学校をもっとよくするWebメディア

メガホン – School Voice Project

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児童生徒の実態を踏まえ、教職員が共同で取り組む「校内研究」。その必要性や意義が語られる一方で、ポジティブな学びの場になっていないとの声もあります。校内研究について、教職員の方の実感や意見を聞きました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、校内研究・研修の現状と課題についてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。ぜひご登録ください。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年4月3日(日)〜2022年4月24日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:26件

アンケート結果

※自由記述の設問は、全回答の中から抜粋して掲載しています。

設問1 今年度の校内研究のテーマは?

Q. 学校内でテーマを一つ決めて、年間を通して研究をする「校内研究」についてお聞きします。2021年度、あなたの勤務校では、どのような教科やテーマを研究していましたか。

新年度の担当が決定する時期として、最も多いのは「3月中」で全体の6割。次いで多いのは、「新年度勤務開始日」で3割でした。校種による大きな違いは見られませんでしたが、地域別に見るとその差は顕著。北海道、東北、関東では、3月31日より早く新年度の担当が決定する学校が8割以上であったのに対し、その他の地域では5〜6割程度でした。

< 主体的・対話的な深い学びに関する内容 >

仲間とかかわり、「分かった、できた」を実感する授業づくり【小学校・教員】

ICTを活用して対話的・主体的で深い学びをする方法【小学校/義務教育学校・教員】

「学びに向かう力」を高める授業づくり【中学校・教員】

< 教科に関する内容 >

国語 「伝えあい」3年計画【小学校・教員】

県のスタンダードと呼ばれる授業スタイルを基本に、みんな活躍授業という授業展開を推奨。教科は自由と言いつつ、やはり算数中心となる。【小学校・教員】

毎年、輪番制で教科の校内研究授業がある。【中学校・教員】

< その他 >

情報活用能力を育成するカリキュラムづくり【小学校・教員】

ICT教育という名目でChromebookや Googleclassroom、スクールタクト、eライブラリの使い方研修【小学校・教員】

わかりやすい授業を目指した指導・支援方法に関する研究~子どもたちの『わかる・できる』を支えるために~【特別支援学校・教員】

設問2 校内研究のメリットは?

Q. 校内研究があって良かったこと、あなたにとって役に立ったことを全てお選びください。(複数選択可)

<その他を選択した方の主な回答>

職員同士の対話の機会をもつことができた。【小学校・教員】

授業力・指導力・ICT活用を若手の先生に少しだけ伝えられた。【小学校/義務教育学校・教員】

「知識・見識がアップデートされた」を選択した方は全体の約半数で最も多く、「授業力・指導力が向上した」「児童生徒への理解が進んだ」を選択した方は全体の2割以下でした。男女別に見ると、「悩みを共有できた」と感じている方は女性に多く、「教室掲示や教材づくりなど、指導のアイデアが増えた」と感じている方は男性に多いことがわかりました。

設問3 校内研究の課題は?

Q. 校内研究について、あなたが課題に感じていることを全てお選びください。(複数選択可)

<その他を選択した方の主な回答>

教員の主体性が育たない【小学校・教員】

発表ごとなどが関係すると、管理職が見栄えを気にして形だけの研修となったり、ある特定の人にだけ負担がいくような形の研修となったりして、一人一人の学びにならない。【小学校・教員】

小学部・中学部・高等部の学部間調整【特別支援学校・教員】

全体の約7割の方が「授業者の準備負担が大きい」「勤務時間内に研究・準備が終わらない」を選択しました。女性よりも男性の方が、「助言や批判が苦しい・傷つく」「児童生徒のよい学びや成長に寄与しているように感じられない」と感じている方が多いことがわかりました。

設問4 校内研究は有意義?

Q. 校内研究は教職員にとってよい学びの機会となり、児童生徒や日々の仕事に還元されていると感じていますか。

Q. 上記を選んだ理由をお書きください。

「とてもそう思う」「まあそう思う」を選択した方の主な意見

< 自分自身の学びに繋がった >

様々な教科や立場の人から意見をもらえるのでありがたい。【中学校・教員】

< 教職員間でのチームワークの向上に繋がった >

「とてもそう思う」ことができた1年であった。それは方法や内容ではなく、職員全員が前向きに授業研究や校内研修に取り組んでいたから、ということが大きいと思う。授業研究だけに注力できない仕事量をそれぞれが抱えながらも、「まだ、指導案ができてないよ~」とか、「まあ、なんとかなりますよ。」など、互いに気軽にフォローし合って取り組み、それぞれの納得できる授業研究ができ、そのことが互いを励ますことにつながっていたように感じる。管理職のかかわり方、同僚性、仕事量など、「校内研究」の一つ外の環境によって、その満足度はずいぶん変わるのだなと思った。「校内研究」そのものの課題もあることと思うが、やはり学校というシステム全体とのかかわりにおける課題もありそうだ。2つの視点に課題を切り分けて考えてみることも大切だとあらためて気付くことができた。【小学校・教員】

本校では教員からの提案があって、まずは研究授業の前にできるだけ多くの教職員がかかわり、事前に指導案の検証や模擬授業を行ってから研究授業を行うようにしました。たくさんの教員で指導案づくりにかかわったあとの研究授業だったので、どうしても授業者への助言がときに批判のようになりがちな研究協議も、「みんなでかかわってつくった指導案をみんなで再検討する」という形になり、授業者の負担も軽くなり、教員全体で考えることができたのではないかな、と思っています。【中学校・教員】

以前は内容が研修として意味をなしていなかったのでそうは思わなかったがニーズを確かめて必要なものを導入している。また研修という時間を取らないと学ばない、学び方がわからない教員も少なくない。そしてその場を作ることで1番大切なチームワークの向上の図れると感じているため必要と思う。【高等学校・教員】

< 校内研究・研修と働き方改革の両方を重視する必要がある >

私は主任なのでそう思いながら学び続けていますし、そうなるようにしたいとも思っています。この学びの場が、各個人のスキルだけでなく、子ども観や指導観を見直す大切な場であるべきだと思っています。しかしながら現実は非常に厳しく、学びたいと思いながらも日々の業務に追われ、熟考する物理的な時間と心の余裕がないのが現状です。それでも管理職は研修はどんなに大変でも教師なのだからやるものだ、という考えがまかり通っています。自己研鑽は根性論ではなく、働き方改革と両輪でなければならないと強く思っており、主任として提案する際に力をかける部分とかけない部分を明確にしなければならないと思います。研修がよりよい充実したものになる可能性があるのは、教師自身も、人として尊重された働き方をしている学校だと感じています。【小学校・教員】

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を選択した方の主な意見

< 校内研究・研修の位置付けに違和感がある >

主体的な学びではなく、形だけの研究なので。一人ひとりの声がいかされない。【小学校・教員】

特別支援学級でも指定された教科で研究しろと言われることが多くあり、子ども達に本当に必要な力のための研究ではないと感じることがある。特別支援学級は、支援級の実態に応じて教科を選び、子ども達にとって必要な研究をやらせて欲しい。見た目、形だけそろえるような研究は意味がなく、時間も無駄だと感じている。【小学校・教員】

以前務めた学校では「校内研究は若手がやるもの」「私達はアドバイスや相談を受ける」「チームとして頑張りましょう」と言われました。小言程度の口を挟む関わりしかしてもらえなかったにも関わらず、授業後の検討会では「チームとしての頑張り」を、大きく取り上げられており、違和感しかありませんでした。個人研究なら、法定研修で行っているのでただ負担が増えただけでした。別の学校では1人1テーマや、1授業となっていたので、全体での情報交換が盛んに行われていて、とても良かったと感じています。【小学校・教員】

本来研究は自分自身をより良く高めるもので、やって楽しい、充実感のあるものだと思うのです。それぞれ課題や知りたいことが違うから、その学校として特に意思統一しておきたいベースの部分の共有を研究の核にしておけば、あとは自由度が多い方が楽しい研究になるんじゃないかと個人的には思っています。が実際には、上から降りて来たような細かなHow to を持ってきて、みんなで揃えましょうみたいなことをしてしまうから、やる気がそがれてしまうのです。それならそれで、なぜそれを校内研究にするのか、それにはどのような意味があるのか、それは子どもの育ちのどの部分を後押しするのか、じっくり職員で共通理解しなければならないと思います。ああじゃないか、こうじゃないかとみんなで語り合う研究が一番心に残るし、学びになります。【小学校・教員】

< 次に繋がる校内研究・研修になっていない >

学校全体の研究だが、教育課程が個別に違う支援学級の児童を含んだ想定の指導案にはなりにくく、授業も1時間を見てもらう方法しか取れず前後(特に本時の後の授業)に繋げるのが難しいシステムだなと思う。【小学校・教員】

< 日々の業務が忙しく、よい学びに繋げる余裕がない >

校内研究が教職員にとってよい学びの機会になるためには、心理的安全が必要ですが、毎年そこまで辿り着くことも難しいのが現実です。理由は日々の忙しさにあります。毎日ひたすら授業をして、会議をして、授業準備をして、家に帰るということの連続で、他の先生たちと授業のことを詳しく話す機会はほとんどありません。そんな状況でお互いの授業を見合っても、当たり障りのないことを言うか、あるいは厳しい批判だけで終わってしまうか、どちらかでしかありません。先生ひとりひとりによって考え方が違うように、授業ひとつをとっても本当に千差万別。本来は優劣を決めることよりも、お互いの「ちがい」を知り、そこから学ぶことが大切ですが、そういう学びの場が成立したことは今までの教師人生において一度もありません。自分自身、研究授業は傷つくことばかりで、エンパワーされるようなことは一度もありませんでした。それなら授業研究ではなく、組織開発をテーマとし、外部から人を招いてチームビルディングを行うなどした方がいいのではと思っています。【小学校・教員】

「どちらともいえない」を選択した方の主な意見

< 研修を受ける個人によって、学びに差がある >

良い時もある。しかし、受け取る側がどんな気持ちで受け取るのか。受け取ったものをどのように実践していくか?研究と実践の往還がまだまだ学校の中では少ないと思う。こういった状況が忙しさを理由にされないようにするために、学びのデザインは教職員にも必要だと思う。【小学校・教員】

まとめ

「とてもそう思う」もしくは「まあそう思う」を選択した方と、「あまりそう思わない」もしくは「全くそう思わない」を選択した方の数はほぼ同数。実際に経験してきた校内研究・研修において、教職員全体で連携しながら前向きに取り組める環境だったのかどうかによって、意見が分かれているようでした。また、教職員自身が必要だと感じる課題に取り組めているかどうかも、校内研修・研究のモチベーションに影響しているようです。

校内研修・研究が児童生徒の実態を踏まえて行われ、まずは教職員自身がその成果を実感できるような内容で実施されることを期待します。



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※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

特別支援教育の教員養成について議論している文科省の検討会議は3月31日、全ての新規採用教員がおおむね 10 年目までの期間内に、特別支援学級や特別支援学校の教師を複数年経験することとなる状態を目指す、との報告書を公表しました。

文科省は報告書に基づき、全国の教育委員会に人事制度の改善などを促していくことになります。この方向性について、教職員の皆さんがどう考えるかをお聞きしました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、“採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験”の方針についてアンケートを取りました。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年4月9日(土)〜2022年4月24日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:44件

アンケート結果

設問1 今回の方針、賛成? 反対?

Q. “採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験”方針について、あなたはどう考えますか?

小学校の教職員は「賛成」と答えた方の割合が高く、意見が賛否に大きく分かれました。中学校では「どちらかというと賛成」もしくは「どちらかというと反対」と答えた方が多く、明確に賛成や反対の意見を持っている人は少数であることがわかりました。高等学校や特別支援学校では、「どちらかというと反対」「反対」と回答した方が6割を超えました。

設問1-2 賛成・反対の理由は?

Q. 上記を選んだ理由をお書きください。

方針に肯定的な内容の主な意見

< 特別支援の専門性は、さまざまな場面で役立つ >

特別支援教育の知識や実務の経験が、今後の学級経営やキャリア形成において、非常に役に立つと思うから。【小学校・教員】

特別支援教育の学びは、特別支援という枠組みにこだわることなく、全ての職員が学ぶべきだと思います。教員養成課程でその部分が変わってきましたが、現在勤務する教員にその学びがないことで、苦しい思いをする子どもたちが多数いるように感じます。教師の側にも苦しさ辛さがあることも多いと感じています。【小学校・教員】

特別支援教育を通して、教育の原点に触れることで感じ、気付き、学べることがあります。私は初任2年目に特別支援を希望して、担任をしました。そこで、児童の実態を把握し、それに伴った教材研究をする大切さを体感しました。10年以内に限らず全ての教員が経験するべきだと思います。交流学級担任に特別支援教育の経験があるとないでは、交流学級の子どもたちとの関わりがかわります。【小学校・教員】

特別支援教育を学んで、実際に支援学級の担任をした経験がある立場から見て賛成です。年々子どもたちの困りが多様化している中で、特別支援教育の視点を持たずに学級経営することは難しくなっています。また支援学級との連携も、支援学級担任の経験があるのと無いのとでは、配慮の度合いが全然違ってきます。特別支援教育には、教育の本質を考えるチャンスがたくさんあると思うので、ぜひ若い先生たちには経験してほしいです。【小学校・教員】

通常学級においても、特別支援が必要な生徒が多数いる。教員の視野を拡げるため、差別的な教員を減らすためにも有効だと思う。【中学校・教員】

< 人員配置に対するイメージ回復に繋がる >

小学校なので、通常級の担任が一番偉いと考える人が多いように思う。そうではなく、どの教職員も平等で、それぞれの苦労や大変さがあることを知ってほしいためにも賛成する。【小学校・教員】

教員全員が経験するもの、と規定することで、通常学級担当だった教員が特別支援学級担当に回されることへのネガティブなイメージが変わるのではと期待している。【小学校・教員】

特別支援学級の教員は軽視されがちな上、通常学級の担任に不向きな教員が配置されている傾向が少なからずあり、児童にとっても教員にとっても望ましくない人事が行われている実情を回避できると考えたからである。【小学校・教員】

「学級担任が花形」みたいな風潮を感じるときがあります。学級担任は花形、支援担や養護教諭は裏方と言ったようなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。学校体制的に可能であれば、そもそも「まず学級担任からスタート」ではなく、「子ども一人ひとりペースやできるに寄り添う」「保護者にていねいに寄り添う」「学校全体を見渡せるポジション」ができるポジションからスタートしてもいいんじゃないかと思う。【小学校・養護教諭/養護助教諭】

方針に否定的な内容の主な意見

< 児童生徒や保護者に負荷がかかる >

特別支援教育の専門性を軽視していると思います。特別支援教育の理解のない教員が支援学校や支援学級にあふれることが、支援対象の子どもたちにどれだけマイナスか考えるべきだと思います。【中学校・教員】

特別支援学級、特別支援学校の両方で勤務経験があります。特別支援の知識やノウハウが通常の学級に活かせることは分かりますが、子どもたちのことは全く考えていないと思います。教員のために利用されているように感じます。特別支援には、向き不向きがあるので、全員というのは大反対です。【小学校・教員】

特別支援教育は専門性も高く、対応も一人一人違うと思います。特別支援学級も増加し、人手が必要な時に、ただ複数年経験、となると子どもに対して不適切な対応が起こるのではないかと危惧します。【中学校・教員】

ある程度、通常学級で経験を積んでからでないとより丁寧な支援が必要な支援学級を受け持つのは危険だと思う。生徒の対応はもちろんだが保護者との対応もきめ細かさが要求される。【中学校・教員】

特別支援の児童や保護者にとっても、コロコロと担任が変わることが果たしていいことなのか分かりません。支援学級や支援学校は、「教員に経験を積ませる場所」では決してありません。担任の意識も「本意ではないのに…」「あと○年の我慢」みたいになっては最悪です。【小学校・教員】

<受け入れ先の特別支援学校への負担が大きい>

この制度のせいで特別支援学校の教員の入れ替わりが激しくなったり、若年層ばかりになり、経験豊富な教員が少なくなってしまったりする可能性には気をつけないといけないと思う。【中学校・教員】

単純に「経験してこい」で終わりでは、現場が手一杯になるので、サポートしたり相談できるコーディネーターも現場に確保してほしい。【高等学校・教員】

「採用後10年以内に複数年経験」を定めてしまうことで、ただでさえ人手の足りていない教育現場がさらに足りない事態になるのではないかと、強い懸念を抱きます。また逆に、教員を受け入れる特別支援教育機関側は、特別支援教育未経験の教員の受け入れ数が増え、それが永続していくわけですが、業務に支障を来さないでしょうか。【高等学校・教員】

<配置される教員本人のモチベーションに影響する>

若い先生の中には、身辺自立のできていない子どもの排泄処理や、細かい配慮を求める保護者対応などで心が折れてしまう人もいるかもしれないです。【小学校・教員】

特別支援の需要が高まっているのが分かっているなら、小学校だけではなく、小学校兼特別支援という形で複合していかないとやりたくない先生が出てくる。また、やりたくないという先生に特別支援教育を経験させるのは酷だと思う。【高等学校・教員】

また教員志望者が減るのではないかと思います。というのも、私が教員になったきっかけは教科指導をしたい、学問をつづけたかったからです。今だからこそ特別支援教育を複数年経験することは教師としての視野が広がりインクルーシブ教育の実践にもつながると思いますが、それを義務にするのはどうかなぁと思います。【高等学校・教員】

希望しない職種につくのは、当人にも勤務校にもプラスには働かない。仕事には本人のモチベーションが大切であり、希望しない勤務先での仕事は、一層教員確保が難しくなる。【特別支援学校・教員】

< 特別支援の視点は、その他の方法で学ぶべき >

教師になる人が育つ環境をインクルーシブにするほうが、ずっと自然で効果的だと思います。【特別支援学校・教員】

まとめ

賛成する理由としては、教員が特別支援教育について学ぶことで、多くの児童生徒との関わりに役立つという意見が多くあがっていました。それによって苦しい思いをする児童生徒が減ることや、教員自身の苦しさを減らすことにも繋がる、という考えもあるようです。

反対する理由としては、児童生徒や保護者への影響が最も多くあがっていました。専門性を身につけていない教員が関わることや、短い期間で担当教員が変わることへの懸念などがあるようです。次いで多かったのが、教員や学校への負担。現状でも人員が不足している中、研修を取り入れることでさらに現場に負荷がかかることを心配する声がありました。

今回のアンケートでは、特に小学校教員において賛成と反対の意見が大きく分かれていました。その中心となる理由は、「さまざまな児童のために、特別支援の専門性も身につけるべき(賛成意見)」「専門性がない教員が研修として担当者になると、児童への負荷がかかる(反対意見)」の2点。賛成、反対ともに「児童にとって質の高い教育を提供したい」という思いが強く感じられる意見が多かったのが特徴的でした。

特別支援教育へのニーズは年々高まっており、専門性を身につけた教員が不足している現状もあります。児童生徒が安心して教育が受けられる学校であるために、どのような手立てが必要なのでしょうか。



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