国立大学附属学校では、教員分の負担はなく、大学に請求することになっているようです。しかし、宿泊学習に伴う手当等が極めて少ない現状です。【大阪府・中学校・教員】
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学校主催の宿泊・旅行行事(修学旅行、遠足など)での食費や現地交通費がどの程度経費申請できるかは、自治体ごとに大きく異なります。地域によっては「現地での滞在費用は基本的に自分で払っている」「下見はほぼ強制なのに自腹で行っている」という状況も起こっているとのこと。
食費については各自治体ごとに定められた「職員の旅費に関する条例」の記載では支給されることになっていても、実際には自腹になっている例もあるようです。あなたの自治体の実態を教えてください。
※ School Voice Projectでは、「教員の自腹」について下記のアンケートも実施し、アンケート結果を公開しています。本記事と併せてご参照ください。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、旅行行事での教員負担についてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年6月17日(金)〜2022年7月11日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数:69件
Q. あなたの勤務する自治体や勤務校について、学校の主催する遠足・校外研修・修学旅行等の行事で「実際にかかっているが経費申請できない(教員の自腹となっている)費用」を選択してください。(複数選択可)
Q. 設問1で答えた額は、合計すると1年あたりどの程度になりますか。
Q. 宿泊・旅行行事における教員の自腹について、勤務校での実態の詳細を教えてください。(任意)
国立大学附属学校では、教員分の負担はなく、大学に請求することになっているようです。しかし、宿泊学習に伴う手当等が極めて少ない現状です。【大阪府・中学校・教員】
旅費支給制度はあるが、交通費宿泊費のみ。入館料などは対象外。【埼玉県・小学校・事務職員】
下見は、平日に行けないため休日に行くことになりやすい。管理職には下見に行くことは伝えているが、休日のため対象外と言われる。結果的に交通費・食費は自腹となる。【北海道・小学校・教員】
下見の費用は予算の都合上、1名分なら支給できるが複数名で行くと難しい。すべてを支給するには旅費配当額が足りない。【栃木県・小学校・教員】
実地踏査は各自で行い、そこにかかる費用は補填されない。【東京都・小学校・教員】
下見、実地踏査の費用は基本的に出ません。交通費は最安値のみ支給なので最短時間での下見や見回りができません。【東京都・中学校・教員】
校外学習における多くの場合バス移動をするために、下見は教員の自家用車によって行われる場合が多い。自家用車に頼らないと業務ができない事も問題だが、その燃料代は実際にかかる費用の3分1程度しか渡されない。多くの施設については、学校の下見と言えば無料で施設に入れてくれるが、そうでない場合は教員の個人負担となる。【神奈川県・小学校・教員】
キャンプの下見、市外への研究会等車で行く場合、一般道分しか出ません。午前中に授業をしていくため、高速を使用しますが、その場合高速代は自腹です。【静岡県・小学校・校長】
下見の出張旅費が出るのは2人分。でも、初めての人はみんな見ておくのが当たり前といった状況です。【福岡県・中学校・教員】】
子どもたちが自主研修中、教員は各場所で待機。そこまでの移動にかかる費用や昼食代は自腹になっている。経費として申請しているのは、旅行業者に支払っているバス代・宿泊費・宿泊先での食事代・団体で入る施設利用料のみ。【北海道・小学校・教員】
宿泊学習(1泊2日)の引率で、バス代や施設の利用費などの経費が約8,600円かかります。旅費として個人に支払われるのは、約7,500円です。前に勤務していた自治体では、全額支払われていました。【青森県・小学校・養護教諭】
基本的な交通費は出ますし、生徒と同じ時間に食べる食事に関しては出ます。それ以外の細かな交通費、食費は自腹です。【埼玉県・中学校・教員】
・日帰りの校外学習の昼食…自腹
・宿泊の場合の食事…自腹だが日当1200円が出るのでそこから補填。朝夕はホテル食の場合は旅費に含まれ公費から出る
・教員の体験学習…自腹(入園料は公費から出る)
・現地での交通費…自由行動の場合自腹【東京都・特別支援学校・教員】
食費の負担はやむを得ないが、宿泊費は結局は満額支給されていないようです。【茨城県・中学校・教員】
訪れる施設によって、施設が「引率教職員は無料」としているところと、そうでないところがあるが、費用がいるところについては自腹です。生徒を引率しておいて施設外で待機などできるはずもなく、自腹となりました。【大阪府・中学校・教員】
出張に関しては、勤務地から一番遠い場所までの交通費往復分が出ます。したがって、目的地が複数ある修学旅行、出張(2校訪問など)は、間の移動にかかる交通費が自腹になります。【静岡県・小学校・校長】
大阪府は基本的に食費は自腹で、それ自体はしょうがないですが、生徒と同じ食事が原則となる宿舎だと高額になることもあります。【大阪府・高等学校・教員】
公費での下見のあと、移動教室において実地踏査に学年で行った際はお金は出ない。はじめての担任の場合は確認のため、何度も足を運ぶがそのお金は出ない。また、見学先など、新たに開発する際にかかる費用も自己負担。【東京都・小学校・教員】
どのような行事であれ、食費は必ず自腹です。マナー研修など、ちょっと高いコース料理も含まれます。お土産代については、分掌ごと+同じ教科の先生分まで掛かるので、なかなか大変です。【滋賀県・高等学校/高等専門学校・教員】
修学旅行では、ホテルのご飯を必ず食べなければならず、5000円もする食事を自腹で出さないといけない。校外学習では、体験した結果、物がもらえるものにはお金が出ないので、カップラーメンづくり体験と入場料が一緒になっている場合などは自腹となる。【大阪府・小学校・教員】
経費申請ができない費用について、「現地でかかる食費」を選択した方が最も多く7割以上でした。次いで多かったのは、「現地からの電話代」で、半数近くの方が選択しました。個人での負担金額は、小学校、中学校では「年間1,000〜4,999円」が最も多く5割程度、高等学校では「年間5,000〜9,999円」が最も多く5割を超えていました。
修学旅行の下見や当日の交通費については、経費として申請できる金額に上限があり、上限を超えた分は教職員の自己負担となっているケースがあるようです。食費については、テーブルマナー研修や宿泊施設での食事などは経費に含まれる学校がある一方で、そのような場面であっても教職員の自己負担となっていることもあるようです。
地方公務員法に基づいて作成された各自治体の「職員の旅費に関する条例」の記載(※)によると、出張中の食費は支給されることが通例であるようです。しかし、自治体や学校によっては、支給されていない場合もあることがわかりました。
※参考:職員の旅費に関する条例(茨城県)、職員の旅費に関する条例(豊島区)
また、修学旅行の下見や引率に伴う支出について、教職員個人での負担はないと答えた方は69人中2人でした。金額の差はあるものの、多くの教職員が自己負担で支出の一部を賄っている実態があることがわかりました。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
規則上の勤務開始時刻、守られていますか?
「勤務開始時刻前に朝の打合せがある」
「委員会や部活の指導がある」
中には「勤務開始時刻は朝8:00。…だけど、児童生徒の登校完了時刻は7:50」といった学校もあるとか。そういった“半強制的な早朝残業”の実態を聞きました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、朝、勤務開始時間前にやらなければならないことについてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年6月3日(金)〜2022年6月27日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数:104件
Q. 勤務校において、勤務開始時刻(学校や自治体で定められた時刻)前に組織として行っている日常的な業務はありますか。(複数選択可)
*「組織として行っている業務」には、いわゆる“暗黙の了解”を含みます。
全体の約9割の教員が、勤務開始時刻前に「登校指導」を行っていることがわかりました。次いで多かったのが、「校内の児童生徒指導・支援」「児童生徒の健康観察」です。
校種別に見ると、小学校は「校内の児童指導・支援」、中学校は生徒の「登校指導」と「課外活動・支援」、高校は生徒の「登校指導」と「教科の補習」などが多いことがわかりました。
地域別に見ると、「登校指導」を行っている学校は近畿地方で約9割であったのに対し、、北海道、東北、中部地方では約4割と、地域による差が見られました。「教職員打ち合わせ」を勤務開始時刻前に行う学校は、多くの地域では約0〜2割程度でしたが、関東では約3〜4割でした。
20代で「登校指導」と「校内の児童生徒指導・支援」を選択した方は、8割を越えており、他の年代よりも割合が高いこともわかりました。
朝の活動の準備(放送機器等)、プールの水質管理。【小学校・教員】
コロナ禍になり、それまで児童がおこなっていた教室や廊下の窓開けが加わった。【小学校・教員】
地域のあいさつ運動。【中学校・教員】
職員会議、職員研修、行政の職務研修。【中学校・教員】
保護者面談、家庭訪問。【高等学校・教員】
駐輪場指導・身だしなみ指導・遅刻者の早朝登校指導。【高等学校・教員】
「その他」の内容からは、児童生徒の登校に関連する業務の他に、コロナ禍による教室の換気や、プールの水質管理など施設管理に関する業務についての回答が複数見られました。児童生徒の登校に関連する業務の他に、保護者面談など家庭の状況に合わせた業務も発生しているようです。
Q. 勤務校では、通常、教職員の勤務開始時刻と、児童生徒の登校開始時刻、登校完了時刻はどのような順に設定されていますか。
*1 登校開始時刻…児童生徒が登校してよいとされる時刻(門が開く時刻など)
*2 登校完了時刻…児童生徒が登校しなければならない時刻(これ以上遅れると遅刻になる時刻)
児童生徒の登校開始時刻より前に教職員の勤務開始時間が設定されている割合は、小学校では6%であったのに対し、特別支援学校では75%と、大きく差があることがわかりました。
Q. 設問2 で答えた業務に関して、起こっている問題を選択してください。(複数選択可)
校種別で見ると、小学校は67人中67人全員が「事実上の勤務開始時刻が早くなっている」と回答し、中学校・高校は「特定の教職員に負担が集中している」と答えた割合が6割以上と高くなっています。
年代別で見ると、「当番が負担である」と答えた割合は30代・40代で4割以上と高く、「特定の教職員に負担が集中している」と答えた割合は、20代で64%、30代で57%、40代で33%と、年代が低くなるほど高いことがわかりました。
20代では「当番が機能していない」「児童生徒に不利益が生じている」などの回答を選択した割合が約3割で、他の年代は1割以下であったのに対して高いのが特徴的です。
児童のトラブルがあった場合、その指導が勤務時間前にすでに始まっている。換気のための窓開けなど、児童の登校前に行うため、実際は勤務開始時刻より30分程早く出勤する。【小学校・教員】
登校時刻を遅らせると、親の旗振りの時間が遅くなり、仕事に間に合わない。【小学校・校長】
司書の勤務時間は8時からにもかかわらず、7時半ごろから図書館の前で待っている児童がいる。【小学校/中学校・職員】
保護者からの電話対応も勤務開始より早いため、電話をとる必要がある。【小学校・養護教諭】
登校完了に合わせて勤務開始5分前倒し+1限開始15分前倒しで朝の余裕が全くない。小さい子どもがいる上、市外通勤なので完全に負担。【中学校・教員】
勤務開始時間の方が早いがわずか10分後には登校してくるので、結局早く出勤せざる得ない。【特別支援学校・教員】
「その他」の内容には、勤務開始時間に関わらず、児童生徒が登校する時間が早ければその分早く出勤せざるを得ない状況や、保護者からの電話対応への負担もあがっていました。また、児童生徒のトラブル等から発生するイレギュラー業務への負担も問題として上がっています。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
“異動”は、公立学校の教職員にとって、仕事にもプライベートにも非常に大きな影響のあるイベントです。
今年1月〜2月にフキダシで実施した「異動の公表時期について」のアンケートでは、「児童生徒や保護者に異動が公表できない」などの声と同時に、異動のシステムそのものへの不満や思いが多く集まりました。
異動時にどのようなサポートや制度があれば、学校がより働きやすい場になるでしょうか。教職員の方の声を聞きました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、新年度の異動についてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年5月20日(金)〜2022年6月13日(月)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数:61件
Q. 異動の際に、異動に伴って生じた事柄で、困った・辛いと感じたことを選択してください。(複数選択可)
全体の6割以上の方が、「業務内容の変化」や「業務方法の変化」、「引き継ぎ」について困った、もしくはつらいと感じた経験があることがわかりました。校種別に見ると、「引き継ぎ」を選択した教職員は、高等学校では約3割でしたが、小学校と中学校では7割を超えていました。
「管理職との関係」を選択した方は、中学校と高等学校では1〜2割でしたが、小学校では約3割でした。
「転居」を選択した方は、全体の2〜3割。地域別に見ると、北海道では全員(4人中4人)、大阪では1割弱(14人中1人)の方が選択しており、地域による差が大きいことが伺えます。また、男女別に見ると、女性より男性の方が「転居」を選択した方が多くいました。
【設問2】上記のうち、特に困った・辛いと感じたことがあれば詳細を教えてください。
【設問5】異動する教員や、異動してきた教員をサポートするために、各学校(職員室)や各自治体(市町村・都道府県)でどのような工夫・制度があると良いと思いますか。
※ 設問2と設問5の回答をカテゴリ分けした上で、「困った・つらいと感じたこと」に対応するように「工夫・制度」を記載しています。
同じ市内での異動でも、学校によって行事の取り組み方や日課も様々。知らない用語の世界にやってきた感覚だった。【小学校・教員】
学校ごとによって資料のプラットフォームが異なるため、以前の学校の書式が使えず一から作り直しで残業の基である。【特別支援学校・教員】
自治体が同じでも学校ごとにやり方がバラバラすぎるので統一できることは統一する【小学校・教員】
成績処理のシステムは少なくとも採用自治体内で統一すべきです。異動のたびに新たに覚えないといけないのは負担が大きいです。【高等学校・教員】
特に困ったのは、前年度の分掌担当が異動または退職でいなかったこと。誰も教えてくれない中でやっていくのはつらかった。【小学校・教員】
自分ではありませんが、特に特別支援学級の先生たちは個別の引き継ぎが大変そうです。何度も新旧の先生お2人が休日出勤して、丁寧に引き継ぎされてました。【小学校・教員】
私物が多いので、荷物の移動は非常に大変です。自家用車があればいいのですが、所有していないので、誰か同僚に頼むしかありません。また、荷物を新しい学校に移動させるのは、年度が変わってからというルールがあるので、早めに移動できないのもつらいなと思います。【小学校・教員】
異動のあるなしに関わらず、春休み期間がもっと長ければよいと思う。春休みは3月20日から、新年度は4月10日以降になるとよいと思う。【小学校・教員】
とにかく辞令を(内示でもいいので)少なくとも1ヶ月前にはほしい。【中学校・職員】
異動の内示が早く出ること。3月15日頃に知って、2週間程度はゆとりがほしい。【高等学校/高等専門学校・教員】
教具等、物の置き場所が分かる地図のようなものがあると助かる。職員会議で例年通り進めたい場合、「例年通り」が具体的にどういうことなのか明記してほしい。【小学校・教員】
校務分掌等の前任者はA4一枚程度でもいいのでやることがわかる引継書を作る。今年度の反省をしたら次年度の仮計画を作って保存しておく。【小学校・教員】
特別な工夫は分かりませんが、年度当初の忙しさで異動してきた先生をサポートしきれていない部分があります。全体的に業務に余裕ができれば、サポートもできるようになるのではないでしょうか。【高等学校・教員】
自分の希望しない地域に異動することが多いので、ライフプランが立てにくい。【小学校・教員】
北海道は、異動範囲が広く、かつ各地区にまんべんなく異動する方針が定められている。しかし家を建てている教員は、その家から通うことができる異動が優遇される一方持ち家のない教員は、どこでも異動しやすい人材として広範囲に異動させられるという実態がある。【小学校・校長】
過去の校長からのパワハラで精神を病んだが、在任中に自分が異動希望してもできなかった。【中学校・教員】
一般校から特別支援学校への転勤は本当に何もわからないし、自己実現とかけ離れていてモチベーションを上げるのに苦労し続けています。【特別支援学校・教頭】
初任で新規立ち上げの特別支援学級担任になりました。障害も重く、重複障害児でつらい。押し付け人事だと思った。【小学校・教員】初任で新規立ち上げの特別支援学級担任になりました。障害も重く、重複障害児でつらい。押し付け人事だと思った。【小学校・教員】
担当を任された学年が、学級崩壊を起こしていた学年でした。誰も希望しなかったから転勤してきた何も知らない私に任せ、私も学級崩壊して休職するまで追い込まれた。【小学校・教員】
異動の際、新しい職場では高確率でいわゆる引き受け手のない業務を任されます。具体的には、指導の難しいクラス担任や、忙しい部活動の顧問・分掌等です。【高等学校・教員】
管理職なので、2〜3年単位で異動がある。施設管理も義務付けられているので、学校付近の教員住宅に住まなければならない。住宅は古く、暖房やエアコンがなく、自費で負担せざるをえなかったことも多々ある。引き継ぎの上に引越しもあり、大変つらい。勤務校のそばに住むことを義務付けるのなら、せめて住宅は快適に整えて欲しい。また、何十軒も手土産を持っての挨拶回りがあり、経済的、時間的な負担が更に増す。【小学校/中学校・校長】
郡部なので引っ越し業者も限られ、異動時期は業者の取り合いになるため引っ越しがスムーズに行えない。原則、異動を4月1日以降に行わないといけないので、時期をずらすことも難しく、それが業者手配の難しさに拍車をかけている。【中学校・教員】
異動希望を書いても、その希望が叶ったことは一度もありません。なぜその学校に異動になったのか、そこでどんなことを期待されているのか、校長なり教育委員会なりがきちんと説明してくれると、不安のある異動にも期待がもてるように思います。【小学校・教員】
いい加減に異動希望を通してほしい。自宅のある郡市への異動希望を10年以上出し続けているが、全然通らないのが最大のストレスかつ苦痛。【中学校・教員】
なぜその学校に配属されたのか。その学校で自分は何を求められているのかが分かれば役割がスムーズに理解できる。【中学校・教員】
通勤時間がどんどん長くなり、片道1時間半が当たり前になっている。持ち家だとわかっていて転居が難しいのだから、わざわざ遠くの学校にしないで欲しい。毎日のことなので、体力的にも精神的にもつらいです。【小学校・教員】
持ち家にも関わらず、往復3.5時間の通勤時間の場所に赴任させられ非常に困った。【高等学校・教員】
業務が多いのだから、片道30分以内で異動させて欲しい。小さい子どもがいても1時間もかかるのでは、仕事を辞めざるを得ない人が多くて当然だと思う。【小学校・教員】
通勤時間が必ず1時間以内になるように配慮してほしい。高校で休日の部活動を引き続き無理強いさせるのであれば、異動先の部活動担当を異動先決定前に確定させ、本人の許容範囲に収まることを相互に確認してから異動を決定してほしい。間違っても異動してから、希望に反して家庭が崩壊するような部活動を無理強いさせられることがないようにしてほしい。【高等学校・教員】
困った、もしくはつらかった経験として最も多くあがっていたのは、「学校によって文化やルールが違う」という内容でした。それに対しては、「校務のシステムややり方を統一してほしい」という意見が多く集まりました。十分な引き継ぎのなさや勤務校への荷物移動への負担もあり、新年度を迎えるまでの準備期間の確保を訴える声もありました。
また、教員自身のライフステージや希望が考慮されずに勤務校や担当業務の内容が決まることがあり、それによって、モチベーションの低下やストレスの増加を感じているという意見もありました。
Q. 異動の際に、異動に伴って生じた事柄で、助かった・ありがたかったことを選択してください。
「この中にはない」を選択した24人の中でコメントを書いているのは6人で、「異動でよかったことはない」という内容を書いている人は5人でした。「管理職との関係」を選択した方は、中学校と高等学校では約3割でしたが、小学校では約1割でした。男女別に見ると、男性の方が管理職との関係で、助かった、もしくはありがたかったと感じた経験が多いようです。
Q. 上記のうち、特に助かった・ありがたかったことがあれば詳細を教えてください。
以前の学校で同じ学年を担当した同僚がいたため、何でも聞くことができた。【小学校・教員】
声をかけてもらうことで少しずつ馴染んでいったように思います。職場のみんなで野球観戦に行くなど、仕事以外で楽しい時間を過ごせたことも距離が縮まるいい機会でした。【小学校・教員】
温かく迎えることを大事にしている学校で、「★★先生、ようこそ○○小学校へ」という手作りプレートが職員室の各テーブルに置かれていたり、靴箱やロッカーに紙花が飾られていたりしたのが嬉しかったです。とにかく笑顔で迎えてくれることが、一番緊張をほぐしてくれますね。【小学校・教員】
ミスを責める雰囲気がなく、助け合う雰囲気の職場に移れて、ハッピー。【高等学校・教員】
いきなり途中の学年の担任に入ったので、他の学年団の先生は優しくしてくれました。【高等学校・教員】
元々知っている先生が居たのもあったのか、前任校と近い校務分掌の担当になっていたのはありがたかった。【小学校・教員】
ある程度経験を積んだ上での移動だったので、方針や取り組みについてはかなり権限移譲してもらい、仕事をすることができました。学校全体の流れに関わる仕事も異動してすぐに任せてもらえたので、やりがいはとてもありました。【中学校・教員】
希望する学科のある学校に転勤できたことで、自分の得意な力を発揮できるようになったことは助かりました。【高等学校・教員】
異動したばかりで、よくわからない時期は、仕事の負担を軽くしてもらいました。【小学校・教員】
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
欠席連絡等、家庭や児童生徒との連絡・やりとりの手段として、学校ではどの程度ICTが活用されているのでしょうか。教職員の方の、勤務校の実情を聞きました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、家庭・児童生徒との連絡のICT活用状況についてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年5月14日(土)〜2022年6月5日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:61件
Q. あなたの勤務校で、「家庭・児童生徒との連絡手段として」アプリやメールなど、ICTの活用が行われているものをすべて選んでください。(複数選択可)
全体の約9割の学校が、「学校からの緊急配信」をする際にICTを利用していることがわかりました。次いで多かったのが、「欠席連絡」「文書・課題等のデジタル配布」「アンケート」でしたが、その数は全体の約4割。“多くの学校でICTが活用されている”とは言えない状況であることがわかりました。保護者や児童生徒とのメッセージのやりとりをしている学校は、1〜2割にとどまりました。
Q. 家庭・児童生徒との連絡手段にICTを活用することによって、働き方にどのような影響がありましたか。
(設問1で「どれにも活用されていない」と回答された方は起こる影響を予想してお答えください)
全体の9割以上の方が、「良い影響があった」もしくは「どちらかというといい影響があった」と回答しました。
朝の職員室での仕事の効率が格段に上がりました。さらに、電話を受けた職員から担任への連絡不全などもなく、確実に職員全員が、全生徒の欠席状況を把握できるので便利です。【中学校・教員】
担任が電話に出られることはほとんどないため、メールなどで一報をもらってから自分の都合の良いタイミングで保護者に連絡できるようになった。勤務時間外の電話当番がなくなった。担任の負担は減ったと思う。【高等学校・教員】
保護者、教員ともに一斉メール配信システムを利用していますが、一度に連絡できるのはやりやすいです。【特別支援学校・教員】
朝電話を受ける回数が減った。【小学校・教員】
学校全体にかかわるものや、緊急の連絡などを行えることで、全家庭に電話連絡をする、ということはないのは助かる。【小学校・教員】
保護者会の出欠などを、フォームスなどを活用して行うようになったので、「保護者会の通知」ではなく、学年通信のはじにQRコードを載せるだけで良くなった。無駄な紙の削減や、提出物のチェックの手間なども減り、大変助かっている。【中学校・教員】
本校では教員が交代で朝の欠席連絡を受ける電話当番をしています。現在はまだ電話による連絡も多いですが、今後ICTによる連絡がさらに普及すると、電話当番はいらなくなるのではと思います。【高等学校・教員】
仕事の都合で日中電話に出られない家庭や、コロナで自宅待機中の家庭と連絡が取りやすくなった。【小学校・教員】
なるべく手間を減らそうという意識が高まった。【小学校・教員】
設定作業を教職員がやることで、仕事がかえって増えた。【小学校・教員】
データ管理や修正、操作の説明などは分掌の情報担当者が行うことが多いため業務が増えました。【特別支援学校・教員】
個別の連絡や学級レベルでのやりとりはできないので、大きく業務効率が上がるものでもないというのが正直な実感である。【小学校・教員】
欠席連絡が来ていても、チェックするのはメインパソコン1台。【小学校・教員】
できる人がやっているだけという感じが拭えない。【小学校・教員】
何が一番障壁かといえば「今まで通りの電話連絡で・・・」と言い出す教員の存在である。文科省の事例集でも示されているのに,時代の変化に対応できない先生の意見をなぜか尊重しがちだ。【中学校・職員】
ICTの活用はその児童や保護者の能力が分かり、経済的な格差や家庭環境が明るみになる。【小学校・教員】
導入当初は「欠席連絡だけ」としていたが、保護者は簡単に連絡できる手段として、わりとなんでも書いてくる。電話で伝えてほしいことも。【小学校・教員】
各家庭からの欠席連絡を受ける際にICTを導入した学校では、「朝の電話当番がなくなった」「朝電話を取る回数が減った」ことなどが影響し、朝の業務効率が上がったという声が多く聞かれました。また、緊急連絡の際に、各家庭に電話で連絡をする必要がなくなったことでの負担軽減にもつながっているようです。
一方で、ICTを活用するにあたり、設定や操作の説明などは教職員の負担になっている場合があることがわかりました。個別や学級単位でのやりとりができない学校や操作できるパソコンが不足している学校もあり、大幅な業務効率化には繋がっていない実態もあるようです。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
新しい年度を迎え、児童生徒が安心して学校に登校できるよう、教職員は春休み中にその準備を進めます。
十分な準備期間を経て児童生徒を迎えている学校がある一方で、新年度からの新たな勤務校や担任、校務分掌などの担当の発表から新年度を迎えるまでに十分な時間が確保できず、「学校運営への支障が大きい」という声もあります。
主な担当が知らされてから始業式までの時期や長さについて、教職員の方に現状と意見を聞きました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、新年度の準備期間についてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年4月23日(土)〜2022年5月15日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:92件
Q. 今年度の主な受け持ちが管理職等からあなたに知らされたのはいつですか。
※主な受け持ちとは、学級担任や校務分掌などの職務の割り振りのうち、主となる職務を指します。
※今年度現場を離れている場合は、直近のケースをお答えください。
新年度の担当が決定する時期として、最も多いのは「3月中」で全体の6割。次いで多いのは、「新年度勤務開始日」で3割でした。校種による大きな違いは見られませんでしたが、地域別に見るとその差は顕著。北海道、東北、関東では、3月31日より早く新年度の担当が決定する学校が8割以上であったのに対し、その他の地域では5〜6割程度でした。
Q. 設問1の日程から、今年度の始業式までの勤務日の日数はどの程度ありましたか。休日出勤した日数は数えずにお答えください。
新年度の担当が決まってから始業式開始までの勤務日は、「1・2日」を選択した方が全体の1割弱。その他の選択肢を選んだ方は、それぞれ2〜3割程度となっており、学校によるばらつきがあることがわかりました。担当が決まってから始業式開始日までの中央値(※)は8日程度でした。
※中央値…データを大きい順に並べたときの中央の値
Q. 4月1日から、始業式までの勤務日の日数は何日ありましたか。休日出勤した日数は数えずにお答えください。
回答全体で見ると、4月1日から始業式までの勤務日の日数として最も多くの方が選択したのが「3・4日」で5割程度。次いで、「5・6日」を選択した方が4割弱でした。4月1日からの平均準備日数は、4日程度ということがわかりました。
Q. 十分な新年度準備をするために、主な受け持ちが知らされてから始業式までに必要だと感じる勤務日の日数を選択してください。
どの校種でも、約7割以上の方が新年度までの準備として7日以上の期間が必要だと回答しました。最も多く選択されていたのは「11日以上」で、全体の約5割を占めました。希望する準備日数として、現状の準備日数よりも長い日数を選択した方は、全体の約6割でした。
Q. 上記を選んだ理由をお書きください。
現状でも少し慌ただしいですが、そんなに困っていないのでこのように回答しました。【高等学校・教員】
始業式の翌日から給食、掃除、5・6時間授業が始まるため、時間割り表や給食当番表や掃除当番表、朝の会や帰りの会の進行表、日直当番表など大量の掲示物を作らなければならないため。【義務教育学校・教員】
持ち上がった学年ややり慣れた科目、分掌担当であれば、そんなに時間は必要ないが、突発で入った学年や異動したばかりの学校で始業式を迎えるのであれば、それ相応の期間が必要。【高等学校・教員】
今年度、小1の学年主任をしています。4月に入ってから入学式まで4日間勤務日がありましたが、その4日間は、昨年度担任していた児童の引き継ぎと、今年度の新1年生の引き継ぎ、職員会議で勤務時間はほぼ終わってしまいました。昨年度は保護者に配慮が必要な方が多く、保護者からも「次の担任にも引き継ぎをしっかりしてほしい」と要望があったため、1人の児童に1時間以上かけて引き継ぎ。また今年度は車椅子の児童がいるため、トイレの仕方など細かく確認が必要だったためです。【小学校・教員】
はじめの1週間(5日間)は、職員会議、学年会議、教科部会、分掌部会、部活動顧問者会、などなど、とにかく会議づくし。そして入学式準備や保護者との事前面談(希望者)も入ります。部活動もあるので、自分の仕事ができるのはその後。教材研究する暇なんてありません。【中学校・教員】
特別支援学校では、児童生徒の障害の状態や医療的ケアについてなど、学校生活に必要なあらゆることを、年度当初に前年度の担当者から引き継ぐ必要がある。安全な体制を整えるためには、10日間程度の日数が必要。【特別支援学校・教員】
学年を組む同僚と人間関係を築く期間がもっと欲しいので。1年生の担任は0から作らなければいけないので、さらに時間が必要。【小学校・教員】
担当が決まってからは、会議の連続で、校務分掌によっては、自分の学年のことに取り掛かることは勤務時間内には到底無理です。その校務分掌に関しても、新しく入ってこられた先生方もいる中で1年の計画をこの短期間に立てろと言うのは無理な話で、とりあえず「例年通り」にする他ないのが現状です。【小学校・教員】
年度始めの会議が多く、日数の割に事務作業の時間が全然足りなかったため。単純に日数があったところであまり意味はなく、大切なのは「勤務時間内にどれだけの作業時間があるか」です。【中学校・教員】
担任業務・分掌業務・授業準備など、新年度にやるべき仕事の量や会議等の打ち合わせの時間を考えれば、少なくとも2週間以上は必要だと感じます。【高等学校・教員】
Q. 新年度の準備期間について、思うことやご意見があればお書きください。
始業式を4月半ばにし、4月中は午前中のみの登校にすることが、教師にとっても子どもたちにとってもいいことしかないと思います。年度はじめの自殺や不登校の軽減、若手教員の離職の軽減にもつながると思います。【小学校・教員】
会議も多いので、自分の仕事をする時間が必要。1日以降の勤務時間内だと会議で半分以上終わる。ただ、会議もたぶん必要なことなので、倍以上の時間をもらえると、勤務時間内で準備が終わると思う。【小学校・養護教諭】
せめて毎年必ず◯日と決めてほしい。曜日の関係で新年度準備の日数に増減があるのが一番困る。【中学校・教員】
異動してきたばかりの先生にとっては、学校の教務規定や校則、それぞれの文化を理解する間もなく新学期を迎えるため、期間にもっとゆとりが欲しい。【高等学校・教員】
人事異動の内示が3月中旬にもかかわらず、学年の配置を知らされるのが3月31日や4月1日では、準備期間に余裕がなく、意味がない。【小学校・教員】
春季休業は短く、異動もあるため、全体の動きより先生方個人の動きが入ってくる。離任式を3月中に行うこと、内示(弊自治体では3/16)を早めることなどで個別の動きを早めて、3月中にできることを増やすような改善案が必要だと考える。【中学校・教員】
新年度が始まる前に教員の異動や分掌が知らされるかどうかが重要。それによって異動のある教員の引き継ぎが非常に楽になる。同じ県でも小中学校では新年度にならないと分掌がわからないと聞き、非常に驚いた。どう考えてもデメリットしかなく、自分たちの首を絞めるだけだと思う。【高等学校・教員】
県全体の人事異動の報告を早くしてほしい。県からの決定(現在は3月中旬以降)を受けて、管理職が校内の人事を決め、それから次年度の準備では、絶対に準備期間が足りない。【特別支援学校・教員】
学級編成の名簿や張り出し名簿、成績などデータベースのシステムを一本化して、重複する業務を減らせば、年度はじめの業務が効率化できる。ペーパーレスを目指すにはあまりに正反対の作業が多くの学校で行われている。【小学校・教員】
職員会議や学校評価、教科部会など、校内で共通理解を図っておくべき項目がかなり多い。そのため、すべてを年度当初で行おうとすると時間が全く足りなくなる。軽重をつけたり、時期を変更したりするなど、工夫が必要であると考える。【小学校・教員】
年度末の教室清掃やワックスがけなど業者等に発注して、やってもらえたら、その分の時間を準備に相当充てることができるのではないかと考える。【中学校・教員】
特に足りないのが、新転任者との顔合わせの時間です。もし始業式までの間に、教職員が全員集まって、お互いのことを知るようなこと目的にした研修を行っていれば、チームとして良いスタートが切れるのですが、実際はお互いのことを知らないまま学期がスタートしてしまうのが現実です。【小学校・教員】
年度当初はやることとかやり方より、何を大切にしているか、想いとか価値観とか理念とかをききあって、お互いを知り合う大事な土台づくりに時間を割きたいです。【小学校・養護教諭】
教職員自身がどんな学校にしたいかとか、どんなふうに子どもたちとかかわりたいとか、教職員がお互いを知り合うことなどもとても大事だと思うのですが、そうしたことが軽視され、授業時数を確保することなどが優先されてしまっている現状が表れているのではないかと思います。【中学校・教員】
事務的な準備とともに、それぞれのチームでどのような目標に向けて教育活動をしていこうかということについて対話する時間を確保したい。【高等学校・教員】
中高では担任副担任、支援校では担任と学級付きで作業を進められますが、小学校ではどうしても担任1人では限界があります。なので副担任もしくはスクールサポーター、支援員などの職種を増やして、複数人で準備を行わないと始業式には間に合わないと思います。【特別支援学校・教員】
最も多かったのは、「新学期が始まるまでの準備期間を長くしてほしい」という切実な声でした。しかし、単純に期間を長くするだけでは、準備時間の不足解消に繋がるわけではないことも、今回のアンケートから読み取ることができました。
例えば、学校によっては新年度の担当が決まるのが4月1日以降であることもあり、それまでに準備を開始することができないという現状があるようです。そもそも人事異動の内示が4月1日以降の自治体では、当然新年度の担当が決まるのもそれ以降となってしまいます。
春休み中に行う業務は、教職員間の顔合わせや関係構築、新年度からの方針や具体的な取り組みを決める会議、学級や教科の準備、部活指導や教職員研修など多岐にわたります。「会議ばかりで自分の仕事をする時間がない」という声も多くあがっていました。
中でも丁寧に行う必要がある業務としてあがっていたのは、保護者や児童生徒についての引き継ぎ。旧担任から新担任への十分な引き継ぎがあることは、新年度からも児童生徒が安心して学び続けられる環境づくりに繋がります。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
「コロナ禍」といわれるようになって3年目の春を迎えました。この2年間で、児童生徒たちの学力や健康状態の変化については各種調査が出ていますが、実際の学校生活での様子はどのように変わったでしょうか。現場の教職員の方から見た「児童生徒の姿」を聞きました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、コロナ禍3年目、児童生徒たちはどう変わった?についてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
※コロナ禍以前の児童生徒たちの状況をご存知の教職員の方を対象としたアンケートです。
■実施期間:2022年4月29日(金)〜2022年5月22日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:33件
Q. コロナ禍以前と比べて、児童生徒たちが変わったなと思う場面や様子、児童生徒たちから聞こえてきた気になる声を教えてください。
タブレットを使って、資料の作成やアンケートの作成をして、係活動をするようになった。ノートと同じように、タブレットを使えるようになった。授業中に関係ないサイトを見ている児童がいる。【小学校・教員】
生徒の委員会活動で、生徒から「コロナ対策」が活動案として出てくる。(例:給食委員から「黙食を徹底しよう」、保健委員から「人のいるところではマスクをつけよう」といったポスター作成など)【中学校・教員】
昼食時がとても静か…(黙食のため)
やたらと消毒したがる
部活動の加入率が低下(理由は不明)
不登校生が増加
不登校生がイキイキしている【中学校・教員】
給食の増減を制限するようになってから、食べ残しが多くなった。外で遊ぶ時間が減り、スクリーンタイムが増え、生活習慣に乱れが生じている子どもが増えた。【小学校・教員】
特に音楽、合唱、器楽を行う機会が減っています。学習発表会では、合唱と合奏をすることは当たり前でしたが、できません。リコーダーを演奏するスキル、特別楽器(アコーディオンや打楽器等)を経験することがなくなっています。【小学校・教員】
マスクをずっとつけること。いつでも静かにしないといけないこと。切り替えるということが難しくなってきているし、何かを全力で取り組むことがない教育現場で子どもたちのまじめに取り組む姿勢や青春を感じられない。【小学校・教員】
マスク依存の生徒が増えた。熱中症等の問題で、学校内で外すべき機会があっても頑なに外そうとしない生徒がいる。感染不安というよりは、顔を見られたくないという生徒の方が多い。【中学校・教員】
普段からマスクをつけていることで精神的に安心を得られる児童生徒が、皆で同じ格好が出来て、助かるようである。【中学校・教員】
行事等の自分でチャレンジする経験が少なくなり物事に対して自信がない気がする。学校に行っている意味は何かわからなくなると聞いた時もある。【高等学校・教員】
コミュニケーション力が落ちている。体力が落ちている。密になれない、人との接触を避けなければならないなどの環境が悪影響を与えているように感じる。コロナ禍でどこにも行けず、家の中ではYou Tubeやオンラインゲームにのめり込んでしまい、様々な経験が無い子どもが増えているように感じる。外遊びにしても見たことない、やったことないなど多々…。遠出もできず、社会経験が不足しているようにも感じる。【小学校・教員】
話し合いの力が落ちたと感じます。対話を避けてきたので当然でしょう。司会はできる子だけの役になり、小グループでは、なかなか話し合いができません。ICTで意見を共有、交流はできても深められないのです。【小学校・教員】
今年久しぶりに1年生の担任になりました。初めての給食の日、別々の保育園や幼稚園から来た子たちが、そろって一斉に黙食している姿にびっくり!ああ、どの園でも本当に必死の黙食指導を行っていたんだなと思いました。そして、就学前の子たちが笑っておしゃべりもできずに食事をしていたかと思うと切なくなりました。小中高でも、コロナ禍以前ならわいわいガヤガヤ笑いながら食事をしていた時間がなくなり、やはり以前より関係が希薄になった感じがします。授業中もそうですが、ペアやグループで話をしないように指導されたり、歌を歌ってはダメという指導をされたりした結果、全体として発言慣れしてない子が増えている気がします。一方で表現力の重視と言われてもなあと思います。【小学校・教員】
電話、メールなどのSNSを使用する時のルールが守られてない。【特別支援学校・教員】
マスクで顔が見えにくいのか、喧嘩などのトラブルは少なくなった。ただ、SNSや携帯関連のトラブル増えたように思う【中学校・教員】
体育で、2人組や複数人で行う活動をさせると下手だなと感じた。密になる活動を減らして、ボール運動が多くなったせいか、体育の苦手な子はとことん体育が嫌になっている。【小学校・教員】
虫歯、近眼傾向の子が増えた。【小学校・校長】
身体が弱くなったと思います。したがって、子どもたちがたくさん運動できて元気になれるような方策が必要だと思います。ただし、今後は「体育会系の指導」は有効ではないと思います。無理にしめつけると、かえって逆効果になると思います。【中学校・教員】
もはや大きな変化はないのではと思う。メディアで言うほど生徒は不満を漏らしていないし、現状を受け入れていると思う。【中学校・教員】
感染症対策に伴う給食等での制限やマスク着用の指導によって、行動面だけではなく心理面への影響も多くみられたようです。特に、マスクを着用することが安心感につながり、「マスクを外すことへの抵抗感を感じている児童生徒がいる」という声が目立ちました。
その他、発表や話し合いの活動が減ったことによるコミュニケーション能力の低下、体育指導に制限が出た影響による体力低下を心配する声もありました。また、GIGAスクール構想で、タブレットなどの活用が進んだ時期との重なりもあり、ネットトラブルの増加、視力の低下への指摘も見られました。
一方で、「大きな変化はない」という声もありましたが、現状を受け入れている様子や、生徒児童の様子を「仕方ないと受け止めている」「諦めが早い」と表現する声もいくつか見られたことから、各種調査では見逃している課題があることも想像できます。
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児童生徒の実態を踏まえ、教職員が共同で取り組む「校内研究」。その必要性や意義が語られる一方で、ポジティブな学びの場になっていないとの声もあります。校内研究について、教職員の方の実感や意見を聞きました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、校内研究・研修の現状と課題についてアンケートを取りました。
WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。ぜひご登録ください。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年4月3日(日)〜2022年4月24日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:26件
※自由記述の設問は、全回答の中から抜粋して掲載しています。
Q. 学校内でテーマを一つ決めて、年間を通して研究をする「校内研究」についてお聞きします。2021年度、あなたの勤務校では、どのような教科やテーマを研究していましたか。
新年度の担当が決定する時期として、最も多いのは「3月中」で全体の6割。次いで多いのは、「新年度勤務開始日」で3割でした。校種による大きな違いは見られませんでしたが、地域別に見るとその差は顕著。北海道、東北、関東では、3月31日より早く新年度の担当が決定する学校が8割以上であったのに対し、その他の地域では5〜6割程度でした。
仲間とかかわり、「分かった、できた」を実感する授業づくり【小学校・教員】
ICTを活用して対話的・主体的で深い学びをする方法【小学校/義務教育学校・教員】
「学びに向かう力」を高める授業づくり【中学校・教員】
国語 「伝えあい」3年計画【小学校・教員】
県のスタンダードと呼ばれる授業スタイルを基本に、みんな活躍授業という授業展開を推奨。教科は自由と言いつつ、やはり算数中心となる。【小学校・教員】
毎年、輪番制で教科の校内研究授業がある。【中学校・教員】
情報活用能力を育成するカリキュラムづくり【小学校・教員】
ICT教育という名目でChromebookや Googleclassroom、スクールタクト、eライブラリの使い方研修【小学校・教員】
わかりやすい授業を目指した指導・支援方法に関する研究~子どもたちの『わかる・できる』を支えるために~【特別支援学校・教員】
Q. 校内研究があって良かったこと、あなたにとって役に立ったことを全てお選びください。(複数選択可)
職員同士の対話の機会をもつことができた。【小学校・教員】
授業力・指導力・ICT活用を若手の先生に少しだけ伝えられた。【小学校/義務教育学校・教員】
「知識・見識がアップデートされた」を選択した方は全体の約半数で最も多く、「授業力・指導力が向上した」「児童生徒への理解が進んだ」を選択した方は全体の2割以下でした。男女別に見ると、「悩みを共有できた」と感じている方は女性に多く、「教室掲示や教材づくりなど、指導のアイデアが増えた」と感じている方は男性に多いことがわかりました。
Q. 校内研究について、あなたが課題に感じていることを全てお選びください。(複数選択可)
教員の主体性が育たない【小学校・教員】
発表ごとなどが関係すると、管理職が見栄えを気にして形だけの研修となったり、ある特定の人にだけ負担がいくような形の研修となったりして、一人一人の学びにならない。【小学校・教員】
小学部・中学部・高等部の学部間調整【特別支援学校・教員】
全体の約7割の方が「授業者の準備負担が大きい」「勤務時間内に研究・準備が終わらない」を選択しました。女性よりも男性の方が、「助言や批判が苦しい・傷つく」「児童生徒のよい学びや成長に寄与しているように感じられない」と感じている方が多いことがわかりました。
Q. 校内研究は教職員にとってよい学びの機会となり、児童生徒や日々の仕事に還元されていると感じていますか。
Q. 上記を選んだ理由をお書きください。
様々な教科や立場の人から意見をもらえるのでありがたい。【中学校・教員】
「とてもそう思う」ことができた1年であった。それは方法や内容ではなく、職員全員が前向きに授業研究や校内研修に取り組んでいたから、ということが大きいと思う。授業研究だけに注力できない仕事量をそれぞれが抱えながらも、「まだ、指導案ができてないよ~」とか、「まあ、なんとかなりますよ。」など、互いに気軽にフォローし合って取り組み、それぞれの納得できる授業研究ができ、そのことが互いを励ますことにつながっていたように感じる。管理職のかかわり方、同僚性、仕事量など、「校内研究」の一つ外の環境によって、その満足度はずいぶん変わるのだなと思った。「校内研究」そのものの課題もあることと思うが、やはり学校というシステム全体とのかかわりにおける課題もありそうだ。2つの視点に課題を切り分けて考えてみることも大切だとあらためて気付くことができた。【小学校・教員】
本校では教員からの提案があって、まずは研究授業の前にできるだけ多くの教職員がかかわり、事前に指導案の検証や模擬授業を行ってから研究授業を行うようにしました。たくさんの教員で指導案づくりにかかわったあとの研究授業だったので、どうしても授業者への助言がときに批判のようになりがちな研究協議も、「みんなでかかわってつくった指導案をみんなで再検討する」という形になり、授業者の負担も軽くなり、教員全体で考えることができたのではないかな、と思っています。【中学校・教員】
以前は内容が研修として意味をなしていなかったのでそうは思わなかったがニーズを確かめて必要なものを導入している。また研修という時間を取らないと学ばない、学び方がわからない教員も少なくない。そしてその場を作ることで1番大切なチームワークの向上の図れると感じているため必要と思う。【高等学校・教員】
私は主任なのでそう思いながら学び続けていますし、そうなるようにしたいとも思っています。この学びの場が、各個人のスキルだけでなく、子ども観や指導観を見直す大切な場であるべきだと思っています。しかしながら現実は非常に厳しく、学びたいと思いながらも日々の業務に追われ、熟考する物理的な時間と心の余裕がないのが現状です。それでも管理職は研修はどんなに大変でも教師なのだからやるものだ、という考えがまかり通っています。自己研鑽は根性論ではなく、働き方改革と両輪でなければならないと強く思っており、主任として提案する際に力をかける部分とかけない部分を明確にしなければならないと思います。研修がよりよい充実したものになる可能性があるのは、教師自身も、人として尊重された働き方をしている学校だと感じています。【小学校・教員】
主体的な学びではなく、形だけの研究なので。一人ひとりの声がいかされない。【小学校・教員】
特別支援学級でも指定された教科で研究しろと言われることが多くあり、子ども達に本当に必要な力のための研究ではないと感じることがある。特別支援学級は、支援級の実態に応じて教科を選び、子ども達にとって必要な研究をやらせて欲しい。見た目、形だけそろえるような研究は意味がなく、時間も無駄だと感じている。【小学校・教員】
以前務めた学校では「校内研究は若手がやるもの」「私達はアドバイスや相談を受ける」「チームとして頑張りましょう」と言われました。小言程度の口を挟む関わりしかしてもらえなかったにも関わらず、授業後の検討会では「チームとしての頑張り」を、大きく取り上げられており、違和感しかありませんでした。個人研究なら、法定研修で行っているのでただ負担が増えただけでした。別の学校では1人1テーマや、1授業となっていたので、全体での情報交換が盛んに行われていて、とても良かったと感じています。【小学校・教員】
本来研究は自分自身をより良く高めるもので、やって楽しい、充実感のあるものだと思うのです。それぞれ課題や知りたいことが違うから、その学校として特に意思統一しておきたいベースの部分の共有を研究の核にしておけば、あとは自由度が多い方が楽しい研究になるんじゃないかと個人的には思っています。が実際には、上から降りて来たような細かなHow to を持ってきて、みんなで揃えましょうみたいなことをしてしまうから、やる気がそがれてしまうのです。それならそれで、なぜそれを校内研究にするのか、それにはどのような意味があるのか、それは子どもの育ちのどの部分を後押しするのか、じっくり職員で共通理解しなければならないと思います。ああじゃないか、こうじゃないかとみんなで語り合う研究が一番心に残るし、学びになります。【小学校・教員】
学校全体の研究だが、教育課程が個別に違う支援学級の児童を含んだ想定の指導案にはなりにくく、授業も1時間を見てもらう方法しか取れず前後(特に本時の後の授業)に繋げるのが難しいシステムだなと思う。【小学校・教員】
校内研究が教職員にとってよい学びの機会になるためには、心理的安全が必要ですが、毎年そこまで辿り着くことも難しいのが現実です。理由は日々の忙しさにあります。毎日ひたすら授業をして、会議をして、授業準備をして、家に帰るということの連続で、他の先生たちと授業のことを詳しく話す機会はほとんどありません。そんな状況でお互いの授業を見合っても、当たり障りのないことを言うか、あるいは厳しい批判だけで終わってしまうか、どちらかでしかありません。先生ひとりひとりによって考え方が違うように、授業ひとつをとっても本当に千差万別。本来は優劣を決めることよりも、お互いの「ちがい」を知り、そこから学ぶことが大切ですが、そういう学びの場が成立したことは今までの教師人生において一度もありません。自分自身、研究授業は傷つくことばかりで、エンパワーされるようなことは一度もありませんでした。それなら授業研究ではなく、組織開発をテーマとし、外部から人を招いてチームビルディングを行うなどした方がいいのではと思っています。【小学校・教員】
良い時もある。しかし、受け取る側がどんな気持ちで受け取るのか。受け取ったものをどのように実践していくか?研究と実践の往還がまだまだ学校の中では少ないと思う。こういった状況が忙しさを理由にされないようにするために、学びのデザインは教職員にも必要だと思う。【小学校・教員】
「とてもそう思う」もしくは「まあそう思う」を選択した方と、「あまりそう思わない」もしくは「全くそう思わない」を選択した方の数はほぼ同数。実際に経験してきた校内研究・研修において、教職員全体で連携しながら前向きに取り組める環境だったのかどうかによって、意見が分かれているようでした。また、教職員自身が必要だと感じる課題に取り組めているかどうかも、校内研修・研究のモチベーションに影響しているようです。
校内研修・研究が児童生徒の実態を踏まえて行われ、まずは教職員自身がその成果を実感できるような内容で実施されることを期待します。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
特別支援教育の教員養成について議論している文科省の検討会議は3月31日、全ての新規採用教員がおおむね 10 年目までの期間内に、特別支援学級や特別支援学校の教師を複数年経験することとなる状態を目指す、との報告書を公表しました。
文科省は報告書に基づき、全国の教育委員会に人事制度の改善などを促していくことになります。この方向性について、教職員の皆さんがどう考えるかをお聞きしました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、“採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験”の方針についてアンケートを取りました。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年4月9日(土)〜2022年4月24日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:44件
Q. “採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験”方針について、あなたはどう考えますか?
小学校の教職員は「賛成」と答えた方の割合が高く、意見が賛否に大きく分かれました。中学校では「どちらかというと賛成」もしくは「どちらかというと反対」と答えた方が多く、明確に賛成や反対の意見を持っている人は少数であることがわかりました。高等学校や特別支援学校では、「どちらかというと反対」「反対」と回答した方が6割を超えました。
Q. 上記を選んだ理由をお書きください。
特別支援教育の知識や実務の経験が、今後の学級経営やキャリア形成において、非常に役に立つと思うから。【小学校・教員】
特別支援教育の学びは、特別支援という枠組みにこだわることなく、全ての職員が学ぶべきだと思います。教員養成課程でその部分が変わってきましたが、現在勤務する教員にその学びがないことで、苦しい思いをする子どもたちが多数いるように感じます。教師の側にも苦しさ辛さがあることも多いと感じています。【小学校・教員】
特別支援教育を通して、教育の原点に触れることで感じ、気付き、学べることがあります。私は初任2年目に特別支援を希望して、担任をしました。そこで、児童の実態を把握し、それに伴った教材研究をする大切さを体感しました。10年以内に限らず全ての教員が経験するべきだと思います。交流学級担任に特別支援教育の経験があるとないでは、交流学級の子どもたちとの関わりがかわります。【小学校・教員】
特別支援教育を学んで、実際に支援学級の担任をした経験がある立場から見て賛成です。年々子どもたちの困りが多様化している中で、特別支援教育の視点を持たずに学級経営することは難しくなっています。また支援学級との連携も、支援学級担任の経験があるのと無いのとでは、配慮の度合いが全然違ってきます。特別支援教育には、教育の本質を考えるチャンスがたくさんあると思うので、ぜひ若い先生たちには経験してほしいです。【小学校・教員】
通常学級においても、特別支援が必要な生徒が多数いる。教員の視野を拡げるため、差別的な教員を減らすためにも有効だと思う。【中学校・教員】
小学校なので、通常級の担任が一番偉いと考える人が多いように思う。そうではなく、どの教職員も平等で、それぞれの苦労や大変さがあることを知ってほしいためにも賛成する。【小学校・教員】
教員全員が経験するもの、と規定することで、通常学級担当だった教員が特別支援学級担当に回されることへのネガティブなイメージが変わるのではと期待している。【小学校・教員】
特別支援学級の教員は軽視されがちな上、通常学級の担任に不向きな教員が配置されている傾向が少なからずあり、児童にとっても教員にとっても望ましくない人事が行われている実情を回避できると考えたからである。【小学校・教員】
「学級担任が花形」みたいな風潮を感じるときがあります。学級担任は花形、支援担や養護教諭は裏方と言ったようなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。学校体制的に可能であれば、そもそも「まず学級担任からスタート」ではなく、「子ども一人ひとりペースやできるに寄り添う」「保護者にていねいに寄り添う」「学校全体を見渡せるポジション」ができるポジションからスタートしてもいいんじゃないかと思う。【小学校・養護教諭/養護助教諭】
特別支援教育の専門性を軽視していると思います。特別支援教育の理解のない教員が支援学校や支援学級にあふれることが、支援対象の子どもたちにどれだけマイナスか考えるべきだと思います。【中学校・教員】
特別支援学級、特別支援学校の両方で勤務経験があります。特別支援の知識やノウハウが通常の学級に活かせることは分かりますが、子どもたちのことは全く考えていないと思います。教員のために利用されているように感じます。特別支援には、向き不向きがあるので、全員というのは大反対です。【小学校・教員】
特別支援教育は専門性も高く、対応も一人一人違うと思います。特別支援学級も増加し、人手が必要な時に、ただ複数年経験、となると子どもに対して不適切な対応が起こるのではないかと危惧します。【中学校・教員】
ある程度、通常学級で経験を積んでからでないとより丁寧な支援が必要な支援学級を受け持つのは危険だと思う。生徒の対応はもちろんだが保護者との対応もきめ細かさが要求される。【中学校・教員】
特別支援の児童や保護者にとっても、コロコロと担任が変わることが果たしていいことなのか分かりません。支援学級や支援学校は、「教員に経験を積ませる場所」では決してありません。担任の意識も「本意ではないのに…」「あと○年の我慢」みたいになっては最悪です。【小学校・教員】
この制度のせいで特別支援学校の教員の入れ替わりが激しくなったり、若年層ばかりになり、経験豊富な教員が少なくなってしまったりする可能性には気をつけないといけないと思う。【中学校・教員】
単純に「経験してこい」で終わりでは、現場が手一杯になるので、サポートしたり相談できるコーディネーターも現場に確保してほしい。【高等学校・教員】
「採用後10年以内に複数年経験」を定めてしまうことで、ただでさえ人手の足りていない教育現場がさらに足りない事態になるのではないかと、強い懸念を抱きます。また逆に、教員を受け入れる特別支援教育機関側は、特別支援教育未経験の教員の受け入れ数が増え、それが永続していくわけですが、業務に支障を来さないでしょうか。【高等学校・教員】
若い先生の中には、身辺自立のできていない子どもの排泄処理や、細かい配慮を求める保護者対応などで心が折れてしまう人もいるかもしれないです。【小学校・教員】
特別支援の需要が高まっているのが分かっているなら、小学校だけではなく、小学校兼特別支援という形で複合していかないとやりたくない先生が出てくる。また、やりたくないという先生に特別支援教育を経験させるのは酷だと思う。【高等学校・教員】
また教員志望者が減るのではないかと思います。というのも、私が教員になったきっかけは教科指導をしたい、学問をつづけたかったからです。今だからこそ特別支援教育を複数年経験することは教師としての視野が広がりインクルーシブ教育の実践にもつながると思いますが、それを義務にするのはどうかなぁと思います。【高等学校・教員】
希望しない職種につくのは、当人にも勤務校にもプラスには働かない。仕事には本人のモチベーションが大切であり、希望しない勤務先での仕事は、一層教員確保が難しくなる。【特別支援学校・教員】
教師になる人が育つ環境をインクルーシブにするほうが、ずっと自然で効果的だと思います。【特別支援学校・教員】
賛成する理由としては、教員が特別支援教育について学ぶことで、多くの児童生徒との関わりに役立つという意見が多くあがっていました。それによって苦しい思いをする児童生徒が減ることや、教員自身の苦しさを減らすことにも繋がる、という考えもあるようです。
反対する理由としては、児童生徒や保護者への影響が最も多くあがっていました。専門性を身につけていない教員が関わることや、短い期間で担当教員が変わることへの懸念などがあるようです。次いで多かったのが、教員や学校への負担。現状でも人員が不足している中、研修を取り入れることでさらに現場に負荷がかかることを心配する声がありました。
今回のアンケートでは、特に小学校教員において賛成と反対の意見が大きく分かれていました。その中心となる理由は、「さまざまな児童のために、特別支援の専門性も身につけるべき(賛成意見)」「専門性がない教員が研修として担当者になると、児童への負荷がかかる(反対意見)」の2点。賛成、反対ともに「児童にとって質の高い教育を提供したい」という思いが強く感じられる意見が多かったのが特徴的でした。
特別支援教育へのニーズは年々高まっており、専門性を身につけた教員が不足している現状もあります。児童生徒が安心して教育が受けられる学校であるために、どのような手立てが必要なのでしょうか。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
School Voice Projectでは、今後、文科省や教育委員会、国や自治体などへの政策提言を行っていきたいと考えています。
みなさんが教育行政(各自治体の教育委員会、文部科学省など)に対して「こんなことに困っている」「こんなふうに変えてほしい」「こういう制度や決まりがあったら/なかったら、もっとよくなる」と、日頃感じていることをお聞きしました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、皆さんの「変えたいこと」ついてアンケートを取りました。
WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。ぜひご登録ください。
■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年3月19日(土)〜2022年4月10日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:34件
※ 全回答の中から抜粋し、該当する項目に分類して掲載しています。
※ 回答のすべてが文科省や教育委員会、国や自治体などの管轄とは限りません。
業務整理を誰かに断行してほしい。子どもの顔がちらついたり、減らせることに時間と情熱をかけている教員がいることを知っているだけに、現場がそれを行うのはとても難しい。【小学校・教員】
運動会、学芸会が簡素化したことで、学習の時間がしっかり取れたことが今年度とても良いところでした。文科、教委はそうした事例を「働き方改革の効果」として、良いものという取り扱いで宣伝してほしいです。【小学校・教員】
うちの市では、産休や療休が出ても代替えの方がいないという理由で配置されません。3月末時点で登録者ゼロだったと記憶しています。今年度も支援専任の方が途中から担任に。自分も過去に産休に入る方の代わりに担任しました。また、コロナ禍で陽性や濃厚接触でお休みせざるを得ない中、教務、管理職で授業を回しました。【小学校・副校長】
非常勤の先生の勤務コマ数が授業ギリギリのため、教材研究や成績処理などをする時間がないです。コマ数の前後に余裕をもった勤務時間にしていただきたいです。【小学校・教員】
ICTによって、時間を効率化しても、また新しい仕事をする人が殆ど。時間が来たら、パソコンが落ちたり、教室を施錠するなど、強制的に退勤する方法も必要なのではないか。【小学校・教員】
家庭の事情で、短時間勤務を希望する人が希望する働き方が選べるようになってほしいです。1人でフルタイム勤務はできなくても、2人で1人分の勤務をするなど柔軟な勤務体制への改善を求めます。長時間労働のため、家事育児にあてる時間が少なくなることを懸念して、退職する先生がいるので、その先生がまた働きたいと思える労働環境を整えてほしいです。【小学校・学習支援員/スクールサポーター】
労働時間内に授業の準備ができていないのが現状です。もちコマ数を週20未満にすれば、事務仕事を含めて勤務時間内に終えることが可能かと思っています。【中学校・教員】
教職員定数を改善してほしいです。小学校における副担任制など、複数の職員で学級を担当するような制度ができてほしいです。【小学校・教員】
・スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの正規雇用化と常駐を希望します。両者とも社会事情の複雑化によってニーズが高まっています。
・学校司書を全学校に配置して欲しいです。学校図書館を充実していくためには、学校司書の存在が必須ですが、自治体によっては置かないところもあります。そういった学校では、休み時間の図書の貸し出しができなかったりします。それは、子どもたちにとって大きなマイナスです。また、配置するだけではなくて、最低限の生活ができる程度の賃金を払っていただきたいです。【小学校・教員】
会計処理を教員がやらなきゃいけない仕組みを変えて欲しい。生徒の成長と関係ない仕事なのにミスができないので仕事の負担が大きい。【中学校・教員】
校長は少なくとも5年以上(もしくは退職まで)変わらないようにして、自分事として責任を持って学校運営(マネジメント)して欲しい。【高等学校・実習助手/実習教員】
私の勤務校は専門高校なのでまだ余裕がある方だと思うが、定員が減ったり定員割れになるたびにどんどん減らされる。とにかく人員を増やしてほしい。【高等学校・教員】
業務負担改善のための問題作成ソフトや採点ソフトを導入して欲しい。私立との差が開くばかり。【中学校・教員】
iPadを入れたのはいいけど、付属品が実用的ではない。
・あまり使わないキーボードや肩紐が人数分あり管理がしにくい。(紛失を招く)
・持ち帰りを想定していなかったのか、クッションケースがなく、破損多数。【中学校・教員】
・同じ府立高校内でも事務室によって消耗品の種類や質が違いすぎる。ホッチキスの芯を1つずつ、ゴミ袋も枚ずつしかくれなかったり、ノートや磁石などは置いてくれない。担任がクラス運営するための文房具などは公費で賄ってほしい。
・とにかくエアコンをつけてくれない。授業でも汗かきながら行っており、生徒が複数名保健室に行くか倒れるまで、温度設定を変えてくれない。トイレも古く和式しかない。【高等学校・教員】
いろいろなセキュリティーの問題はあるかもしれないが、もう少し制限をなくし、できるだけクラウドでデータを管理してほしい。そうすれば、在宅や移動の際にもデータへのアクセスが便利になり、職務の効率化が図れるケースもあると思う。【小学校/中学校・教員】
春休みが短すぎます。25日にやっと修了式、卒業式後に人事が発表され、異動者もあり実働し始められるのは1日から。6日から新年度が始まってしまうので準備期間はたったの3日。【小学校・教員】
周年行事を縮小化してほしいです。地域とのつながりは大切ですが、過剰な演出や制作物のためにかける時間を、子どもの学習にあてたいと思います。【小学校・学習支援員/スクールサポートスタッフ】
・地域によって違いますが、次年度の人事(何年生を担任するかなど)を年度内に知らせてくれれば、春休み中に次年度の準備ができると毎年思っています。
・児童の登校開始時間を、勤務開始時間以降にしてほしいです。勤務開始前に児童が登校すると、安全確保の面で不安がありますし、また担任の先生たちは特に、出勤開始時間が早くなるので残業が増加します。【小学校・教員】
平日の部活動は部活動指導員に任せて、土日は地域のスポーツクラブに任せて、授業準備と心身のリフレッシュに充てたい。【小学校・教員】
部活動を学校生活から切り離すことができれば私たちのより良い働き方につながると考える。教育課程外の活動が主になり、学習指導等で自己研鑽する時間が確保できない現状は本末転倒の状況。新しく教員を目指す人たちが働きやすい環境を整えていくことが急務だと思う。【中学校・教員】
部活動の顧問は全員強制をやめて、原則なしにしてほしいです。やりたい人は地域のクラブチームの指導者として参加をすることを可とすれば、自分の意志で決められます。【中学校・教員】
子どもたちが自分の夢や願いを声に出して、安心して語ることのできる社会にするためにも、学力で順位をつけることを止めてほしい。【小学校・教員】
1学級の人数を30人以下としてほしいです。やはり30人を超えると子どもたちのことが把握できない、テストの採点等に時間がかかる、教室が狭くなる等、様々な部分で問題が発生します。【小学校・教員】
学習内容を精選してほしいと思います。学習する内容が多すぎて、ただやったというだけで終わってしまう単元もあり、厳しいです。【小学校・教員】
あまりにキッチリとし過ぎている時間割がもっと柔軟に組めるようになって欲しい。また、単位取得に必要な時間数に多少の余裕(余白)が欲しい。(個別最適な学び、主体的な学びを進めるためにも必要)【高等学校・実習助手/実習教員】
学校教育とは離れるが、学校以外での学びの場を保障してほしい。不登校児童生徒数が20万人になり、多くの子どもが行きたくても行けない状況にある。【高等学校・教員】
生徒指導のあり方を、懲罰的、支配的なものにすることをやめて、地域研究に基づき、生徒理解を基本とした対話的なあり方にあらためていくべき。校則については、法律や人権の観点から早急に検討が加えられるべき。【中等教育学校・教員】
世間の状況に比べ、生徒指導の方針が逆行し、厳しくなっている。おとなしい(荒れない)生徒に対して、従わせて満足している教員が多い。社会の変容とともに、校則の在り方から進路指導まで見直す必要がある。【高等学校・教員】
大阪では、メディアを通して知ることが多く、現場の教員が知らないまま先行してSNSやメディアで方針を発信されるのがきつい。生徒や保護者などエンドユーザーと対面している現場が軽視されているように感じる。【高等学校・教員】
教育委員会に「現場の教員の意見や要望を直接伝えることができる」部署や仕組みを作って欲しい。【高等学校・実習助手/実習教員】
自己研鑽に関する予算を付けて欲しいです。【小学校・教員】
大学の教職課程において、授業方法以外を選択ではなく必修で学べるようにしてほしいです。学級経営の充実を学習指導要領で12年間にわたって広く求めるのなら、必修で学級経営を学んでおくことが、現場に出た時に教師や子どもたちにとっての幸せにつながると思います。【小学校・教員】
最も多くあがっていたのは、働き方や人員配置、雇用形態に関する意見でした。具体的には、「業務量が多く、労働時間内に授業の準備ができない」「人員不足から、希望する勤務形態が選べない」「教員以外の専門家の配置を増やしてほしい」「部活動を学校生活から切り離してほしい」などの声が目立ちました。
また、児童生徒の学習に直接影響することに関しては「学習内容が多すぎる」「授業時間数に余白がほしい」「1学級の児童生徒数を減らしてほしい」など、余裕を持って学べる環境の必要性の訴えが多くありました。
現在は、アンケート結果を参考に、School Voice Project から文科省や教育委員会、国や自治体などへ政策提言が行えるよう準備を進めています。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
昨今、宿題の廃止や減少に動く学校が増えています。背景には、自律的な学習習慣形成に繋がっていないのではないか、児童・教職員・保護者の負担となっているだけなのではないかといった現在の宿題のあり方への疑問があるようです。
そもそも、現在、宿題はどのように出されているのでしょうか。また、宿題の必要性について、教職員はどのように捉えているのでしょうか。教職員アンケートにて、実態を伺いました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、小学校の宿題についてアンケートを取りました。
WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。
■ テーマ :小学校の毎日の宿題について
■ 対象 :全国の小学校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■ 実施期間:2022年3月12日(土)〜2022年4月3日(日)
■ 実施方法:インターネット調査
■ 回答数 :37件
Q. あなたは今、担任を持っている学級で全員提出の宿題を出していますか。現在担任を持っていない方は、直近で担任をしたときのことをお答えください。
Q. どのような宿題を出していますか。(複数選択可)
Q. あなたは「宿題」は必要だと思いますか。
家庭学習の習慣づけのためと、反復学習をしないと覚えることのできない漢字などは定着をさせる時間が必要と考えて出してきました。
授業の中でとれるものならとりますが、学習内容が多すぎて終わらせるだけで精一杯です。指導要領に乗っ取った指導をする以上、それをしっかりやろうとすれば、反復練習の時間は授業の中でほとんどとれないはずです。個々の自主性に任せるとすれば、宿題でない学習を家でできるような環境を保護者が作る必要がでてきます。それが理想なのだとは思いますが。
漢字や計算など、習得に単純な反復が必要だと思うから。その時間を学校でとることはもったいないから。単純な反復は自分ひとりで家でも取り組めると考える。
今は、ドリルなど10分程度で終わる宿題を出し、残りは自主学習、くらいが丁度いいのではないかと思っています。力のある子は、自主学習で力を伸ばし、苦手な子は、10分のドリルをこなすことで最低限の力をつける、といった具合です。ドリルを2回、3回と繰り返しやらせることは無くなったので、ドリルが終わらない子はほぼいなくなり、以前と比べて児童と教員、お互いの負担が減ったのはよかったです。
内容自体はどうであれ、家での学習習慣をつけるには少しはやっておく方が良いと思っています。
自分で机に向かう習慣をつけてほしい。算数のプリントは手作りし、解答もつける。問題よりも解答を丁寧にすることで、家で自分で丸付け、直しができるようにしている。自分で学ぶ習慣になることを願っている。
勉強しない子は全くしなくなる。
家庭力が全くない子供達は宿題があるから家で勉強するので、なんとも言えない複雑な感じです。
本来は北欧のように極力宿題を出さない方向でいきたいのですが、今の日本でそれをしたら、経済的な格差がさらに大きくなる気がしています。いくつも塾に行って先に進む子と、家庭で何をどれだけやればよいかも分からず戸惑う子。
自主性を重んじた宿題を出せたり、計画を立てて取り組んだりできたりするとより意味があると思うが、一律に同じものを同じように出すのがよいのかは疑問。
児童の力の差が大きく、力がある子ほど意味がなく、力がない子ほど苦痛しか残らないからでしす。漢字の書き取り、計算の習熟を中心にしていますが、最低限10分程度でできる量を心がけています。しかし、自己解決できる力がある子にとっては3分程度でできてしまうし、学校の授業に追いつくのがやっとの子にとっては一人では1時間かかります。やることによって意味があるのは中間の力を持つ6割程度の子だけで4割の子にとっては意味のない作業になってしまいます。
学習習慣の形成のためには宿題は意味のあることだと考えています。しかし、「出されたものをこなせばいい」という姿勢で取り組む子もおり、自分で習慣作りをしたり、自分の力を伸ばそうという目的につながっていないところも感じています。こちらの働きかけしだいかなとも思います。
宿題があることで、学ぶことが楽しくないと思ってしまう子がいるのではないか?とずっと思っています。宿題をやらないと、学力つかない?その求めている学力って何?本当の学力って覚えることや反復学習をクリアすることや点数を取ることではないと思っています。
塾など多忙な子どもは多いし教師側のチェックの負担もあるので、宿題をたくさん出すのは好きではありません。
また、児童の生活全体を見つめなおすべできです。高学年にもなれば朝の8時に家を出て夕方16時に帰宅する。その後に習い事をやって宿題をやるとすれば、児童にとって自分が主体的につかえる時間はいかほどのものでしょうか。これで豊かに人間が育つのでしょうか、疑問に思えてしかたがありません。現状の標準時数から考えれば、学校の学習は学校で解決できるように完結させ。その結果を踏まえて、家庭ごとにその子にあった補修的または発展的な学習をしていくという線引きこそ必要だと思います。
本当はあまり意味がないと思っているけれど、「出すのが普通」という考え方が保護者の間にも、学校にも根強く残っているので合わせている、というのが本音です。【教員】
出さなくてもいいなら出したくありません。こちらも丸付けるのが手間ですし、宿題を見る時間がなければ休み時間もっと子供達を見られるのにと思います。しかし、保護者や学校から要望があり仕方なく出しています。一方、家庭力が全くない子供達は宿題があるから家で勉強するので、なんとも言えない複雑な感じです。【教員】
現状の宿題の頻度としては、ほぼ毎日出している教員が約8割でした。内容としては、音読・漢字・計算といった反復学習が7割程度で、自主学習ノートを宿題としている教員は5割弱でした。
自由記述では、1)反復学習の必要性、2) 学習習慣を付ける必要性、3) 児童・家庭による家庭学習の差の存在から、宿題の必要性が指摘される一方で、1) 受け身でこなすものになっている、2) 宿題で育まれる「学力観」への疑問、3) 教職員・児童への負担といった背景から、宿題のあり方への疑問も提起されました。
また、学習習慣の定着といった宿題の効果は一定支持しつつも、現在の受け身な宿題のあり方へは疑問を感じるなど、1人の教員の中でも、賛成・反対を一概に白黒付けにくい状況が見られました。
一方で、学校の方針により宿題を出さざるを得ない状況であるなど、宿題の意義を考え直すこと自体が難しいような状況もあるようです。個別の児童のニーズに合わせつつ、教職員・児童に必要以上に負担がかからない宿題のあり方に繋がるよう、自治体や学校での議論が進むことを願います。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
公立学校では、教職員の異動の公表時期は各自治体で決まっており、学校によっては年度内に児童生徒及び保護者等に公表できないこともあります。
年度内の公表ができない背景としては、「年度末まで変更、異動内容の差し替えがあり、早めに公表すると間違った情報を提供することになってしまう恐れがある」「転校などで児童・生徒数の増減があると、学級の数が増減することがある。そのため、教員が余ってしまったり、逆に足りなくなったり、いろいろな事情があり、直前まで差し替えがあり得る」などの理由があるようです。(参考:Yahoo!ニュース「お別れ言いたいのに…先生の異動発表、東京都は4月1日、なぜ?」)
学校現場にいる教職員は、現状の異動公表時期についてどのように捉えているのでしょうか。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、異動の公表時期についてアンケートを取りました。
■対象 :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年1月29日(土)〜2022年2月20日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数 :94件
WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。ぜひご登録ください。
Q1. あなたの自治体では離任式はいつ頃行われますか?
離任式の実施時期については、年度内に行う学校と年明けに行う学校の数はほぼ同数でした。地域別に見ると、北海道、東北は年度内に、近畿は年度明けに実施されることが多いことがわかりました。関東においては、東京都は年度明け、神奈川県は年度内に行う学校が多いようです。
Q2. あなたの自治体では年度内に児童生徒や保護者に異動を伝えることを可とされていますか?
Q3. 児童生徒及び保護者等への自身の異動の公表時期について、あなたの意見に最も近いものをお選びください。
Q3-2. 選択肢を選んだ理由をお書きください。(任意)
子どもたちとも、地域の方ともきちんとお別れができることが大切だと思います。部活動で大変お世話になった地域の方へあいさつに行ったり、卒業した子どもたちが学校に会いに来てくれたり、保護者の方ともお話できました。そうした中に、教師としてのアイデンティティとやりがい、充実感を得ることができ、そのことが自分の中に織り込まれてきたと感じています。【小学校・教員・新潟県・年度内公表可】
年度明けに公表すると、お世話になった方々へのお別れの挨拶ができずに去ることになる。離任式には6年生はいないので、挨拶ができないことになる。異動が多いと感じるので、教員の裁量で在校期間を決められるとよいと思います。【小学校・教員・東京都・年度内公表不可】
異動になるのであればきちんとお別れしたい。始業式の日に着任校に、前任校の保護者と子どもが来てくれたことがあって、嬉しかったが、前もって伝えられたらそんな必要なかったのにと思った。【小学校・教員・奈良県・年度内不可】
関わっていた子どもや保護者に別れも告げず、年度があけて、いなくなっている職場は他にあるのだろうか。病院でもどこでも、年度内に相手に伝え、異動されていくのに、学校の教員の特殊性ではないだろうか。異動先など、言いすぎると問題な部分も出てくるので、きっと難しいのだろう。別れを告げられるのは、保護者も子どももいるかいないかの不安より、いいのではないだろうか。【小学校・教員・大阪府・年度内公表不可】
異動者本人は3月の上旬には告げられるが、保護者・児童はもちろんの事、同僚にも公式には知らされない。結果として、噂話で職員室内を回ることになる。異動する本人は分かっているのに、子ども達に「4月に次の学年で会おうね。」と言って学級を閉じるのは後ろめたい思いがする。また、お世話になった保護者とも十分に挨拶をすることもできずに学校を去るのは大きな思いを残すこととなる。【小学校・教員・神奈川県・年度内公表不可】
修了式が終われば、職員も子どもたちも保護者も、わかっていた方が良いと思う。離任式や送別会が大人数でできなくなった今、個別にあいさつをする時間があれば良いと思う。【中学校・教員・茨城県・年度内公表不可】
生徒・保護者ときちんとお別れの挨拶ができるため。基本的に4月の新聞報道があるまでは、最小限の身内を除いて口外することは許されていない。よって、年度が明けてから、「引き続き先生に見てもらえると思っていたのに!」という事態が起こる。3月中旬には異動の有無を知っていながら、それを隠して生徒・保護者と接するのがつらい。【高等学校・教員・京都府・年度内公表不可】
年度内に公表する自治体に勤務しているので、年度明けに公表する自治体があることに驚きでした。年度内に生徒とお別れをし、4月から新たな環境で教師も生徒も気持ちを新たにするのが良いのではないでしょうか。【特別支援学校・教員・京都府・年度内公表可】
職員室にとっても、現行の学習指導要領で字数が増えた結果、春休みが短くなっているために4月1日から始めたのでは間に合わない分掌が出てきている。さらには公式には異動の内示はだされていないので、引継ぎも充分にすることもできずに4月からの多忙感が非常に大きくなる。【小学校・教員・神奈川県・年度内公表不可】
子どもや保護者に事前に伝えることができることによって、必要な引き継ぎができたり、来年度に向けて準備をしてもらったりしやすくなるため。特に特別支援を必要とする子どもの場合は担当者が変わることによる負担が大きいため、準備期間があるほうがよいと感じる。【中学校・教員・大阪府・年度内公表不可】
部活動や学校として関係機関が関わっているような重要な家庭に関しては、その後の関係性や担当者の引き継ぎがあるので、年度内に連絡をできるようにした方が学校としてもその後がつなぎやすいから。【中学校・教員・大阪府・年度内公表不可】
早めに伝えることは何ら悪い事では無いと思う。むしろ早く伝えておくことで、次年度に向けた取り組みや伝達がスムーズに行える。異動時期を早く伝えると、「子どもが言う事を聞かなくなる」とか「教員にやる気がなくなる」といった意見を聞いたことがあるが、子どもや教員をあまりに馬鹿にしすぎていおり、なおかつ子どもや教員を全く信頼していない姿勢が見えるので、とても残念でならない。【高等学校・実習助手/実習教員・大分県・年度内公表不可】
新年度の始業式で突然知らされる子ども達が気の毒です。【小学校・教員・東京都・年度内公表不可】
お別れとしての節目は年度内におこなうべきだと思う。いきなり4月からいなくなると子ども達も動揺するのでは。年度明けに公表される学校があるのですか?そこにまず驚きです。【中学校・教員・長野県・年度内公表可】
突然だと心理的ショックが大きい。また、次年度への移行もスムーズにいくため、終業式までに伝えるのが良いと思うから。【高等学校・教員・東京都・年度内公表可】
新年度になって今までいた先生が突然いなくなったり、見たことのない先生が急に学校にいるようになったりという状況は生徒たちの混乱を招いてしまうと思うので。今までお世話になった先生方や生徒たちにきちんと挨拶してから離任したいので。【特別支援学校・教員・京都府・年度内公表可】
講師・教諭、勤務形態問わず、仕事だけでなく、個人の生活があります。ギリギリまで隠して、落ち着きなく仕事をするより、生徒自身にも、きちんと異動の時期を見通して、準じて話をしながら学校生活を送る方が、社会に即して学びを得られるものだと思います。生徒自身、社会へ働きに出た時に、年度末は「組織も人も動く」変わり目の時期であるという認識を持って、過ごすことも大事だと思います。人事を隠して務めるよりは、人事を示し、理解を図りながら、共に学校という組織を考えていく契機にも繋がると思います。また、コロナ禍で様々な働き方が生み出され、個人の生活を尊重した人事が行われるように、社会全体で向き合っていくべき課題だと思います。【中学校・教員・福島県・年度内公表可】
勤務している県では、初回異動は初任地の郡市外に出ることとなっています。同日離着任式だとかなりの移動距離になる場合があり、実際に私は着任式に間に合いませんでした。また、万が一の交通事故も考えられます。【小学校・教員・奈良県・年度内公表不可】
自治体内で異動する教職員ばかりではないので、遠方に引っ越しされた方にとっては、新年度に離任式があると出席するのが負担になると思います。【特別支援学校・教員・京都府・年度内公表可】
年度明けにスケジュールを確保して離任式等を行う必要が無いと思う。年度内に処理するべき。【小学校・事務系職員・埼玉県】
滋賀県は内示が3/25前後です。異動する本人もその時点までわかりません。引き継ぎの時間がないままに次年度がスタートします。新聞発表の4/1で調べた生徒だけが春休み中に知ります。メリットが分かりません。【高等学校・教員・滋賀県・年度内公表不可】
早く公表すれば離任に際して生徒や保護者からの挨拶や贈り物が派手になりそうで心配。何かもらってもお返しできないのに困る。一方で、残されることとなる生徒からすれば、最後の挨拶がしたかった等の思いもあると思うので繊細な問題と感じる。教職員としては7~10日前の異動内示は本当に片付けと引き継ぎが大変なので、せめて3週間、出来れば1ヶ月前に内示してほしいと感じている。【滋賀県・高等学校/高等専門学校・年度内公表不可】
場合によると思います。年度内に公表された場合、児童生徒が動揺してしまうという可能性もあります。また、年度明けすぐに海外に向かうなど、もう二度と児童生徒にあいさつができない場合は、年度内に公表して別れのあいさつをした方がいいのかもしれません。【大阪府・小学校・教員・年度内公表不可】
今回のアンケートで初めて疑問を持ったほど、異動の公表について全く疑わずに教員生活を送っていました。年明けに公表というのが暗黙のルールでしたが、事前に保護者や子どもに伝えてしまうと勝手な憶測が飛び交ったり、過剰なお別れムードが起きてしまうようにも感じます。しかし、新年度になって急に先生がいなくなっていることに対する保護者、子ども達の精神的不安を考えると年度内に伝えた方がいいようにも感じました。【小学校・教員・東京都】
全体の半数の学校で年度内の異動公表が不可とされていましたが、8割以上の方が「年度内に公表した方がいい」と回答しました。その理由としては、「児童生徒や保護者、関係者の方へ直接挨拶をしたい」という声が多く上がっていました。次いで多かったのが、「きちんと業務の引き継ぎや連携をしたい」という声。教職員だけでの引き継ぎだけではなく、児童生徒や保護者との連携が必要なこともあるため、新年度になってからの公表では支障が出るケースもあるようです。
▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼
全国のほとんどの学校で学期末に配布されている通知表。しかし、指導要録や出席簿とは異なり、実は法的には作成義務はなく「校長の裁量で作成する、保護者への学習状況連絡票」という位置付けになっています。
一方で、通知表についての学校現場の実態はどのような状況なのでしょうか。全国の教職員の方に、それぞれの学校の現状について伺いました。
School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、通知表についてアンケートを取りました。
WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。
■ テーマ :「通知表」どうしてる?
■ 対象 :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■ 実施期間:2022年2月26日(土)〜2022年3月21日(月)
■ 実施方法:インターネット調査
■ 回答数 :66件
Q. あなたの勤務校では、通知表をどの頻度で出していますか。
どのような形式ですか。
※数値評価は「よくできた」「がんばろう」などの到達度別評価も含みます。
※道徳や総合などの文章表記のみの教科については除いてお答えください。
Q. 通知表に関する疑問やモヤモヤ、または感じている意義についてなど、ご自由にご意見をお書きください(任意)
※ 全回答の中から抜粋して掲載しています。
※ 個別の意見の括弧書きはそれぞれ【校種、職種、通知表の回数】を表しています。通知表が数値評価のみの場合は【校種、職種、通知表の回数(数値評価のみ)】と記載しています。
※ 回答を「負担感」「地域差」「意義」「評価軸」の4つの軸にわけて、それぞれの軸にあてはまると思われるものを抜粋しています。
説明責任があるため、成績処理から入力、印刷後の確認など慎重に作成している。1をつけずに空欄表記も希望により可能であるという制度のため、不登校などの家庭にその都度(教科ごとにも)確認作業が入り煩雑。毎学期末、通知表作成のための教育活動だと感じる。終業式・修了式後のクレーム対応(志望校合格のために評定を上げてくれ、他校では要求したら上げてくれている、授業に出ていないし提出物も出していないし点数も良くないが1ではなく2にしてくれなど)が負担。電話が鳴ると身構えます。【中学校、教員、3回(数値評価のみ)】
校務支援ソフトで随分と楽になりました。直感に頼らず変化を見とることができます。【小学校、教員、3回】
2期制のため、年間2回の作成です。前期は個人面談があるので数値のみで、後期は所見欄があります。所見はだいぶ減ってきたとはいえ、高学年では学習200字、道徳100字、総合的な学習100字と、1人あたり400字が基準です。現在37名のクラスですが、やはり時間がかかります。加えて作成時間を勤務時間内に収めることは難しく、休日を使って書きます。間に合わない時は、年休を取って帰宅し、籠もって書くこともあります。この時期は寝不足気味になり、体調も不安定です。加えて、添削する管理職によって文章の形式や表記がバラバラで、書く度に「もっと具体的」や「課題と指導の様子が伝わるように」等のリクエストがあります。特に初任者は「登竜門」のように、真っ赤になって返って来ることも多々。内容云々というより、「ここで苦労しないとあとから大変(何のこと?)」という訳の分からない揚げ足取りも見られ、本当に何のためにやってるんだろうという気持ちになります。
【小学校、教員、2回】
私の住んでいる市町村では3学期制ですが、最近通知表の所見をなくしていこうという動きが盛んになっています。働き方改革の一環です。通知表を渡す前に保護者との個別懇談があるから、そこで様子をしっかり伝えることを大事にする。保護者も子どもも特に問題は起きていません。来年度からは所見は年度末のみになる予定です。担任の立場からしたら残業時間が減るので非常にありがたいです。【中学校、教員、2回】
仕事量が多すぎる。支援学級の子がクラスにいた場合、支援級担任は国語算数しか教えていないので、交流級の担任の方が負担が大きい。所見に時間がかかりすぎる。道徳の評価はなくしてほしい。専科と支援級、普通学級の担任で仕事量が違いすぎて、帰る時間が違いすぎて不公平。【小学校、教員、3回】
ここの学校は所見があるけど、あっちの学校では所見がない、のような差のある状態は良くないと思います。【小学校、教員、3回】
「統合型校務支援システム」が来年度からようやく導入されます。今までは、市内の小中学校、各校独自の書式でバラバラでした。異動先でだいぶ苦労した例も絶えません。市内、ようやく統一されますが、県内、自治体ごとにバラバラで、市外へ異動だとまた書式が変わってしまいます。いい加減、こういった生徒の教育成果に関わる事務(成績処理・通知票・指導要録・調査書など)、校務全般は、全県・全国統一すべきだと思います。【中学校、教員、3回】
私の勤める市では、「各校の自主性を重んじる」ため、異動すると形式がガラッとかわり、その対応が大変だった。教科書も同じであることから、形式等、同じにできないものかと疑問に思っている。【小学校、教員、3回】
中学校です。学校によって評価基準が違うので、文科省で統一してほしい。他の学校に通う同じような実力の生徒が、学校の違いだけで評価が変わる可能性もある。AAAなら4はダメとか、そういう基準も全国で統一してほしい。印刷する手間がかかるため、デジタル化してほしい。成績をパソコンで見られるようにすれば仕事が減り、楽になると思う。【中学校、教員、4回以上】
観点別の数値での評価は、どうしても数値の高い低いのみにこだわってしまう(親も子も)。どんなに所見でその子の良さや伸びを伝えようとしても難しい。通知表の評価だけが全てではないのに・・。そして、総合、道徳、中学年ならば外国語活動と分かれての記述欄。短い文章で表現することになるので、本当にあれでこどもの様子が伝わるのか。本当にあんなにたくさん書く必要があるのか?と思っています。【小学校、教員、2回】
中学校は、高校入試を考えると仕方がないかもしれないが、そもそも数字で評価しなければならないことに違和感がある。特に、主体的に学ぶ態度は、なかなか評価しづらい。よい評価をもらうために、主体的に学ぼうとする生徒も少なからずいるため、本来の学びの意欲につながっていないように思える。数字だけでなく、さまざまな評価の仕方があってよいと思うが、そうなると、1人で200人近い生徒を数字以外で評価するのは、時間や労力を考えたときに無理なので、今のやり方でやるしかないとも思う。【中学校、教員、3回】
所見は3学期のみ。1,2学期は懇談があることを理由に「よくできた」「できた」「がんばろう」のみの評価です。受け取った子どもたちは、評価の項目の文章も読まず、意味もわからず、ただ丸の数を数えて増減に一喜一憂。喜ぶのも悲しむのも「親に褒められる」「親に怒られる」「何か買ってもらえる」などが理由で、自分の学びがどうよくなったのか、これから何をがんばるべきなのか、などはほとんど考えていないように思います。学びが「自分ごと」ではないのです。保護者も通知表を見て、我が子にいったいどんな力がついたのか、は分かりにくいでしょう。そもそも学期の終わりにだけ自分の学びや我が子の学びを3段階で評価されるのを知らされるだけなんて…。評価は誰の何のためにあるのかをもう一度問い直し、子どもが学びを「自分ごと」と捉えられる評価(フィードバック)できるツールが必要ではないかと考えます。【小学校、教員、3回】
勤務校では毎学期の終わりに懇談資料として各教科の評定を保護者の方にお渡ししています。(道徳や総合の評価については記されていないものの、)同じような内容なのにわざわざ通知表を出す必要があるのかなと思います。
何よりも勤務校では(他の学校では違うかもしれませんが、)ハンコ文化が強く残っていて、校長印と担任印を押すことも負担かなとも思います。と言いつつ、私自身これまで学校でもらった通知表を残してきているので、なくなってしまったら無くなってしまったで寂しくも感じるかもと思いました。。。【中学校、教員、1回(数値評価のみ)】
来年度から、3学期のみ所見を書くことに学校評価では決まったが、次の校長がOKを出せば、そうなるが、そうではなかったらこれまで通り、3回所見を書くことになると言われ、なんとも言えない気持ちになっている。所見が子どもにとっても、先生にとっても、よいものになっているのか疑問。【小学校、教員、3回】
絶対評価と言いながら、評定平均が3.1前後になるようにしないといけない。そこに合わせたら合わせたで「3が多すぎる」だ「もう少し4か2を増やせ」だと管理職から差し戻され、毎回毎回毎回毎回付け直しています。もはやただの相対評価でしかありません。何のための絶対評価なんでしょうか。【中学校、教員、3回(数値評価のみ)】
主体的に参加していた!という評価に困りました。数値だけの評価も心が痛むことが多かったです。所見の文字数を学年で合わせるように言われました。多いものを減らすことにはとても苦労しました。伝えたいことが伝わらないもどかしさがありました。合わせることの意味も分かりませんでした。【小学校、教員、3回】
絶対評価を謳っておきながら相対評価(管理職がAの数を指示。職員向けの通知表資料には、堂々とクラスの○%まで書かれている)所見に書く内容を制限されすぎて適切なフィードバックが機能していない。ネガティブなことは基本書かない、Aの内容を中心に、担任の目を通したその子の姿を伝えるなど、到底不可能と思うほどに書きづらい。【小学校、教員、3回】
数値評価に関しては、それぞれ教職員個人の経験や思いなども強く影響を受けて、年度や管理職がかわることで変更されることがある。できるだけ一貫したものをと考えているが、総括している担当が曖昧になると意見が左右されてしまう。校長の裁量で発行されるべき通知表は市内統一という形式を取りながら、数値評価に関することが中途半端に現場に任されている。【中学校、教員、3回】
アンケート結果から、小学校では69%、中学校では59%、高等学校では83%が年に3回通知表を発行していることがわかりました。
また、評価の形式については、「数値評価+所見」という回答が小学校で59%、中学校で46%、高等学校で17%、「数値評価のみ」という回答が小学校で0%、中学校で41%、高等学校で83%という結果になりました。
個別の意見の中では、特に所見の作成や修正に時間を要しており負担が大きいという意見や、学校によって形式が異なることを懸念する意見がありました。また、現状の所見が本当に子どものために意味のあるものになっているのかについて疑問を持つ意見や、評価についての明確な評価規準がなく、絶対評価を謳いつつも現場の実態として相対評価での評価を促されることに疑問を持つ意見も見受けられました。
一方で、所見の回数を減らす、あるいは面談に替えているケースや、校務支援システムを利用することにより効率的に通知表を作成しているケースもあるようです。
そもそもの通知表の意義や現場の実態を考慮した評価方法、学校における働き方改革の視点も含めて、議論が進んでいくことを期待します。
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