学校をもっとよくするWebメディア

メガホン – School Voice Project

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各自治体や学校では、教職員の子育てを支援する育児休業や時短勤務などの制度があります。制度の活用法をわかりやすくまとめたパンフレットを作成するなど、子育てをしながら働きやすい環境づくりに力を入れる自治体もあります。

参考:子育て応援ハンドブック 京都府教育委員会

一方で、2021年夏に日本教職員組合が実施した調査では、教員の業務量の多さが明らかになりました。小中学校や高等学校教員の持ち帰り残業を含めた実質的な時間外労働の平均は、過労死ラインとされる月80時間を超えていることがわかりました。

教員の時間外労働 平均で過労死ライン超 “休憩0分”も 日教組 | NHKニュース【NHK】


このような状況の中、子育てをしながら働く教職員の方は十分に子どもとの時間を取れているのでしょうか。その実態と、働きやすい環境にしていくために必要なことを伺いました。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、子育てと仕事の両立についてアンケートを取りました。

■対象:全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員のうち、子育てを経験している方
■実施期間:2021年11月20日(土)〜12月12日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数:89件
(子どもの年齢が18歳未満の方:77件、子ども年齢が18歳以上の方:12件)
(男性:43件、女性:41件、その他:1件、回答しない:4件)

アンケート結果(子どもの年齢が18歳未満の方の意見)

設問1 子どもとの時間は十分にとれてる?

Q. 子育て真っ最中の教職員の方にお聞きします。(子どもが18歳未満)子どもとの時間は十分にとれていると感じますか?

※ 産休、育休、非常勤の方は除いています。

「取れている」「まあまあ取れている」を選択した方の主な理由

保育園の迎えがあるので、帰る時間が決まっているため。【小学校・男性】

できるだけ定時退勤をし、休日出勤もしないようにしているため。【小学校・女性】

学校の規模が大きい(児童数1000人弱)ため、補欠授業を組みやすく、子どもの学校行事への参加等もできています。【小学校・男性】

土日は職場に行かず、家で子どもと過ごすようにしている。その分、平日の帰宅時間は遅く、一緒に過ごす時間が十分ないまま就寝となる。【小学校・女性】

部活動を副顧問の立場で担当することができているから。【中学校・その他】

相当悩んだ末に部活動の休日勤務をなくしました(もちろん部員からの反発はありましたが)。休日はいっしょにいれる機会が増えました。来年度、育休を申請している(男性です)ので、来年度は時間がとれそうです。【中等教育学校・男性】

学校が人員的にまだ余裕がある学校なので、部活や部署の配慮をしていただき、繁忙期以外は夕方1時間の時短を週に何回かとれています。職場には男性でも時短取得されてる方がいます。【高等学校・女性】

高校の教員ですが、今年度は部員数0名の部活動の顧問になっている。【高等学校・男性】

「あまり取れていない」「全く取れていない」を選択した方の主な理由

平日はほとんど、同居の義両親に任せきりのため。十分一緒に過ごしている実感があるのは週末のみ。【小学校・女性】

朝早く出勤、帰宅は遅い。土日も教材研究や成績処理などをしているため、我が子と遊んでいる時間も仕事のことを考えている。【小学校・男性】

中学1年生息子と高校1年生娘。ゆっくり話を聞くことができていない。こちらも帰宅後バタバタしており、子ども達はゲームやスマホ。土日は部活があり、気持ちや時間にすれ違いが…。【小学校・女性】

平日は、保育園や児童クラブのお迎えが終了時間間際になり、自宅に着くのが夜遅くなってしまいます。休日が唯一、子どもと一緒にいられる時間ですが…疲労でついダラダラ過ごしてしまい、せっかくの子どもとの時間がすぐに過ぎさってしまいます。 最近はこれの繰り返しですね。【小学校・男性】

平日は18:30ギリギリの学童のお迎えに行き、夕飯までに入浴を済ませ、夕飯時に今日の話をすこーしして、気がついたら寝る時間。週末は習い事に付き添うなどして一緒に過ごすこともありますが、平日は疲れ具合によって、子どもに窮屈な思いをさせていると思います。【小学校・女性】

朝5時半に家を出て、8時に帰宅する事が珍しくありません。1日自分の子どもが起きている姿を見ない日もあります。そうした日が続いたある日の朝に、子どもから『次はお父さんいつ来るの?』と聞かれたときには非常に衝撃を受けました。それ以来、なるべく早く帰ることを心がけてはいても、なかなか難しく。平日早く帰った分、休日に学校に行って埋め合わせています。【小学校・男性】

まだ末っ子の子育て中ではありますが、これまでの3人の子育てを振り返って考えると「無我夢中」の一言に尽きます。
長男の幼児期は、頼れる親戚や友人もいない場所での子育てだったので、朝保育園が開くのを門の前に立って待ち、先生にお願いしたら学校に猛ダッシュ。帰りはいつも閉園時間に間に合うか間に合わないかで滑り込み。おたふく風邪で1週間休まねばならないときは、同じく教員の夫と交代に学校を休み、それでも足りないときやどうしても休めない急な発熱時にはやむを得ずシッターさんに頼みました。(これはかなり悩みますし勇気がいります。)
また学齢期には、我が子の運動会や参観日に行けないこともしばしば。疲れすぎて子どもの書類に目を通せず、提出物が出せずに恥をかかせてしまったことも多々あります。帰りは早くて7時。生徒指導が入ればさらに帰宅時間は下がり、手の込んだ食事を作ることも、ゆっくり子どもたちと会話する時間もなく、情けなさと申し訳なさに苛まれ仕事を辞めたくなることも多々ありました。教師も一人の人間です。余裕のある豊かな心で我が子や教え子たちの前に立てるようなシステムでなければと思います。【小学校・女性】

朝ご飯を一緒に食べられないのがつらいです。あと部活動の繁忙期は遠征で毎週末6時から17時まで活動し、それから仕事をして…という感じでした。【中学校・男性】

子どもとの時間は大切にしているつもりですが、子ども自身は帰る時間が遅いことが不満なようです。家でも教材準備等があり、「ながら子育て」という感じのときは多いです。【中学校・男性】

次女(5歳)に、出がけに「また来てね」と言われたことがある。先日絵に描かれたのは「またいっしょにくらせますように」 単身赴任はしていない。【高等学校・男性】

帰宅したら生きるための活動のみ。ご飯を食べさせてお風呂に入れて寝かすだけです。土日にたっぷり遊びますが、こちらも疲れているときもあり十分に遊んであげれないと、「ほんとごめん」という気持ちでいっぱいになります。【高等学校・女性】

育休中は宿題や時間割をチェックしてましたが、復帰してからはほぼほぼ放置です。忘れ物もあるようですが、親が手伝わなくても自己管理できるようになって成長を感じます。私が下の子の寝かしつけで寝落ちパターンが多く、上の子より先に寝てしまっています。お風呂を一緒に入って、5分~10分くらいですが、話を聴くようにしています。【高等学校・女性】

設問2 どうなればもっと働きやすい?

Q. 子育てをしながらの働き方として、こうであったら良いと思うことをお書きください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。

定時で退勤できるような業務量にしてほしい

授業や子どものことに関する仕事に集中できたらいいなと思う。会計や、設備点検などは、専任の方がいたらどんなにいいか、と思う。【小学校・女性】

とにかく定時に帰れること。時間にも心にも自分に余裕があると、子どもに向き合ったり、子どもと何かをやってみようと考えることができそうだから。【小学校・女性】

定時で退勤できるような業務量の見直しと適正化。勤務時間より前に児童が登校しない時程を全国的に広める。(子育て世代の朝は大切な我が子とふれあう時間)【小学校・女性】

担任をしていると、朝から帰るまでトイレに行く暇もないのが現状。また、個人情報保護の観点から、持ち帰りができない仕事が多く、事務仕事は放課後や朝にしかできない。しかし、子どもの送迎があるため残業ができず時間が取れない。週に数回でよいので、事務整理&教材研究に当てられるよう空きコマをつくって欲しい。帰ってからの家事育児含め、精神的にも体力的にも無理をしがちなので、体調を崩して病休をとるまでに追い詰められるケースも少なくない。リフレッシュ時間を確保できるのが当たり前の職場環境になってほしい。【小学校・女性】

子どもも大人も授業時数を減らし、平日にゆっくりする時間を設定する仕組みが欲しい。例えば午前中授業を設定して、午後からは友だちと遊んだり、探究活動をしたり、家でゆっくりしたり、図書館に行ったり、子どもたちが「やりたい」と思っていることができる時間をつくりたい。そのためには、国の膨れ上がった授業時数を削減したいです。子どもたちも本当に忙しく、隙間を見つけて友だちと遊ぶような状況。見ていて辛い。【小学校】

働き方改革としてたくさん変えていきたいところがあるが、今一番変えていきたい点は、自分の時間を確保することです。

1つ目は、朝の時間確保へ向けてこうなってほしい点
・登校時間をあと30分遅くする。→現状1番ハードルが高い。
・業務を補助するスタッフの配置。→非常勤の職員、時差出勤等。これもハードルが高い。
・担任の朝の書類チェックの緩和 →書類の電子化 。アプリの導入で管理を一元化。これが現状としては、1番実現化への道のりが近いように思います。

2つ目は、放課後の時間確保へ向けてこうなってほしい点
・下校時間15:00統一。→市内統一希望。現状各学校バラバラ。かなりハードルが高い。
・会議時間短縮→いろいろなツールを使って日頃から情報共有につとめる。現状タブレットの普及もあるので、かなり可能性が高い。
・下校時間厳守。→意外に過ぎることが多いかな…。1日5分の短縮が1週間では25分。1ヶ月では、100分近く時間を生み出すことができます。現在実行中。これは今すぐ実行できることですね。

時間があると心の余裕が生まれますね。これが時間確保で一番必要なこと。余裕がある中で、しっかりと業務に取り組んでいきたいです。【小学校・男性】

勤務時間内で、授業準備や校務分掌ができる時間的ゆとりがほしいです。こうしたい、という思いはあるものの、時間がなくていつも最低限のことで精一杯です。授業準備も、生徒理解も、校務分掌の仕事も、中途半端だなと感じ、働きがいを持てずにいます。現状、勤務時間外でしか授業準備の時間をとれません。【中学校・女性】

全日制勤務ですが、全日制の中で、前半勤務、後半勤務のように出退勤を2パターンに分ける。前半勤務の先生は主に担任業務、後半勤務の先生は主に分掌、部活動業務、と業務内容もわける。【中等教育学校・男性】

休みを取りやすくしてほしい

子どもの急病時や行事の時、補充の準備や後の丸つけなど、仕事を増やす状況なく、休めたら良い。また、誰かしらに迷惑がかかってしまう、という申し訳なさが心的負担になるので、そう思わなくて済むような環境、人手がほしい。【小学校・女性】

病気になった時、参観日、懇談会、たまには子育て休暇とかあって、気兼ねなく休める日があるといい。平日にもっと気持ちに余裕が持てる働き方ができるといい。毎日何かに追われているように感じます。【小学校・女性】

教員が休みを取るのは、長期休暇の期間という暗黙の了解がありますが。平日に当たり前に休みが取れるようになったらいいなと思います。学校の行事が多い時期、教員の仕事が増えるのもそうですが、自分の子どもの行事への参加も増え、ヘトヘトになります。【小学校・男性】

子育てをしている、していないに関わらず、定時退勤が当たり前にできる環境になってほしいです。そのためには、業務が減ること、人が増えること。子育て中に限ると、男性の育児休暇が一般的に取れるようになるといいです。育休は、制度としては取れるけど、講師がいないことや、担当する業務の引き継ぎが難しいことを考えると、なかなか育休を取ることは難しいです。【小学校・男性】

まずは職場における子育て世代に対する理解が必要です。「我が子の学校行事にはぜひ行っておいでよ。熱が出たら遠慮なく休みを取ってね。」と言い合える職場であってほしい。ただそのためには「私が休むと他の職員に迷惑(負担)をかけてしまう」という環境ではダメなので、交代してくれる人がいるという人的配置が必要だと思います。また、残業や持ち帰り仕事を減らすためにも、丸付けや印刷の支援など多種多様なヘルプ人材がいてくれると助かります。
現状では、5時以降の保護者からの電話も当たり前のように繋がれているので、よほど急ぐ内容でなければ翌日にしてもらうなどの配慮が必要かと思います。また職場の共通理解ももちろんですが、保護者の方々にもそういった協力を求める必要があると思います。(役所が業務を5時で終わるように)【小学校・女性】

子どもとの時間を取るために、参観や入学式や運動会などの行事があるときは、休みを取ることを当たり前にして欲しい。どんな時に誰が休みを取ってもいいような環境を整えて欲しい。【中学校】

日本人は仕事に取り憑かれていると思います。仕事のできる・できないで人を評価することは、まるで成績で子どもたちを評価しているのと同じような感じです。気軽に休める環境をつくることが、良い働き方の近道だと思います。(現在は、育休をとったり、自分の子どものことを配慮できることすら、優秀な人の要件になっている気がします。あんまり心地よくはありません)【中等教育学校・男性】

私は現在、育休中で、退職しようか悩んでいる。互助会の育休復帰セミナーを受けたら、4時に起きたり、夜中12時まで仕事をしている例が出てきた。欲張って二足の草鞋を選んでいるから、時間など更に欲張ってはいけないと言っていた。そんな働き方したくない。
私の周りでこの一年で3人育休明けで退職した。今まで見てきた先輩ママたちも休む時に本当に申し訳なさそうで、やりたいことはほとんどできないで、なんとか我慢して今を過ごしているように見えた。男性の育児のための時短はほぼ例を見ず、女性教員ばかりが苦しい思いをしていると思う。いろんな形を選んで働ける環境になってほしいと心から思う。朝の時短で1時間目に入れないと習熟度の他の先生にも皺寄せがいったり、朝の会議には参加できなかったりする。オーストラリアの学校では体調不良も含めて、休まなくてはいけない時、代わりの人が同じ内容で授業をしてくれた。カリキュラムや指導内容、教員の数など大きな変化も含めて変化していかないと、生き生きと子育てをしている姿を生徒達に見せることができないと心から感じている。私はこの春、やめてしまうかもしれない。【高等学校・女性】

時短、もしくは時差勤務が取れるようにしてほしい

希望する人が時短勤務を取れるようにしてほしいです。子どもが小さいときは、働く時間を短くしながら、子どもとかかわる時間を確保したいです。例えば、2人で1人分の仕事をすることが可能になれば、教師を一度辞めた人も働くことができるかもしれません。担任をするのであれば、副担任制にして、2人でクラスを見ることになれば、子どもの看護などの休暇が取りやすく働きやすくなると思います。【小学校・女性】

育児短時間勤務の制度が使える環境にしてほしいです。東京都には育児短時間勤務制度がありますが、小学校の教員は使うのは不可能と校長(教育委員会)や事業団の相談室から言われました。それだけでなく、時差出勤や時短勤務でさえ取るのが厳しい状況です。知り合いも時短勤務をしている先生は音楽の先生だけでした。しかも時短勤務の制度を知らない先生が大半です。子どもが小さいうちだけでも、子どもと一緒にいる時間が長く確保できる体制を早急に整えてほしいと思いました。【小学校・女性】

フレックス制が気軽に利用できる。子育て中でもそうでなくても、教える以外の仕事をなくして欲しい。朝はギリギリ駆け込んでいます。それでも校長にはもう少し早くきてと言われ、どうすればいいのかと思います。すべてがギリギリです。【中学校・女性】

幼児期の間は部活動の顧問をするかどうか、選ばせてほしいです。土曜保育に預けて部活動に行くのはお金もかかるし子ども負担をかけていて申し訳ない気持ちになります。子どもが小学校にあがっても4年生までは朝や夕方1時間減の時短をとれるようにしてほしいです。【高等学校・女性】

勤務校を選べるようにしてほしい

子ども(特に未就学児~小学生)を持つ教員の勤務地に対して、もう少し教育委員会の配慮があるとありがたい。自分の場合自宅及び保育園から学校まで車で30分近くかかるため、毎年自宅のある地域への異動希望を出し続けたが、全く通らないまま年長児になった。特に今年は夫も自分も中学3年生担当なので退勤が遅くなることが多く、子が情緒不安定になったり睡眠不足になることも増えている。【中学校・女性】

自分の子どもとの時間を持ちたいすべての教員が、勤務地や勤務時間帯の希望を通せるようになってほしいです。自宅近くの勤務校を希望した人が、なかなか希望を聞いてくれないということもありました。また、女性が時短や勤務地の希望がある場合は通りやすい一方、男性は通りにくいような気がしています。ジェンダーバイアスがあるのではないかと思いました。【高等学校・女性】

人員を増やしてほしい

育児のために時短勤務を選択する方がいるときには、育児加配のような人員が増えるとありがたい。増えた人員の方は専科のように授業や校務分掌を受け持つ役割とし、時短勤務の方の事務時間(空きコマ)を増やす。【小学校・男性】

休暇の制度があっても、代わりに自分の受け持ち業務(担任、授業、会議)を行う人がいない、またはいたとしても代わりの方の負担が増し、定時に仕事が終わらない状況があり、制度が使えません。また、準備が追い付かず、平日に休暇を取れば持ち帰って仕事をしたり、土日に学校にきて埋め合わせをする状況です。やはり、余裕をもって人を配置していただくのがいちばんの願いです。【中学校・男性】

職種上、多少残業はやむを得ない面もありますが、仕事が定時に終わることがほぼ皆無な状況なので、人員を増やして仕事を分散できればありがたいです。【中学校・男性】

子ども育てる一翼を担う学校現場なのに、子育てに不寛容な雰囲気がある。 人を増やし人的余裕があれば、若い方や子育てしていない方にばかり負担がいかないのではと思う。【高等学校・女性】

その他

職員連絡にもSNSの使用は認められていないので、そこをもう少し緩和してくれると、職員間の連絡を家に帰っても取ることができるので、朝の時間に忙しく確認したり、漏れの心配もないように思う。【中学校・男性】

夕方からの時間帯は育児に関われるように、勤務時間以降はリモートワークなどで事務作業や教材研究が校外でもできる環境が整えば良いのではないか。会議はリモートでの参加も選択肢にあるといいのではないか。【中学校・男性】

1 授業がプロジェクトベースのものが主流になっていくこと。教員がいないと授業が成り立たない状況から改善されるといいと思う。
2 オンラインによる会議や情報交換が一般化すること。突発的なトラブルがあっても情報交換がスムーズにいく環境整備が必要ではないかと思う。
3 子育て世代以外にしわ寄せがいく構図の解消。未婚や子育てが落ち着いた世代がカバーをしてくれているのが現状で、業務の偏りを作ってしまっている。
子育て世代のみをサポートするのではなくて、誰にとっても取りやすい風土や環境が必要だと思う。【中学校・男性】

アンケート結果(子どもの年齢が18歳以上の方の意見)

設問 子育て環境、よくなってる?

Q. 皆さんが子育て真っ最中の時期と比べて、今の学校は、子育てと仕事の両立がしやすい環境にあると思いますか?

「そう思う」「まあまあそう思う」を選択した方の主な理由

育児休業が3年取れるので、復帰のタイミングが調整しやすいと思います。また、周りに子育て世代の先生が多いため、妊娠や子育てに関するさまざまな権利についての情報が入るのもいいなと思います。ただ、休業に入るにあたり、代わりの先生が来ない可能性があるのは問題です。【小学校・女性】

うちの学校では若手の教員が子の看護のためにしょっちゅう休んだり、子の学校行事を優先したりしています。いい事だと思います。昔はできませんでした。教員のブラックさが一般の方にも知られるようになり、少しずつ理解が広がっているように感じます。この「フキダシ」のような取り組みを継続的に行い、さらに広く広報していくことが必要です。【小学校・男性】

かつては、子どもを産むということは、退職を意味することが、往々にしてありました。今は、男子の育休取得も可能となりました。まだまだだと言われればその通りですが、良くはなっています。問題は、制度のみではなく、所得がこの20年全く伸びていないことも両立しにくい要因ではないでしょうか。【小学校/中学校・男性】

「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を選択した方の主な理由

子育て休暇の制度は以前からありました。これは子育て中は大変助かる制度でした。ただ、教員の日々の仕事量の多さを考えると、今も15〜20年前も変わっていないと思います。帰りが遅い、又は、仕事を持ち帰る、ということは続いていると思います。【小学校・女性】

だんだん負担は増えています。少人数授業の担当教員が減ってきていること、いろいろな名目で所属していた教員がカットされていることがあるようです。来年度は、算数の少人数教員はいなくなるようです。教頭、教務がかなりの授業数をもっているため、職員室から人が消えるほどの教員不足を実感しています。子どものことで休みを取ることが難しくなっています。私が子育てをしていた頃は、もっと気楽に休めました。自習を組むだけでなく、授業を引き受けてもらえることもありました。「産むなら中学、育てるなら小学校」と教えられたほどです。【小学校・女性】

まとめ

18歳未満の子どもを持つ教職員で、子どもとの時間が「取れている」「まあまあ取れている」と回答した方は全体の4割弱。学校で担当業務の調整がなされているケースもありますが、「平日は7時過ぎには出勤して、全力で仕事をして定時過ぎには退勤をする」「相当悩んだ末に部活動の休日勤務をなくした」など、自身で調整している方もいました。

子どもとの時間が「あまり取れていない」「全く取れていない」と回答した方は、全体の6割強。「子どもに窮屈な思いをさせていると思う」「朝ご飯を一緒に食べられないのがつらい」「ゆっくり子どもたちと会話する時間もなく、情けなさと申し訳なさに苛まれ仕事を辞めたくなることも多々あった」など、子どもとの時間が十分に取れていないことへの後ろめたさを感じている方が少なくありませんでした。

子育てをしながらでも働きやすい環境をつくっていくために必要なこととして、1番多くあげられていたのは業務削減。業務量の多さに加え、事務作業や教材研究は児童生徒がいない時間帯に行うことが多く、定時で退勤することの難しさがあることがわかりました。また、休暇を取れる制度があったとしても、自身が休むことで他の教職員や児童生徒へのしわ寄せがいってしまうことを気にかけ、なかなか休みが取れないという声もありました。

18歳以上の子どもを持つ教職員からは、現在は男性の育児休暇の取得が可能となり、かつてより子育てはしやすくなったのではないかという声がありました。一方で、教員不足により、現代の方が休むことへの難しさがあるという意見も。

子育てをしながら働く教職員は、当然親としての顔も持っています。我が子と時間をともにし、じっくり向き合う時間を取ることは、多くの方が望んでいることだと思います。子育てをしながら余裕を持って働ける環境であることは、子育て中ではない教職員の方にとっても働きやすい環境です。

教職員が余裕を持って働ける環境をつくっていくことは、ゆくゆくは学校に来ている児童生徒にとっての過ごしやすい環境に繋がるのではないでしょうか。 



▼ 自由記述の回答一覧は、以下よりダウンロードしてご覧ください。 ▼

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※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」により、2021年7月時点で全国の公立小中学校の9割以上で1人1台のパソコンやタブレット端末の活用が始まりました。高等学校においては、約2割の学校で配布が完了しています。
※GIGAは、「Global and Innovation Gateway for All」の略称

端末の導入により学び方の広がりが期待される一方で、「通信環境が整っていない」「児童生徒への指導が難しい」など、活用の難しさを訴える声もあります。学校現場では、具体的にどのような課題を抱えているのでしょうか。

1人1台端末の利活用動向、44%の自治体「通信環境に課題」 | 教育業界ニュース「ReseEd(リシード)」
端末利活用状況等の実態調査 (令和3年7月末時点) 文部科学省より

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に、1人1台端末のトラブル・課題についてアンケートを取りました。

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2021年10月30日(土)〜11月21日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数 :51件

アンケート結果

Q. 現在各自治体において、コロナ禍を契機に「1人1台端末」環境の整備が前倒しで進んでいます。新しい取り組みにはトラブルや課題もつきものです。あなたの職場で起こっているトラブルや、現在見えてきている課題を教えてください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。

児童生徒への指導に難しさがある

情報リテラシーに関する教育が追い付かないです。また、便利であるがゆえに、重要な情報の漏洩が起こるのではと心配です。【小学校】

授業中子どもが勝手に、別タブ開いて、サイトを見ている。持ち帰りを毎日行っているが、充電忘れやそもそももってくるのを忘れ、いざというとき使えない子がいて、対応をいちいち変えないといけない。【小学校】

子どもたちが機械に操られてるような感覚があります。刺激的で中毒性が強く、さわっている間に声をかけても耳に入ってないか、空返事。いつも「目の前の気持ちや心がある人間よりも機械を優先させてるって怖くない?」という話をします。家庭でも、特に低、中学年の子たちは宿題や家族とのコミュニケーションそっちのけで、動画を見たり、タイピング練習をしたりで、取り上げると泣き叫んで手に負えないと言う話も保護者からあがっています。また、授業で使うときにも、教師や友だちの話を聴かなければいけないタイミングでつい端末を触ってしまう、気がついたらいじっているということがよくあります。せっかくの便利なツールですし、これからの社会では切っても切り離せないものだと思うので、ルールでがんじがらめにしたくはないのですが、なかなか自制できない子どもたちの姿を見ると、どうしたものかと日々考えさせられます。【小学校】

生徒によって基礎知識に隔たりがあります。すでに知っている生徒と、何もかもわからない生徒が混在しており、指導が難しいです。【中学校】

iPadの使い方。教育関係のアプリを取れるようにしているが、生徒たちはゲーム感覚でできるものを常にやっている。学校での生のコミュニケーションが減っていく怖れを感じている。また、アプリに夢中で、切り替えが出来ず、授業やその他の活動に支障が出ている。【中学校】

端末の充電。私自身はまだ授業で使用できていないが、先行して積極的に導入している教員から、先日担任に向けて「生徒に自宅または空いている時間に充電しておくようにご指導ください」というお願いがあった。今後、さらに授業で導入されることが増えると、より頻繁にこのようなことが起こると予想される。端末の充電のない生徒にとっては授業の進行が止まるし、充電するように呼びかける担任の負担もあるし、教室で充電するとしてもコンセントが足りない。携帯の充電のように充電することに対して生徒自身が習慣化できれば、ある程度は解決できると思うが、突発的な充電トラブルは今後も頻発すると思う。【高等学校】

教職員間での知識・技術・考え方のギャップ

・一人一台端末について管理職があまり理解しておらず、やりたいことを説明しても「少しでも問題が起きそうならやめといた方がいい。」「やりたいことがあるなら学校全体で揃えてやらないと。」のような感じであしらわれ、全く進む気配がない。
・年度当初に大した準備もできないまま急ピッチで端末が配られた。教育委員会や管理職からは、「このように使っていきましょう。」等の活用方法の指導はなく、ほぼ教諭に丸投げのような状態。しかし、何か新しいことをやろうとすると、「それはやめといた方がいいよ。」と否定してくることが多い。
・他の先生がどんな感じで端末を使っているのか、共有する機会がない。個人的に聞くことはあるが、新しい発見などはあまりない(どちらかというと自分から発信していることの方が多い)。【小学校】

1人1台端末が導入されて、今までに学校の中で起こらなかったトラブルが起こっています。例えば授業中にタブレットで関係のないことをしたり、性的な画像を見たり、ゲームをしたり、といったことが挙げられます。しかし、そのようなトラブルが課題というよりも、そういったトラブルへの対応の仕方に課題があると感じています。例えば勤務校では、トラブルが起こる度に禁止事項が増えていっています。教職員としては、トラブルが起こっては困るから、禁止事項を増やすのでしょうが、しかしそれだとその行為がなぜダメなのを考える機会が失われてしまいます。とは言え、禁止事項で対応する教職員の方々は、トラブルが起こってはいけないという気持ちで禁止事項を増やしているのだと思います。このバランスが非常に難しいと感じています。【小学校】

教師の研修体制やその時間の確保が不十分。力量の差。【中学校】

教員のスキル不足で、授業でタブレットを使っている教科はほんの少しである。【中学校】

教員の方が端末を使いこなせない。生徒の方が上手に使い、遊び道具としての使い方を見つける。それを教員が見て、それなら使うの禁止だ!となってしまう。本来は問題が見えてきた際に、どう使うべきかを指導するべきだとか、マナーモラル等の指導をすべきだと思う。自分達が分からないために使用禁止にしてしまえば取り組みが無駄に終わるだけでなく、学校だけ時代遅れのようになってしまう。【中学校】

教員のICTスキルに差があり、スキルが乏しい教員にとっては負担である。【高等学校】

高校ですが10月中旬に生徒に1人一台Chromebookが「貸し出し」されました。うちの職場でまず話題になったのは、生徒用の端末はYouTube、Google Earth、Googleマップが実は見れないこと。(一方でニコニコ動画は見ることができるらしい)
府の方からデフォルトで規制をかけたらしく学校から要望があれば規制解除はできるらしい。私個人としてはYouTubeを使用して授業をすることもあるし、関連する動画を生徒が見つけてくることも期待している(勿論、著作権や人権侵害にあたる動画も溢れていることは承知している)。しかし、本校の多くの教員は「規制を解除すると休み時間に学校の端末や回線でYouTubeを見て過ごす生徒が増える」「そもそも解除の必要性があるのか」などと最初から規制をかける反対意見が多く運営会議でも解除する意見は私含めてごく少数だった。解除もスグにできるらしいということから、規制はかけたままになってしまった。一斉休業に入った後では遅いと思うのだけれど。他の自治体はこのように規制をかけているのか知りたいです。【高等学校】

教員の業務に偏りがある

職員の中では「端末利用の推進」「端末の管理」「そもそもの操作方法」等を一部の人間がまとめて担っている。【小学校】

担任をしている教員がICT担当をしているため、非常に多忙。負担が偏っている。市内にはタブレット配付後の人員加配が1人も無い。各校が今いる人員だけでやりくりしている為、ICTに詳しい教員がいない学校は四苦八苦している。配るだけ配って、最初の説明会だけで「後は自分達だけでなんとかしろ」といった扱い。国はもちろん県や市も何も対策を取ってくれない。【小学校】

情報担当の先生への負担が大きすぎる。現在ICT関連の委員会を設定して各学年から課題を吸い上げられるよう急遽組織化したが、主担への負担軽減にはなっておらず難しい面がある。また外部職員の方が来てくれるのはありがたいが、やはり普段子ども達に授業をしている訳では無く、時間割の都合などもあって小学校では授業に入り込んでサポートしてもらうということが難しい。【小学校】

端末管理のために教員の負担が増える(例えば、端末のセットアップやネットワークへの接続など)。そうかといって新たに分掌が増設されるようなことは聞こえてこず、これまでの業務に加えてさらにICT業務が増えることになる。専門の職員を配置すべきではないか。【高等学校】

県立学校では1人1台に対する「予算」がないため、学校に専用回線を引き、個人所有ののスマホやタブレットを利用するBYODを導入した。接続認証に伴う設定作業は授業等も普通に担当する教員。県から操作マニュアル等は送付されているが、なかなか一筋縄でいかない場合も多く、その対応に追われることも多い。【高等学校】

通信環境が整っていない

WiFiの速度が遅く、クラス全員でインターネットを使用すると、何人かは繋がりません。1人1台のはずなのに、全員が使えません。【小学校】

勤務校では2学期より端末の持ち帰りが始まり、家庭学習をタブレットで出しているのですが、10月より学校ではつながるのに家庭ではつながらない案件が頻出しており、個別対応に奔走させられています。【小学校】

・Wi-Fi環境が整っていないためフリーズする端末がある。
・端末が上手く作動しないことを想定して準備する必要があり、手間がかかることもある。【中学校】

ネットワークの回線が重たく、有効なコンテンツやソフトを使おうと思ってもクラスで全員が開くと数名は使えない状態が発生する。【中学校】

タブレットは300台ほどあるが、40〜50台ネットワークにつなぐと、ほとんど回線がパンク状態である。【高等学校】

端末への規制やフィルタリングにより、できることが限られている

セキュリティがかかって、自治体も想定外なトラブルが起きている。例えば、なぜかアプリをインストールできない。OSアップデートができないなど。端末破損のトラブルも生じている。弁償は学校判断で行うとか、そんな基準おかしくないですか。全市同一基準でやらないと、毎回、判断に時間が取られて困る。【小学校】

使用するアプリについて、有料の物は市として導入することは無いと回答されました。ロイロノートや、ドリル教材等、他の自治体では導入されている物もある中、なぜうちの自治体は…と思ってしまいます。【小学校】

勤務市ではiPadを導入しています。しかし,市の管理するアプリのアップデートにより不必要なフィルターがかけられ,iPad最大の特徴の一つであるairdropが使用できなくなったり,ゲーム感覚で学べるホームページが軒並みブロックされたりしました。また,keynoteなどのAppleのアプリにはログインできず,市で契約しているschooltakt以外での操作がしづらくなっており,通信環境にないときの活用が難しくなっています。【小学校】

配布されたタブレットは規制が強く、youtubeなどが視聴できない。結局、教員用で再生して、黒板に映写してみんなで見ることになってしまう。【高等学校】

家庭や児童生徒への負担がある

学校に充電設備がなく、子どもたちは毎日登下校の際持ち歩いている。小さい子にとっては重たさが負担になるし、全てのクラスが毎日端末を使っているというわけでは無いような気がする。【小学校】

生徒が自身で端末を購入することになるため生徒への金銭的負担が大きい。ちなみに、本校では約7万円の予定。【高等学校】

経済的負担が大きい。特に定時制、通信制高校では困窮家庭の生徒が多く、高額なタブレットを購入させるのは難しい。【高等学校】

タブレットは各自で充電してくることになっているため、ほぼ毎日持ち帰らすことになるが、教科書や弁当を含むと生徒の荷物は重くなる一方になっている。またどの授業で使うかわからないので、ちゃんと持ってこない生徒も少なからずいて、使いたい時に使えない。毎日どの授業でも活用するとするなら、毎日持って帰らせ、充電させ、持ってこさせ、移動教室の時も持参させることを徹底しないといけない。教科書もすべて電子化されると荷物も減るが、今はただタブレットが荷物になっている感が強い。【高等学校】

端末が不足している

児童の端末は整備されましたが、教員用は数が足りません。児童が落として画面が割れてしまったものを、教員用として使うことを教育委員会から指示されました。【小学校】

・学校から端末を貸与しているが、故障した際の予備機がなく、その児童の端末がない状態になっている。また、メーカー側での修理にも非常に時間がかかり、戻ってくるのに二ヶ月はかかっている。
・自治体から予算をつけてもらえないので、教員が一人一台端末を持っていない。そのため、校務で使うこともできず、活用したくてもできない。
・Wi-Fiモデルしか確保されなかったため、家庭に持ち帰っても使えない家庭がある。また、ルータの貸し出しも遅れている上に数が少なすぎて運用できそうにない。
・とにかく、自治体からお金がないからどうにもならないと言われることが多すぎる。道具すら揃わないのにどうやって進めろというのでしょうか…。【小学校】

教員用のPCがない。生徒はタブレット配付。教員も同じタブレットは配られているが、「教員一人一台のPC」はない(予算の問題)。職員室には2~3台の共有PCはあるが、それでは仕事にならないので、みなポケットマネーでPCを買って仕事をせざるを得ない。【中学校/高等学校】

まとめ

1人1台端末のトラブルや課題として最も多くあげられていたのが、「トラブルへの対応や指導の難しさ」でした。夢中になれるようなコンテンツが揃っているからこそ、目の前の人とのコミュニケーションが疎かになってしまったり、不必要なサイトやアプリを開いてしまうケースがあるようです。

それに対して、「(ICT機器は)これからの社会では切っても切り離せないもの。ルールでがんじがらめにしたくはない」という考えを持ちつつ、「なかなか自制できない子どもたちの姿を見ると、どうしたものかと日々考えさせられる」「禁止事項を増やすだけだと、その行為がなぜダメなのを考える機会が失われてしまう」などの葛藤があることも伺えました。

端末への規制がかかっていることで、YouTubeの視聴やアプリのダウンロードができない学校もあります。生徒個人での動画視聴ができないため、「結局、教員用の端末で再生して、黒板に映写してみんなで見ることになる」という現状もあるようです。

その他、教員間での業務の偏りや通信環境の不備、家庭や児童生徒への負担など、さまざまな意見が集まりました。児童生徒の現状を踏まえた上で、これからの時代に合った学びについて、それぞれの学校で議論が進んでいくことを願います。



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※メディア関係者の皆様へ
すでに公開されている教職員アンケート結果やWEBメディアの記事の内容等は報道の際に使用いただいて構いません。その際は【出典:NPO法人School Voice Project 】クレジットを入れていただき、事後でも結構ですのでご一報ください。

新型コロナウイルスが流行してまもなく2年が経とうとしています。感染状況に応じて、学校現場では一斉休校や分散登校などの対応をしてきました。

その影響として、学習の遅れや学力格差の拡大などの課題が指摘されています。一方で、大きな変化を余儀なくされたことにより、学校教育のあり方を見直す機会になったという声もあります。学校現場で働く教職員の方は、どのようなことを感じているのでしょうか。

アンケートの概要

School Voice Project では、WEBアンケートサイト「フキダシ」に登録する教職員の方を対象に「コロナ禍における学校の変化の中で、よかったこと」についてアンケートを取りました。

■対象  :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2021年10月16日(土)〜11月7日(日)
■実施方法:インターネット調査
■回答数 :30件

アンケート結果

Q. 新型コロナウイルスの出現によって、感染対策等のために、学校現場はさまざまな変化や従来とは異なる対応を余儀なくされました。たくさんある変化したことの中で、「よかったこと/コロナ以後も継続したいこと」と、その理由を教えてください。

※全回答の中から抜粋して掲載しています。

学校行事や部活動が縮小されたこと

行事の見直しによる児童の学校生活のゆとりと教員の業務時間短縮。【小学校】

運動会の開会式・閉会式の入退場が無くなり、そのための朝早くの練習も無くなった。【小学校】

学校行事が見直されたこと。必要最小限になったことで、授業時間の確保ができた。【小学校】

運動会の規模縮小。特別支援学級児童にとっては、人の多い空間で長く時間を拘束されることがとても厳しかったが、規模縮小により、参加できることが増えた。演技の時間も短くなり、練習自体も負担が軽くなった。競技の工夫により、組体操で人との接触がないのも、感覚過敏のある児童にとっては救いだった。【小学校】

行事が問答無用で精選され、その分の業務が減ったこと。とはいえ、減った分はコロナ対応で別で忙しかったりはするのですが…。ただ恐ろしいことに、コロナが少し落ち着いただけでも元の行事内容に戻すべきという動きが強いので、維持できるかは怪しいところです。【小学校】

行事の精選。密を避けるために行事が中止になり残念な部分もあったが、準備等がなくなり授業準備に時間をかけられるようになった。コロナ禍でも行事の必要性をもう一度考え必要な行事は残し、そうでないのは形を変えたり無くしたりして教員の負担感をなくしてほしい。【小学校】

運動会の規模を縮小し、学年ごとに行うことになりました。競技数も絞られ、練習の時数も大幅にカットされたと思います。学習との両立ができます。保護者も席取りや、お昼のお弁当もなく、自分の子どもが出るときだけ見られるのでよいと思います。お弁当は朝から用意するのに、雨天だと順延になるので本当に大変だと思います。【小学校】

行事の簡略化と部活動の縮小は、よかったと、私は思います。理由は、時間に余裕が生まれるからです。その分、目の前の子どもたちに寄り添う時間に当てることができました。なにより、自分自身、心もからだも負担が減った気がします。また、行事等は前例踏襲でしたが、「新たな方法を自分たちで考えざるを得ない状況」になりました。これは、苦しいこともありますが、「失敗してもいいから、やってみよう」という雰囲気につながり、挑戦がしやすくなりましました。教員自身が、挑戦しやすい雰囲気のある職場づくりは、これからも続けてほしいと私は思います。【小学校】

部活動の活動日数が減った。県や自治体からの要請があったとき、1ヶ月部活動禁止になりました。放課後は自分の教材研究の時間にあてることができ、充実した1ヶ月になりました。子どもたちも喜んでいました。「生徒たちは部活動をやりたい」「生徒のために、早く部活動を再開してあげたい」というのは、教師の傲慢な考えであり、ほとんどの生徒は休みが必要だと感じていることがよく分かりました。【中学校】

部活動が縮小されたこと
→勤務校はもともと部活動はそこまで過熱してはいませんでしたが、コロナ禍によって規模が縮小し、教員の勤務時間内に終わるようになりました。教員は超過勤務の要因が減り、生徒は学業との両立がしやすいこの現状を今後も維持したいです。【高等学校】

部活動の時間が制限されたこと。吹奏楽部の顧問だが土日の部活がなく平日も定時で終われたので付き添いの先生を探さなくてよかった。また、コンクールも以前は結果発表までずっと残っていないといけなかったが、WEB発表になったので、必要以上に残らずに済んでよくなった。味気ないかもしれないが拘束時間が減ることは嬉しい。
一方で、部活の本番がなくなったツケは今後やってくる。たとえば、本番の動きは今の学年は非常に要領が悪い。理由は経験則がないからだと思われる。生徒同士で継承していくものが途切れるのは部活の運営上、顧問が苦労する場面が増えるのでその意味では非常に遺恨を残すことだと思う。【高等学校】

ICT環境が整ったこと

長期欠席の子へのオンラインでの学習補助。【小学校】

オンライン学習による児童の選択の幅が広がり。【小学校】

ICTの整備が、不十分とはいえ進み、在宅の児童生徒と話ができる環境に少し近づいたこと。実際に、登校が難しい児童とオンライン授業を行うことができました。学習内容はともかく、お互い顔を見て、想いを伝えやすい環境になったのはとても良いと思っています。【小学校】

全校で集まる集会がなくなり、オンライン集会になったので、移動時間が節約された。【小学校】

ICTの活用の推進。「紙の連絡帳」の減少。「無理に教室で学ぶ必要はない」ことへの理解。【小学校】

遅々としてではありますが、ICTの導入と、それに伴う個に応じた学習の支援が進みました。【中学校】

ICT活用が進んだことで、個別最適な学びを実現しやすくなった。【高等学校】

・オンライン授業に必要な事柄が、ハード(物品・インフラ等)、ソフト(制度、生徒・保護者・先生方の理解等)共に整ったこと
・平常時の授業についても欠席者等に向けて授業のオンライン(アーカイブ)配信が可能になったこと【高等学校】

ICT環境の整備
→オンライン授業を余儀なくされ、一人一台のタブレットPCが貸与されました。結果、対面授業が復活した後も、学校を休んだ生徒のために授業をZoom中継したり、GoogleFormsを使って部活動や行事の出席希望を取るなどして紙の消費を減らしたりすることが可能になりました。こうしたオンラインの便利な点を今後も活用し、業務の効率化を図っていきたいです。【高等学校】

生活習慣やルールが変化したこと

手洗い、うがいの習慣。
最低限出来ること、として行事を組み立てる、それについて考える学校運営。【小学校】

マスクの色指定や、防寒着の教室内での着用などの学校のルールの見直しが行われたことです。これらのことはよいきっかけにして「このルールほんとに必要?」と考えることを続けていきたいです。【中学校】

休みやすくなった。微熱や風邪症状がある場合、登校を控えるよう自治体から通知がありました。(出席停止扱い)今までは微熱や軽度な風邪症状では、早退させることもなかったし、家族も学校に登校させていました。毎日学校に何としても行かなければいけないという考え方から脱出できるのではないかと思います。そして、できれば私たち教師ももっと休みやすい社会になればいいなと思います。(そのためには、教師の働き方を変えなければいけませんが。現状、休むと周りへの負担が大きすぎる)【中学校】

分散登校をしたときは、少人数で落ち着いて授業できました。普段は荒れている学校ですが、子どもたちも穏やかに過ごしていました。【中学校/特別支援学校】

・黙食。給食中に喋っていて時間に間に合わなかった生徒への指導がなくなった。
・完食指導の撤廃。残菜がでるのはもったいないが、気持ちにゆとりをもって子どもも私も食べられている。【中学校】

働き方や研修が変化したこと

時短になって、午後に教材研究ができたこと 【小学校】

対面で集まる意味のない講義型の研修のオンライン実施。【小学校】

出張がオンラインになったことによる出張旅費・移動時間削減。【小学校】

顔を合わせてやる必要があるかわからない会議、打ち合わせの減少。【小学校】

同じ学校法人内にある別の学校との会議がオンラインで済むようになった。以前は車で片道1時間かけて集まっていた。かなり負担の軽減になった。資料も紙だったものがドライブでの共有になって便利になった。ただ他校園の教員との関係が薄くなってしまった気もする。【小学校】

日課の変更。緊急事態宣言発令中は、児童をできるだけ早く下校させる目的で、日課が変更になった(通常は45分のところを40分授業に、朝学習の削除や休み時間の短縮)。児童の下校が早い分、放課後の時間が1時間増え、職員も早く帰ることができた。子育てをしている先生は定時で帰られるため、放課後の短い時間ではなかなか小さな打ち合わせができないことが多かった。放課後の時間が長いと話し合う機会も増え、充実していた。1コマあたりの授業時間が短くなることを心配する保護者もいたが、児童の集中力を考えると、40分授業で、早く帰れる方が子どもも大人もハッピーだった。【小学校】

研修が簡易化された。無駄な研修、無駄な準備が多かったので、研修が簡易化され、私たち教員の負担が減った気がします。オンラインでも何とかなる。【中学校】

・社会的にオンライン交流への抵抗が薄くなったため、他校や他団体とのオンライン交流が盛んになったこと
・以前は出張で対応していた研修等の業務が一部オンライン可となり、移動時間が削減されたこと 【高等学校】

その他

コロナ前に全て戻すことは考え直した方がいいし、コロナによって、いろいろなことが見直されたことは良いことだと思う。でも、「コロナによって従来と異なる対応が良かった。今後も継続したい」と、判断するのは、今の段階では難しい。ただ、教師の都合だけで判断したくない。子どもの思いに寄り添って、判断したい。【小学校】

親として教師として強く感じる事は、PTAや地域活動が減少した事です。コロナ前はP(Parent:保護者)としてもT(Teacher:教員)としてもとんでもない負担だったので、このまま少なく必要最低限の事のみで良いと思います。【中学校】

行事の大切さがわかったことです。行事による非日常感、学期のメリハリなど、行事によって学校のリズムがあるのだと感じました。遠足など行事がなく、友人の繋がりも薄く、不登校、中途退学など、しんどい子ほど学びとのつながりが断たれた2年間だと思います。【高等学校】

まとめ

最も意見が多かったのは、「学校行事や部活動が縮小されたこと」でした。特に、小学校では学校行事、中学校や高等学校では部活動についての意見が多くあがっています。これまで行ってきた行事や部活動が縮小されたことによって、教職員の負担が減っただけではなく、児童生徒や保護者にも余裕が生まれたようです。一方で、対面での関わりが減ったことで「行事や集団生活の大切さを実感した」という意見もありました。

新型コロナウイルス感染予防への取り組みによる影響は、学習面だけではなく学校生活や児童生徒の暮らしにまで及びます。当然さまざまな側面があり、短期的に見たときと長期的に見たときでもメリットやデメリットは変化してくるでしょう。

今年9月には School Voice Project で、デルタ株感染拡大下の学校現場での”オンライン/ハイブリッド授業”の現状についてのアンケートを取りました。こちらも合わせてご覧ください。

https://note.com/schoolvoice_pj/n/nea46a2002c25

今後も引き続き、感染予防への対応をしながら学校運営を続けていく必要があります。全国の学校で、児童生徒や教職員の安全を守りつつ、学びの保障を第一に考えた意思決定がなされてほしいと思います。



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