学校をもっとよくするWebメディア

メガホン – School Voice Project

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学校の働き方改革を進める上で、課題としてあげられることが多い部活動。令和2年9月には、文科省より「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」が全国の教育委員会等に通知されました。その中で、休日は教員が部活動の指導に携わる必要がない環境の構築や、部活動を段階的に地域に移行していく旨などが明記されています。(参考:学校の働き方改革を踏まえた部活動改革 概要

今年1月28日には、文科省より「部活動指導員の配置を進め、実技指導や校外での試合などの際は、できる限り教員を伴わず、部活動指導員単独で行うことが望ましい」との見解が明らかにされました。

部活動に関する制度の整備が進んでいる一方で、実際の学校現場はどのような状況なのでしょうか。全国の教職員の方に、それぞれの学校の現状や部活動のあり方について感じていることをお聞きしました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、部活動のあり方ついてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働くさまざまな立場・職種の方が対象です。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年1月15日(土)〜2022年2月6日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:64件

アンケート結果

設問1 部活動のあり方を変える必要、ある? ない?

Q. 部活動について、働き方改革を進める上での問題が広く認識されています。あなたは部活動のあり方を変える必要があると思いますか?

※ 上記のほか、特別支援学校2名、小学校13名は「とてもそう思う」を選択

「とてもそう思う」「まあまあそう思う」を回答した方の主な意見

部活動運営にかける労力(指導・事務処理・人間関係の調整など多岐にわたる)はかなり大きいので、本来の教育活動のための企画や準備にあてる時間、もしくはプライベートの時間を削らざるを得ないから。【中学校・ソフトテニス】

運動部の顧問になると、最低でも平日の放課後1〜2時間、休日2〜3時間は拘束される。試合があれば、1日中拘束されることもある。また、経験したことがなくても持たされ、そんなことは関係なく、生徒や保護者からのプレッシャーがある。ストレスしかない。なくなれば、時間的にも精神的にも負担が激減する。【中学校・卓球】

まず、やったことがない種目を任されても、やっているこっちが楽しくない。また、地域の人が入ったり、外部コーチが入ったりしても、その人との連携や、誰を試合に出すかなどでトラブルになった ときには結局先生が責任をとらないといけない。中途半端につながるくらいなら、いっそすべてを任せたい。【中学校・剣道】

中学校では退勤時間が遅くなる要因となっている。ただし、教師間の意識に格差がある。部活動をやりがいとしている教員と負担感をもつ教員に二極分化している。管理職も足並みをそろえにくく思っているのではないか。【中学校・美術】

もっとも教員にとって問題であるのは部活動の顧問を断ることができないという点にあります。専門の部活動が雇用の必須条件でない以上、単に不当な仕事であると思います。【中等教育学校・卓球】

部活動について適切な手当てが出れば良いですが、実質ただ働きに近い形で行われているのは問題かと思います。また、部活動の顧問をしている人としていない人で仕事量に差が出るという理由で全員が顧問を持たないといけないというのは、本来の部活動の意味、教師の働き方の観点から疑問に思います。【中学校・演劇】

部活動が教育課程外の活動に関わらず、教員個人のモチベーションや保護者などの評価軸になってしまっているから。【中学校・技術】

「宿題をしないと顧問に怒られる」「宿題をしないと部活動に出られない」など生徒は部活動の顧問に怒られないよう学校生活を送っている。そこに不健全さを感じる。【中学校・野球】

部活動以外にやりがいある学校外の活動を見つける生徒も増え、総合型選抜でも教育課程外の探究学習を評価することが増えた。教員も身体がたりないが、生徒も身体が足りない。また、人権感覚を養う場において、教員・生徒の人権が無視される状況を看過しているため。【高等学校・バスケットボール】

私は3人の小学生の子どもがいますが、休日を部活に取られて子育てに影響があります。部活顧問が当たり前という文化が根強く残るなか、声もあげづらい状況です。【高等学校・ソフトテニス】

部活動にかかる業務が、教師の本来の業務を圧迫して支障をきたしている。部活動顧問を引き受ければ、定時退勤はほぼ不可能となり、労働者にとって大切な休日も削られる。それだけの負担を引き受けても手当として支払われる賃金は雀の涙であり、むしろ部活動経費の望まぬ自己負担(予算では到底賄えない支出、部費未払い分の立替、活動時の差し入れ等)がのしかかるためやればやるだけ赤字になるという状況である。学校はすでにキャパシティオーバーであり、部活動を指導する余裕はない。一刻も早く、部活動の外部化、部活動の地域移行を強く望む。【高等学校・自転車競技、バドミントン】

部活動によって、教員は自らの職業的専門性を失ってしまっている。教師としてのアイデンティティの喪失につながり、どういったキャリアコースを進むべきかわからなくなっている教員が多いと思う。そのため、教員としての専門性をさらに伸ばすためにはどんな力が今自分に必要なのか、どんな本を読むべきなのか、どんなワークショップがあるのかなど、全くわからない、または興味すらない教員が多く存在する。このような教員が増えると、学習する文化が学校に根付きにくくなる。最終的には、子どもたちも学ばなくなると思う。【高等学校・テニス】

毎年、主顧問のなり手がおらず、顧問を決定する係の先生が大変。「部活動の顧問は全教員で協力して分担する」というような文言が多くの学校にはある。実際には、全く知らない部活の顧問にさせられたり、子どもがいない先生へのしわ寄せもある。3~4月の顧問決定の時期は職場がピリピリする。【高等学校】

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を回答した方の主な意見

部活の指導をしたいという目的で教員を志したから。【高等学校・レスリング】

設問2 「部活動改革」は進んでいますか?

Q. あなたの学校では、部活の地域移行や縮小をなどを含めた「部活動改革(部活動のあり方を改善する取り組み)」は進んでいますか?現状をお答えください。

※上記のほか、特別支援学校は各1名ずつが「一部進んでいる」「全く進んでおらず、校内で議論にも上がることがない」を選択。小学校は1名が「一部進んでいる」、8名が「全く進んでおらず、校内で議論にも上がることがない」、4名が「わからない・知らない」を選択。

設問3 「部活動改革」への思い・課題は?

Q.「部活動改革(部活動のあり方を改善する取り組み)」についてのあなたの思いや感じている課題があればお書きください。

ガイドラインやルールを遵守するべき

クラブを休みにしたいが、毎週のように大会があり、大会前の練習のため休めないとか、自分のクラブが部活動ガイドラインに示された活動時間を守っても、強豪校はガイドラインを守らなかったり、「クラブチーム」扱いするなどして不公平感があり休みにしにくいといった意見がありますが、結局のところガイドライン遵守や部活動改革は各校まかせになっていて、部活動が加熱する構造的な問題が解決されないままだと思います。自治体の中学校体育連盟が前向きに検討すればよいのですが、それらの役員は各部活動の顧問のなかでも部活動に積極的な人が担うことが多く、現場で苦しみながら部活動を担当していたり、部活動のあり方に疑問を持っていたりする人の声が届きにくい現状もあると思います。部活動は、そうした「無理してやっている人」の力も借りないと持続ができません。それならば、部活動に無理や困難を感じている教員の声がもっときかれるべきだと思います。子どもも、部活を休むこと=悪いこと(ずる休み)と指導されるケースもあり、そうした学校全体の考え方が変わっていくべきだと思います。【中学校・野球】

部活動ガイドラインを守ることにより、負担減につながっていると思う。まず、どの学校でもガイドライン遵守を基本とすべきである。また、部活動に対する姿勢の違いからのトラブルも多いので、部活動を大会上位入賞を目指すものと、楽しむために参加するものとに分け、それによって指導時間や方法を変えるべきだと思う。自身の通う学校に自分の望むスタンスの部活動がない場合は、他校での部活動に参加できるものとし、指導者もそれにともなって移動できるものにすると良いと思う。【中学校・サッカー】

外部と連携した方がいい

都市部では、人材が豊富なのでクラブ化移行は進めやすいのかもしれない。しかし、私が今勤めている過疎地域では人材不足のため指導者を見つけることは難しい。部活動の数も限られてくる。地域によって、学校によって、できることが変わってしまうのはどうなのだろうかと悩む所ではある。部活動改革は学校単位ではできない。地域で、県で、国で変えていく必要がある。また、地域の方の理解も必要不可欠だ。険しい道のりだと思うが、生徒にとっても教員にとっても、良い結果になるように進んでいくことを願う。【中学校・陸上】

部活動が教員を志望している理由の1つにもなっている人も多くいるので、完全に地域の方たちに放任するのではなくて、地域の方たちが無理ない範囲で積極的に参加できるような仕組みを、各学校の特色に合わせて作っていけたらいいなと思う。【中学校・サッカー】

学校とは完全に切り離した方がいい

今までやってきたからという理由で、このまま継続するのは違うと思います。外部にすべて任せても誰も困らないので、問題ないと感じます。「外部に任せると保護者の金銭的負担が増える」という方もいらっしゃいますが、そもそも教師がタダで顧問をしている方が問題なのであって、好きなことを教わるのにお金を払うのは当たり前だと思います。塾に行くのと同じ理屈だと思うのですが… 平日は学校、土日は外部とすると責任の所在があやふやになることもあるので、全て外部に任せるのが良いと思います。もし、部活動をやりたい教師がいるならば、休日や勤務終了後に指導者として地域の子どもたちの指導をすれば良いことだと感じます。そうすれば、経験のない部の顧問を無理矢理もたされて、つらい思いをすることもなくなるかと…。【中学校・演劇】

学校教育とは今すぐ切り離すべき。強くそう思います。部活は地域の社会活動に移行し、地域の大人や保護者が主体となって責任を持って活動し(学校の施設は使ってOK)、それに関わりたい教員は、勤務時間終了後に「副業」や「外部コーチ」として関われるような仕組みにすればいいと思う。【高等学校・卓球】

全て校外の活動にしてもらいたい。しかし、校外の活動にするにしても地域によっては受けてもらえる人材がいないなど、学校での部活に頼らなければならない状況が続く。また、部活は当然やるものだという考えを持つ教員も一定数いる。現場から変えていくのはかなり難しい。行政の立場からなんとかしてほしい。【高等学校・ソフトテニス】

全てを外部委託にすることは反対

部活指導員では生活を成り立たせるのが難しい現状があり、マイナー競技の指導を行いたく、教員を目指した。働き方改革を進めるのはいいと思うが部活を全て外部委託するという考えはやめてほしい。【高等学校・レスリング】

部活動への疑問の声が届きにくい/声をあげづらい

・今ある部活を減らそうとしても、今部活に入っている子どもたちの活動の保障や、保護者からの反発を予想し、なかなか踏み切ることができない。
・校内で毎年のように議題に上がるが、答えが出ず、議論するだけで部活動の在り方は例年通りになっている。校内での調整や改革には限界がある(制約がある)ので、トップダウンで大きな改革に踏み切ってもらえた方が…と思う。【中学校・野球】

教員間の意識の差が大きい。特に管理職等に部活を重視する人が集まっていると部活動改革など不可能。【中学校・柔道】

現場には声を上げるエネルギーと時間はない。超勤が多いと制度上産業医に面談に行かされるが、部活の事務などが正規の勤務時間に食い込み、面談に行く時間がない。仮に顧問を外れても、過疎地域は協会の役員が当たっている。【高等学校・バスケットボール】

報酬の支払いをするべき

時間外労働で部活動を担当する場合は、ちゃんと給料をつけてほしい。私は定時までなら顧問をしてもいいと感じているが、時間外にやるつもりはない。定時を超えるなら希望制にしてほしい。【高等学校】

部活動の負担と質の高い授業を両立することは、自己と家庭の犠牲無しでは不可能である。部活のノウハウを持った定年退職後の先生などに、指導を積極的にお願いできる仕組みを作ることができないか。もちろん、部活を積極的に指導したい現役の教員は登用されるべきだが、然るべき報酬がなければおかしい。高校の教員の給与は、部活の負担が無ければ待遇に見合わないと思わないが、部活の負担を負った瞬間にブラックそのものである。【高等学校・放送】

精神的、体力的な負担がある

公式戦に出るためには中体連や市の連盟に入っていないといけないので、自校で出る公式戦の数を減らしたとしても、中体連の仕事をしなければならない場合がある。【中学校・野球】

教員個人の奉仕精神に支えられる部活動の位置付けでは、持続可能性はない。また、保護者の期待や指導に関して、教員の評価軸にしようとすることもおかしさを感じ得ない。【中学校・技術】

競技経験がない部活動をもたされ、子どもからも保護者からも批判を受け続けるのは辛い。時間も拘束されたり、審判などのお金も持ち出ししなければならないのは、しんどい。ただ、いろいろと制約がある学校の中で、唯一じっくりゆっくり3年間成長を見守れる場、試行錯誤をさせてあげられる場、リーダーシップやフォローワーシップを学べる場、発揮できる場であることはまちがいない。そこに僕ら教師が関わらなくなるのはとても残念である。勉強だけしかさせない学校で、子どもたちのよさをさまざまな角度から見つけてあげられるかどうかは懐疑的である。【中学校・野球】

部活動は生徒にとって大切な教育活動であることは認識していますが、このまま行くと教員の負担は増えるばかりです。教員のなり手不足を少しでも解消するためには、部活動の負担軽減は急務だと感じます。【高等学校・軽音楽、ESS】

さまざまな要素が含まれているので、議論が難しい

部活動顧問も教師であるため、教師は基本的に子どもの成長を強く望みます。だからこそ、部活動を居場所にしている子ども、そこで評価を受けさせてあげたい子ども、頑張っている子どもを目の前にすると、蔑ろにすることができません。でも、それを美談にしてしまうことはとても危険で、教師にも1人の人としての人生をおくる権利があると思います。部活動で真面目な先生は家庭に負担が、部活動に真面目でない先生は保護者からクレームが、本当に行き場がないつらい状況だと思います。
部活動が、本当に大学のサークル活動のようにOBの支援を中心にした自主運営ができる場に変わっていくことができればよいのだろうと感じてはいますが、本当に難しい問題だと思います。【小学校】

とにかく前提を変える必要がある。“部活動があるのが当たり前”ではなく、あくまで+αでやっている。しかし、ここで課題なのが、生徒/保護者だけでなく、教員側も課題になりうる。元々部活顧問をするために教師になっている人もいるし、教員になってから部活にのめり込んでしまった人もいる。この方たちは部活が当たり前の世界の方が利益が大きいので、変化を好まない。+αにして、別業務別給料にすればという話もあるが、そもそも+αになったら困る人が出てくる。部活中心で教員をしているので、他のこと(特に授業)に目をむけなければいけなくなる。部活がリセットされた世界で、他の校務のことのウェイトを増やされたら困る。というような逆張りの力は私が気づくところ以外でも無数にあると思うので、この前提から変える運動は相当難航すると思う。【中学校・バレーボール、テニス】

教育的な部活動としての効果は正直見込めないが、部活がなくなるということによって、先生とのつながりが薄くなったり、子どもの居場所が減ったりすることがあるんじゃないかと思う。また、先輩とのかかわり方についても勉強する場になると思うため、正直複雑な思いである。ただ、仕事をする側としては、部活をやっていた分の時間を授業準備や家庭連絡などに使えたり、休日を確保できたりするのでどんどん進めてほしい。とはいうものの、生徒に指導できる先生が減るので、担任の負担は増えそうだし、地域に出て何か悪いことをする可能性も増すことも考えられる。【中学校・剣道】

たんに部活動を無くそうとするのでは、反発も生まれ、うまくいかないだろうと思う。本来の教育とは何か、教員の職業的専門性は何か、など議論する必要があると感じる。各現場だけに任せていてはいけない。国も、どんな教育を今後デザインすれば、どんな国益に将来つながるか、それにはどのくらい時間がかかるか、など長期的な視点でこの部活動問題に対処し、公に声を出してほしい。
部活動によって、教員のプライベートな時間がなくなってしまう点がよく問題視されるが、それだけではない。むしろ問題なのは、教員のアイデンティティが失われることだと思う。部活動が忙しいことを、本を開かない(学ばない)ことの言い訳にしている教員は多いはずだ。【高等学校・テニス】

まとめ

 全体の9割以上の方が「部活動のあり方を見直すべきだ」と回答しました。その理由として多くあがっていたのは、部活動にかかる労力の大きさ。部活動が勤務時間外に行われることも多く、授業や学級運営に関わる時間、プライベートの時間を削っている現状があり、精神的、体力的な負担の大きさを訴える声が目立ちました。専門性がない分野の指導を任されるケースもあり、生徒や保護者からのプレッシャーにストレスを感じている方も。

「部活動は学校から完全に切り離すべき」という意見がある一方で、自身が専門とする競技の指導をするために教員を志した方からは、「部活を全て外部委託するという考えはやめてほしい」という意見もありました。外部委託できる環境は整えつつ、教職員がそれぞれの意思で部活動の指導をするか選択でき、指導する場合はそれに見合った報酬が支払われるような制度の整備が必要なのではないでしょうか。

実際に部活動改革に向けて一部でも進んでいると回答したのは、小学校で7.7%、中学校で35.5%、高等学校で13.6%に留まりました。その背景には、「声をあけづらい」「外部の指導者を見つけることが難しい」「ガイドラインを遵守しない学校があり、休みにしづらい」など、さまざまな要因があるようです。

今回の調査においては、高等学校に比べ、中学校の方が改革が進んでいる学校が多いことが読み取れました。その理由は本調査だけでは分かりませんが、「高等学校と比べ、中学校の方が校区の地域とのつながりが深く地域移行が進みやすいのではないか」、「高等学校においては “強豪校“と呼ばれる部活動が盛んな学校もあり、その実績が入学者数に繋がる場合があることが、改革を阻む要因となっているのではないか」など、いくつかの可能性が想像できます。

茨城県つくば市の2つの中学校では、現在週2回程度のペースで地域のスポーツクラブが部活の運営者になっているよう。スポーツ庁では、平日も含めて部活動を学校から完全に切り離す目標を掲げています。

https://www.sankei.com/article/20211114-UVURW775PRK5FDOONDPAKIRCEY/

部活動は生徒の心身の成長を促す機会でもありますが、教職員が疲弊し、適切な運営ができない状態では本末転倒です。部活動が生徒にとって意義のあるものであり、教職員への負荷がかかりすぎないよう、議論していくことが必要なのではないでしょうか。


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※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

世の中が急速に変化する今、子どもと関わる立場にいる教職員はどのように自身のスキルを磨いていけば良いのでしょうか。

校内で設定されている研修を受ける他、さらに知識や技術を身につけたり視野を広げたりするために、教職員の方それぞれが独自の工夫をされています。どのような自己研鑽を積んでいるのか、その方法や背景にある思いをお聞きしました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、自分なりの自己研鑽についてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働くさまざまな立場・職種の方が対象です。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年1月8日(土)〜2022年1月30日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:41件

アンケート結果

設問 あなたなりの自己研鑽は?

Q. 自己研鑽として続けていること、こだわってやっていることを教えてください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。

学校外の人との繋がりを持つ

英語教員です。英語学習のLINEグループに入っており、その日に学習した内容を報告し合ったり、自分で決めたテーマについて英語で録音して共有したり、時々Zoomを使って勉強会をしたりしています。私以外のメンバーは教員ではありませんが、英語のスキルが高い人が集まっているので、大いに刺激され、自己研鑽を続けています。【高等学校】

人と会い続けること。教育現場に限らず、他業種の人と会うこと。着任した頃から、全国の学校の中では、デジタル化が進んでいたので、ここ数年はオンラインでたくさんの出会いの場面がありました。人と会う場合、地方というのは足枷になる外が多いですが、オンラインで話をする中で地方が強みであることも再認識させてもらいました。また、「教育の人は世間知らんからなぁ」みたいな反動で他業種の人に会っているのではなく、「魅力・深みのある人になるため」にたくさんの方と出会っています。そこからオンラインで学校でお話ししてもらうこともあり、生徒も興味津々です!【中学校/高等学校】

民間サークルでの集団討議。自分1人だけでないので、子どもの見方、捉え方で全く違う視点があり見えていないことを教わる。また、自分の意識していない偏見などに気付くことがある。【小学校】

定期的に他業種の人と情報交換をしている。またイベントなどに参加し、対話の時間を設けるようにしている。仕事だけだと視野が狭くなるので、自分を見失わないように学びの場に参加するようにしている。【高等学校】

苫野一徳オンラインゼミで教育哲学を学びながら、社会や生活全般にも哲学が使えることを学びました。教育以外の分野の人と関わるための一つにもなっています。【小学校】

月1回の勉強会(不登校対応)に参加し、スクールカウンセラーさんやスクールソーシャルワーカーさん、小学校・中学校・特別支援学校の先生方、教育委員会適応指導教室の先生等と勉強しています。さまざまな立場の方々の意見は、自分の視野を広げてくれますし、何よりエネルギーをもらっています。【小学校】

・隙あらば出張に行く。公的な知らせがある研修や他校への授業見学は、興味があるものはなるべく行くようにしています。外とのつながりも増えるし校内にいると井の中の蛙になりそうなので。
・勉強会への定期的な出席。今は歴史的名著を読む読書会と外部の組織のお手伝いに定期的に参加しています。自分も報告者になる場合もあるので、仕事の繁忙期と報告時期が重なるとしんどいこともありますが、強制的に勉強することになるのですごく力になっていると感じます。何よりそこで出会う諸先輩方や仲間との語らいが、何よりの元気の源になっています。【高等学校】

みんなのオンライン職員室やオンラインサロン、個別振り返りコンサル、Peatix等のイベントを活用し、自己研鑽を続けています。安くないお金を払うことで、忙しいときでも、「もったいない精神」でいくらか頑張ることはできます。【小学校】

本やテレビ、ネットで情報収集をする

学校現場から離れていますが、現場の状況を知るために、SNSで情報を得るようにしています。厳しい労働環境で奮闘されている現職の先生の発信を見ると心が動かされます。現職の先生や教育に関わる人たちが書かれた教育書を読んで、教育に関する課題意識や考え方をアップデートしています。また、School Voice Project が開催する対話の場に参加することで、1人では体験できない学びを得ています。【小学校】

たくさんの本を読むこと。それを、職場でアウトプットすること。【小学校】

教育書が充実した本屋さんで立ち読みをしたり、いろいろな先生方とおしゃべりをする中でやれそうなことを探したりしています。また、とっさに英語が出るように独り言はなるべく英語で言ったり、クラスルームイングリッシュの資料集を読み込んだりするようにしています。【中学校】

単元に関わることを何でもまず調べてみる。面白そうなところがあれば足を運んでみる。誰かに話を聞いてみる。授業に使えるかどうかよりも、そのおもしろさを自分が一番実感しておくことが大事だと思っています。【小学校】

NHKの19時のニュースは必ず録画して1.5倍速で見るようにしています。【小学校】

文科省のサイトを見て最新情報を確認する。【小学校】

他者からフィードバックをもらう

毎日帰宅前に1日の振り返りを記録しています。それを知り合いに送り、フィードバックをもらっています。【中学校】

毎回の授業時に生徒にコメント・質問シートを書いてもらい、それに返答をしています。記入されるのは授業への要望や感想、内容についての質問だけでなく、ユニークなコメントや耳の痛くなるような指摘もありましたが、どれも今の自分の血肉となっています。「毎回」実施する中では、移動中の飛行機の中でコメントを書いたこともありましたが、教育実習生の頃から一度も欠かしたことがありません。【高等学校】

大学の先生に積極的に実践を公開し、評価・改善し、カリキュラム開発や自己研鑽につながるようにしています。【小学校】

その他

学校の研修誌が年に2回発行されるので、そこに寄稿することを続けています。【小学校】

多様な生き方、人権課題について、知ろうとすること。学校という狭い世界で、多様なこどもたちを狭い価値観で苦しめないように。【小学校】

子どもたちとの関わり。家庭訪問を続け、子どもたちの生活背景を理解し続けること。【中学校】

教育に関することはもちろんですが、現場とは関係のないことでの自己研鑽もしています。例えば投資。株式投資、投資信託、不動産投資など、副職はできませんが、教職を退いたとしても生きていけるように、文字通り、生きる力を養っているつもりです。【小学校】

まとめ

自己研鑽として最も多く上がっていたのが「学校外の人との繋がりを持つこと」。その方法としては、勉強会やセミナーへの参加や素敵だと思う人に直接会いに行くなどの回答が集まりました。その他、雑誌への寄稿をしたり、自身の授業を公開してフィードバックをもらうなど、意識的にアウトプットをすることで自身のスキルを磨いている方もおられました。

スキルをアップデートし続ける理由としては「さまざまな立場の方の意見は自分の視野を広げてくれる」「エネルギーをもらえる」などの回答もあり、教職員としてよりよく働いていくことにも繋がっていることが伺えました。



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※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

近年、教員不足など何かと暗いニュースばかりが話題になりがちな学校教育の現場ですが、決してしんどいことばかりではありません。働いていて幸せだと思う瞬間や嬉しい出来事、やりがいを感じられることも同じくらいたくさんあるはずです。そういった明るいことも伝えたい、知ってほしいという現場の声を取り上げ、このアンケートを行いました。

現場の教職員の方の心の支えになっていることとは、一体どんなことなのでしょうか。今回は、児童生徒や保護者、同僚などからもらって嬉しかった言葉、支えになった言葉をお聞きしました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、もらって嬉しかった/支えになった言葉についてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。

■ テーマ:もらって嬉しかった/支えになった言葉(児童生徒・保護者・同僚などから)
■ 対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■ 実施期間:2021年12月18日(土)〜2022年1月10日(月)
■ 実施方法:インターネット調査
■ 回答数:32件

アンケート結果

設問 嬉しかった/支えになった言葉は?

Q. これまで学校で働く中で、嬉しかった/支えになった言葉を教えてください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。
※「もらった言葉」が冒頭にくるように、回答の一部を変更して記載しています。

< 児童生徒から >

「だいじょうぶ。そんなに考えすぎなくてもだいじょうぶだよ。私たち、それなりにやれるから」
小6を担任しているとき、女子間のトラブルの仲裁に奔走しているときに、小6女子がかけてくれた言葉です。普段、デリカシーが無い扱いを自他ともにしている自分が、実はいつもすごく悩み考えていることを、子どもが慮ってくれたことがすごくうれしかったです。(小学校)

「先生に憧れて」
初任で受け持った児童が、小学校教員になったこと。とても嬉しかった!(小学校)

「学校の授業のイメージ変わった」(中学校)

「泣いてるときに、ずっと側にいてくれてありがとう」(中学校)

「先生がいてくれてよかった」
能力を査定されるより存在を評価されると、この仕事をしていてよかったと心から思います。(中学校)

「先生みたいになれますか?」
そう生徒に言われたのが印象的で、「先生なんかよりもっと立派に世界に羽ばたいていけるよ!」って答えた。日々奮闘している姿を少しは憧れの念を持って見てくれる子もいることに嬉しさを感じました。(中学校)

「私は数学の授業が、自分が自分でいられる唯一の時間でした」
私は数学を教えています。数学というと、苦手な教科第1位になることもしばしば。授業をしていても、生徒がどれだけ理解できているのか不安になることもあります。しかし、ある年の3月、卒業をひかえた3年生からお礼の手紙をもらったときのことです。その中の1通にこのようなことが書かれていました。その子はとても物静かな女子で、クラスの中でも目立つような存在ではありませんでした。しかし、数学の授業で私がその子に説明を求めると、いきいきとして皆の前で発言していました。そのような生徒に活躍の場を与えられ感謝されたことが、今でも私の教師としての原動力になっています。(中学校)

「将来先生の介護させてな」
介護施設に就職した卒業生にかけられた言葉。授業中寝てばかりいた彼女、卒業してから社会人として、やりがいと責任を持って介護の仕事に携わっているということがすごく伝わってきました。私を介護したいと言ってくれたのも、本当に単純だけど嬉しかったです。(高等学校)

< 保護者から >

「子どもが学校楽しいって言ってる」(小学校)

「先生は子どもたちの充電器なんですよ」(小学校)

「このコロナ禍でも安心して子どもを学校に通わすことができたのは、先生のおかげです」
連絡帳や手紙などを通して、保護者から感謝の言葉をもらったときはやはり嬉しいものがあります。最近では、この言葉がとても嬉しかったです。(小学校)

「放課後も勉強を教えてくれてありがとう」
「子ども同士のトラブルで、お互いの話をよく聞いて解決してくれてありがとう」(中学校)

「いつも学級通信を読ませていただいています。先生のお考えがわかったり、学級の様子が知れて本当に良いなと思いました」(中学校)

「生徒と向き合ってくれる姿勢が伝わりました。相談できてよかったです」(高等学校)

< 同僚から >

「先生のクラスは温かいですね」(小学校)

「研修や教材研究を熱心にやっていていいね」(小学校)

「我々は種をまく仕事。芽が出るのがいつかは分からないが、いろいろな種を子どもたちにまき続けることが大切」(小学校)

「先生のクラスの子は“大人って信用していいんや”って思えたと思うよ」
特別支援で1年間入ってもらっていた先生にこう言われたことが嬉しく、今も心の支えです。(小学校)

「本当に大事なことはね、教師の殻を脱ぎ捨てて、どこまで生身の自分が子どもや親たちと向き合えるかなんだよ」
と、教師になりたての頃に言われました。衝撃でした。それからは、できるだけ飾らずひとりの人間として正直に人の前に立つよう努力してきました。今でも心の支えとなっています。(小学校)

「ひとりでがんばりすぎずに、周りを頼ったらいいよ」
「いろんな生徒がいるから、いろんな先生がいていい。いろんな人がいた方がおもしろい」(中学校)

「〇〇先生(私のこと)がいるから頑張れる」
いつもお互い励ましあっている同僚からの年賀状にこう書いてあったこと。(高等学校)

「あの人はえらい。みんなが逃げる重たい仕事も引き受けるし、責任持ってやってくれる」
再任用のベテラン先生が教科準備室で言ってたよ、と別の同僚が教えてくれた。直接もらった言葉じゃないけど、そう思ってもらえてたことが嬉しかった。(高等学校)

「40代ではK先生のように、50代ではY先生のように、30代でJ先生(私)のようになりたい」
K先生もY先生も同僚の私が憧れ信頼している先生方。30代の時、20代の先生からそのお2人と並んで私の名前が出たことが嬉しくもあり、背筋の伸びる思いでした。(高等学校)

まとめ

アンケート結果からは、子どもの成長を感じることができる言葉や自分の存在を認めてもらえた言葉などが教職員のみなさんの心の支えになっていることが読み取れました。

当たり前のことではありますが、教職員もまた1人の人間。教職員としての嬉しいことだけではなく、人と人として、お互いに存在や頑張りを認め、尊敬の念をもって関係を築いていくことが、生き生きと働ける環境づくりに必要なことなのかもしれません。

今つらい状況にある教職員の方々にも、このアンケート結果を読むことが、自分自身の「もらって嬉しかった言葉」を思い出していただけるきっかけになればとても嬉しく思います。



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※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

現在、ほとんどの中学校および高等学校で実施されている部活動。スポーツ活動や文化活動などに取り組むきっかけとなるだけではなく、生徒の人格形成の場としても、これまで重要視されてきました。部活動が日本のスポーツや芸術文化等の振興を支えてきた側面もあります。

学校で行われる部活動は、学習指導要領で「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」とされており、教育課程に含まれていないため、制度上“任意加入”となっています。また、平成30年にスポーツ庁と文化庁で策定されたガイドラインには、部活動は「生徒の自主的、自発的な参加により行われ、学校教育の一環として教育課程との関連を図り、合理的でかつ効率的・効果的に取り組むこと」とされ、「部活動への参加を義務づけたり、活動を強制したりすることがないよう、留意すること」と明記されています。

しかし、部活動への参加が必須となっている学校もあり、その位置付けを問う動きが強まっています。今回は、教職員の立場から考える部活動のあり方についてお聞きしました。

参考:
運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン
文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、部活動の“必須加入”ついてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、現在ユーザー登録を受け付けています。教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働く様々な立場・職種の方が対象です。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2022年1月21日(金)〜2022年2月13日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:69件

アンケート結果

設問1 あなたの学校、部活動は「必須加入」?

Q1. あなたの勤務校では部活動は「必須加入」となっていますか?

設問2・4 部活動の「必須加入」、どう思う?

Q2. 生徒を部活動に「必須加入」させることについて、あなたの意見を教えてください。

Q4. 部活動の「必須加入」について考えていることを、ご自身の経験からお書きください(賛成意見、反対意見、またはその両方でも構いません)

「賛成」「どちらかと言うと賛成」を回答した方の主な意見

どちらとも言えない。その他に打ち込めることが課外活動であれば良いと思う。【高等学校】

「反対」「どちらかと言うと反対」を回答した方の主な意見

必須加入には反対。部活動はあくまでも自主的な活動であるべきなのに、学校ごとに選択肢が限られているにも関わらず、必須にすると、自主性の担保ができず、”強制された”自主性でしかない。また、今の生徒は学校からの学習課題(宿題や予習)も多く、放課後および休日の学習塾・習い事を並行させている者も多いことを考えると、生徒自身に加入するか選択できるようにして余裕を持たせておくことは必要不可欠。【高等学校/高等専門学校】

今の時代、放課後にどのように過ごすかは個人の自由。確かに家でゲームをしてダラダラ過ごすのは良くないが、勉強時間が確保できたり、家族との時間が増えたり、全てがマイナスではない。「部活動をしない生徒は荒れる」は幻想で、日頃の生徒指導が機能していないだけだと思う。また、顧問を持つかどうかも任意にしてほしい。専門外の教員が主顧問の場合あり、やりたい教員が指導すればいい。【高等学校】

部活動に必須加入させることは反対です。部活動を担当すると必然的に勤務時間を大きく上回ってしまう状況の中で、子どもの必須加入をさせている学校は、教員の部活動の実情をどう捉えてるの?と聞きたいです。そもそも興味のある部活動がなくイヤイヤ入る子どもがでてきてしまうので、学校外で自分の好きなことをする時間を奪ってしまうことにつながると思います。【中学校】

部活動に必須加入となると、「結果的に入部したけれど参加していない」ということも発生する。その場合、子どもたち同士でお互いを監視するような作用も働きやすい。【中学校】

部活動はあくまで子どもたちの自主的活動の場所であるはずなので、強制的に参加させるのは主旨と異なるので反対です。子どもたちがやりたい!と思って取り組む集団と、仕方なく…という気持ちで取り組む集団、色々あるとは思うけれども、どちらの集団に対しても心の成長を促すために教員は一生懸命やっていると思う。そんな教員が疲弊しないよう、子どもたちの部活動の強制参加には反対。子どもも大人も前向きに頑張れるチームを作ることの方が大切だと思う。【中学校】

基本的に、“やらされたもの”“やらなければいけないもの”には学びが少ないと思っています。なので、必須は基本的に反対です。しかし、“学校の役割”を問い直した上でその方法が子どもにとって利益が多いならばそれでもいいと思います。私は、“学校とは子どもの自律・自立を促す場”だという認識なので、その役割ならば部活動の必須加入という手立ては違うのではないかと思います。【中学校】

反対。強制的にやらされる活動には、何の主体性もうまれない。今勤めている学校は小規模校なので、部活動が3つしかない。しかも「陸上競技部」「野球部」「女子バレーボール部」の3つだ。運動部しかない。選択肢が少ない中で、生徒たちは必ず1つを選んで入部しなければならない。運動が苦手な子どもたちは、つらい部活動生活の始まりである。自分の得意なもの、興味のあるものを選択できれば、意欲も向上し、技術も向上し、それが結果的に自信につながる。しかし、自分の不得意なもの、興味のないものに入らなければいけない生徒たちは、意欲が低下する一方である。やる気のない生徒たちの気持ちを考えると、顧問としてもつらい。【中学校】

反対です。1つの競技に生徒を縛りつけることのメリットがわかりません。一度入部した生徒を退部すれば、生徒のキャリア(調査書や履歴書)に傷がつくとの理由で留めておくことも納得できないことです。財源確保、教師の自己満足のために生徒を利用しているのだと私は考えています。【高等学校】

力の入れ具合によっては勉強と部活だけで学生生活が終わってしまう。若いうちに進路を決めないとつけない職業がたくさんあったり、勉強・部活以外にも学ぶべきことがたくさんある。学校以外で学ぶ機会を増やすためにも必須加入はやりすぎだと思う。【小学校】

部活動は教育課程外の活動なので、それを必須にして生徒の意思を無視した状態で行うのはおかしいと思います。放課後の時間は個人のものであり、自由選択で自分らしく生きられる時間として位置づけてあげたいです。また生徒を必須加入させることは、教師も必須担当(指導)せねばならぬ状況につながります。勤務時間内ももちろんですが、勤務終了後や土日のボランティア参加等、こちらも本人の意思に反して半強制的に行われます。必須加入かそうでないかに関わらず、この法外な働き方は大きな問題をはらんでいます。世界各国を見渡しても、かなり異質な教育活動。同質性を押し付け、それぞれが個性豊かに生きることへの不安を植え付けます。多様な生き方を尊重する意味でも、部活動は自由選択であるべきだと思います。(中学校勤務の夫の意見+自分の意見です)【小学校】

生徒が部活動に必須加入になるということは、教師も顧問を持つ圧力が高くなるのではないか。勤務していた中学校では部活動が必須でなかったが、それでも部活動の顧問は全員の教師が担当していた。(負担の軽重はもちろんあるが)教師の仕事の負担を減らしていく流れの中で、部活の「必須加入」はなくても良い。部活動の加入が必須でないことでの困りごとは、働いている中では感じなかった。【特別支援学校】

必須加入には反対です。部活動は生徒の趣味なので、もし必須加入にするならば、生徒が入りたい部活動をすべて立ち上げなければなりません。しかし、教師の数からして、それは無理です。だとすると、必須加入の意味はないと考えます。【中学校】

部活動はいらない。というか、教育課程にないものを教育現場に入れて、教員の負担を大きくすることは大きな間違い。子どもたちの立場になって考えたら意味のあるものかもしれないが、何も学校でやらなくても良い。【小学校】

・荒れた時代を部活で立て直した経験をしているので部活には大きな教育的な意義があることが体に染みついている。しかし部活中心の学校にして問題行動は減ったものの、不登校生徒が増えてきた実情もある。それは管理体制の中で生きるのがつらくなった生徒の意思表示だったのではと今になると思える。
・部活の地域移行には総論は賛成である。しかし当地は田舎なので合同部活動をするにも遠くまでの移動が必要で、保護者負担の面で課題がある。行政が経済的な面も含めてバックアップをする確約がないとなかなか進まないのではと思う。一つ一つの課題をどうクリアするか、地方自治体ごとに市教委だけでなく首長部局も含めてのプロジェクトチームを作って進んでいくことが必要だ。【中学校】

そもそも部活動を学校の中に置くべきではない。また部活動は本来楽しむ、親しむためであるので、大会やコンクールで競わせるのは違うと思う。楽しむ、親しむが勝つためと目的が変わってしまうため。【中学校】

私が生徒だった頃は、中学時代の場合は必須だった。実質パソコン部や卓球部に幽霊部員が集まっており、席だけ確保されている様子だった。高校時代も1年生は必須だったが、こちらも幽霊部員も一部の部活動に集まっていた。教師となった今は、必須ではなくなったものの、やはり部活動に入っていたこと、続けていたことが受験において必要だと思っている生徒や保護者が多い。籍だけ置いていても結局は部活に本気で取り組む中で、何を見つけ出したかが大事なのだから、幽霊やるくらいならクラブチームを全力で頑張ってほしい。お金をかけて道具を用意する必要のある部活動ならなおさらである。【中学校】

勤務校では、「部活動に代わる活動(クラブチーム、習い事など)がある場合は入らなくていい」としています。これまでの経験上、外部の活動が忙しい生徒、ヤングケアラーや貧困家庭の生徒は入りたい部活ではなくお金や時間がかからない部活に入っていました。別にやりたくないけど、内申書のためにとりあえず所属しているという生徒も少なくありません。「必須加入」の問題より、部活動の成績を加点する高校入試の仕組みにメスを入れることも重要だと思います。【中学校】

強制加入はすぐに国がやめさせるべき。また、強制加入ではなくても、おかしい点は多くある。例えば本校では、年度途中で退部した生徒については、たとえ途中まで一生懸命に活動していたとしても、指導要録に記入しないのが当たり前だと考える教員が多い。また、生徒会長選挙に立候補した生徒のプロフィールに、わざわざ部活入部の有無を書く欄がある。部活動=崇高なもの、帰宅部=劣った生徒、という考え方を示すこのような例はたくさんあると考えられる。これは、あきらかに現代社会や国際社会のコモンセンスにそぐわないものであり、恥ずべき点であると思う。【高等学校】

「どちらとも言えない」を回答した方の主な意見

生徒にとっては教育的効果があるので良いとは思いますが、ミスマッチなど部活動を辞める生徒もいるため、全生徒の参加は果たして良いのか分かりません。また、顧問は未経験者がその部活動担当になることも多く、週末や放課後など時間外労働となるため、指導員やスポーツクラブなど外部機関への移行や協力が望ましいと思います。【高等学校】

前任校では、全員加入の時期があり、私はそれを促進していました。理由は、出会うきっかけ作りです。自分から部活動をやりたい、あの部に行ってみたいと行動できる生徒はいいのですが、そうじゃなく一歩踏み出せない生徒には、「行かされている」という口実にして、部活動というコミュニティに参加してほしいと考えていたからです。別にやめてもいいし、部活動を変えてもいいけど、一度覗いてみるという体験だけでもしてほしくて、全員加入としていました。部活動で培うものが進路実現に向いていたり、社会で評価されやすいことが部活動を後押ししているのだと思います。部活動を続けていただけで、大学入試でも加点される仕組みがあります。【高等学校】

設問3 「必須加入」の学校があるのはなぜ?

Q. 部活動が「必須加入」となっている学校があるのはなぜだと思いますか?

生活指導に繋がると考えられているため

部活動をしていないと外で悪さをすると考えられていたり、部活動に加入させることで普段の学校生活にも様々な指導を及ばせやすくなるから。勤務校でも授業態度が悪いと◯◯部の顧問に言うからな!と圧をかける先生が多い…。【中学校】

勤務校では、1年生は必須加入である。問題がある生徒に対し「アイツ、何部だ!」や「○○部なのに、だらしない!」という教員がいる。部活動=生徒指導という考えが根強いからではないか。【高等学校】

学校、地域、家庭等社会全体の「教育力」が落ちているため、生徒指導を部活動に頼らざるを得ない学校が多いことによると思います。本当はルール等を見直すなど、対処法は様々ありますが、時間や労力が必要なので、後回しにされ続けている結果なのではないでしょうか。【高等学校】

部活動の生徒を「使って」行事を遂行したり、よく言うことを聞き、よく動ける生徒として活用されている側面もあります。確かに、すごく助かりますが、当たり前のように生徒を「使う」教員もいてもやもやします。【高等学校】

放課後の一定の時間を生徒の好きにさせたくないと言う考えがあったんでしょうか。自分の勤務先は外部のクラブチームや習い事等による無所属は一応許可されていますが、学校によってはそれもない所があるようです。【中学校】

今までこうだからという慣習。そこの根っこには、生徒指導上困難な生徒が多い場合の”部活でひっぱる”文化も埋まっていそうです。大前提として、授業・勉強は苦しくて逃げたいもの⇔それ以外のところ(行事・部活)で発散するという感覚は今でも根強いと実感しています。つまり、「授業で生徒を育て、伸ばすという感覚がない」ことがこの文化の正体なのではないでしょうか?【中学校】

教育的意義があると考えられているため

学校という組織における「共同の時間」を確保して教育課程のみでは達成し難い「より深い連帯感」を築くため(?)、あるいは課外活動ながら何かに集中的に取り組んでみる経験を提供し、学校生活の価値を向上するため(?)、または単なる慣習。【高等学校】

生徒のやってみたい!を実現するため。生徒の挑戦意欲を拾うことができるかもしれないから。【高等学校】

生徒が所属するコミュニティを増やし、交友関係の輪を広げるのに一役かっている。【高等学校】

部活動に入ること、部活動をがんばって3年間続けることがよいことだとする考え方が強いのだと思います。【中学校】

何の根拠もありませんが、経験上、”部活動こそ生徒が伸びる”という教育観が大きい気がします。【中学校】

過去の慣習が残っているため

昔の名残でやめられないだけに見えます。【中学校】

今までそうしてきたからではないでしょうか?理由はないと思います。もし、部活動に入っていないと生徒指導ができないというのであれば、大人の都合を子ども押し付けているだけかと思います。【中学校】

部活動を維持するため

小規模校で全員加入にしないと競技が成り立たない。【高等学校】

生徒数の減少で部活動の数を維持できなくなっているからでしょうか。【中学校】

私の出身中学校は全員加入だったが、全校生徒の人数が少なかったことが挙げられる。学校単位のチームという枠組みでは、部活動を維持するために、全員加入という方法をとらないと持続できない学校もあるのだと思う。【高等学校】

卒業後の進路に影響するため

受験時に部活動で頑張ったことを聞かれたり、資格や成績によっては推薦の条件にあてはまることがあるから。【中学校】

進学就職調査書に書く内容がないからかと思います。他の長所を見取れれば良いのですが、コミュニケーションを取る時間や、コーチングのようなことを学ぶための教師の自己研鑽時間がたりないためだと思います。【高等学校】

保護者からの要望があるため

保護者の要望が強いため(家でゲームをされるより、学校で活動をしてもらった方がいい、内申書のため)。【中学校】

まとめ

 実質的に必須加入となっている場合を含めると、小学校の30.0%、中学校の18.9%、高等学校の36.0%が部活動の加入が必須となっていることがわかりました。個人の意見を聞くと、9割以上が部活動の必須加入については、「反対」もしくは「どちらかとう言うと反対」と回答。

「部活動は生徒の自主的な活動のはずなので、強制的に参加させるのは主旨と異なる」「教育課程にはない課外活動の一環である以上、強制するものではない」など、本来の部活動の位置付けとの矛盾を指摘する声が多くあがっていました。

また、児童生徒の人権や、教育的な視点における意見も目立ちました。部活動での取り組みが高校入試や卒業後の進路につながる仕組みになっていることを問題視する声も。受験や進学への影響を考えて、部活動を辞めることを躊躇(ちゅうちょ)するケースもあるようです。

2022年3月には、高校生や大学生などでつくる「日本若者協議会」が部活動への強制加入の撤廃を求めてスポーツ庁に要望書を提出しました。現在も、賛同者を集める活動を続けています

部活動をどのように位置付け、どのように運営していくのか。児童生徒の教育的意義や人権、学校における働き方改革の視点も含めて、議論が進んでいくことを期待します。



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すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

先日公開した「授業の持ちコマ数について」のアンケート結果では、教員の持ちコマ数の多さを負担に感じている声が多く集まりました。授業を行う前には、十分な教材研究や授業準備の時間を確保することが必要です。

学校での業務は授業以外にも校務分掌や部活指導、児童生徒や保護者への対応など多岐にわたります。そのような中、教材研究や授業準備の時間はどの程度確保できているのでしょうか?実際の時間と、それぞれの教員が現状に対して感じていることを伺いました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、教材研究の時間についてアンケートを取りました。

WEBアンケートサイト「フキダシ」は、教員の方だけではなく、事務職員や用務員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ICT支援員の方など、学校現場で働くさまざまな立場・職種の方が対象です。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う学校に勤務する教職員
■実施期間:2021年12月25日(土)〜2022年1月16日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:62件

アンケート結果

設問1 勤務時間内の授業準備時間は1日どれくらい?

Q. 教材研究・授業準備の時間は正規の勤務時間内にどれくらい取れていますか。(一日平均)

設問2 勤務時間外の授業準備時間は1日どれくらい?

Q. 平日の正規の勤務時間外で教材研究・授業準備の時間はどれくらい取っていますか。(一日平均)

設問3 休日の授業準備の時間はどれくらい?

Q. 休日に教材研究・授業準備の時間はどれくらい取っていますか。

設問4 勤務時間内に授業準備は十分にできる?

Q. 正規の勤務時間内に教材研究・授業準備の時間は十分に取れていると感じていますか。

設問5 授業準備の課題・改善策は?

Q. 教材研究・授業準備についてあなたの思う課題や、改善策があればお書きください。

※ 全回答の中から抜粋して掲載しています。

課題

空き時間の少なさや業務量の多さ

※ 授業の持ちコマ数についてのアンケートでも、同様の意見があがっていました。

校内に生徒がいるうちは、あれやこれやと仕事が入る。考査明けや授業がない午後などは、校内研修や会議が入る。教材研究や授業準備は自分だけで完結するものなので、優先順位が下がり、後回しになることが課題だ。授業の準備がテキトーになることで自己嫌悪になる。授業を大事にしたいので、しっかりと準備や教材研究に時間をかけたい。【高等学校】

あまりにも会議やトラブル処理が多く、子どもの顔を思い浮かべたりする時間がない。ゆとりがないことが、何か面白いことをしてあげようとか、こんなことをしたら食いつくのでは、という目の前の子どもを想定した、本当の意味での教材研究ができていない。これまでの単元の流し方をなぞっているのが、現状。経験のある教師はそれでも何とかなるが、若手は、忙しく教材研究できない→授業がうまくいかない→学級が落ち着かない→トラブルが起こる→トラブル処理に追われますます忙しいと、悪循環に陥っている。結果、若手がバーンアウトし、病気か離職。更なる、教師志望が減る。ますます、教員が不足し、更に忙しくなる。と、大規模な悪循環が起こっている。【小学校】

空き時間がない、年度の途中で通常級から転籍が許可され(当方、特別支援学級)、1クラス分もの人数が増えてしまうも、教員は配置されず、学級が回せない。管理職がこの事態を重く捉えていないと思われる発言も多々。空き時間の確保を訴えても動いてもらえず、人数分教材を準備しなければならない支援学級は、時間外労働が増えるだけ。【小学校】

勤務時間内に教材研究を終えるのは、持ち授業時数や仕事の負担の少ない育児短時間勤務でも難しい。担任をやれば尚のこと一番後回しになりがち。教員の授業以外の業務を減らし、本来注力すべき教材研究に力を入れる環境を整えることが、教育をよりよくするために大事なことだと思う。【高等学校】

・職員会議がほぼ決定事項の伝達のみなのに、時間がかなりかかってしまう。
・仕事の合間に授業をしているような、おかしな感覚に陥ってしまっている。
・同じ職場であっても仕事量に大きな差があり、各分掌の主任だけで仕事を抱えてしまっていることがほとんど。【小学校】

環境の不備

職員室で残って仕事をすると、さらに別の仕事が降ってきたり、雑談が始まるので帰ってからする。また、学校のパソコンではセキュリティから画像が使えなかったりchromebookを使う授業の準備に手間がかかるという理由からも家で準備しています。【中学校】

勤務条件や金銭面の制度

非常勤講師の場合は、授業時間(45分・50分)に対して勤務時間(60分)なので、教材研究・授業準備、成績処理、週案記入など授業以外の勤務時間が十分に確保されておりません(勤務時間外は無給)。非常勤講師の勤務条件改善を求めます。【中学校】

これは「時間」についてではありませんが、「お金」の面についてにおいても、先生が自腹を切っている部分が多々あります。つまり1時間の授業に対して、多くの先生が勤務時間外の時間を使って、また自分のお金を使って必要なものを購入して準備をしているというのが事実です。このような「善意」に基づいた制度は、いずれ立ちゆかなくなっていくと思います。【小学校】

改善策

児童生徒の在校時間の短縮

登校時刻を遅くしたり下校時刻を短くしたりして、子どもの在校時間を短くすることで、教材研究の時間を確保する。【小学校】

人員の確保

普段から授業のコマを減らすために、とにかく人数を確保してほしい。【高等学校】

日々の業務量の削減

業務精選。「した方が良いからやる」ということを削ぎ落として必要なことを考え直すことが必要だと思います。【小学校】

行事や雑務、地域との交流のためという名の段取り、広告等の配布物を減らしてくれさえすればもっと授業研究に費やすことができる。【小学校】

一斉指導から、個別最適化の自由進度学習等に移行することで、上記の課題は一気に良くなると考えています。しかし、全国学調や県独自の学力調査があり、その度に比べられる今の悲しき学校のシステムがあります。先生方は、変わらないとと葛藤しながらも、自分の学級の平均点が気になり、またチョークアンドトークの授業やテスト対策をしてしまっているように感じます。【小学校】

教職員間での役割分担や協力

・各クラス職員を二人体制にする。
・教員じゃなくてもできる仕事はやらないようにしていく。
・授業で使用した教材や指導方法を学校内で共有したり保存したりできるようにして、来年度の授業に活かすようなシステムをつくる。【小学校】

学年で授業プランやワークシート、資料などシェアすることで、時短できるので、気持ちよく協力し合える関係が大切だと思います。【小学校】

勤務時間内に他にやることが多すぎて、そこまで十分に手が回らないのが現状ではないでしょうか。本当は、同じ学年の先生だけでなく、いろんな先生と一緒に授業準備や教材研究ができればいいのにと思います。そのために、例えば専用の授業準備・教材研究部屋があるといいと思います。資料や材料がその部屋にあり、大きなテーブルがあって、そこですることができれば、コミュニケーションの場として、そこで相談しあい、教えてもらうこともできるのてはと思います。【小学校】

まとめ 

教材研究・授業準備の時間は正規の勤務時間内に(1日平均で)どれくらい取れていますか?という問いに対しては、小中学校教員の半数が「15分未満」、高等学校教員の半数が「30分未満」と回答。平日の勤務時間外では、小学校で22.6%、中学校で37.6%、高等学校で35.7%の教員が1時間以上を教材研究や授業準備に当てていることがわかりました。

休日においては、小学校で45.2%、中学校で56.3%、高等学校で35.7%の教員が1時間以上を教材研究や授業準備に当てていました。特に小【中学校】の教員は、休日にまとめて教材研究や授業準備の時間を確保する傾向があることがわかります。

勤務時間内に十分な教材研究や授業準備の時間を取れていると感じるか?という問いに対しては、全体の約9割の教員が「あまり取れていない」もしくは「全く取れていない」と回答。そのように感じている教員の割合は、高等学校、中学校、小学校の順で増加しています。

「多くの教員が教材研究や授業準備の時間が十分に取れていない」という事実は、授業の質の低下に繋がり、子どもへの学びの保障ができなくなることを意味しています。教員一人ひとりの回答を読むと、そのような現状への後ろめたさを感じることができます。その結果として、多くの教員がやむを得ず勤務時間外や休日に教材研究や授業準備の時間を確保している側面もあるのではないでしょうか。

教員が教材研究や授業準備の時間を十分に確保できるように、それぞれの学校や自治体で、必要な環境の整備が行われることを期待します。



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