえなければ、教材研究や自分が望む研修を余裕をもってやることができるため、充実した夏季休暇になる。学校での研修は「やらなくてはならないもの」らしいが、初任者からベテランまで同じ講義形式の研修を受けることに意義が見いだせなくなってきた。そもそも部活動の大会や練習試合を理由に校内研修に参加しない職員もいる。部活動を廃止し、自発的に教員が学び、しっかり休息をとる時間にするべきだと考える。【中学校・教員】

学校に行かない日でも、入試問題作成やその準備の仕事をしているので気が休まらない。進路面談の準備や入試問題作成の書籍探しなど、勤務時間や日数で可視化できない仕事が重い。【中学校/高等学校・教員】

高校は長期休業のほうが忙しい。課外と三者面談と部活。普段やれないことを全部詰め込む教員が多い。当然全校体制で就職進学指導にかり出される。探究も始まって、地域に無償の労働力やサクラとしてかり出される。【高等学校・教員】

夏休みは研修や重要な会議の時間にできるといい

ゆとりがあることで、即効性がない学びも吸収できる良いタイミングだと思います。【小学校・教員】

夏休みが長いので、できればその期間に重要な会議をしたり、研修をしたりできた方がいいなと思っています。新学期が始まってから固めて入れられると、非常に辛いです。【小学校・教員】

遠慮なく、迷惑かけることなく休めると思うので、最小限の出勤に押さえるべきと思う反面。たっぷり時間があるからこそ、職員とのコミュニケーションをはかるための勉強会をした方がいいと考えています。【小学校・教員】

出勤日数の多い、少ないが問題ではなく、夏休みだからできること、例えば、対話の時間の設定など、合意してあとは個々人自由に過ごすことが出来るようにすることが大事。【小学校・校長】

運動部の顧問は、ほぼ部活のある日々。身体を休める、学校以外の外の世界を知る、教材研究をさらに充実させることが必要だと、客観的に感じる。【中学校・教員】

必要性を感じる研修や自主研修の機会を増やしてほしい

以前より、何の為に?と思うような研修は減ってきたが、まだまだある。無理やりやらせるより、自主研修を入れるようにしたり、魅力的な自主研修講座を増やす等してほしいと思う。【小学校・教員】

ずいぶん研修等が減った気がしていますが、区の方針で補習と水泳と自主学習教室をかなりの日数やらないといけない上、今後コロナが落ち着いた場合さらに日数が増えていきそうなのが不安です。【小学校・教員】

校内研修が多すぎる。【特別支援学校・教員】

個人によって夏休みの期間の働き方に違いがある

人によっての差が大きすぎる。部活動の主顧問をしている教員は、ほぼ休めない。【高等学校・教員】

担任と担任外、部活の担当と担当外で休みの取れ方が全く異なる【高等学校・教員】

幸い私は免れていますが、夏休み期間中も、講習やクラブ活動など、お盆以外なかなかゆっくりと休めていない人が多いのではないかと思います。生徒がいない夏休みくらいは、教員の特権ではないかと思うので、私はなるべく仕事を入れず休みを入れるようにしています。【高等学校・教員】

学校閉庁日に年次有給休暇を取得することに疑問

数年前からお盆期間に学校閉庁日が5日程度設定されました。事実上、その日は学校が閉まっています。細かいことかもしれませんが、この期間が「年休」扱いで休まなければならないのは不思議な気がします。例えば年末年始は、もちろん閉庁日ですが、年休ではなく休みになります。【小学校・教員】

学校閉庁日はありがたいが、それを自分の有給としてとる!というのは、おかしいと思っている。なので、普段の課業と気持ちは変わらない。【特別支援学校・教員】

現在の働き方に満足している

札幌(本校)に関しては、会議も研修も全くなく、在宅勤務も認められているので、とてもよい働き方になっていると思います。【小学校・教員】

研修は半日が3回、会議は半日が1回で、あとは自分で決められるのでよいと思う。【中学校・教員】

普段はなかなか休暇を取得することができないので、長期休暇中はゆったりと過ごしながら、休み明けの準備をできるので良いと思う。【高等学校・教員】

個人や組織で勤務日を減らす努力をしている

研修の内容を吟味し必要のあるもののみを計画し、極力出勤日を減らすようにしている。【小学校・副校長】

管理職が出勤日(会議や研修)を減らす努力をしています。毎年年休を取り切らないので、出勤日以外はなるべく年休を取ります。多くの時間をリフレッシュに使えます。これは大事なこと。仕事を忘れしっかり遊ぶ、また家族のために時間を使うことができます。でも仕事はあるので、年休の日の好きな時間に出勤したり、自宅で仕事をしたりする人は多いです。(リモートが認められていない。)【小学校・教員】

まとめ

回答者の多くが夏休み期間中にもっと休みを取りたいと思っているが、実際はさまざまな業務があり、休みを取りづらい現状があるようです。休めない理由として多かったのは、校内研修や会議など。小学校では事務処理や書類作成、中学校では部活動の指導や大会引率、高校では三者面談や進路指導、入試問題の作成などが出勤理由として多くあがっていました。

夏休み中に実施される校内研修への参加には否定的な意見が目立ったものの、自主的な研修への参加には意欲的な意見が多く集まりました。また、教職員間での円滑なコミュニケーションにつながる研修や勉強会の必要性を訴える声もありました。

夏休み中の働き方に関して何らかの課題をあげる人が多かった一方で、少数でしたが現状に満足しているという声もありました。その背景としては、校内研修や会議の少なさが影響しているようです。


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子どもも大人も居心地のよい学校をつくっていくために始まった「#学校の居心地プロジェクト」。その一環として、NPO法人 School Voice Project は2023年春から「#学校にYogiboを置いたら」という実証実験の実施を進めてきました。全国5つの協力校のうちの1つである静岡県の川根本町立三ツ星小学校では、GW明けから学校の図書室にYogibo(ヨギボー)を設置。

本記事では、Yogiboを設置してから2ヶ月がたった三ツ星小学校の様子をご紹介していきます。取材当日は上智大学教授で教育学者の澤田稔さんにもお越しいただき、Yogiboを設置した際の学習効果についてご意見をいただきました。

上智大学総合人間科学部教授、同教職・学芸員課程センター長。専門は、批判的教育学、カリキュラム・教育方法論。日本の学校現場だけでなく、米国の公立デモクラティック・スクールでのフィールドワークに携わってきた。最近は、「社会的に公正な教育」及び「学校教育における緩さの意味論」を鍵概念として研究を重ねている。関連訳書に『デモクラティック・スクール』(ぎょうせい、2013年)。その他の業績は https://researchmap.jp/minorusawada を参照。

全校生徒が使えるよう、図書室に設置

「Yogiboを置くことで場が柔らかくなって、自由の範囲が広くなることを期待していました。実際に、そうなったと思います」

そう話すのは、プロジェクトへの応募を提案した2年生担任の濵大輔さん。校長に相談すると、通常は置いていないものを学校に置くことに対して「面白い!」と思ってもらえたそう。話し合いの結果、Yogiboは図書室に置くことに。学校には共同のスペースが多くある中、なぜ図書室を選んだのでしょうか。

「どの学年の児童も使えるようにしたかったので、特定のクラスに置くことは考えていませんでした。さらに、ケアやリラックスというより、学習や創造的な活動につながるような使い方をしていきたいと思っていたんです。本校は図書室が2階の階段の目の前にあったので、学年を問わず多くの児童が使いやすいのではないかなと思い、図書室に置くことを決めました」

対話を重ね、図書室のあり方を考え直した

図書室は2教室に分かれており、Yogiboが置いてある教室には絨毯(じゅうたん)が敷かれ、もう一つの教室には畳やソファ、円卓が置かれています。並んでいるのは本だけではなく、ボードゲームも。このような環境が整ったのは6月頃でした。きっかけは以前から図書室を居心地のよい空間にしたいと思っていた濵さんの“ひらめき”だったと言います。

「休みの日に『あ、これだ!』ってひらめいてしまって、図書室のレイアウトを変えたんです。でも、月曜日にいきなり変わっていたら先生たちは動揺するだろうと思って、事前に変更の意図をお伝えしました。ただ、やはり少し抵抗感もあるようだったので、それをきっかけに『そもそも図書室ってどういう場所だろうか?』という問いについて、校長も交えて教職員3人で話をしたんです」

積極的に学校の改革を進めようとする校長の渡邉さんの姿勢も、学ぶ環境を見直す動きを後押ししました。

「新しい提案に対して、すぐにNGを出す教員はいないですね。本校は今年4月に川根本町の3つの小学校を再編して始まった小学校なのですが、それぞれの学校から来る教員で丁寧にコミュニケーションを取ってきたこともよかったのではないかと思っています。校長としても、新しい取り組みをする教員をサポートするような働きかけはしていきたいですね」

中には「図書室は、本を借りて読む場所ではないのか?」という意見もあったそうですが、話し合いを重ねていくと「子ども同士の関係をつくる場や、学習をしたり遊んだりできる場として使うのも良いのではないか」と意見が一致していきました。ただ、当然何をしてもOKというわけではありません。ブックセンター(図書委員)の子どもたちとも話し合いを重ね、図書室の使い方のルールについて全校児童に伝えていきました。

自然と子ども同士の交わりが生まれる空間に

それから1ヶ月がたった今、“本を借りる”という目的に限らず、さまざまな用途で子どもたちが図書室を活用するようになったと言います。

「ある朝2階に上がると、始業前の図書室の廊下に上履きが2足置かれていました。誰が使っているのかと覗いてみると、4年生の子たちが2人、仲良く並んで本を読んでいました。体を深くYogiboに埋めて、満足げな表情でしたね」

また、1、2年生の生活科の授業や5年生の「作家の時間※」、自律的な学習をする授業の中で、異学年が同時に図書室を利用することもあります。時に、子ども同士のちょっとした交わりもあるのだとか。

※作家の時間:児童一人ひとりが“作家”として文章を書き、1つの物語を仕上げていく時間。国語の授業内で実施している。

「5年生が図書室を出ようとしたとき、算数の問題に頭を悩ませる2年生の子の様子を覗き込み『あぁ、それやったことある』と言いながら、少しだけ助言をしていくこともありました。図書室という共用学習スペースと、自律的な学習をメインとした授業スタイルが掛け合わさると、異学年の子ども同士の関わりが自然と生じることは興味深いです。Yogiboの存在は、このような関わり合いの心理的なハードルを下げているのではないでしょうか」

さらに、澤田稔さんからは、Yogiboが子どもたちのストレス軽減にもつながっているのではないかというお話がありました。

「私が調査に通ったアメリカの学校には、各教室にピース・コーナーと呼ばれる教室内シェルターが設置されていました。小さいソファと砂時計、ストレス解消用にぬいぐるみやお手玉のようなボールなどが置いてあります。授業が嫌になったら、いつでも好きなときに学習から離脱して、そこに行って休んだり気持ちを落ち着けたりして、砂時計が最後まで落ちたら再び戻ってくるんです。これがスタティック(静的)なピース・コーナーだとすると、Yogiboは、ダイナミック(動的)なピース・コーナーになっているようにも見えました」

学習に向かう姿勢を、子どもたち一人ひとりが考える

休み時間や授業の中で活用されるようになったYogiboですが、設置直後からそうだったわけではありません。ある子が独り占めしてしまったり、学習に向かいながらもくつろぐことを目的にした使い方をしてしまったり。その度に、教員から児童にYogiboの使い方について問いかけてきたと言います。

あるとき、自律的な学習の時間に2年生の児童がYogiboにもたれ掛かりながら漢字ドリルに取り組んでいたそう。

「自律的な学習の時間は、基本的にどこで勉強をしてもいいんです。大切なのは、『自分にとってどこでどう取り組むのがより良い状態で学習に向かえるか』をそれぞれが考えることだと思っています。なので、Yogiboを使うことを一律に禁止しているわけではありません。ただ、Yogiboの気持ちよさに溺れて学習が疎かになっているのであれば、それは自分にとってよい選択とは言えません」

「どこで勉強するのが、自分にとって一番いいと思う?」そう問いかけられた子どもたちは、自分自身が集中して学習に向かえる環境を考えるようになります。時には、自律的な学習の時間に、Yogiboが全く使われていない場面もあるのだとか。

互いを大事にしながら、Yogiboを介してじゃれ合う子どもたち

取材の日も、自律的な学習の時間に図書室を利用する子どもがいました。Yogiboを椅子代わりにして机に向かう場面もあれば、Yogiboの上でちょっとしたじゃれ合いが始まることも。

その場面を、澤田さんはこんなふうに見ていました。

「ここに集っていた4人の子どもたちは、じゃれ合いながらもお互いをどこか大事にしている。お互いを粗末に扱わない。それは、周りのモノに対してもそうでした。ちゃんと一線を敷いて、適切な距離を取りながら言葉や行動を選んでいる。リーゾナブルなラインを定めて、リーゾナブルな言動に終始している。これはなかなかすごいことのように思えます」

さらに、Yogiboの効果について、「アフォーダンス(affordance)」という言葉を使って説明してくれました。

「Yogiboと人間の間には、アフォーダンスが存在していると言えます。アフォーダンス(affordance)というのは、「物と人の間に存在する関係性」のことです。米国の心理学者ジェームズ.J.ギブソンによる造語で、affordという動詞から来ています。affordは「〜の余地/余裕を与える」とか「…に〜を(自然に)提供する・醸し出す」という意味があります。

ギブソンは知覚心理学者なので、あるモノが私たちに何かの知覚を与えると、それによってある種の人間の行動を引き起こす余地を与えるとか、行動を引き出す機会を提供する、つまりは、あるもののあり方が人のある種の行動を誘発するというようなことを考えて、それをアフォーダンスと呼びました。例えば、体育館で子どもの手の届く範囲にロープを吊るしておくとします。まず間違いなく、子どもはぶら下がるわけです。

図書室の中では、Yogiboが子どもの動きを誘っています。まずはソファのように座りたくなる。しかし、それだけではないですね。飛び込む余地も与えています。Yogiboがなければ、図書室で『飛び込む』という動作はあり得ません。楽しそうですよね。ある子どもにとっては、学習に向かう・復帰するための精神的な安定を支える機能、ストレス軽減機能を持つかもしれません。

それに加えて、『ひきずる』という行動もありました。Yogiboはひきずれるというところが面白いですね。簡単に移動できる。さらにTくんは、Yogiboを(横長にですが)立てて、盾みたいにしている、ちょっとしたサンドバッグですね。Rくんも、ところどころで殴っている。あれを殴るのはいいですよね。安全だし、ストレス軽減になる。もちろん、寝そべる、下に埋まるなど、他にもいろいろ見つかるわけですが」

子どもたちの学ぶ環境を、問い続ける

三ツ星小学校では、Yogiboの設置によって学校の中にくつろぎの空間が生まれたとともに、子どもたちの自律的な学習にもつながっていきました。その状態に至るまでには、「Yogiboをどう使っていくのが良いのか?」「どんな環境が子どもたちにとっての最適な学習環境なのか?」を教職員同士で話し合い、子どもたちにも問いかけ続ける姿勢が不可欠だったのではないでしょうか。

最後に、濵さんは今後の活用についてこう話してくれました。

「自律的な学習の時間を設けている学年の先生と連絡を取り合い、Yogiboの使い方に関して『自由と責任』『集中とリラックス』の観点で議論していければいいなと思っています。そして、異学年が混ざって学んでいる時間であっても、一人ひとりの子どもがよい状態で学びに向かえる環境をつくっていけるといいですね」

学校にYogiboを置くことで、「学習が疎かになるのではないか?」「生活が乱れるのではないか?」そんな心配をされる方も恐らくおられるでしょう。確かに、今までになかった物を持ち込むことで「場の文化」が揺らぐことはその通りでしょう。ですが、それは場の雰囲気がやわらいだり、学習への向かい方に多様性を持たせる効果が生まれることでもあります。特に、濵さんが取り組まれているような自律的な学習や、子どもたちが学び方を選択できるような授業形態とYogiboというツールは親和性が高く、馴染みが早いことも今回の取材を通じて感じられました。

今後、同様にYogibo導入の実証実験を行なっている他の4つの学校についてもレポートやインタビューを掲載していく予定です。ぜひご期待ください。